2009年1月26日 (月)

休憩中にも…

20090126122611

 岡山医療生協労組の
 春闘学習会は今週も続きます。
 今日も2ラウンド。20数名の参加。

 あいだの20分間の休憩中に、
 来週の講座の準備学習。
 かなーり追いつめられてます。
 日頃の努力不足のツケですけど。
 がんばりまっす。






| | コメント (0)

2009年1月25日 (日)

初めてのつながり

金曜日(23日)は、18時から、
林精研労組の青年部の学習会に。
2月に広島の原爆の碑めぐりに行くそうで、
そのプレ学習会でした。


20090123175429_2 
 参加は4名でしたが、
 林の青年部でお話をするのは初めて。
 貴重なつながりができたと思います。


1人ひとりにおきたこと-原爆と被爆者への想像力
ということで、約50分、話をさせていただきました。

内容は、以前、倉敷医療生協労組の「みんなの学校」で
話したものをベースにしました(
こちら)。

学習会後、40分ほど感想交流しましたが、
やはり、被爆者の「心の傷」の話や、
爆心直下となった島外科の話、
医療従事者にとってのこの問題への接近の仕方などが
印象に残ったようであります。

あと、なにより平和運動は「継続することが大事」
ということも強調しました。


今後、学習会や企画も積極的にやっていこうという
話にもなり、少しでも力になれたのかなと思いますcherry





| | コメント (5)

2009年1月22日 (木)

この怒りを総選挙に

20090122122043


 
きょう(22日)の春闘学習会は、
 2ラウンドで約60名の参加。






始まるまえ、「長久さん、総社でも派遣労働者が
凍死してますよ」と、ある人に教えてもらう。
知りませんでした…(帰って調べて確認)。

企業と政治の罪はあまりに、あまりに重い。
社会的殺人といえる。人道にたいする罪である。

現実の深刻さにうちのめされる。
…この怒りを総選挙に!




| | コメント (0)

やっぱりYes We Can!?

きのう(21日)の晩は、福祉保育労岡山支部の
執行委員会
へ。いつもの学習会でした。
会場は岡山市のA保育園。参加は8名でした。


20090121191501 

 保育園といえば!
 やはり絵本がたくさん。
 
 おー宝の山だ。





20090121191910_2
 きのうは、A保育園の方が、
 なんと、あったかいお蕎麦を
 つくってくれていました。

 組合といえば、お弁当、という
 イメージが強いだけに、
 こうした手づくり料理は、
 心も体もあったまりました。

 野菜もたっぷりで、
 おいしかったですhappy02



学習会は、「2009年、チェンジのとき」という題で、
まあ岡山医療生協労組の春闘学習会の内容と
8割かぶっていましたが、
今すすめられようとしている、保育制度の大改悪
(直接契約制度、最低基準の引き下げなど)に
ついてもふれながら、
「構造改革路線」のゆきづまりと保育とのかかわりも
話をしてみました。

さいごはやっぱり、
「私たちの『夜明け』は必ずくる!-Yes We Can!」
でしめてみました(笑)

学習会あとの感想交流や議論を聞いていても、
数年前とは大きく変わってきた姿勢があります。
それは、
「職場だけの狭いところにとこまらず、どんどん外へ出ていこう」
「組合のない職場で働く仲間のことも視野に入れて」
ということです。

たいへんなお仕事のなかでのがんばりに、本当に励まされます。
今後の前進に期待大です。




| | コメント (0)

2009年1月21日 (水)

まだまだ

20090121124151
 今日(21日)は3ラウンドで
 約80名の参加。

 まだまだ先は長いpig

 オバマさんの就任式の
 話題なども入れてみました。




| | コメント (0)

資料の効果ありか?

きのう(20日)も岡山医療生協労組の
昼休み春闘学習会に。

20090120124326 2ラウンド行い、約60名。
 今年は昨年より資料を
 多くしてみました。
 お昼休みのあわただしい中の
 学習会なので、あとで見返しても
 勉強できるようなものにと思って。
 みなさん結構見ていてくれている
 様子です。うふふ。



最近、体の疲れがたまっている感じで、
講師活動も綱渡り状態sweat01
こういうときには野菜をひたすら食べようと、
相方につくってもらった野菜スープを
朝晩必ず食べています。あと睡眠の絶対確保。
いまへたばるわけにはいかないのであります。




| | コメント (0)

2009年1月20日 (火)

今年もはじまった

きのう(19日)から、岡山医療生協労組の
昼休み春闘学習会
がはじまりました。

今週と来週は、28日をのぞいて平日昼間は
毎日学習会です。たいへんだー。
2月も何回か行かねばならないようです。


20090119114252_3
 きのうは、30分の学習会を
 3ラウンド。
 入れかわり立ち代わり、
 合計で約70名ほどだったでしょうか。
 おつかさまです。



09春闘-いま、チェンジのとき」と題して、
春闘をめぐる情勢と、課題について話をしています。

やはり春闘の勝負どころは、どれだけ
現場の切実な「生の声」「痛みの声」を
多くの人に届けられるか。
それは現場にいる人にしかできないことです。


医療崩壊、介護崩壊の「危機」が叫ばれている今だからこそ、
「Yes We Can!」の精神で、
課題に突進していってほしいと思います。


そういえば、今日はオバマさんの就任式だなぁ。
アメリカも、変わらざるをえない、時代です。




| | コメント (0)

2009年1月15日 (木)

日常活動について

きのう(14日)は、18時から、
岡山医療生協労組の執行委員会前段学習会。

30分ほどで、労働組合の日常活動というテーマで
話をしてきました。
まあようするに、日々の地道な諸活動の総体の
ことを「日常活動」というわけですが。

職場での相談活動、要求討議、
定期的な会議、機関紙やニュースの発行、
専門部の確立、学習教育活動、
などなど・・・。

とくに、機関紙の重要性についてのことろが、
興味深かったようでありましたshine
県内でも、自治労連の各市職労は日刊で
ニュースが出ていて、そんなことも紹介したので。




| | コメント (0)

2009年1月 8日 (木)

09年春闘の情勢

きのうは、18時から、岡山医療生協労組の
執行委員会
の前段学習会。
30分間、「09年春闘をめぐる情勢」を話しました。


20090107181348
 始まる前の風景。
 まだ人がいない。




今年の春闘は、なんといっても国政をめぐっての
たたかいと深く結びついたものになります。
第2次補正予算、09年度予算、
派遣法改正、後期高齢者医療制度、介護保険見直しなど、
大きなたたかいが目白押しです。

そうした情勢のなか、たたかいを前進させるポイントは、
やはり「当事者の生の声」「切実な思い」をどれだけ
政治家や行政、マスコミ、そして市民に届けられるか、
ということではないか、と強調しました。

さまざまな違いを乗り越えて、幅広い共同をどれだけ
構築できるか。
医療崩壊、医師・看護師不足、介護・福祉分野の充実は、
外交とか税制に比べて、一致できる幅が大きいと思います。

医療や福祉の現場の「生の声」を多くの人に届けると同時に、
多くの国民・労働者の「痛みの声」を聞き取る春闘にしよう、
と呼びかけました。



あと、話のなかでも少しふれたのですが、
三菱自動車水島製作所が、さらに大規模な「非正規切り」を
行なうと昨日発表しました。

今日の山陽新聞から。
(朝日新聞でも1面トップの報道でした)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

三菱自水島、900人以上新たに削減

乗用車ラインの夜勤を廃止し生産縮小


 
三菱自動車(東京)の主力生産拠点、水島製作所(倉敷市
水島海岸通)が派遣・期間従業員900人以上を新たに削減
することが7日、分かった。世界的な販売不振による生産縮
小を受け、昨年12月末までに契約更新しなかった約250人
を含め1000人を超える人員削減に踏み切る。
 
同社によると、2本ある同製作所乗用車ラインで午後4時4
5分
―午前1時45分の夜勤をなくし、午前6時半―午後3時
半の1勤務体制に絞るのに伴い、乗用車担当の非正規従業
員らの契約更新を3月末までに順次打ち切る。減産対応で停
止中の乗用車ラインが今年初稼働する12日から運用する。
 
現時点で約1150人いる非正規従業員の大半が削減され
る見込み

 
同製作所は「急激な販売の落ち込みに対応するため人員削
減せざるを得ないが、配置転換なども検討して削減幅を小さく
する努力を続ける」としている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


たしかに、三菱自動車の経営は他の自動車会社にくらべると、
厳しいものがある(それは労働者の責任ではないが)。
「2009年国民春闘白書」(学習の友社)で、内部留保を見ると、
自動車関連ではただ1社だけ、マイナスとなっていた。
ただ、08年3月決算では、857億円の経常利益となっている。
非正規労働者を今すぐ首きりしなければならない状況なのだろうか。
ほんとうに、最後の最後の、最後の手段、とは思えない。

さらに、こうした「非正規切り」は、残った正社員の
モチベーションを間違いなく低下させる。
企業としての社会的責任も放棄すれば、長い目でみても、
かならずその企業は衰退すると思う。

そして、水島関連の大企業の減産は、地域の下請け企業に
もろに影響している。

私の知り合いの女性が事務職として勤めている、
ある金属部品関係の会社では、昨年秋から仕事が激減し、
その彼女は、「掃除ばかりしている」と行っていた。
しかし、従業員の生活を守るために、その会社の社長は、
自宅を担保に借金をして、「これで1年半は従業員の
賃金はなんとかする」と歯をくいしばってがんばっているそうだ。
そしてその社長は無給で働いている。

大企業の経営者は、中小企業のこうした
「従業員の生活を守る努力」を真摯に受けとめてほしい。

半年のあいだに、1000人以上が首をきられるなんて、
ほんとうに許せない。
また、三菱の労働組合はなにをやっているのだろうか。

雇用問題は、25日投票の倉敷市議選の
最大の争点のひとつになる、と思う。


09年春闘は、かつてない情勢のもとで、
たたかわれる。



| | コメント (0)

2008年12月28日 (日)

主要政党をくらべる

金曜日(26日)は、民青同盟岡山県委員会での
総選挙学習会2回目。

この日のテーマは、「
主要政党の政策と実績」でした。

20081226202727
 参加は前回と同じく5名。
 しかし、メンバーは
 3人が新しい参加者。


なかなか短時間では話せないテーマでしたが、
国会の役割と衆議院選挙の重要性、
小選挙区制度により、虚構の多数を得ている問題などを
説明したあと、

「政党をみる観点のいくつか」を示しました(これがすべてではないが)。
 
◇日本の現状をどう分析しているか
  
*おかしい(病んだ)社会の原因をどうみて、どういう処方箋を描くのか
 
◇政党の活動資金はどこに依拠しているか
  
*それは、「誰のために政治をするのか」ということに大きく影響する
 
◇首尾一貫しているか
  
*信頼関係の基礎は、ウソをつかない、裏切らないこと。
   言葉と行動の一致。
 
◇女性議員の割合はどれだけか
  
*国民の半数は女性。女性の声が政治に反映されるかどうか。


その後、主要政党である、
自民党、公明党、民主党、社民党、共産党の順で
話をしました。

私も各党の「綱領」などをじっくり読むのは
初めてで、勉強になりました。
一番感じたことは、自民党・公明党は、
「綱領」に書いてることと、実際の行動がほとんど
一致していないということ。
とくに公明党「綱領」。いろいろとツッコミどころのある
文章ではあるけれでも、それでも、せめて、この「綱領」の、
「人間主義」の精神に立ち戻れ、と言いたい。

やっていることが全然違います。


参加者は、こうした学習は初めてだったようで、
質問も活発に出されたように思います。

来年は衆議院選挙の年。
政治を語る力を飛躍させたい一年です。





| | コメント (0)

2008年12月20日 (土)

青年の総選挙学習会

きのう(19日)の晩は、
民青同盟岡山県委員会での学習会でした。

「総選挙に向けて、定期的に学習をしていき
たいので、力をかせ」という要請なのであります。

ということで、きのうは、第1回目として、
金融・景気・雇用」というテーマで行ないました。

20081219191300

 参加は5名でした。



今日のお昼の時点では、「今日は2人」と
聞いていたので、
準備もさぼって『学習の友』の1月号を使って
ざっくばらんにやろうかと思っていたら、
予想外に人がきたので、準備不足を反省いたしました。
すみませんでした(涙)。

で、この総選挙学習会では、
青年たちの疑問や問題意識の交流を
重視したいということで、
私のしゃべる時間は30分。あとの60分は
ざっくばらんな交流ということで進めていく形式です。

きのうも、自己紹介や、
最近感じていることなどをたっぷり交流したあと、
私がいまの情勢の特徴、
そのなかでの民青同盟の役割と魅力を
思いつくまま話をしてみました。

それにしても、話を聞いていて、
いまの青年の置かれている環境は、
ほんとうに胸が痛むものでした。
深刻です。でも、希望もあります。

「今は夜明け前の情勢だ」ということを、
自信をもって語っていきたいと思います。





| | コメント (0)

2008年12月15日 (月)

医労連青年部定期大会

12日(金)の晩は、19時から、
岡山県医労連の青年部定期大会
前段学習会として、40分弱、話をしてきました。


20081212183531
 やるなら今しなねえ!
 というスローガン(?)が。

 参加は大人ふくめて
 20数名でした。


内容は、このまえの「みんなの学校」の4回目と
かなり重複するのですが、
労働組合の歴史の話で、
1968年の新潟県立病院でたたかわれた
ニッパチ闘争(夜勤制限闘争)のことを、
『夜明けがくる-立ち上がる看護婦たち』
   (新潟県職員労働組合編、労働旬報社、1968年)
を紹介しながら語ってみました。

木村栄子さんの死とか、
7時間におよんだ団体交渉のところとか、
この本、読んでるだけで胸にくるものがあって、
話している最中もやばかったです。
あぶなくつまってしまうところでした。

医療労働者の誇り、
患者さんの命を守るたたかいを、青年のみなさんに
ぜひ受けついでもらいたいと切望します。

そして、「青年部にしかできないこと」を、
思いっきり、やっていってほしいと思います。



| | コメント (0)

2008年12月 3日 (水)

権利学習の強化を

今日(3日)は、岡山医療生協労組の
中央委員会
の前段学習で、18時から30分間、
「権利学習のための観点」というテーマで
話をしてきました(写真をとるのを忘れた)。

権利の土台には人権があること、
日本国憲法の基本人権の中身、
27条の「勤労条件の法定主義」のこと、
労働基準法は、「人たるに値する生活」(1条)のための
最低限のルールであることを強調し、
労基法のいくつか内容も紹介しながら、
権利学習の強化を訴えました。

また、医療労働者にとっての権利学習の
意味についても、少し付け加えて話をしました。


医療現場はほんとうに長時間労働が蔓延し、
労基法での大原則である「1日8時間」が形骸化している
感じがしています。
患者さんや利用者さんのいのちや人権を守るためにも、
自らの労働に誇りをもつためにも、
権利学習をもっともっとしてほしいと思います。




| | コメント (2)

2008年12月 2日 (火)

少々おつかれ

今日(2日)は、11時から、
生協労組おかやまパート部会の新入組合員研修に。

20081202104907
 水島にある
 コープ北畝(きたせ)。

 私もたまにここで買物します。
 お世話になっています。

 いつもの「労働組合とは」
 という中身で、午前と午後の
 2ラウンド。15時に終了。
 部屋がちと寒かったので、
 少々疲れました。


内容はいつもと変わりありませんが、
最近の情勢の部分で、
非正規労働者の大量首切りや、
税金の集め方の問題についても
話をしてみました。





| | コメント (0)

2008年11月26日 (水)

青年部って?

きのう(25日)の晩は、倉敷医療生協労組の
みんなの学校の4回目(最終回)でした。

テーマは、
労働者と労働組合の視点-要求?団結?青年部?」でした。

20081125193816
 参加は4名。
 残念ながら最終回も
 だいたい同じメンバーでした(笑)
 でも、声かけをしての結果
 ですので、おつかれさまです。


講義では、労働組合の社会的役割や、
青年部とはそもそもどんなものか、という
話がメインになりました。

講義終了後は、いろいろ組合活動の
状況や苦労が話し合われ、
今後の「みんなの学校」の方向性についても
少し検討しました。

ともあれ、学習の場が継続的に必要、ということでは
認識は一致しています。地道にがんばりましょう。

参加されたみなさん、おつかれさまでした。




以下、講義の概要です。




一。あたりまえすぎる存在だから、見えないことがある
 
1。『おぼえていろよ、おおきな木』(佐野洋子)
 
 ◇あたりまえの存在ほど、ありがたみが見えにくい。
    否定面ばかりが目につく。
  
◇署名はあるわ、集会はあるわ、団体交渉、会議、そして毎月
    天引きされる組合費…
   
*「おぼえていろよ!」と切り倒す前に
   
*もし、労働組合がなかったら、どうですか?

 
2。労働組合を「つくる」って?
  
◇*『仲間がいるからがんばれる』(『学習の友』95年1月号)より



二。では、労働組合とは、そもそもなんでしょうか
 
1。その役割
  
◇人間らしく生きるため、人間らしく働くため
   
*資本主義社会のなかで、資本家(経営者)と、労働者は、
    お互いの存在がなければお互いが存在できない関係に
    あるが、利害は本質的に対立する関係にある。
   
*そして、労働者は、資本家と比べれば、圧倒的に立場が弱い
    
→自分たちの生活、労働条件の向上、仕事の質の向上の
     ために“たたかう”組織。
これが出発点であり、基礎となる。

  
◇労働組合の役割を考えるとき
   
*1人称の幸福(人間らしさ)追求-自分
   
*2人称の幸福(人間らしさ)追求-家族や友人、知人、職場の仲間
   
*3人称の幸福(人間らしさ)追求
                  -知らない人だけど、同じ人間、同じ労働者

     
「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする
    権利は、これを保障する」
         (日本国憲法第
3章「国民の権利と義務」のなかの第28条)

     
→日本国憲法は21条で「結社の自由」が保障されている。そして
      さらに、労働組合だけに、28条でこうした「特権」があたえられて
      いる。なぜか?
     
→他人のために自分の時間をつかうのは、“自分の時間が奪わ
      れる”ことか?
     
→他人の不幸せを“ほっとけない”と思える感性。人間や労働組合
      の本質。

 
2。“ことば”への理解
  
◇「組合用語」をあらためて考える
   
*だんけつ?
   
*ようきゅう
   
*だんこー?
   
*さ、さ、さ、産別統一闘争?????



三。では、青年部って?
 
1。青年部が、青年部らしくあるためには…

    
「私たちは、どんなことにしろ、そのものの意味を知らなけ
    れば、それを大切にしたり愛したりすることは出来ない。現
    実を理解しなければ、それを愛し、そこに働きかけてゆく人
    間の歴代の努力のうけつぎ手として今日生きているよろこ
    びや感動を味わうことも出来ない。知は愛の母、というレオ
    ナルド・ダ・ヴィンチの言葉は真実にふれている。現実を知
    るということと、現実はこんなものだと分るということとは全く
    別である。こんなものなら、どうして現実はこんなものとして
    しか現れないか、こんなものである現実に飽かず何故人間
    は営々と努力しているか、そこにまでふれて理解しなければ
    なるまい。周囲の世相が急流のように迅(はや)ければ迅い
    ほど、私たちの知識や理解力は深められなければ、やって
    行けなくなって来ていると思う」

                    (宮本百合子「若い娘の倫理」)

   
*青年部は、“労働組合の”青年部、ということに大事な意味がある

 
2。労働組合青年部の役割をいくつか整理すると
  
◇青年職員の労働条件、人間らしい生活のために行動する。青年
   職員のなかで、あてにし、あてにされる関係をつくりだす。要求実現。

  
◇徹底的に「学ぶ」。労働組合のこと。主権者として成長する学習。
   専門職としてのレベルアップ。しかし、仕事の学習は別にして、社
   会のしくみとか平和問題とか、労働組合の学習は、自然発生的に
   は青年の「要求」とはなりにくい。意識的に持ち込む。

  
◇自分の職場だけでなく、青年労働者全体を視野に入れ、人間が
   大切にされる社会や平和の実現のために組織の力を発揮し、団
   結(新しい力を生みだす)をひろげていく。

   
【青年部が輝くための基礎的活動】
   
*青年職員の不満や悩み、願いを「聞く力」「受信する力」
   
*そしてそれを「要求」へと高める力
    
・「聞く力」の基礎は調査活動(労働時間や有休チェック、パワハラ
     チェック、「やりたいこと」「仕事の悩み」なんでも書いてアンケート
     など。ときには直接調査も)
    
・労働条件や社会的課題に対しての「願い」。専門職集団としての
     要求も。
    
・ほんねトークを意識的につくりだす

  
◇レク活動の位置づけについて
   
*「集まる」ことの大切さ。敷居が低い。肩ひじはらない交流。
   
*ただし、レク活動に比重が傾きすぎると、逆に結集が広がらない

  
◇労働組合運動に、新しい文化を創りだす青年部に
   
*いつの時代でも、新しい文化をつくりだす中心は、若い世代
   
*労働組合運動も人間集団の集まりである以上、広い意味での
    文化が発生する。先達の歴史を受けつぎつつ、新しい活動のあ
    り方、スタイル、外見を創りだすことが、多くの青年の感性に響
    く活動となり、共感の幅が広がる。



さいごに:「納得と共感」、そして「感動」が、青年部を輝かせる力



以上。





| | コメント (2)

2008年11月17日 (月)

変化とつながり

金曜日(14日)は、倉敷医療生協労組の
みんなの学校(2期目)の3回目。
参加は4名と少なかったですが、中心メンバーと
いろいろ今後についての話もできて良かったかと。

テーマは「
変化とつながり-木を見て、森を見失わず」です。

つまりは弁証法の話なのですが、
いつも講義構成に悩まされます。修行不足です。
それだけ弁証法は奥が深くて、学ぶ範囲も広い。
唯物論はスパッと言えるんですけどね。


以下、講義の概要です。



一。ものごとは、どういうあり方をしているか
 
1。動いている
  
◇法則がある
  
◇物質は、運動している
   
*物質とは。私たちの意識とは独立に存在し、私たちの感覚の
    源をなし、感覚を手がかりとして、認識できるもののこと。自然、
    人間、社会も物質。
   
*物質の存在形態として、“つねに動いている”ということを確認
     しておきたい。
   
*あるものが運動しているということは、そのものがそのもので
    ありながら、同時にそのものでなくなっていくということ。自分も
    他人も、職場も社会も。
  
◇「どうせ…」という言葉に象徴される私たちの認識
   
*しかし、私たちは、ものごとを固定的にみたり、変化しないもの
    と決めつけることが多くある。「どうせ○○だから」という具合に。
  
◇そして、「今までこうだったから…、こうだろう」(経験の絶対化)と
    いう見方も。
   
*自分や他人の過去の経験を、時、所、条件からきりはなして
    固定化し、その尺度ですべてをはかろうとする(ラクだから)。
    しかし、現実は新しい要素を付け加えながら、つねに変化している。
   
*『生きるってすばらしいね』(望月春江、日本看護協会出版会)から
    
・脳死宣告を受けた女性とその家族の体験
    
・「病院の中の医師たちの機械的ともいえる言葉」
    
・「当分変化はおきません」「偶然でしょう」
  
◇運動・変化・発展と連関の法則をあきらかにした理論が、弁証法
    といわれるもの。
   
*ドイツの哲学者ヘーゲルが弁証法の哲学者としては有名

 
2。変化、発展の法則
  
◇量と質
   
【質とは何か】
   
*あるものを他のものから区別して、そのものたらしめている本
    質的な諸性質の総体のこと。つまり、「これはどんなものか?」
    と問われたときに、「これこれこんなものだ」と答える、その「こ
    れこれ」の全体がその事物の質。
   
【量とは何か】
   
*ある事物、あるいはそれを構成している諸要素のあり方を、程
    度の面からしめすもののこと。「多い・少ない」「大きい・小さい」
    「長い・短い」「重い・軽い」「広い・狭い」「遠い・近い」「早い・遅い」
    「深い・浅い」などなど。つまり、「どれだけあ
るか?」と問われて、
    「これこれだけある」と答える、その「これこれ」が、事物の量にあ
    たる。
   
【質と量のつながり】
   
*質と量はバラバラにきりはなされて存在できるものではない。つ
    ねに結びついて存在している。つまり、ある質にはかならず一定
    の範囲の量が対応している。
    
・ものづくりの量と質
    
・一流のスポーツ選手の「質」は、必ず、並外れた練習「量」と結び
     ついている。
   
*たとえ事物の量が変わっても、それが一定の範囲をこえないう
    ちは、事物の質は変わらない。しかし、量の変化が一定の限度
    をこえると、それは事物の質をも変える。
   
*たとえば、「薬」の質は、かならずその「量」と結びついている。適
    切な「量」と結びつかない「薬」は、「薬」ではなくなる。まったく効果
    のないものになってしまったり、逆に人間にとって「害毒」になる。
   
*あるいは、「いい看護」をするための「質」を問題にするときにも、
    「量」の問題と
切り離せない。たとえば、働く時間が極端に長かっ
    たりすれば、それは看護師の疲
労をもたらし、看護の質に影響す
    る。また、「何人の患者さんを、何人の体制でみ
る」という人数の
    問題も、看護の質に関わってくることは明らか。「いい看護をす
る」
    という質を問う場合には、必ず量の側面も問題にしなければならない。

  
◇量の変化が、質の変化に転化する(発展)
   
*ものごとの発展は、まずものごと内部の量の変化からはじまる。
    それはすぐにものごとの質を変えはせず、したがってなかなか表
    面には目立たない。ゆっくりと、長期間、こうした状態での変化が
    進行していく。
   
*そして、それがある段階に達したとき、飛躍的なかたちで質の変
    化がひきおこされる。これが、ものごとの発展過程の法則的すじ道。
   
*したがって、私たちは、めだたない量の変化をけっして軽視しては
    ならない。そのつみかさねが、やがて質の変化をひきおこす。


     ・自分の変化、自分がいる環境の変化
     
・みんなの学校の量と質
     
・労働組合を強くするために

 
3。肯定をふくんだ前進的な否定-「○か×か」「黒か白か」ではなく
  
◇発展の原動力としての弁証法的矛盾・・・対立物の統一と闘争
   
*資本家と労働者
   
*自分のなかの矛盾
   
*他人のなかの矛盾
   
*労働組合の発展の原動力とは?
  
◇発展とは、古い質が、新しい、よりいっそう高度な質に変化すること。
   
*そのさい、古い質は「否定」される。しかしそれは、古い質のなか
    にあった、積極的な内容、未来につながる要素を肯定し、新しい
    ものに引き継ぐという「否定」となる。ものごとを全面的に否定して
    しまうと、発展はない。
   
*ものごとを断面的にきりとって、その瞬間において黒白をつける
    ことはできるが、変化というのは、うねうねと黒も白もふくみつつ続
    くものであり、その中途半端さを洞察する力を身につけることも大事。

    
・ものごとを評価するとき、総括するとき
    
・人の成長



二。つながりのなかで見る
 
1。連関(つながり)を認識する
  
◇物質的なつながり
   
*そのものがまったく独立して存在しているということはない
  
◇働く人びととのつながり
  
◇1人ひとりは、いろんな「顔」をもつ
  
◇人間への見方
   
*医学の進歩も、個々の身体部位の研究蓄積の成果だが、トー
    タルで患者をつかむ見
方の後退。「連関と相互作用の無限にか
    らみ合った姿」が1人の人間。社会も同じ。

   *民医連医療の生命観

 
2。時間的なつながり、比較のなかでみる
  
◇たとえば、日本の医療・福祉問題で考える
   
*過去の医療・福祉政策はどうだったのか
    
・老人医療が無料だった時代、その要因は何か?
    
・社会保障の歴史を学べば、現代政治がみえる
   
*日本のような先進国の医療・福祉政策はどうか?
    
・各国の事情、その歴史的・政治的背景は

 
3。「変わらない」「孤立している」ものの見方は、誰にとって都合がいいか。

    
「形而上学の見かたは、…私たちがともすれば木を見て森を見
    失いがちになるところから生じてくるものですが、ここで注意する
    必要があるのは、それが政治や経済の上で支配的な地位につ
    いているものの利益と結びついてくるということです。つまり、木
    だけを見て森を見させないこと、現状をどこまでも安定した本質
    的に不変のものであるかのように思わせることは、かれらにとっ
    てつごうのいいことなのです」
     
(労働者教育協会編『新・働くものの学習基礎講座1哲学』
                             学習の友社、
1998年)

  
◇「無関心」「あきらめ」「バラバラ」であれば…
   
*人びとが手をつないで、行動することを恐れる支配者層
   
*自己責任論は、連帯と共同を破壊する
   
*部分をみせて、全体から遠ざける

  
◇しかし、本質的なものは、時代をこえて伝わる
   
*蟹工船ブーム(たたかい、連帯、生き方)
   
*つながれば、元気がでる



さいごに:弁証法的なものの見方をどんな場合でも貫くのは、非常に難しい。
      
だからこそ、不断の学習が必要。




以上。





| | コメント (0)

2008年11月10日 (月)

いつものオルガで

土曜日(8日)は、午後、
生協労組中四国地連労働学校で講義。
会場はオルガ会館。

中四国から、単組の役員メンバーが
集まって1日みっちり学ぶ講座です。

私は、午後の3つの分科会うち、初級編で、
労働組合とはなんぞや、という話でした。


Dscn4884
 11名が参加。役員暦を聞くと、
 1年~3年目が半数でした。
 メモをとりながら聞いてくださる
 人もたくさんいて、学ぶ姿勢が
 すばらしいなと思いました。


「みなさんが職場で『語れる』ようになるのが、
今日の学習会の目的です」と切り出して、
休憩をはさんで90分間、労働組合とは、と、
働く人びとの現状、について話をしました。

いつも以上にわき道が多くなった話でしたが、
それはそれで面白く聞いていただいたみたいでした。

最後の質問で、広島からの参加者が、
友人が勤めているところの労働組合では、
政党支持(民主党)の強制がキツクて、それが嫌で
労働組合にかかわりたくない、という話を聞いたが、
どうなのか、と聞かれました。

連合加盟の製造業の大企業の労働組合の
話でしたが、大事な問題だと思いました。
「政党からの独立」が労働組合の
大原則であり、政党支持の強制は不団結を生み、
労働者の最大の力である「数」を結集できない
ということになる、てな話をしてみました。




| | コメント (0)

2008年11月 1日 (土)

哲学はおもしろい

きのう(31日)の晩は、倉敷医療生協労組の
みんなの学校の第2回目。
参加は5名と浮上しませんでしたが、
なかなか濃厚な学習会となりました。

きのうのテーマは、
「サラバ、決めつけ・先入観-ものの見方の出発点」。


Dscn4875

 私のお気に入りの絵本、
 「わたし」も使ってみました。




話のあとの討論では、いろいろと
面白い論議ができたと思います。
「事実をどうみるか」「情報のとりかた」
「変化に気づく感性」「人の見方」などなど。

『慰安婦』本も2冊売れました。



以下、講義の概要です。



一。最近読んだものから
 
1。週刊東洋経済『医療破壊』特集(11月1日付)
  
◇特集内容もすごいが、「編集部から」のひと言に注目したい
   
*「物事を直視することからしか解決方法を探れません」
    「あくまで現実にこだわり続けます」(風間さん)

 
2。日本軍「慰安婦」問題をめぐって
  
◇「事実を知る機会を失ってしまうと、考えることすらできなくなって
   しまいます」
(『女子大生と学ぼう 「慰安婦問題」』あとがき)

 
3。私(私たち)の認識は、ほんとうに対象の真の姿をとらえているのか?
  
◇つねに自分の五感で生の現実をつかみ、考え続ける
  
◇他人のつかんだ事実や考えた理論を貪欲に吸収する
   
*ただし、すべてを鵜呑みにするのでなく



二。なぜ、決めつけや先入観が入り込むのか
 
1。「先入観という便利なメガネ」(臨床心理士・土屋由美さん-資料参照)
  
◇人間の認識過程で「こうじゃないかなぁ」と“あたり”をつける
  
◇「どうせ変わらない」と考えれば、何も努力を必要としない

 
2。たとえば、まわりの「人」をどう見るのか
  
◇血液型性格判断の話-ソワニエ看護学校での、ある学生さんの経験
  
◇ウワサ話-「判断材料のひとつ」程度に
  
◇その人の24時間を知っているわけではない。「いろいろな顔」は知らない。
   
*絵本『わたし』
  
◇相手を「変化する」対象としてとらえる感性

 
3。労働組合や医療生協(職場)にたいして、決めつけや先入観は
  ありませんか?



三。ものの見方をミガクために
 
1。哲学の基本概念をごく簡単につかむ-ものの見方の出発点
  
◇2つの世界観の対立
   
*物資を根源的なものとする立場=唯物論
   
*意識(精神)を根源的なものとする立場=観念論

   
*どちらが大切かということではない

    
物質とは:私たちの意識とは独立に存在し、私たちの感覚の源を
          なし、感覚を手がかりとして、認識できるもののこと
    
意識とは:物質である脳の働き。意識の内容は、外の世界の反映。

  
◇唯物論とは、ものごとの「事実」から出発するものの見方のこと
  
◇ものごとの原因をきちんとつかむ

 
2。関心のウイングをひろげる
  
◇人間、好きな人や対象に対しては関心をもつもの
   
*自分の子ども、好きな人、好きな芸能人
   
*好きな街、自然、風景

  
◇ふだん関心がむかないような人や対象を「観察」してみるトレーニング
   が必要!
   *その際にも、「偏見や決めつけ」に注意を!

  
◇こうした学習会は、関心を広げる最良の場


さいごに:事実をつかむためには努力(時間や労力)が必要
      
そして、事実から遠ざけようとする人たちによって、
      私たちの無知は利用される





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そういえば、航空自衛隊のトップが
とんでもない論文を書いていたことが判明しました。

「歴史の事実」や「真実」と向き合わない人びとが、
この国のそういう立場にいる。恐ろしいことです。

真実を広げるために、学習運動もがんばります。



| | コメント (0)

2008年10月24日 (金)

またもナイチンゲール

きのう(23日)の午後は、
岡山協立病院の看護師3年目研修で、
「ナイチンゲールの生きた時代背景」
 ~ナイチンゲールから引き継ぐもの~
というテーマで話をしてきました。


Dscn4867
 休憩時間の風景。
 つっぷして寝る参加者。

 全体では10名ほどの
 参加でした。


休憩をはさんで90分間、
ナイチンゲールの生きた19世紀のイギリスの話、
上流階級に生まれたナイチンゲールが看護師になるまで、
そしてナイチンゲールの生命観について、
あれこれしゃべってきました。

でも、現役の看護師さんて、
ナイチンゲールほとんど勉強しないんですよねー。
民医連だからこんな研修をやってるようなもので。

もっとナイチンゲールを学ぶ意義について
広げていきたいですなぁ。





| | コメント (0)

2008年10月23日 (木)

主権者としての責任

きのう(22日)の晩は、福祉保育労岡山支部
執行委員会へ。
前回からG気っ子保育園の人たちも参加していて、
わいわいとにぎやかです。


Dscn4866


 参加は最終的には
 12名ほどでした。






学びたい要望として“平和について”という
おそろしく漠然としたテーマをいただいたので、
コレ幸いと、日本軍「慰安婦」問題を切り口に、
「この国の主権者としての私たちの責任」を
語ってみました。

話のベースにしたのは、もう2年ほど前の
労働学校での
この講義でしたが、
つけくわえて私たちの戦後責任の問題や、
おぼっちゃま麻生くんのこの問題への
態度についても話をしました。

そんでもって、最近出版されたばかりの、
『女子大生と学ぼう 「慰安婦」問題』
 (神戸女学院大学石川康宏ゼミナール編、日本機関紙出版センター)
も実物を紹介して、宣伝してきました(何冊か持っていけばよかった…)。
なにせ、この本をつくったゼミのお2人には、
昨年の74期岡山労働学校入学式で講演して
もらっているので(
こちら)。


話の最初に、
「今日は重たい話しですが、ぜひ知ってもらいたいので」
と断わってすすめましたが、
みなさん真剣に聞いていただき、
きちんと受けとめていただいたようです。

質問もいろいろと出されましたが、
「当時10代で、あれから60年以上経っているということは・・・」
という声があり、
「そうです、元『慰安婦』の方は、毎年のように亡くなられて
います。もう時間がないのです。私たちが謝る政府を
つくらなければ、謝る機会はもうありません」
という話にもなりました。

きのうは水曜日でしたので、
韓国の日本大使館では、いつものように
水曜集会が行われているだろうことも、
話をしてみました。




| | コメント (2)

2008年10月15日 (水)

みんなの学校 2期スタート

きのう(14日)の晩、倉敷医療生協労組の
青年部が中心となっている「みんなの学校」の
2期目がスタートしました。

今期のテーマは「ものの見方と人間らしさ」です。

きのうの第1回の参加者は残念ながら4名と
少なかったのですが、
それはそれで中身の濃い話になり、
とても面白かったです。


Dscn4839
 横断幕を
 とってみた。




きのうの講義は、「働くことを哲学する-人間らしさとは」
という内容でした。

まあ、そういう人数でしたので、
1時間半のうち、1時間は「働くこと」を
めぐっての交流・雑談になりました。

それぞれなぜその仕事を選んだのか?
働くなかでの模索や悩みなども出され、
かなり良い交流になったのではないかと思います。

で、残り30分で、
社会的な視野からの「働くこと」について
話をしてみました。

「いままで考えもしなかったことだった」
「視野が広くなった」という感想でした。



以下、講義の概要です。




一。あなたにとって、「働くこと」とは?
 
◇職業選択の自由(憲法22条)がもたらした「新たな問い」




二。その商品(サービス)の向こうに-社会を支える無数の人びと
 
1。私たちの生活は、無数の人びとの労働によって支えられている
  
◇『いっぽんの鉛筆のむこうに』(谷川俊太郎文ほか、福音館書店)
  
◇しかし、それはなかなか目に見えない
                    (「食」などは目に見えたほうが良い)
  
◇たとえば、今日1日の生活を想像してみよう
   
*朝、顔を洗うために「水」を使う。その水はどうして自宅までやってきた?
   
*朝ごはんやお昼ご飯、その食材はいったいどんな人がつくったのか?
   
*電気は誰が? ガスは誰が? 着てる服は? 靴は?
   
*自転車は、バスは、バイクは、車は? 信号機は? 看板は?
   
*机は、イスは、紙は、パソコンは?
   
*病院の建物は? 医療器械・器具は?


     「君が生きてゆく上に必要な、いろいろな物をさぐって見ると、みん
     な、そのために数えきれないほどたくさんの人が働いていたことが
     わかる。それでいながら、その人たちは、君から見ると、全く見ず
     知らずの人ばかりだ。この事を、君は、へんだなあと感じたね。
      
広い世間のことだから、誰も彼も知り合いになるなどということは、
     もちろん、出来ることじゃあない。しかし、君の食べるもの、君の着
     るもの、君の住む家、・・・すべて君にとってなくてはならないものを
     作り出すために、実際に骨を折ってくれた人々と、そのおかげで生
     きている君とが、どこまでも赤の他人だとしたら、たしかに君の感じ
     たとおり、へんなことにちがいない」
               
(吉野源三郎『君たちはどう生きるか』、岩波文庫)

  
◇「私」の生活を支えている人びと(つまりお世話になっている人)の
   生活を想像する
   
*たとえば、お米。たとえば、携帯電話。たとえばコーヒー。
   
*生活はどうか? 病気にかかりやすい環境か? 働き方はどうか?

 
2。働くことの喜びを奪うもの
  
◇働くことは、もっとも人間らしい営みであるはず・・・
   
*働くことは、①自分や家族の生活を支える、②他人(社会)の生活や
    仕事を支える、喜びを増やす、③自分の能力が高まる、④働くことを
    通じて結ばれる豊かな出会い・人間関係、⑤自分や社会の未来を創
    造していくこと…など、多面的な「喜び」がある。

   
*しかし、働き方は、社会のありようによって規定される

  
◇いまは資本主義社会
   
*その大きな特徴は、ほとんどの労働生産物が『商品』として生産され
    るということにある。
   
*商品とは、簡単に言えば、他人に売るためにつくるもの
   
*昔は商品経済は部分的だった(つまり大方のものは自給自足していた)
   
*分業の発達→専門性の高まり→さまざまな自由の拡大

  
◇資本主義社会の宿命
   
*人びとの無数のつながりは、商品やサービスの「売買」という形で
    つながれ、つくられている。
   
*「売る」「買う」ことが、第1の目的になりやすい生産関係ということ。
   
*会社の利益が最優先され、働く人の命や健康は後回しになりやすい。

   
*しかし、実際に社会を動かしているのは、働く人びと
    
・「社会の主役は誰か」をイタリアのゼネラルストライキにみる


さいごに-「寿命」とは何かについての、日野原重明さんの言葉から


     「わたしがイメージする寿命とは、手持ち時間をけずっていくという
    のとはまるで
反対に、寿命という大きなからっぽのうつわのなかに、
    せいいっぱい生きた一瞬一瞬をつめこんでいく
イメージです。・・・時
    間というには、ただのいれものにすぎませ
ん。そこにきみがなにをつ
    めこむかで、時間の中身、つまり時間の質がきまります


     
「寿命というわたしにあたえられた時間を、自分のためだけにつか
    うのではなく、す
こしでもほかの人のためにつかう人間になれるよう
    にと、私は努力しています。なぜ
なら、ほかの人のために時間をつ
    かえたとき、時間はいちばん生きてくるからです。
時間のつかいばえ
    があったといえるからです」

            『十歳のきみへ-九十五歳のわたしから』より
              
(日野原重明、冨山房インターナショナル、2006年)




以上。



「みんなの学校」今後の予定は、

第2回 10月31日(金)「サラバ、決めつけ・先入観-ものの見方の出発点」
第3回 11月14日(金)「変化とつながり-木を見て、森を見失わず」
第4回 11月25日(火)「労働者と労働組合の視点-要求?団結?青年部?」

となっています。





| | コメント (2)

2008年10月 8日 (水)

憲法はまだまだ…

浸透していませんweep

きのう(7日)は、朝8時半から、
林病院の4年目職員研修で憲法の講義。

Dscn4834



 参加は13名でした。





朝っぱらから、わけもわからず憲法の
話を聞くのも大変だなーと思い、
「なんで職員研修で憲法のことを学ぶのだと
思いますか?」と質問してみた。

が、4人あてたけど、まったく答えられず。
押し黙ったままだった。
医療労働者と憲法の関係が
見えていないのだと思う。

で、最初に「憲法で大事だと思う条文は?」と、
小さな紙に3つ条文を選んで書いてもらった。
そしたら的確な答えが集まって、
いろいろ講義の話題がふくらんだ。
よかったよかった。
80分間、休憩を1回はさんでのお話でした。



午後1時半からは、
岡山医療生協高島支部の「くらしの学校」という
連続講座の3回目で「憲法」のお話。

毎週水曜日にくらしや社会情勢に関わる問題を
学んでいるそうです。すばらしい。


Dscn4835

 コミュニティーハウスの、
 こんな畳のお部屋でした。

 参加は10名でした。




こちらは午前中以上にざっくばらんに進めてみました。
同じく、「大事だと思う条文を3つ選んでください」と
やってみました。ただしこちらは、「9条と25条以外で」という
条件をつけた。

「憲法をまともに読んだのは初めてだわぁ」という人も、
悩みながら書いてくれていました。
それをもとに、いろいろ話をしてみました。
こちらが予想もしない条文を書いてくれる人もいて、
なかなか緊張感があって面白いです。

後半は、9条や25条の話もして、
こちらは休憩をはさんで90分。
質問も活発に出て、よかったと思います。
こんな感じの学習会は、とっても楽しいです。



きのうの2つの学習会をしてみて、
まだまだ憲法は読まれていない、
ということがわかりました。

引き続き憲法学習を広げるために頑張ります。




| | コメント (2)

2008年9月24日 (水)

昼も夜も、労働組合とは

きょう(24日)は、まず生協労組おかやまの
パート部会新入組合員研修
に。

11時から、コープ院庄の店舗内の
会議室でということで頭にインプットされて
いたのですが、私が向かってしまった先は
同じ津山市内にあるコープ林田店。
以前2回ほどここで学習会をしていたので、
完全にこっちだと思い込んでました。

経験による「思い込み」は恐ろしい・・・。
間違いに気づいて、すぐさま院庄店へ向かう。
スタートには間に合ったのでありました。
あー、あせった。


Dscn4812
 午前と午後の2回コース。
 「労働組合とは」という
 お話でした。
 1時間話をしました。





そして晩は、久々の
福祉保育労の
執行委員会
へ。会場はA保育園。

Dscn4817
 この日は、
 私が3年間かかわって
 きたなかでは一番の活気!

 17~18名はいました。


こちらも「労働組合とは」という話でした。
今日は、新しい組合員さんがたくさん参加してくれ、
またG気っ子保育園という新しく福祉保育労に
加盟してくれた組合員さんも参加してくれて、
前半はちょっとした歓迎会ということになりました。

生協労組と同じ題名の話でしたが、
中身はかなり違うもので、
95年1月号の『学習の友』を使い、民間の保育園で
労働組合をつくった方の手記を読み合わせ、
子どもの成長を保障する専門職としての
保育士の労働条件の問題についても話をしました。
最後に、いまの保育の危機と、労働組合の役割に
ついて話をしてみました。
感想交流では、みなさん貴重な感想を述べられていました。
少しはお役にたてたようでありました。

福祉保育労では、いま、ある民間保育園から
労働相談があり、近々組合結成につなげていく
話がすすんでいるという報告もありました。
「組合結成!」…わくわくする響きです。
地道な学習活動が力になれば、
これほど嬉しいことはありません。
楽しみですshine





| | コメント (0)

2008年9月21日 (日)

看護師卒後研修講座で…

きのう(20日)は、岡山民医連の
看護師卒後研修講座
で、
「ナイチンゲールから学ぶもの」と
いうテーマで話をしてきました。

半年にわたって7回の講座があり、
2~5年目ぐらいの看護師さんたちが、
民医連の看護師として
ひとまわり成長しようという講座。
その3回目の講座だったようです。


Dscn4811


 参加は20名でした。







「なぜ看護師でもない私がナイチンゲールを?」
という疑問やとまどいは最後までつきまといましたが、
大好きなナイチンゲールのことを
思いっきり話し(休憩はさんで2時間半もしゃべった)、
私にとっては嬉しい時間でした(笑)。

しかし、案の定、臨床現場と結び付けての
話しなどできないわけで、
イマイチ反応がよくわかりませんでした。
どうだったんでしょ。



以下、おおまかな枠組みのみ、紹介します。


一。なぜ私がナイチンゲールか
 1。きっかけ-ソワニエ看護学校での「読書日記」
 2。「読書日記」で紹介した本の一覧
 3。「読書日記」をつうじて私が学んだこと

二。看護であること
 1。どのような「手と目(看)」の持ち主か
 2。羅針盤としてのナイチンゲール

三。ナイチンゲールの生きた時代
 1。当時のイギリス社会
 2。ナイチンゲールが看護師になるまで

四。ナイチンゲールから何を受けつぐのか
 1。視野の広さ、あきらめない看護
 2。看護の危機とナイチンゲール

さいごに:ナイチンゲールからのメッセージ


以上。




講義準備で、ソワニエでの3年間の
「読書日記」の一覧をつくってみて、
紹介したのですが、どれも学ぶところの
多い本だったので、あらためてここで紹介します。
興味のある方は、ぜひ。


【ソワニエの授業「読書日記」で紹介した本一覧(59冊)】


<2006年ー22冊>
 
『看護学生物語-わが青春に悔いあり』(江川晴、集英社文庫、1999年)
 
『キラリ看護』(川島みどり、医学書院、1993年)
 
『ナイチンゲール看護論・入門』(金井一薫、現代社白鳳選書、1993年)
 
『ナイチンゲール言葉集』(薄井坦子、現代社白鳳選書、1995年)
 
『看護覚え書ー改訳6版』(ナイチンゲール著、現代社、2000年)
 
『ナイチンゲール』(長島伸一、岩波ジュニア新書、1993年)
 
『がんばらない』(鎌田實、集英社文庫、2003年)
 
『佐久病院ナース物語ーだから私は看護が好き』(山田明美、あけび書房、1997年)
 
『生きるってすばらしいね-植物状態からの脱出』(望月春江、日本看護協会、1981年)
 
『赤ひげ診療譚』(山本周五郎、新潮文庫、1964年)
 
『病院で死ぬということ』(山崎章朗、主婦の友社、1990年)
 
『「死の医学」への日記』(柳田邦男、新潮文庫、1999年)
 
『ベットサイドのユーモア学』(柏木哲夫、メディカ出版、2005年)
 
『自宅で迎える幸せな最期』(押川真喜子、文藝春秋、2005年)
 
『千の風にいやされて』(佐保美恵子、講談社、2004年)
 
『フロレンス・ナイチンゲールの生涯(上・下)』(セシム・ウーダム・スミス、現代社、1981年)
 
『木もれ日の病棟から』(宮内美沙子、角川文庫、2000年)
 
『からだことば』(立川昭二、早川書房、2000年)
 
『ともに考える看護論』(川島みどり、医学書院、1973年)
 『育てる喜びありがとう』(川島みどり、看護の科学社、2002年)
 
『ベットサイドからケアの質を問う』(吉田恵子・川島みどり、看護の科学社、1997)
 
『犠牲ーサクリファイス』(柳田邦男、文藝春秋、1995年)

<2007年-21冊>
 
『生きることの質』(日野原重明著、岩波書店、1993年)
 
『いのちの授業-がんと闘った大瀬校長の六年間』(神奈川新聞報道部、新潮社、2005年)
 
『話ことばの看護論-ターミナルにいあわせて』(徳永進、看護の科学社、1988年)
 
『心のくすり箱』(徳永進、岩波現代文庫、2005年)
 
『小さな勇士たち-小児病棟ふれあい日記』(NHK「こども」プロジェクト、NHK出版、2003年)
 
『ナースの広場』(徳永進、関西看護出版、2005年)
 
『医師としてできること、できなかったこと』(細谷亮太、講談社+α文庫、2003年)
 
『小児病棟の四季』(細谷亮太、岩波現代文庫、2002年)
 
『命のノート-ぼくたち、わたしたちの「命」についての12のお話』(細谷亮太、講談社、2006年)
 
『いつもいいことさがし』(細谷亮太、暮らしの手帖社、2005年)
 
『新訂 看護観察と判断』(川島みどり、看護の科学社、1999年)
 
『看護婦ががんになって』(小笠原信之・土橋律子、日本評論社、2000年)
 
『生と死の美術館』(立川昭二、岩波書店、2003年)
 
『未来につなぐいのち』(藤野高明、クリエイツかもがわ、2007年)
 
『十歳のきみへ-九十五歳のわたしから』(日野原重明、冨山房インターナショナル、2006年)
 
『私が人生の旅で学んだこと』(日野原重明、集英社、2005年)
 
『赤ちゃん  成長の不思議な道のり』(安川美杉、NHK出版、2007年)
 
『すべてのいのちが愛おしい』(柳澤桂子、集英社文庫、2007年)
 
『世界にたったひとつ 君の命のこと』(奥本大三郎、世界文化社、2007年)
 
『痛みの声を聴け』(外須美夫、克誠堂出版、2005年)
 
『歩き続けて看護』(川島みどり、医学書院、2000年)

<2008年-16冊>
 
『紙屋克子 看護の心そして技術』(NHK「課外授業ようこそ先輩」、KTC中央出版、2001年)
 
『新訂 キラリ看護』(川島みどり、医学書院、2008年)
 
『看護を語ることの意味~“ナラティブ”に生きて』(川島みどり、看護の科学社、2007年)
 
『寡黙なる巨人』(多田富雄、集英社、2007年)
 
『沖縄が長寿でなくなる日』(沖縄タイムス「長寿」取材班編、岩波書店、2004年)
 
『看護のなかの死』(寺本松野、日本看護協会出版会、1985年)
 
『老いるもよしー臨床のなかの出会い』(徳永進、岩波書店、2005年)
 
『ナイチンゲール 神話と真実』(ヒュー・スモール著、田中京子訳、みすず書房、2003年)
 
『コード・グリーン(危険信号)』(ダナ・べス・ワインバーグ著、日本看護協会出版会、2004年)
 
『医者が泣くということ』(細谷亮太著、角川書店、2007年)
 
『ママでなくてよかったよ』(森下純子著、朝日文庫、2003年)
 
『シスター寺本松野ーその看護と教育』(日本看護協会出版会、2003年)
 
『凛として看護』(久松シソノ著・川島みどり編、春秋社、2005年)
 
『野の道往診』(徳永進、NHK出版、2005年)
 
『看護の危機ー人間を守るための戦略』(和泉成子監訳、ライフサポート社、2008年)
 
『いのちの文化史』(立川昭二、新潮選書、2000年)


| | コメント (1)

2008年9月 5日 (金)

15回の授業が終了~

今日の午後は、ソワニエ看護専門学校
15回目の授業。今年最後の授業でした。

読書日記では、『いのちの文化史』という本を紹介。
「いのち観」と「いのち感」の違い、
「息を引きとる」の意味、
石川啄木の詩などを紹介し、
「いのちへの感性」を磨いてほしい、
ということを最後に訴えました。

講義では、
先週出された質問にいろいろと答えつつ、
憲法と法律の違い、
「主権者として成長するために」という
視点で憲法の中身の話をしました。

やはり憲法はなかなかとっつきにくい
部分もあったようですが、
いくらかでも刺激を受けてもらえていたら、
嬉しいな、と思います。


さいごの授業が終わり、あとはレポート提出で
単位認定となりますが、
今日の学生さんの感想文は、最後ということもあり、
みんないろいろ書いてくれていました。
とても嬉しかったし、励みになりました。
やっぱり気を抜かず頑張ってきてよかったなぁと、
あらためて感じたり。

この3年間でがっつり学んで、
プロの看護師として、
そして感性豊かな人間として、
成長していってもらいたい、と思います、

Img_2366 ある学生さんが、
 感想文の裏に、
 こんなものを
 書いてくれていた。

 すんごく嬉しい
 のですが、
 これって授業中に
 書いてたんだ
 よね…たぶん(笑)






| | コメント (0)

2008年8月29日 (金)

やはり読むことから

今日の午後は、ソワニエ看護専門学校での
14回目の講義。夏休みが明けて、
あと残り1回、いよいよ今年も最後です。

「読書日記」では、
『看護の危機-人間を守るための戦略』を紹介。
今日の世界的な「看護の危機」と
それを乗り越える方向性についておさえ、
ナイチンゲールの実践と言葉から、いろいろと
考えていきました。


本講義では、「
主権者として生きる-憲法の理念を土台に
というテーマで、今日は主に前文と3章部分を学びました。
やはり憲法自体、学生は読みなれておらず、
苦戦していたようでありました。まず読むことからですかね。

次回も憲法の話ですが、
今日の感想文でいろいろと来週につながる
質問が出たので、それもふまえて、
最後を締めくくりたいと思います。



| | コメント (2)

2008年8月28日 (木)

社会保障のあゆみ

きのう(27日)の午後、
ひだまりの里病院(民医連加盟)の
職員学習会に行ってきました。


Img_2356

 はじまる前の風景。

 最終的には
 60名近くの参加
 だったそうです。



14時半から1時間、
社会保障の歴史が主題でした。

民医連がつくった『明日をひらく社会保障』という
テキストの全体連続学習会の2回目ということです。
テキストのⅢ章~Ⅵ章をもとに、私なりの
話をつけくわえて、話をしてみました。

が、もともと専門外なので、
にわか勉強でした、はい。
でも、自分自身のレベルアップには
確実になったと思います。
25条の歴史的背景についての
認識が明確になりました。

範囲自体がなかなか膨大だったので、
内容もかなり大胆に省略しながら、
そして早口にもなったと思います。

日本の社会保障のあゆみの部分は、
地元岡山のたたかい、朝日訴訟に
力を入れて話をしました。



以下、講義の概要です。




一。世界における社会保障の歩み(Ⅳ章)
 
1。社会保障の出発点-最初の生活保障の形態「救貧法」
  
◇1601年の「エリザベス救貧法」(テキスト91P「注」参照)など
   
*きわめて不十分な内容ながら、働けない労働者への救済
    (まだ「人権」という観点ではなく、支配階級からの「おめぐ
    み」という特徴)。

 
2。労働者の増大・資本主義の発展とともに
  
◇生産手段から切り離された「労働者」とは?
   
*「労働力」を資本家に売る以外に生活の手段がない人びとの増大

     
「資本主義が発展してくると、失業と貧困、病気やケガの
     多発、労働災害の発生なども広がってきました。賃金労
     働者は、自分自身の労働力を雇用主に売り、賃金を得て、
     それで生活しなければなりません。しかし、傷病、障害、
     高齢、失業などによって、自分の労働力を売る可能性を
     失った労働者は、生きていくことができません」(テキスト92P)

   
*19世紀当時(イギリス)、雇用主(資本家)は、労働者の生活
    や健康などには無関心だった

     
「住民の健康は国民的資本のきわめて重要な要素である
     にもかかわらず、遺憾ながらわれわれは、資本家たちが
     この宝を保存し大切にする用意がまったくないことを認め
     ざるをえない」(『タイムズ』
1861年11月5日)

     
「多くの工場、倉庫、授産所、作業所などの現状から、なん
     と数知れぬほどの病気や死や悲惨が生み出されているこ
     とであろう。・・・人びとは酒の力を借りなければ仕事をやり
     おおせず、それが彼らの健康のレベルを下げ、身持ちを崩
     させ、刻々と、早過ぎる墓場行きへと駆り立てる。
雇用者が
     これらを配慮することは稀である
。労働者たちととり交わし
     た雇用契約書には、健康的な作業室などという条項はどこ
     にもない。雇用者は賃金を支払うことが雇用契約上の自分
     たち側の責務のすべてであると考えている。そしてこの
賃金
     と引き換えに、男女の労働者たちは労働と健康と、そして生
     命を提供しなければならないのである

      
(F・ナイチンゲール『看護覚え書』「換気と保温」より、
                               
1860年、現代社)

  
◇病気、ケガ、そして失業。「労働力」を失った労働者は、生きる
   すべをなくした。
   
*自己責任主義。「すべり台社会」(「もやい」の湯浅誠さん)その
    ものだった。
   
*労働者たちは、自己防衛策として「共済組織」を自主的につく
    りだしていった(自分たちの賃金を少しずつだしあって。しかし、
    「自己負担」であることに変わりはない)

 
3。労働運動の発展、たたかいの中から生まれた生存権思想・
   社会保障制度
  
◇国家が基本的人権を支える責任がある
   
*病気やケガ、失業などは、個人責任ではなく、大きな背景と
    して資本主義制度の仕組み(資本家どうしの激しい競争の弊
    害)そのものによって生み出されるという考え方。

     
「労働者は、失業、貧困、疾病などの発生が自然法則であ
     るとか、個人の責任であるという資本家からの思想攻撃に
     たいし、失業、貧困などの基本的な原因は資本主義制度
     そのものにあることをつねに明らかにし、ここから、それら
     の場合の生活保障について資本家とその国家が責任をも
     つことをつよく要求してたたかってきた。
      
また労働者は社会の富を生み出しているにもかかわらず、
     傷病、老齢、障害、そして失業などの場合にあらかじめ備
     えることができないほどの低賃金しか受けていないことから、
     労働者が資本家と国の負担で社会保障を受けるのは当然
     の権利
だと主張してたたかってきている」
       (柴田嘉彦『世界の社会保障』新日本出版社、
1996年)

  
◇たたかいの成果としての社会保障制度
   
*労働者は、労働組合をつくり、経済闘争とともに、政治闘争へ
    とたたかいを発展させる
    
・ストライキなどのたたかいの増大、労働者政党の議会進出など

     
「現実的には、社会保障制度は、…国家独占資本主義の立
     場からの政策の推進と、これに反対する、労働者・国民の立
     場(生存権の実現、全面的な生活保障の確立をめざす)から
     の闘争との
相互の力関係のなかでその内容が決定されてき
     ている
」(柴田・前掲書)

   
*社会保険(保険料を主要な財源にする-ただし労働者の負担
    が相変わらず大きい)
   
*社会扶助(国、地方公共団体の税収入による一般財源からの
    支出、つまり公的負担)

   
*支配階級の体制維持のための「譲歩」としての側面-ムチとアメ

     
「社会保険と社会扶助は、資本家階級がすでに弾圧の方法
     だけでは労働運動とたたかえなくなり、結局のところ自己の
     完全な支配権を維持するという目的のために、個々の譲歩
     をする戦術に移行することを余儀なくされた段階で実現した」
                                (柴田・前掲書)

     
「労働者・国民のたえまない闘争のなかで、給付内容の引上
     げ、保険対象事由の新設、増加、適用者の規模の範囲の拡
     大、雇主と国による費用負担割合の増加、保険業務の管理
     への被保険者の参加など、1歩1歩、改善の成果をあげなが
     ら、社会保険は多くの国で普及するようになった」

     
「社会扶助は、救貧制度に比べ、より広範な対象者に、権利
     としての性格をもった給付をおこなう、1歩前進した制度だと
     いえる」(柴田・前掲書)


   
*1917年のロシア革命
   
*ILO(国際労働機関)の創設
   
*ドイツのワイマール憲法→ファシズムの台頭により消滅
   
*アメリカのニューディール政策(テキスト95P「注」)
     
1929年の世界恐慌-失業、飢餓、病気、欠乏、貧困・・・。
      大混乱に。
     
・労働運動の激増、たたかいの発展
     
・資本主義国で初めての社会保障法の成立へ(1935年)
   
*イギリス「べヴァリッジ報告」(1942年)
     
・世界に影響をおよぼした社会保障制度の骨格プラン
     
・制度としての社会保障が体系化され、内容も一定程度、明確に
     
・「ゆりかごから墓場まで」
   
*世界人権宣言(1948年)




二。日本国憲法と社会保障の理念(Ⅲ章)
 
1。人類のたたかいの成果を受けついで

    
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多
    年にわたる自由獲得の努力の成果
であって、これらの権利
    は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、
    侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」
                                    (97条)

 
2。13条、25条、土台としての「平和的生存権」
  
◇13条-「個人の尊重」「生命、自由、幸福追求」

  
◇生存権としての25条

    
「戦後憲法の輝かしい25条は、高野岩三郎たちがたどって
    きた歴史(ワイマール憲法の流れ-長久)と、GHQ内のニュ
    ーディーラーたちがその夢を託して日本にやってきた道とが
    合流するところで生まれた…25条は、その意味で、文字通
    り世界史的産物であった」
    
(二宮厚美『憲法25条+9条の新福祉国家』かもがわ出版、2005年)

   
*その先駆性

  
◇前文の平和的生存権、そして9条「戦争放棄・戦力放棄」
   
*戦争国家としてのナチスドイツによる社会保障攻撃(ワイマ
    ール憲法下で勝ちとられた諸制度を戦争の資金調達などの
    目的に利用)は、戦争・ファシズムが、社会保障とまったく対
    立することを示した典型。日本も同様な歴史(テキスト108P)。
    9条と25条は一体。

  
◇国家が基本的人権を支える=社会権の規定
   
*25条、26条、27条、28条

 
3。憲法を読むためには想像力が必要

    
「多数派の側にいる人間が憲法を理解するためには、常に
    弱者に対するイマジネーションを働かせる
必要があります」

    
「強者と弱者は、常に立場が入れ替わる可能性があります。
    ・・・そういう
可能性に対するイマジネーションを持っていない
    と、憲法はいつまでたっても他人事で終わってしまいます」
       
(伊藤真『高校生からわかる 日本国憲法の論点』
                         トランスビュー、2005年)




三。日本の社会保障のあゆみ(Ⅴ章)-朝日訴訟を中心に
 
1。第2次世界大戦終了までのあゆみ(テキスト102~109P 省略)
  
◇基本的に社会保障としてはきわめて不十分な制度
   
*明治以降の急激な資本主義化と支配階級の弾圧の強さ、
    対外侵略戦争へ

 
2。敗戦後-日本国憲法の制定
  
◇1946年に憲法が公布(47年施行)
  
◇占領初期の段階で、社会保障制度の骨格が整う
    (テキスト
110~112P)
   
*しかし、これはいわば「上からの改革」で、「権利をたたかい
    とる」という主体性の獲得は、「朝日訴訟」という大国民運動
    の登場をまつこととなる。

 
3。朝日訴訟-社会保障闘争のあけぼの
  
◇1957年に「朝日訴訟」開始(朝日訴訟とは-テキスト114~115P)
  
◇1958年には、労働組合(総評など)を中心に、「中央社会保障推
   進協議会(中央社保協)」が結成される(今年で結成
50周年)。

  
◇以下は、『人間裁判-朝日茂の手記』(大月書店、2004年)より

    「私は、(これだ! これをやらなければならない。泣きねいりし
    ていては、いつまでたっても救われない)と心の中で叫んだ。い
    ままで、どんなに多くの人びとが法律のことを知らないために、
    低い生活保護基準に苦しめられ、そのまま泣きねいりしたこと
    であろう。私たちの療友も、古い田舎の慣習にとらわれたり、
    家の面子(めんつ)にこだわったり、虚栄のため、受けられる
    保護も受けず、また、受けたとしても、ただ、
お上からのお恵
    みとして受け取り、民主憲法で保障された当然の権利として考
    えていた人は少なかったのではなかろうか
」  (朝日茂手記)

    
私の怒りは、決して私1人だけの怒りではない。多くの貧しい
    人びと、低い賃金で酷使されている労働者の人びと、失業した
    人びと、貧しい農漁村の人びと、この人びとはみんな私と同じ
    ように怒っているはずだ。
600円が1000円に引き上げられずと
    も、あるいは、なんとか個人的に解決する方法がないとはいえ
    ないが、
こんなことをしていてはいつまでたっても、貧しい人び
    と、弱い人びとは浮かばれない
。生活と権利を守ることは、口
    先だけでいくらいっても守れるものではないのだ。
闘うよりほか
    に、私たちの生きる道はないのだ
」       
(朝日茂手記)

    
「政府は、軍国主義復活、核武装へと、着々と安保体制を遂
    行し、ごまかしの社会保障、医療合理化による低医療費政策
    を強引におしすすめている。
     
…池田自民党のはなやかな経済成長のかげに、われわれ
    被保護者には矛盾のトゲが痛いほどささっている。社会保障
    の拡充などというのは選挙のときだけで、
まさに弱い病人は
    早く死ねという政治なのだ

     
こんなことをあれこれ寝ながら考えていると書かずにいられ
    なくなり、ついつい起き上がって訴えの手紙を書きつづけるの
    が常であった。まわりの人びとは、『朝日さんはそんなにせん
    でも、じっと寝とりゃあいいのに』と心配してくれるが、私はどう
    してもやらずにはいられない。
重症者の、せめてりんごの1つ
    も食べさせてほしいという、このささやかな願いが、いまだに認
    められないでいるのだ。『こんなバカな話があるだろうか-』こ
    の怒りが、私の残り少ない生命の炎をかきたてている

                                (朝日茂手記)

    
「憲法を暮らしに生かす運動は、憲法の諸条項・人権とそれ
    に違反する現実とのギャップがあからさまになるとき、その
    ズレのなかから国民的高揚を迎える…。
朝日訴訟の場合に
    は、一方での憲法で保障された文化的最低限の生活保障
    原則と、他方での非人間的な劣悪きわまる生活保護基準の
    現実、この両者間のあまりの落差・矛盾・ズレが憲法を暮ら
    しに生かす運動に火をつけたのである。21世紀の社会保障
    運動はこの運動視点に学び、一方での高まる権利水準、他
    方での劣悪・貧困な無権利的生活の現実、この両者のギャッ
    プに着眼した権利保障運動に取り組んでいかなければなら
    ない
。朝日訴訟が示した社会保障運動の力の源泉は、この
    点にあると考えられる」
                
(二宮厚美「朝日訴訟が現代に問うもの」)

    
「生粋の庶民といってよい朝日茂さんが、なにゆえに、歴史
    上数ある英雄も顔負けの勇気と果敢な意志、不撓不屈の粘
    りをもって、その短い後半生を『権利は闘いとるもの』という
    理念に捧げたのか。その力の源は、要するに、
一方での人
    間らしく生きる権利にたいする深い洞察と、他方での『合法的
    殺人』と呼ぶべき非人間的な生活を強いる国家権力に対する
    怒り、この二つに求められる
。朝日さんは、普遍的人権に対
    する洞察と確信が非人間的生活を強制する権力と衝突し、そ
    こに発する火花を生きる力として50年の人生を生き抜いた。
    これは、21世紀に生きる一人ひとりの個人が、いかにして生
    きるべきかを問うときに、一つのヒントを提示するものにほか
    ならない」                    (二宮厚美、前掲)

  
◇1審判決(1960年10月、浅沼判決)
   
*25条の具体的権利性を明確に述べた
   
*「最低限度の水準は決して予算の有無に
よって決定される
    ものではなく、むしろこれ
を指導支配すべきものである」

  
◇朝日訴訟の運動形態も、学ぶべき宝がたくさんある
   
*個人的たたかいから、組織的たたかいへ
    
「どうして個人の力のみで闘えようか。組織の支援なしには、
    とうてい勝つことはできなかったであろう」(朝日茂手記)
   
*労働者階級も、「自分たちのたたかい」として全面支援

 
4。その後の社会保障運動の経過は省略しますが…

    
「現実的には、社会保障制度は、…国家独占資本主義の立
    場からの政策の推進と、これに反対する、労働者・国民の立
    場(生存権の実現、全面的な生活保障の確立をめざす)から
    の闘争との
相互の力関係のなかでその内容が決定されてき
    ている
」(柴田・前掲書)

     
…という原則的な法則はかわっていない。

   
◇労働運動、革新自治体の発展による社会保障の前進
    (老人医療の無料化など)
   
80年代以降の臨調「行革」路線による社会保障への攻撃、後退




四。わが国の社会保障のあらましと特徴(Ⅵ章)
  
◇各自、読んでいただいて、制度に強くなってください。
  
◇EU(とくに北欧など)の社会保障の理念と制度は、参考になる
   ので、ぜひ詳しい学習を



さいごに:「医療者としてのプロ」になるとともに、患者さんや自分の
      人権を守る「主権者としてのプロ」として成長することの大切さ。

      
「自分自身の幸せ」と「他者あるいは社会全体の幸せ」を
      重ねあわせて。



以上。





| | コメント (0)

2008年8月25日 (月)

愛知労働学校で

おととい(23日)は、
第101期愛知労働学校で話をしました。
新幹線で移動。18時、愛知労働会館に到着。

愛知を訪れるのは、本当に久しぶり。
労働会館も、なつかしい風景でした。

で、私は労働学校基礎教室の、
なんと最終講義を担当したのでありました。
基礎教室のテーマが、
「本当の真実はどこにある?」というもので、
これまで、貧困と格差、医療、環境、
スピリチュアル、労働問題、食品、平和など、
多彩なテーマで「真実」を学んできた受講生のみなさん。

そして、さいごの講義のテーマは、
「本当の真実はここにある-未来を創るのは私たち!」
というものでした。
なんとも漠然としたテーマで、
何を話そうか悩みましたが、
今後の学習や活動のヒントになるような話が
できればと思い、準備してみました。

Img_2148

 教室風景。

 若い人が
 真剣に
 学んでいます。




もちろん、11月の全国集会の宣伝も
がっつりしました。
愛知からも、たくさんの参加をお待ちしています。

講義のあとは、グループ討論に私も参加し、
みなさんの面白い意見やや議論を聞いて
勉強しました。

21時に終了したあとは、
愛知学習協のS田事務局長や
常任理事の方々と懇親会へ。

Img_2149 
 愛知といえば、
 琉球王国(笑)。
 
 お久しぶりの
 出会いもありました。
 なつかしい雰囲気。




Img_2153



 泡盛も久しぶりに
 飲んだ気がします。

 来月の沖縄が
 いまから楽しみ!






学習運動や労働運動など、
あれこれ話をして、
23時に懇親会はお開き。
即座に名古屋駅に移動し、
23時半の深夜高速バスに乗って、
朝7時に岡山駅に帰ってきたので
ありました。

労働学校チュターのみなさん、
愛知学習協のみなさん、
いろいろとお世話になりました。
ありがとうございました!



講義の概要は、以下。


一。真実をつかむために
 
1。あふれる情報のなかで
  
◇自分の頭で考え、疑い、読みとき、学ぶ力を
   
*『オッリペッカ・ヘイノネン 「学力世界一」がもたらすもの』
                            
(NHK出版、2007年)
   
*29歳でフィンランドの教育大臣となり、現在の「学力世界一」
    の基盤をつくる、中心的な役割を担った人の言葉。

    
「今日の世界では何もかもが目まぐるしく変わり、周囲に膨大
    な量の情報があふれています。変化に適応し生き抜くために
    は自分で自分を導いていかなければなりません。
自分自身を
    知らなければなりませんし、自分の内面から新しいことを学ぼ
    うというモチベーションが生まれなければなりません

     
人びとが自ら学ぶ力が必要なのです。新しい出来事に対応
    する能力、将来思わぬ問題が起きたときにそれを解決する能
    力が重要です。その能力を養うためには学ぶ力を身につけな
    ければなりません。他者と協力する力や他国とコミュニケーシ
    ョンをとる力も求められ、言葉の教育も重要です」

    
頭に知識を流しこむだけではなく、どのように学ぶか、どのよ
    うに自分の頭を使って考えるかを学ぶということ…

     
…教師たちはたんに事実を学ぶだけでなく、事実のさらに向
    こうを見ることの大切さ
を教えてくれました。なぜそうなるのか、
    なぜこれを学ぶのか。これもモチベーションの問題につながっ
    てきます。というのは、モチベーションは『なぜ?』という疑問か
    ら生まれるからです。
     
変化の少ない安定した社会では、物事のありようを自ずと学
    ぶことができます。しかし、変化のスピードが激しい社会では、
    なぜそのような状態なのか、ほかの可能性もありうるのではな
    いか、ということを絶えず考え続けなければならないのです」

   
*ヘイノネン氏は、「すべての基本は読解力
を高めること」と述
    べている。フィンラ
ンド人は、世界一読書好きといわれ、国

    の77%が毎日平均1時間読書をして
いる。図書館利用率も
    世界一。

 
2。たしかなメガネ(羅針盤)が必要
  
◇「先入観という便利なメガネ」
        (臨床心理士・土屋由美さん-資料参照)
   
*私たちの、「他人や職場、社会への判断(見当や認識)」は、
    対象の真の姿を反映しているか?つねにチェックが必要。
   
*変化に気づく力。変化を読み取ろうとする意識。

  
◇たしかなメガネを求めて

    
「世界をあるがままのゆたかさでとらえうるような、そんな目を
    私たちはもちたい。ゆがんだ眼鏡は、世界をゆがんで見せる。
    私たちは、ちゃんとした眼鏡がほしい。哲学への要求がそこか
    らはじまる。・・・ちゃんとした眼鏡をかけたことのある人は知っ
    ていよう、はじめてそれをかけたときのことを。それまで、木の
    葉はぼうっとかすんで見えていた。木とはそんなものだと思っ
    ていた。が、眼鏡をかけたとたんに、木の葉の一枚一枚が、し
    たたる緑とあざやかな輪郭をもって目にとびこんできた。世界
    がそのあるがままの新鮮さで私たちに迫ってくる、そんな眼鏡
    を求めて、私たちは哲学にむかうのである」
        
(高田求『人間の未来への哲学』青木書店、1977年)

   
*学習運動が得意とする基礎理論(哲学、経済、社会発展の理論)
    を学ぶ重要性

   
*たとえば、賃金の「本質」とは?

二。真実を広げるために
 
1。国民支配のグーとパーとたたかう
  
◇力(経済権力・立法権力・警察権力)による支配
   
*政党ビラをマンションに配っただけで有罪
   
*歴史的にはマスコミの右傾化政策(マスコミ労働者・労働組合へ
    の弾圧など)

  
◇イデオロギーによる包みこみ
   
*強固な自己責任論包囲網、公務員攻撃も
   
*国家財政は大変ですよ、企業が倒産しますよ、国際競争に負け
    ますよ
   
*いざ選挙のときには、周到な世論誘導

 
2。サイエンスとアート
  
◇サイエンス・・・科学的判断、分析
   
*事実と根拠にもとづいた分析・判断
   
*労働組合の果たす役割、情勢の特徴、科学的な政策・たたかい
    の方針

    
「わかるけど、やる気がしない、行く気がしない」をどう考えるか
    
・認識論の問題・・・「わかってない」(本当には納得してない)と
     いう問題
    
・感性(五感)での共感という問題

  
◇アート・・・伝える力、生み出す力の総合力
   
*「理性」と「五感」に響かせる
   
*情報受信・伝達力、チラシやニュースづくり、ホームページ・ブログ
   
*言葉で勝負する。相手に伝わる言葉かどうか。
   
*オルグ力(話し方、聞き方、空間、時間)、会議力、事務所力
   
*仲間の存在、ヒューマニズム=微温(あたたかさ)

 
3。「学びあう場」「語りあう場」を1つひとつ、大切につくろう!
  
◇私たちから力を奪うもの、そして力を与えてくれるもの

    
「何が起きているかを正確に伝えるはずのメディアが口をつ
    ぐんでいるならば、表現の自由が侵されているその状態に
    おかしいと声を上げ、健全なメディアを育て直す、それも私
    たち国民の責任なのだ。人間が『いのち』ではなく『商品』と
    して扱われるのであれば、奪われた日本国憲法25条を取
    り戻すまで、声を上げ続けなければならない。
     
この世界を動かす大資本の力はあまりに大きく、私たちの
    想像力を超えている。
だがその力学を理解することで、目に
    映る世界は今までとはまったく違う姿を現すはずだ
。戦うべ
    き敵がわかれば戦略も立てられる、とエピローグで紹介した
    ビリー牧師は言う。
大切なのはその敵を決して間違えないこ
    とだ

     
無知や無関心は『変えられないのでは』という恐怖を生み、
    いつしか無力感となって私たちから力を奪う
。だが目を伏せ
    て口をつぐんだ時、私たちは初めて負けるのだ。そして大人
    が自ら舞台をおりた時が、子どもたちにとっての絶望の始ま
    りになる。
     
現状が辛いほど私たちは試される。だが、取材を通じて

    た沢山の人との出会いが、私の中にある『民衆の力』を
信じ
    る気持ちを強くし、気づかせる。あきらめさえしなけ
れば、次
    世代に手渡せるものは限りなく尊いということに」
        
(『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果、岩波新書、2008年)

  
◇手をつなぐ(結ぶ)、手から学ぶ-連帯・団結をひろげて
   
*社会的連帯を創りだすのは、私たち自身

   
*絵本『てとてとてとて』(浜田桂子、福音館書店、2002年)

    
「なきそうになっている ひとの てを りょうてでそっと つつむ。『そ
    ばに いるからね。げんきになってね』って ては つたえてくれる」

    
「あくしゅする。てと てを にぎって むきあって。はじめてあっても
    ともだちになれそう」

    
「けんかしてても なかなおりできそう…」

    
「てと てを つなぐ。だいすきな ひとと。
わくわく どきどき うれしいよ」

    
「てと てを つなぐ。だいすきな ひとと。
わくわく うきうき うれしいよ」

    
「てと てと てと てと てを つなぐ。
ちからが むくむく わいてくる。
    
ぜったいまけるな エイエイオー!」

    
「てと てと てと てと てと てと てとてと みんなで みんなで てを
    つなぐ。うれしい きもちが つながるよ。たのしい きもちが ふくら
    むよ。どんちゃか パーティー それ おどれ!」


  
◇職場や地域、労働組合のなかに「学びあい、語り合う場」を!
  
◇労働学校は、「学びあい、語りあう」ことのできる、かけがえのない場

さいごに:11月22~24日は、全国学習交流集会in倉敷へ!(宣伝)
      
手をつなぎ、学びあうビックな場です。



以上。




| | コメント (0)

2008年8月14日 (木)

靖国神社って…

きのう(13日)の晩は、
倉敷医療生協労組青年部の学習会
水島協同病院へ。

はじまる前に労組の事務所へ寄ると、
「全国集会への目標を決めたよ!」と
うれしーい報告。
倉敷医療生協労組として、
1日目50人、2日目30人、3日目50人の
目標で取り組みをするのとことです!
わーい。石川先生も、尾崎さんも、ここでは
大人気ですので、やる気まんまんの様子でした。
ありがとうございますtulip

さて、学習会ですが、
参加は5名と少なかったのですが、
「靖国神社ってどんな神社?」というテーマで
がっつり学習しました。
こんなテーマで学習会をしたいという
青年たちの真剣なまなざしが嬉しかったです。
講義のあとも、いろいろと質問が出て、
とてもよい学習会になったのではないかと思います。

Dscn4727
 人数が少なかったので、
 写真も控えめに・・・。
 



では、以下、レジュメです。
このテーマで話をするのは、
これまでに何度もあったのですが、
内容はあまり進歩してないですね…。


一。靖国神社とは
 
1。靖国神社の概略
  
◇「空からマップ」
  
◇「合祀」とは何か

2。その歴史
  
◇国家神道の成立
   
*国家神道とは
    
・他の宗教の上に君臨する事実上の国教(「天皇教」とも言える)
    
・その他の宗教の、信教の自由や、思想および良心の自由は
     徹底的に弾圧された
    
・国家神道がおよぼした影響は、教育・文化・思想・軍事に
     いたるまで、計り知れないものがある。
  
◇1869年(明治2年)「東京招魂社」として創建
                         →1879年「靖国神社」に
   
*陸・海軍省が所管する「国家機関」としての靖国神社
   
*総合的な軍事施設としての性格
    
・付属施設としての遊就館(1881年竣工)、国防館(1934年開館)
     は、日本で唯一の総合的な公開の国立軍事博物館であった。
     刀剣の陳列場としては日本最大であり、祭神となった戦死者
     の遺品、戦利品の兵器、各種の兵器の発達を歴史的にしめ
     す展示など、国民にたいする軍事的啓蒙施設として大きな役
     割を果たした。

 
3。死者の選別
  
◇天皇のために死んだ人のみ-合祀のための厳格な基準
   
*何よりも天皇に忠誠をつくして死んだ、という基準。「軍の要請
    に基づいての戦闘参加」「国家総動員法に基づく徴用」「国民
    義勇隊の隊員でその任務に従事中」など。
   
*軍人であっても、自殺したり、敵前逃亡して死んだ人は
    入れられない。
   
*日本国内の民間人戦没者の大多数、空襲や原爆で亡くなった
    人も当然入っていない。

 
4。その役割をみる
  
◇福沢諭吉が靖国提唱!?
   
*日清戦争直後(1895年)に福沢諭吉の書いた「戦死者の大祭
    典を挙行すべし」
    
<簡単に内容を要約すると>
    
・日清戦争に勝利し、がい旋将兵は爵位・勲章を与えられ栄光
     に包まれているが、戦死した将兵や遺族には国家は冷たかった。
    
・家族を失って悲嘆の涙にくれる人びとを放置していたのでは、
     次にアジアで戦争をする時に、国家のために命を捨てても戦う
     という兵士の精神を調達できない。
    
・兵士・国民が満足するには、「名誉ある死」として讃えられなけ
     ればならない。
    
・帝国の首都東京に、全国戦死者の遺族を招待して、天皇自ら
     が祭主となって、死者の功績を褒め称え、その魂を顕彰する
     勅語を下すことが必要である。
    
・つまり、戦争で死ぬことを「幸福」と感じさせることが肝心なのだ。

  
◇「死んで靖国で会おう」が合言葉に
   
*「天皇陛下のため」「お国のため」に戦死すれば、「神」として靖
    国神社に祀られる。それが、最大の光栄とされた。「九段で会お
    う」が兵士の合言葉に。

  
◇靖国の精神-国民感情を国家が収奪する
   
*「感涙座談会」「軍国の母を訪ねて」にみる遺族感情

   
*戦争推進の精神的支柱として
     
     
「これらの言葉には、天皇の神社・靖国がその絶頂期に果た
     した精神的機能、すなわち、単に男たちを『護国の英霊』たる
     べく動機づけるだけでなく、『靖国の妻』、『靖国の母』、『靖国
     の遺児』など女性や子どもたちも含めた、『国民』の生と死の
     意味そのものを吸収しつくす機能が典型的に表現されている」
                      
(高橋哲哉『靖国問題』、ちくま新書)

   
*感情の錬金術

     
「戦死者を出した遺族の感情は、ただ人間としてのかぎりでは
     悲しみでしかありえないだろう…ところが、その悲しみが国家
     的儀式を経ることによって、一転して喜びに転化してしまうのだ。
     悲しみから喜びへ。不幸から幸福へ。まるで錬金術によるかの
     ように、『遺族感情』が180度逆のものに変わってしまうのである」
                               
(高橋哲哉、前掲書)

   
*国家は、遺族の「悲しみ」さえ奪った

     
「戦時中は、自分の肉親が理不尽に途中で生を断絶させられ
     た場合、妻であっても母であっても、あるいは兄弟であっても、
     公的な言説空間だけでなく、私的な言説空間でも、悲しみや怒
     りを露にすることを奪われていた。遺族は、感情を抑圧させら
     れていたわけです。『名誉の戦死』『誉の戦死』は悲しみや怒り
     を回収する言説でした。あるいは喜びに転化させるということ
     だった」
    
(田中伸尚『現代思想』8月号「討議・<靖国>で問われているもの」)

  
◇昭和天皇は、1929年の4月に山東出兵による戦没者合祀の
    臨時大祭で初めて靖国神社を参拝して以後、45年4月まで、
    20回参拝している。

 
5。戦後はどうなったか
  
◇GHQの「神道指令」(1945年12月15日)
   
・政府などの公的機関による神社神道に対する援助の禁止、
    公立学校における神道教育の禁止、公務員の公的資格で
    の神社参拝などの禁止、を求めたもの。
  
◇靖国神社は、単立の宗教法人に
   
*合祀は続ける-厚生省が戦死者名簿を集約、靖国神社に
    提供していた
   
*現在の合祀数は約246万6千柱
  
◇A級戦犯の合祀(1978年)によって外交問題に発展する
   
*A級戦犯とは、極東国際軍事裁判(いわゆる東京裁判)にお
    いて、「平和に対する罪」、すなわち侵略戦争を指導した罪の
    ゆえに被告とされた28名のこと。このうち、東条英機元首相、
    板垣征四郎元陸軍大将など14名が靖国神社に合祀された。

二。靖国問題①-日本の戦争をどうとらえるのか
 
1。靖国神社はどう主張するのか
  
◇靖国神社の二つの使命
     
(靖国神社が編集・発行している『遊就館図録-靖国神社』より)
   
①「英霊」の「顕彰(=ほめたたえる)」
    
*靖国神社は、戦没者の「追悼」施設ではなく、「顕彰」施設
   
②「英霊が生まれた時代である近現代史の真実を明らかにすること」

  
◇靖国神社がいう、近現代史の「真実」とは
   
*『自存自衛』-欧米ロシアの列強にせまられ、やむなく始めた
    戦争だった
   
*『アジア諸国の解放』-戦後、アジア諸国は欧米の植民地を脱し、
    独立した

 
2。大切なのは、殺された側の感情-日本はアジアで何をしたのか
  
◇日本軍戦死者たちの参加した戦争は、アジアにどれほどの死と
    被害をもたらしたのか
   
*2000万人以上の死者、アジア人蔑視からくる残虐性
   
*別紙資料参照
  
◇「遊就館」にかけているもの
   
*傷つけ、殺された側-アジアの人びとの視点
  
◇アジアの人びとは、首相の靖国参拝をどうみるか

三。靖国問題②-個人の思想及び良心、信教の自由への侵害
 
1。戦後も、遺族の意志とは無関係に合祀
  
◇仏教徒・菅原龍憲さんの合祀取り下げ願い
   
*映画「靖国」にも登場されています
  
◇他宗教の人も、朝鮮・台湾の人も、「遺族の意志」に関係なく
   合祀を行う靖国神社
  
◇日本国憲法19条「思想および良心の自由」、20条「信教の
   自由」の侵害
   
*厚生省(当時)は、戦没者の名簿を、一宗教法人である
    靖国神社に提供し続けた

     
「国家と個人の関係の中で、個人がどう生きるかを自分で
     決めるということは、戦後の人びとが獲得してきた生き方で
     す。信教の自由や政教分離原則はその核です。それがい
     きなり国家権力によっていわば『拉致』された」
                     
(田中伸尚『現代思想』8月号)

     
「私は、ここに靖国の本質が出ていると思います。本当は、
     遺族のことなんて関係ないんですよ。遺族の追悼感情なん
     て全く無視している。本当に遺族の追悼のため、遺族の追
     悼感情を満たすためであれば、遺族がやめたい、自分の
     やり方でやりたいと言ったときに、取り下げるのが宗教法
     人としては当然でしょう。信者が離れたいときに宗教団体
     が許さないということになったら、人権問題です。なぜ靖国
     だけが認められるのか。結局、『国家のため』に祀るから
     でしょう。徹頭徹尾『国家のため』に祀るわけであって、遺
     族のことは関係ない。靖国に祀ってほしいと思っている遺
     族はたまたま国家の意志と一致しているだけです」
                     
(高橋哲哉『現代思想』8月号)

 
2。「政教分離」原則
  
◇侵略戦争の反省としての政教分離
   
*日本国憲法20条3項
     
「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動
     もしてはならない」
   
*二度と国家が個人の心に入り込み、侵すことのないように
    という縛り

四。靖国問題をめぐる情勢
 
1。小泉首相の6年連続参拝
  
◇自衛隊の海外派兵(インド洋、イラク)
   
*自衛隊員の「戦死」の可能性という背景も
   
*「戦争をする国」づくり
  
◇アジア諸国との外交問題に発展
   
*とくに中国、韓国との外交関係を冷やした
  
◇外務大臣(当時)・麻生太郎は…
   
*06年1月28日に名古屋市内で行った講演で
    
「英霊の方からしてみると、天皇陛下のために『万歳』と言った
    んであって『総理万歳』と言った人はゼロ。だったら天皇陛下
    の参拝が一番なんだ」
   
*その講演後「遊就館の展示は中国から見れば問題があるのでは」
    と
の質問に対し…「中国が言えば言うだけ、行かざるを得なくなる。
    
『たばこ吸うな』と言われたら吸いたくなるのと同じだ」

 
2。靖国派「期待の星」安倍首相の登場と撃沈
  
◇小泉首相の靖国神社参拝についての安倍氏のコメント

    
「(国家を)命を投げうってでも守ろうとする人がいない限り、
    国家は成り立ちません。その人の歩みを顕彰することを国
    家が放棄したら、誰が国のために汗や血を流すかというこ
    とですね」(『この国を守る決意』)と当然視。

   
*靖国神社崇敬奉賛会主催の公開シンポジウム(2004年11
    月27日)にも出席し、「小泉総理の意志を、次のリーダーも
    その次のリーダーもしっかりと受け継いでいくことが大切で
    ある」と述べている。

  
◇天皇制、侵略戦争について(首相になる前の発言)

   
「日本国民は、天皇とともに歴史と自然を紡いできたんです」
   
「日本の歴史がひとつのタペストリーだとすると、その中心に一本
   
通っている糸はやはり天皇だと思うのです」(『安倍晋三対論集』)

   
「侵略戦争をどう定義づけるかという問題も当然ある。学問的に
   確定しているとはいえない」
   
「さきの大戦をどのように定義づけるかということは政府の仕事
   ではない。歴史家の判断に待つべきではないか」
                   (
2006年2月16日、衆院予算委員会)

  
◇追いつめられた靖国史観派-世界の構造変化が背景に
   
*安倍政権は、靖国派勢力で内閣を固めたにもかかわらず、
    最初の外遊先に、「歴史問題」での謝罪を目的とした中国と
    韓国を選ばずにはおれなかった。
   
*「慰安婦」問題での本音発言は米国から圧力がかかり、
    「おわび」連発
   
*安倍政権は07年夏の参議院選挙で歴史的大敗
   
*後継には、麻生太郎より靖国色が薄い福田康夫氏を選ばざる
    をえなかった
   
*その背景には世界の急速な構造変化(東アジア情勢の発展)
    
≪参考文献『覇権なき世界を求めて-アジア、憲法、「慰安婦」』
                      
石川康宏、新日本出版社、2008年)

  
◇福田首相
   
*福田首相も、「日本会議議連」「改憲議連」「靖国議連」に所属。
   
*「任期中は靖国参拝はしない」と言っているが、2002年までは
    毎年参拝していた。2001年8月15日、小泉首相(当時)が参拝し
    たとき、官房長官として随行。参拝批判にたいして、「小泉首相
    の信教の自由だ」と擁護。
   
*ちなみに、安倍前首相が官房副長官当時「核兵器使用は違憲
    ではない」と発言したのに対して、核保有について「(憲法に)持
    ってはいけないと書いていない。私個人の理屈から言えば持て
    るだろう」と官房長官記者会見で発言(
02年5月31日)。

 
3。和解のために-私たちにできること
  
◇国民が侵略戦争を肯定する政治家を選ばない
   
*世界構造の変化によって、靖国派が本音をいえない、行動でき
    ない状況になっているが、根本的には、そういう政治家を日本の
    国民が選ばない「賢さ」が必要。
   
*「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて
    行動し」(憲法前文)

  
◇私たちの歴史を学ぶ努力の水準を引き上げる
   
*東アジアには、複雑で政治的な問題が山積
   
*解決には、長い時間が必要
   
*対話と討論、交流をつみかさねて
   
*私たち1人ひとりが、歴史を学ぶ努力をする
    
・先入観、決めつけでなく、事実から出発する
    
・被害者、加害者の話を直接聞く、直接歴史の現場に行って
     みることも重要



【靖国問題での参考文献】
『靖国神社』(大江志乃夫、岩波新書、1986年)
『靖国の戦後史』(田中伸尚、岩波新書、2002年)

『Q&A もっと知りたい靖国神社』
        (歴史教育者協会編、大月書店、2002年)

『靖国問題』(高橋哲哉、ちくま新書、2005年)
『現代思想』05年8月号-特集・靖国問題
『国家と犠牲』(高橋哲哉、NHKブックス、2005年)
『靖国問題と日本のアジア外交』(松竹伸幸、大月書店、2006年)

『フィールドワーク 靖国神社・遊就館』
          (東京の戦争遺跡を歩く会、平和文化、2006年)

『「靖国」という問題』(高橋哲哉・田中伸尚、金曜日、2006年)



以上。




そういえば、先日、映画『靖国』観ました。
思ったよりかはイマイチでしたが、
十分観る価値はある映画だと思いました。

遺族の意志と関係なく、死者を「拉致」している
神社であることが、よくわかります。



| | コメント (0)

2008年7月28日 (月)

四国の学習交流集会へ

週末(26~27日)は、高知へ。

第10回、四国ブロック働くものの学習交流集会in高知
でありました。

26日(土)、
特急南風に乗って高知駅に11時半に到着。
駅構内のレストランでカレーを食べ、
12時に駅前集合のバスに乗って会場へ。
着いたのは、国民宿舎土佐。
すんばらしく景色のよい場所でありました。

Img_2087
 でも、学習会会場は、
 ぎゅうぎゅう詰め。
 机もなく、学習会としては
 キビシイ条件。

 しかも暑かったようです。
 話す側の力量がするどく
 問われたのであります。

13時半から集会がスタート。
参加は約80名ほどでした。
この集会は、四国の県労連と学習協が共催し、
毎年各県が持ち回りで、
四国各県からさまざまな労働者が参加。
今回は高知が開催県ということで、
参加の主体は高知でした。

オープニングでおもしろい寸劇をみて、
14時から日亜化学の青年たちのたたかいの報告が。
これはすごかった。ぐいぐいと胸にきました。

15時少し前から、私のお話。
「人間らしく働きたい」というテーマでした。
憲法にこめられている人間らしさへのヒント、
資本主義社会における労働のあり方などを説明したあと、
現在の働き方をめぐっての情勢の話をしてみました。

が!
自分でふりかえってみて、
いまいち参加者とかみあってなかったかなーと反省。
「ああすればよかった、こうすればよかった」と、
久しぶりに大きな落ち込み気分を味わったのでありました。
どよーんrain
でも、倉敷の全国集会は最後に宣伝!
瀬戸大橋を渡って、岡山に大挙して参加して
いただくことを期待しています!

学習会のあとは、分散会。

夜は大交流会。愛媛県労連のTさんがおとなりに。
また、高知のかげ茶さんや、平和委員会のM繁さんとも
いろいろ話をすることができ、楽しかったのであります。
その後は214号室での自主交流会。
高知の看護師さん(元高知労連青年部長)と沖縄話で意気投合。
また、高知県ろーれんずの大宴会とあいなったのでありました。
高知人気質は、やっぱりすごいなー。岡山にこの雰囲気はない。
私は中途でこっそりと抜けて、
24時ぐらいには就寝…。

27日(日)は、
9時から学習会第2弾、「憲法ひとかじり」。
伊藤真さんのビデオや、9条世界会議の報告、
名古屋高裁判決などの意義について学んだのであります。

Img_2089


 会場から
 外をながめる。

 うーむ、青い。



11時半には全体が終了。

13時前に高知駅に到着。
いそいそとおみやげを買って、
南風に乗り込み、岡山へ帰ったのでありました。

高知県学習協のI上さん、お世話になりました。
ありがとうございました。




| | コメント (3)

2008年7月18日 (金)

夏休み前 最後の授業

今日の午後は、ソワニエ看護専門学校での
13回目の講義。
学生さんにとっては、明日から夏休み、
私の講義が最後の授業だったようでした。

最初、「夏休みにしかできないことをやろうっ」と、
「旅に出よう」なんて言ってしまいましたが、
バイトや課題でなかなか大変なんですよね、実際はtyphoon
でも、旅yachtをしてほしいな、と思います。
貴重な時間なんですから。

「読書日記」では、徳永進さんの『野の道往診』を紹介。
最初、ちょっと騒がしかったのですが、
だんだんと静かに・・・これは本の内容がよいからか・・・と
思ってたけれど、ふと教室をみわたすと、
静かになった理由は、しゃべっていた人が寝たsleepyからでした(笑)
でも、3分の2ぐらいは聞いてくれていた、と思う(たぶん)。

最近の学生はすごくて、寝ながら講義を聞くという
技術をもっているので、寝てると思っていても、
じつはちゃんと聞いていたとか、あるんですよね(笑)。

ここ2日間、テストが続いていて、
相当みなさん寝不足だったこともあったようです。
おつかれさま。


講義では、前々回、前回に出された意見や
質問などに答え、
ほぼそれで時間をつかってしまいましたー。



感想文は、とても泣かせることを
書いてくれる学生さんも結構いて、
この4か月間の苦闘もムダでなかったと
思ったのでありましたshine

夏休み明けに、
あと2回講義をしますが、
内容は、「主権者としていかに成長するか」。
憲法を素材に、考えたいと思いますclub




| | コメント (0)

2008年7月 5日 (土)

フラフラでしたが

きのう(4日)は、午前中、
岡山医療生協の
平和サークル“おりづる”
総会が操山の里山センターであり、
講演に行ってきました。

Img_1933
 医療生協の
 組合員さんでつくっている
 平和サークルです。

 きのうの参加は
 25名ほどだったでしょうか。



テーマは「海外派兵恒久法について」という
ことでした。

最初、“おりづる”というサークルの名前が
いいな、と思ったので、佐々木禎子(さだこ)さんの
ことについて話をしてみました。

学習会では、海外派兵恒久法の内容と背景、
また、この間の情勢の大きな変化として
名古屋高裁での歴史的な判決が出たので、
その内容を紹介しました。
 *航空自衛隊のイラクでの活動は9条1項に違反すること。
 *憲法前文の平和的生存権は、基本的人権の基底的権利
  であり、具体的権利性があること。

このスバラシク画期的な判決は、もっと広げなくてはなりません。
しかも、裁判では負けたのに中身では大勝利!
おかげで国は上告できずに判決が確定!

裁判官の勇気と英知に乾杯bar

あとは、軍事費の問題、軍事と環境の問題、
憲法どおりの日本をつくろう、という話をしました。
さいごに、澤地久枝さんの「私のかかげる小さな旗」という
決意を紹介し、
「1人ひとりがゆるがない平和の旗をかかげましょう!」
ということをしゃべってみました。

質問やら感想やらもいくつか出て、答えてみました。

それにしても、里山センターのまわりは、緑深くclub
別世界のように気持ちのよい空間でありました。
1日ぼーっとしたいなぁ。



午後は、
ソワニエ看護専門学校で12回目の講義。
2週続けて全員出席。

読書日記は『凛として看護』という本を紹介しました。
22歳のときに長崎で被爆し救護活動に奔走した、
久松シソノさんという看護師の方の本です。
いまは平和の語り部として
貴重な活動をされています(また詳しく紹介します)。

それに関連して、「原爆と医療従事者」という
ミニ補講をしてみました。
ミニ補講といいながら、
授業の半分をつかったんですけどね。
原爆による「死」と、医療従事者として戦争に
どう向き合うのか、という話をしてみました。

本講義では、
ものの見方の2回目で、
「運動・変化をとらえる」視点の問題について
話をしてみました。



前日、久しぶりに家に帰るのが日付をまたぎ、
なんと2時!
きのうは、夜も、とある「語るつどい」でディープな話を
したので、もー、たいへんでした。
ソワニエの時点でかなりフラフラでしたwobbly


でも、無事に1日終わった。
安堵、安堵。



| | コメント (0)

2008年7月 3日 (木)

世界の人権!?

きのう(2日)は、倉敷医療生協の
くらしき診療所&歯科の職員学習会があり、
14時から行ってきました。


Img_1924

 ここでの学習会は
 3度目です。

 参加は20名ほど
 だったでしょうか。



「チベット問題とミャンマーの問題が知りたい」
という職員さんの声があり、
世界の人権状況もふくめて話をしてほしいという、
なんとも難しい要請だったのですが、
「世界の人権、日本の人権」というテーマで、1時間ちょっと、
またもやにわか勉強でしゃべってしまいました。

チベット問題は、『チベット問題とは何か』(大西広、かもがわ出版)の
助けをかりて、ほぼその線で話をしてみました。

ビルマ(ミャンマー)の問題は、
あまり詳しくはしゃべれなかったのですが、
それなりにできたのではないかと思います。

後半は、国際人権法や日本国憲法の先進性について
話をしてみました。
もちろんこちらも素人話なのですが、
この部分のみ概要を紹介いたします。
間違っている部分があれば、誰か教えてください。

自分自身はとても勉強になりました。
久しぶりに世界人権宣言を読みました。


以下。




三。世界の人権と日本国憲法
 
1。世界の人権を考える起点と国際人権法
  
◇世界人権宣言(1948年)
   
*詩人の谷川俊太郎さんが、子ども向けの訳をつくっている
                                 (資料参照)

  ◇この到達からみて、現在の世界は人権問題で満ちている

  
◇世界人権宣言や、国連憲章などをベースに、「国際人権法」が
   整備されてきている
   
*国際人権法は、国籍の違いなく地球上のすべての人間の
    尊厳を守ることを目的として、つくられている。いわば、人類
    社会のルール、となるもの。
   
*国際人権法の主要条約と呼ばれるものは、以下。
    
・自由権規約(「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、1966年)
    
・社会権規約(「経済的、社会的及び文化的権利にかんする国際規約」、
                                          
1966年)
    
・人種差別撤廃条約(1965年)
    
・女性差別撤廃条約(1979年)
    
・子どもの権利条約(1989年)
    
・拷問等禁止条約(1984年)
    
・移住労働者権利保護条約(1990年)

   
*このほか、難民条約、人身売買禁止条約、奴隷制廃止条約なども
    重要。
   
2006年12月に国連で採択された障害者権利条約。日本は批准に
    向け準備中。
   
*このように、国際人権法は、「権利別」というより、「主体別」に人権
    保障の中身を確定することが多い。日本は、7つの主要条約のうち、
    移住労働者に関する条約をのぞけば、すべて入っている。
   
*国際人権法は、人類社会の変化に応じて絶えざる進化を遂げている。

 
2。日本国憲法の開放性・柔軟性、そして先進性
  
◇日本国憲法98条2項
   
*国際人権法の進化の結果が、そのまま国内秩序に編入される
    体制を、日本国憲法はとっている。
   
*優先順位は、「憲法」→「条約」→「法律」となるらしい。
   
*裁判で、国際人権法にもとづいた判例も出てきている

  
◇また、そもそも日本国憲法の人権規定は、世界的にみても先進的なもの
   
*前文の「平和的生存権」は特筆すべきもの。
   
*自由権、社会権もかなり包括的にカバーしている。
   
*理想に燃えていた人びとが憲法をつくった(制定過程はドラマチック)
   
*13条と98条2項は「ドラえもんのポケット」(国際法学者の阿部浩己さん)

   
*しかし、日本国内の人権状況は、はっきり言ってヒドイことになっている
    
・後期高齢者医療制度、働く貧困層、障害者自立支援法、ビラ配りした
     だけで逮捕・・・
    
・国連に怒られている(資料参照)

 
3。「活憲」の時代へ
  
◇権利を知ること、使うこと

  
◇朝日訴訟の教訓-「権利はたたかいとるもの」(朝日茂さん)

    
「生粋の庶民といってよい朝日茂さんが、なにゆえに、歴史上数
    ある英雄も顔負けの勇気と果敢な意志、不撓不屈の粘りをもって、
    その短い後半生を『権利は闘いとるもの』という理念に捧げたの
    か。その力の源は、要するに、一方での人間らしく生きる権利に
    たいする深い洞察と、他方での『合法的殺人』と呼ぶべき非人間
    的な生活を強いる国家権力に対する怒り、この二つに求められ
    る。朝日さんは、普遍的人権に対する洞察と確信が非人間的生
    活を強制する権力と衝突し、そこに発する火花を生きる力として
    50年の人生を生き抜いた。これは、21世紀に生きる一人ひとり
    の個人が、いかにして生きるべきかを問うときに、一つのヒントを
    提示するものにほかならない」
     (二宮厚美「朝日訴訟が現代に問うもの」、『人間裁判』所収)

  
◇コスタリカでは、「活憲」があたり前に行われている
   
*人口約400万のコスタリカで、年間12,000人が「違憲訴訟」を
    起こすという。
   
*大統領に勝利した大学生など

  
◇憲法前文の精神で真の国際貢献を

    
「わたしたちは、平和をまもろうとつとめる国際社会、この世界
    から、圧政や隷属、抑圧や不寛容を永久になくそうとつとめて
    いる国際社会で、尊敬されるわたしたちになりたいと思います」
                               (池田香代子訳)

   
*第2次世界大戦後、63年間、直接の戦争には参加してこな
    かった唯一の先進国としての“ブランド”(ただしアジア諸国に
    ついては、侵略戦争の戦後責任の問題がある)。
   
*経済力もある。「お金」は、使いようによって、人を救う絶大な
    力をもつ。



さいごに:事実を知ること、権利を使うこと



以上。



最後に全国集会in
倉敷の宣伝もしてきました。

ところで、準備するにあたって、

社会権規約の第3回報告書を2006年6月末までに
提出せよと国連の社会権規約委員会から勧告されている
日本政府だけれど、いまだ提出していないのはなぜか?
と疑問に思い、外務省に電話して聞いたら、
「作業が膨大なため」というのが担当者の答えだった。

「ほんとかなぁ」と疑りたくなる。
2001年の総括所見でかなりこっぴどく怒られているし、
後期高齢者医療制度や障害者自立支援法など、
基本的人権の側面からみて重大な問題が起きている
ので、できるだけ遅らせようとしているのでは?と思ったけど、
疑りすぎですかね? 遅れている事実は確かなんだけど。


学習会のあとは、結構質問が出されて、
「さすが倉敷!」と思いました。




| | コメント (0)

2008年6月29日 (日)

メイトアルバイトさん

きのう(28日)は、生協労組おかやまの
メイトアルバイト学習交流会

久米センター(たぶん津山市)であり、
行ってきました。

岡山から車で1時間20分ほどだったでしょうか。
初めて来たところでありました。

11時から、全労連制作の「いまそこユニオン」の
DVDを見て、それから私が話す、という形式でした。
参加はメイトアルバイトさん7名と
労組専従の方3名の計10名。

メイトアルバイトさんとは、商品の戸別配達などを担う、
週に2日の短時間労働者のみなさん。
しかし、契約は2日でも、欠員があればそれ以上働いたり、
賃金が貴重な生活費の一部になっている人も多いそうです。

生協労組おかやまでは、
5年前までは、アルバイトの加盟はたった1人だけでしたが、
ここ3か月ほどで、組織拡大運動にとりくみ、
一気に50人近い仲間をむかえています。
団体交渉での発言、組織拡大を力にして、
時給アップなど、要求実現で大きく前進をしています。
全国的にも進んだ取り組みをしている労働組合です。

で、加盟した人たちを対象に、学習と交流会を
もつことになり、きのうの企画となったということです。

私は、「知っておきたい!労働組合の基礎知識」
といういつもの感じのテーマでしたが、
パートのみなさんとはまた少し雇用形態が違う
メイトアルバイトさんということで、内容を考えてみました。

Dscn4722

 お昼休憩の様子。
 昼食をいただきながら、
 とある面白い
 ビデオをみる。






7月にも笠岡方面で同じ学習交流会をします。



| | コメント (0)

2008年6月27日 (金)

今日は朝日新聞にキレた

きょう(27日)の午後は、ソワニエ看護専門学校
11回目の講義。気温が暑くて体はバテバテでした。

読書日記は、『シスター寺本松野-その看護と教育』
という、すごい本を紹介しました。

また、前々回に出された学生さんからの2つの質問
について答えてみましたcoldsweats02

2つ目の質問に答えるときに、
マルクスの「職業選択にさいしての一青年の考察」の
有名な部分を紹介したのですが、
質問をしてくれた学生さんが感想文で、
「マルクスの言葉が胸に刺さりました」と書いてくれていました。
よかった。


本講義では、「ものの見方(1)」という、えらくシンプルな
テーマで、事実から出発すること、原因を考える姿勢、
先入観・決めつけとたたかう努力を強調しました。

ひとつの例として血液型性格判断をとりあげたのですが、
感想文などを読むとかなりインパクトthunder
あったようでありました。
ほんとーにこれは根深い問題です。
早くやめましょう、こんなことは。

が、しかし!
今日の朝日新聞の政治面で、「ポスト小沢」がどうした
こうしたという記事があって、民主党の幹部5人ぐらいの
紹介があったのですが、
「データ」として7つぐらいの項目があって、
「趣味」「座右の銘」「カラオケで歌う曲」などはまだ
わかりますが、なんと「血液型」が紹介されていました。
朝日新聞のレベルはそこまで落ちたかと
がっくりdownきました。女性週刊誌じゃないんですよ!
血液型がその人を判断するなんの材料になるんですか。
こんな非科学的なことを堂々と載せる朝日新聞の
見識を今日は(も?)はっきりと疑いました。

*人間の性格をたった4つに分けれるのでしょうか
*人間は生まれてから死ぬまで、性格は「同じ」なのでしょうか。
  「性格」は変わるものだし、そのときは血液型も変わるのですか?

 ・・・つまりここにあるのは、とても貧困・単純な「人間観」。

*だいたい、もし血液型と性格に因果関係があるのだったら、
 それが科学的に証明されているのだったら、なぜ小学校の
 教科書に書いていないのでしょうか。


 
「なんとも不思議なことであるが、ろくに観察もしないで、
 あるいはまったく観察ぬきで、あるいは少しでも世間の
 経験と突き合わせてみればとっくの昔に嘘とわかってい
 るはずの“ことわざ”や“格言”の類などに頼って、人び
 とは判断を下しているのである」
 (F・ナイチンゲール『看護覚え書』13章「病人の観察」より)


というような、ナイチンゲールやヘンダーソン、
川島みどりさんの言葉を講義で紹介して、
「科学的なものの見方を」と補足しました。

最後に、「観察力」「感性」をきたえる
トレーニングの努力について話してみました。





| | コメント (0)

2008年6月26日 (木)

軍事と環境の視点

きのう(25日)も、過密な忙しさでした…。
18時からは、
岡山医療生協労組の中央委員会
30分間の平和学習の講師に行ってきました。
(写真とるの忘れた)

「平和運動の課題と労働組合」という内容。
軍事と環境、という視点に反響があったみたいです。
あと、90式戦車などの軍事費浪費に、知らなかった人は
唖然とし、「信じられない…」とつぶやいていました。


以下、レジュメです。



一。平和運動の課題と労働組合
 
1。平和運動は、“こなす”課題ではない
  
◇戦後63年・・・1年1年が、貴重な橋渡しの時期
   
*戦争体験者、被爆者の減少
   
*日本と世界の平和を創造する力をもった、主権者として
    成長するために

     
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を
     地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会にお
     いて、名誉ある地位を占めたいと思ふ」(憲法前文)

     
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の
     不断の努力によつて、これを
保持しなければならない」(12条)

  
◇戦後の平和運動の教訓と成果
   
*戦争の違法化…人々のたたかいの結果
   
*みたび、原爆投下を許していない・・・日本の平和運動の先進性
   
*憲法9条を変えさせていない…安保闘争、「9条の会」の運動など
   
 ・結果、自衛隊を直接他国の戦争に参加させていない(表面上は)
   
*世界は九条を選び始めている
    
・今年5月、史上初めての「九条世界会議」の成功
   
*63年間戦争に参加してこなかった日本のブランドが、地域紛争
    解決の力に

 
2。労働組合がなぜ平和運動に取り組むのか
  
◇労働組合は、基本的人権・ヒューマニズムの担い手
   
*「人たるに値する生活」(労働基準法第1条)をもっとも破壊する
    ものが戦争
   
*平和のうちに生きることは基本的人権

    
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
    平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
                           (日本国憲法前文)

  
◇憲法の理念を実現する役割
   
*憲法の下書きをつくったGHQ(連合国軍総司令部)が労働組合
    に期待したこと

  
◇私たちの暮らしと戦争
   
*世界の軍事費は年間
1兆2040億ドル(約140兆円‐06年)
   
*日本の軍事費は年間約5兆円。根拠のない米軍への思いやり
    予算は毎年約
2000億円。毎年の社会保障抑制額とほぼ同額。
   
*労働者が生み出した富(お金)が、武器や戦争に使われている
   
*戦争で破壊されるのは、命だけでなく、労働者がつくりだした
    モノやネットワーク
   
*エコに反する軍事エネルギー。そして環境破壊。
    
・イラク戦争開戦直後、イラク領内に展開した米軍が使用した
     燃料は
1日5.7万キロリットル。大阪府の1日のCO2排出量に
     匹敵。爆弾が発生させるCO2も。
    
・軍事関係による年間CO2排出量は、年間7.9億トン。これ
     は、排出量6位のドイツを上回る量。兵器は、環境への配慮
     は二の次で開発されている。
    
90式戦車の燃費はリッター200~300m、戦闘機に至っては、
     1分間飛ぶごとに908ℓの燃料を消費、約8時間飛ぶだけで日
     本人が生涯に排出するCO2を出す
    
・モノと人を破壊し、森林を壊し、汚染物を出す。戦争は最悪の
     環境破壊。
   
*軍事費に使うお金を、環境政策や、医療・福祉・教育にまわ
    せば、どれだけのことができるだろう。どれだけ、人びとの笑
    顔が増えるだろう。


二。当面の平和運動の課題
 
◇原爆症認定訴訟
  
*情勢は山場。被爆者の苦しみへの想像力を。
 
◇核兵器廃絶
  
*岡山県内の平和行進。7月16日~26日。どこかに半日でも参加を。
  
*8月の世界大会に職場から多くの仲間を送り出そう。
   現地で学ぶことの多さ。
 
◇岡山空襲の継承
  
*6月29日
 
◇日本の侵略戦争の学び
  
*問題はまだ山積み
 
◇海外派兵恒久法の阻止
  
*自衛隊の海外派兵を永久化する法律。今年中に形としてまとめ、
   来年の通常国会に提出される見込み。
 
◇横須賀への原子力空母配備反対。
  
*首都圏3000万人の命が危険に。事故が起きれば、首都圏は人の
   住めない死の街に。
 
◇他にもたくさんありますが・・・

 
◇学習することを常に土台に
  
*課題だけ押しつけると、反発を受ける。納得と共感が大事。



さいごに:1人ひとりができることを
      
あさのあつこさん(児童文学者)のメッセージ

      
「憲法九条が変えられれば、私の息子たちが徴兵される
      可能性だってあるわけです。でも、私たちは日々の生活
      に流されて、あまりそういうことを考えなくなっている。正直
      いって、どうしたらいいかを考えるのはものすごくエネル
      ギーがいりますよね。反戦デモに参加するのだってエネ
      ルギーがいるし、すぐ結果がみえるわけでもない。それな
      ら黙っていたほうが楽じゃないかと思う。
       
でもそういうことの積み重ねの結果が、今なのかもしれ
      ません。毎日普通に生活している私たちが少しずつ動い
      ていかないと恐ろしいことになると思うんです。いろんな人
      と本音で話しながら、何ができるかを手探りしていきたい
      と思っています」       (「しんぶん赤旗」
05.2.25付)



以上。




| | コメント (0)

2008年6月24日 (火)

憲法違反です!

今日(24日)の午後は、
林病院の職員2年目研修の学習会に。

「憲法を学んで使う-活憲の時代」という
ことで、休憩をはさんで90分間話をしてきました。

Img_1866
 休憩時間の様子。
 30名弱の参加でした。

 新しくなっていた
 集会室にびっくり。
 前は暗くてキタナイ
 ところでしたから。


憲法そのものの話をするのは久しぶり
だったのですが、
少し情勢が落ちついてきているので、
以前なら自民党の新憲法草案の説明や
改憲をめぐる情勢を後半必ず入れていたのですが、
「主権者として成長するために、憲法を使おう!」と
いうことに比重をおいて話をしてみました。

とくに憲法の3章の説明に力を入れてみました。
また、林病院の労働組合は、オープンで、
最近組織率も下がっていて、
いろいろ困難も多いと聞いていたので、
28条のところの説明で、
「労働組合に入っていない人は憲法違反です!
すぐそこに事務所がありますから、すぐに行ってくださいっ」
と力をこめてアピールしてみました(笑)

9条の話では、日本の侵略戦争とその反省の
うえにたっての9条の意味について語りました。
あと軍事費の問題も。

さいごに、
あさのあつこさん、日野原重明さんの言葉を
紹介して終わりました。



| | コメント (0)

2008年6月20日 (金)

子どもの命みつめて(下)

今日(20日)の午後は、ソワニエ看護専門学校
10回目の講義。

「読書日記」は『ママでなくてよかったよ』。

また、ビデオを見る前に、
絵本、『わすれられないおくりもの』を読み、
あれこれ説明しました。

で、今日は小児科医・細谷亮太さんの
「子どもの命みつめて」(「人生の歩き方」という番組)の
3回目「親の悲しみと向き合う」と、
4回目「サヨナラの向こうに」を見ました。

Img_1861

 はじめて教室内を
 こっそり撮影(笑)

 ビデオをみる
 学生さんたち。



今回も、学生さんには
学ぶことが多かったようでありました。

感想文もよかったのですが、
今日は時間がないので割愛。


次回と次々回は、
一応「ものの見方(哲学)」なんですが、
さて、何をしゃべろうかな~。



| | コメント (0)

2008年6月14日 (土)

子どもの命みつめて(上)

きのう(13日)の午後は、
ソワニエ看護専門学校での9回目の講義。

「読書日記」は、
細谷亮太さんの、『医者が泣くということ』。
ついでに、私が細谷先生(聖路加国際病院小児科部長)を
なぜ知ったか、何に感銘を受けたか、
昨年の「読書日記」で読んだ細谷さんの4冊の本、
そして、細谷さんが「医者が泣くということ」について
どう考えているか、について紹介しました。

細谷先生はこう言います、

「私が小児科医を続けることができたのは、これらの
子どもたちが、死ぬことを通じて『生きる意味』を教え
てくれたからだと思います。子どもたちとサヨナラする
たびに、私はボロボロ泣いてきました。それは、人が
生きることの意味を私たちに教えてくれるからです。
ありがたいことだと思います。悲しくて、つらいサヨナ
ラ…。だから
私は、これからも泣くでしょう。泣かなくな
ったとき。それは、私が小児科医をやめるときです

 (『NHK知るを楽しむ 人生の歩き方』07年6・7月テキスト)


講義後半では、
昨年7月にNHK教育で放映された
番組(←こちら)の、
1回目「治せない病との出会い」と
2回目「病と闘う子どもたち」をビデオで見ました。
ビデオは私が自宅で録画したものです。

何度見ても涙が出てくる内容で、
細谷先生の語るひと言ひと言が、
とても心に届き、考えさせられます。

学生さんたちも、
とても感銘を受けていたようでありました。
涙をぬぐっていた人も何人もいたようです。


感想文を紹介します。


「今日のビデオは本当に涙が止まりませんでした。
細谷先生の最後の言葉『人間てすばらしい』という
言葉が心に残っています。最近無差別殺人などの
ニュースが多いなか、1人の『命』について考えさせ
られました。『命』に向かう仕事につく予定ですが、
1人1人の命の重さを尊重できる人間でありたいと
思います」

「人の死に接する。とても重いこと。できれば接した
くない。たとえ病気の人でも、それはその一時のこ
とであって欲しい。でも人間は必ず死ぬ。一生懸命
生きる。出会いを大切に。全力で人と接する」

「ビデオを観て、小さい子供に死ということを伝える
のは難しいことなのに、細谷さんは上手に伝えてい
て、すごいなと思いました。自分が看護師になったと
き、きっと最初は細谷さんと同じで、患者さんが亡く
なった時にショックを受けると思います。だけど、患
者さんを少しでも元気にさせることのできる看護師に
なりたいと思いました。次も早く観たいです」

「細谷さんののような医師はすばらしいと思った。今
日のビデオを見て泣いてしまった。死を受けとめる
のは子供も大人も同じように悲しくて、さみしいもの
だと感じたし、命の尊さを知りました」

「医療従事者を目指す者として、私も、細谷亮太さん
のように、患者さんやその家族から、たくさんの事を
学ぼうとする姿勢を大切にしていきたいと思いました。
そして、今日の授業で、細谷亮太さんは、尊敬する
人物の1人となりました」

「今日のビデオを見て、細谷さんのファンになりまし
た。僕は、医者ではないが、看護師になるうえでの
目標になる人だと思った。僕も患者さんと接するうえ
で、3人称じゃなく、2、5人称ぐらいの距離で看護で
きたらいいと思う」

「細谷先生の一言、一言が、心に響きました。本当
に多忙な毎日の中でも、患者さんと接する時間を、
人生の長い時間の中での“ある時間”と大切に思え
ることは、とても重要なことだと思います。医療従事
者として、人として大切なことは何か、人を想い人の
為に泣くことができることって、患者さんや家族に
本当に伝わるんだなと痛切に感じました。これから、
自分が看護師になっても、このような気持ちを忘れ
ないでいたいし、このような先生に巡り合いたいと
思います」

「私は、看護師になったら小児科で働きたいと思っ
ていました。でも、小児科は子どもが好きだからとか
いう軽い気持ちではできないと思った。治って退院
できる子もいれば、退院できずそのまま亡くなる子
どもだっている。その時に、私はその現実を受け入
れられるのかと考えさせられた」

「子どもの命をみつめて、子どもと向き合ってきた
細谷さんに感動しました。話を聞いて胸がいっぱい
になりました。子どもが思うことは、素直で、とても
心が優しいのだと、ビデオを見て思った」

「泣いてばかりでは何もできません。でも悲しい時
は悲しいと泣ける人間になりたいと思います。
ビデオは、色々と考えさせられる内容だった。内容
は難しくないのに、頭の中に色々な考えや思いが
でてきて、上手くまとめることができません。来週の
ビデオが早く見たいです」

「正直、ビデオを見ている間はずっと泣いていまし
た。素平くんと司くんの、お互いがお互いに対する
気遣いがすごく優しくて胸にジーンときました。もし
自分が司くんだったら、素平くんの死を受け入れら
れるか分からないです」

「ビデオを見て涙が出そうになりました。小さい子ど
もたちなのに・・・まだまだこれからなのに・・・と思い
ました。でも死んで残された周りの人たちは、その
ことで学ぶことがたくさんあるのだと思いました」


次週は、番組の3回目と4回目をみます。



・・・このブログでも何回も書いてきたと思いますが、
本当に、こうした「医療や看護」の学びと出会う
ことで、私の生命観、人生観、幸福感は、
より幅広く、豊かなものになりました。

とくに、この細谷先生との
出会い(実際にお会いしたことはないですが)は、
「生きていることの“あたりまえ”」が、じつは
本当に幸せなことなんだ、ということを教えてくれた
ものであったと思います。

あと間違いなく、以前より、涙もろくなりました(笑)。
すぐ泣いてしまいます。
でも、泣けなくなったら、そのほうが悲しいですよね。




| | コメント (0)

2008年6月 6日 (金)

ナイチンゲールの偉大さ

今日は(6日)午後から、ソワニエ看護専門学校へ。
8回目の講義は、『君たちはどう生きるか』を
使っての最後の授業でした。

読書日記は、
『コード・グリーン』という本と、
『ナイチンゲール 神話と真実』という
2冊を紹介しました(またブログで紹介します)。

講義内容は、労働学校でも先日やった、
コペル君の苦しみ、の話です。
でもって、そのことを話をしたあと、
関連させるかたちで、
ナイチンゲールがいかに「人間らしい苦痛」に
向きあったか、ということを語ってみました。


以下は、その部分のレジュメです。
引用がほとんどですが・・・。




三。ナイチンゲールの偉大さ-長久の私論
 
1。偉大な看護師であったと同時に、偉大な人間だった、なぜか?
  
◇人間らしい苦痛に、向きあい続けた人

  
◇ナイチンゲールの人生における苦闘

   
①看護師になること自体が、たたかいだった-別紙資料参照
    
*こうありたい自分と、現実のギャップ
    
*けっして、あきらめなかった

   
②クリミア戦争の検証のなかで
         ー自らの過ちと向きあい、真実を広げようと奮闘した

    
*『ナイチンゲール 神話と真実』から
      
・事故(過誤)論のモデルとなる(川島みどりさんの指摘)

      
「ナイチンゲールは、スクタリの彼女の病院で亡くなる兵士
      のあまりの多さについて、軍司令部の無能さと非常さが物
      資の補給を滞らせ、そのため極度の栄養失調と疲労困憊
      のすえ、手遅れとなって搬送されてきたためであると、かた
      く信じていた。戦後になってこれを実証しようとして、統計学
      者のウィリアム・ファーとの共同作業を始めたのだったが、
      
25,000人の兵士のうちの18,000人を死なせた主な原因は彼
      女がそれまで確信していたこととは異なって、兵舎病院の
      過密さと不衛生な状況が病気を蔓延させ死者を増やしたと
      の結論を得た。しかも、
最も死者の多かったのがスクタリ
      の彼女の病院であり、初歩的な衛生事項の注意を怠った
      がための惨事であった事実を認めること
は、政府や軍当
      局を激しく非難し、彼女に敵意を持つ管理者たちを批判し
      た理由そのものを、自ら否定しなければならないことに通じ
      る。
       
クリミアから帰還した彼女が、国民的支持や賞賛の蔭で、
      しばらくのあいだひっそりと沈黙を守ったことは、戦時救護
      の疲労からの心身の不調と、何よりも彼女の謙虚さゆえと
      する向きもあろう。しかし実際は、
真実を知って虚脱状態に
      なるほどの衝撃と屈辱に耐えていたナイチンゲールがいた。
      学ぶべきはその先である。彼女は、知り得た事実-異常な
      死亡率の要因-をできるだけ多くの人々に知らせることで、
      再び同質の過ちの反復を避けようと強く決意したのであった。

      のみならず、女王や政治家を巻き込んだ隠蔽工作に対して、
      
『真実の公開』への闘いを挑み、歴史的事実を後世に残す
      ために文字通り生命をすり減らす思いで立ち向かったので
      ある。
そうすることによって、自らの責任をとろうとした。この
      ことこそまさに、今、わが国の医療界が直面している事故や
      過誤の事実公開、情報開示への教訓でなくて何であろう」

       
「小さな失敗でも、率直にこれを認めることは勇気の要る
      ことである。まして、いまや英国民の栄誉としてのナイチン
      ゲールであったから、自分の患者たちの多くが、自分の否
      定し続けてきた原因で死んだことを認めざるを得なかった
      苦悩は想像にあまりある。しかし、
彼女は多くの兵士らの
      死に報いるために、失敗の教訓を限りなく活かしてその後
      の人生を生きたと思う
。心身ともによい状態でなかった十年
      にしぼってみても、その仕事の多様さと質の高さに驚くが、
      『人間のために何事かをなし得た人々は、今も昔も極めて
      人間らしさの激しくきつい人々、その情熱も知力も意志もひ
      としおつよい人々ではなかったのだろうか』という宮本の分
      析したナイチンゲール像が浮き彫りになって迫ってくる。
       
失敗の教訓を活かした一つは、『病院覚え書-第1版 
      
1858年』の執筆である。これは、英国の病院における死亡
      率の高さの真の要因を探るため、統計学と帰納的推理を
      用いて分析した結果、死亡率に影響する条件として、立地
      条件の悪さに加えて衛生状態の欠陥があるといい、『ひと
      つ屋根のもとに多数の病人が密集』『ベッドひとつあたりの
      空間の不足』『換気の不足』『光線の不足』の四点を挙げて
      いる。なかでも多数の患者を詰め込んだ病院におけるすさ
      まじい死亡率の例として、スクタリの病院で5人のうち2人が
      亡くなったことを示しながら、比較対象としてのクリミアのテ
      ント病院では、整った建物も毛布もなく食物や薬品まで不
      足していたのに、死亡率はスクタリの半分であったとして、
      過密現象がいかに危険かを述べている。そして、『たとえ
      どんなに小規模病院であろうと、このように恐ろしい生命
      無視の事態をもたらす構造上の欠陥や管理の誤りを繰り
      返さないようにしたい』と述べている」
         
(『神話と真実』より、
            川島みどり「
21世紀-ナイチンゲール像への接近」)

     
*ナイチンゲールの『病院覚え書』は、病院の建築(病棟の
      設計、立地条件、衛生環境、換気、ベット配置、空間の広
      さ、など)とはどうあるべきか、を示した、世界で初めての
      著作。この流れは『看護覚え書』(
1859年)にもつながっている。

 
2。ナイチンゲールのメッセージ

    
「私たちに私たちの苦しみをお与えください、心をこめて私
    たちは天に向かって叫びます-無関心よりも苦しみをくだ
    さい-と。無からは何も生まれませんが、苦しみからは癒
    しがもたらされます。麻痺よりも苦痛のほうがずっとましで
    す。努力すること100回、そして波にのまれてもよいのです。
    そうすれば人は新しい世界を発見するでしょう。磯辺に無
    為に立ちつくすよりも新世界への道を先触れしながら波に
    のまれて死んだほうが10倍もよいのです」

    
「満足しないこと自身、ひとつの与えられた特権といえない
    でしょうか? そのとおりです。あなたの種族、人類のため
    に苦しむのは、ひとつの特権です-それは、救世主や殉
    教者たちだけのものではなくいつの時代でも多くの人々に
    担わされてきた特権なのです」
     
(F・ナインチンゲール『思索への示唆』、カサンドラより)

   
*患者さんの「人間らしい苦痛」を想像する力

    
「この世の中に看護ほど無味乾燥どころかその正反対の
    もの、すなわち、自分自身は決して感じたことのない他人
    の感情のただ中へ自己を投入する能力を、これほど必要
    とする仕事はほかに存在しないのである」
    
(F・ナイチンゲール『看護覚え書』、補章「看護婦とは何か」より)

   
*「進歩」し続けようとする強い意志

    
「もう一つの危険。それは固定化してしまって進歩しないこ
    とである。『進歩のない組織でもちこたえたものはない。』
    われわれは未来に向かって歩いているだろうか。それとも
    過去へ向かって? われわれは進歩しているだろうか、そ
    れとも型にはまってきているのだろうか? われわれは看
    護の未開の文明の入口をやっとまたいだばかりであること
    を忘れまい。まだなすべきことがたくさんある。平凡な型に
    はまることはすまい」(『病人の看護と健康を守る看護』)

     
これは、ナイチンゲール73歳のときの文章です。
     
彼女の、“情熱を持ち続ける力と能力”には、
     脱帽するしかありません。


以上。



準備していくなかで思ったこと。

ナイチンゲールが、自らの過ちと向きあい、
乗り越えていった姿は、
晩年のレーニンの経済政策の転換とダブって
みえました。
いままでの自分の仕事を大胆に見直し、
誤りを直視し、乗り越えていく力。
偉大な仕事をした人の特徴なのであろう。

ナイチンゲールの偉大さを、
また別の角度から学べた講義だった。





| | コメント (0)

2008年5月30日 (金)

同じ年なんですよっ

今日(30日)の午後は、ソワニエ看護専門学校へ。
7回目の講義。
今週のハードな仕事が影響し、かなりヘロヘロでした。
が、学生さんは真剣に聞いてくれていました。
ありがたや・・・。

読書日記では、
私の尊敬する医師の1人である、
鳥取の、「野の花診療所」の徳永進さんの
『老いるもよし』という本を紹介。

また、その本の中に出てきた絵本、
『おぼえていろよおおきな木』(佐野洋子)を
使いながら、「あたりまえにそこにある」
「あたりまえにそこにいる」「あたりまえに○○ができる」
ということの意味と大切さを考えてみました。

学生さんはしっかりと
受けとめたようでありました。


本講義は、『君たちはどう生きるか』の4章部分。
浦川君の豆腐屋にコペル君がお見舞にいく話です。

それにちなんで、
「貧困と健康」についてつっこんで話をしてみました。
『健康格差社会』(近藤克則)の話とか、
『学習の友』4月号歯科の先生が書いた
「歯の健康格差」の話とか。


あと、ナイチンゲールの『看護覚え書』の言葉を紹介。
生活環境や労働環境を視野に入れる大切さについて述べました。

「貧しい縫製工や印刷工、その他こういった職業の
人びとが生活のために働く場所
は・・・

「(居住について)貧しい労働者たちは、およそこれ
以上の過密状態は想像できないほどぎゅうぎゅうに
詰め込まれている

「このような場所で、しかも無理な姿勢運動不足
短い食事時間と栄養不足長時間にわたる過酷な
労働
不潔な空気といった状況下にあって、彼らの
大多数が胸部疾患、それもたいていは肺結核で若
死するという事実は、これはいったい不思議といえ
るであろうか? それに加えて、これらの作業には
暴飲という悪い習慣が共通して見られる。人びとは
酒の力を借りなければ
仕事をやりおおせず、それが
彼らの健康のレベルを下げ、身持ちを崩させ、刻々
と、早過ぎる墓場行きへと駆り立てる。雇用者がこ
れらを考慮することは稀である

        
(『看護覚え書』1章、「換気と保温」)



授業では言いませんでしたが、
こうしたナイチンゲールの叙述や観点は、
エンゲルスの『イギリスにおける労働者階級の状態』と
共通していることに気づきます。

おまけに、ナイチンゲールとエンゲルスは、
ともに1820年生まれ。同い年なんです!
すごいでしょ。


授業では、日本の長時間労働が、いかにヨーロッパと
比べて異常か、その長時間労働が健康におよぼす
影響などについても話をしてみました。

あと、「ものを生みだす働きの尊さ」について、
最後に強調して終わりました。


学生さんの感想文は、どれもたいへん
おもしろい。疲れはこれでふっとぶupのであります。



| | コメント (0)

2008年5月23日 (金)

実行すべし。すべし。

今日(23日)の午後は、
ソワニエ看護専門学校の第6講義。
本日も41名全員出席。

講義前半は、読書日記の紹介。
『看護のなかの死』という本でした(またブログでも紹介します)。
これは、すごく反応が大きかった。
今年のこれまでで、一番だと思います。
学生のみなさん、『読みたい』と思ったら、
すぐ実行すべし。期待しています。

本講義の内容は、
『君たちはどう生きるか』の第3章。
コペル君が、「粉ミルクの秘密」から、
「人間分子、網目の法則」を発見するところです。

目には見えないが、無数の人びとと、
つながりあい、支え合いながら、「社会」「私」は
成り立っている。

「モノ」の背景に、どんな人びとの仕事や生活が
あるのか。それを想像することの意味。

社会を「支えている多くの人」たちの、
命と健康を「支える」のが、看護労働の役割の
ひとつですよ、てなことを話してみました。




| | コメント (2)

2008年5月21日 (水)

にわか勉強で

今日(21日)は、晩、
福祉保育労岡山支部の執行委員会へ。

Img_1771

 会場は岡山市内の
 K保育園。

 11名の参加でした。
 初参加の人も2名。



今日の学習会のテーマは、なんと、
「チベット問題と北京オリンピック」でありました。

2か月前、A保育園のO原先生から、
「この問題を詳しく知りたいので」ということで要望があり、
にわか勉強してみました。

で、にわか勉強なりに、話をしてみました。
内容はにわか勉強なので(しつこい?)、
控えさせていただきます(笑)。

が、やはりこの問題は、
中国側の問題が大きいと学んであらためて痛感した
しだいであります。歴史的にも、今日的にも。
それを乗り越える、中国の人びとの底ヂカラを期待します。

あと、オリンピックの精神についても少し
勉強しましたが、これはなかなか面白かったです。

終わったあとの質問では、
「独立と自治はどう違うのか?」
「1国2制度とは何か?」
というするどい質問が出ました。
たしかにイメージがつきにくい問題かもしれませんね。


学習会終了後は、いつもの会議に。
各分会の状況や問題が交流され、
貴重な情報収集となりました。

そうか、あの旭川荘でも、
職員募集してもこない状況になっているのかぁ。
福祉、介護、保育は、慢性的な人不足時代に
突入しています。労働条件が悪すぎるのです。
国がお金をかけないからです。


あと、来月の定期大会で、
新執行委員長にA保育園のMさんが
選ばれることになりそうです!
いよいよ世代交代です。すばらしい。
また、組織拡大の意識も強まっている感じです。
私も側面から応援したいと思います。




| | コメント (0)

2008年5月16日 (金)

子どもの貧困問題を

今日(16日)の午後は、ソワニエ看護専門学校へ。
5回目の今日は、
『君たちはどう生きるか』の第2章を中心に。

読書日記では、『沖縄が長寿でなくなる日』を紹介。
「平均寿命」の都道府県格差、そして世界の平均寿命
なども見ながら、いろいろと考えていきました。
沖縄の厳しい現実は、やはりほとんど知られていません。

講義後半では、
浦川君「油揚事件」をつうじて、ちょっと強引に、
「子どもの貧困」問題を考えてみました。
今週読んだ週刊東洋経済の「子ども格差」を
さっそく活用。

子どもを大切にしない国になっている。
親の貧困が、世代をこえて子どもの人生に直結している。
シングルマザーの現状、保育や学童保育、
あまりに高い学費問題なども見ていきました。


しかし、あまり手ごたえは感じず…。
(感想文はまずまずなのだが)
悩む日々であります。



| | コメント (0)

2008年5月 9日 (金)

がんばれ現役労働者

おととい、きのう、きょうと、
岡山医療生協労組の昼休み学習会
東中央病院へ行ってきました。

30分弱で「後期高齢者医療制度・ナースウェーブ
について話すという恐ろしい仕事をやってきました。

時間が時間なので、後期高齢者医療制度のことは、
多田富雄さんの怒りの言葉(
毎日新聞4月11日)を紹介することに
主眼をおきました。



また今日は、その昼休み学習会を
13時ちょうどに切り上げ、
ソワニエ看護専門学校での4回目の講義が
13時10分からという綱渡り連続講師でした。

ソワニエでは、
きのう紹介した多田さんの『寡黙なる巨人』を、
授業の半分を使って紹介。
学生さんはみな、大きな刺激を受けたようでした。

本授業では、『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)の
1回目。コペル君の名前の由来がわかるところでした。

しかし、授業が終わってから
「先生の声は子守唄のように聞えるわぁ」と、
ある学生から言われ、心で泣いたのでありました。
午後の授業ということもありますが、
やはりさらなる修練が必要なようです。がんばらねば。
もちろん、良い感想を伝えてくれる学生さんもいるのですが。


ところで、『寡黙なる巨人』は、
東中央病院の学習会のときに、
「読んだ人いますか?」と聞くと、誰一人、手をあげる
人はいませんでした。3回で100名近い参加者でしたが。
療法士さんもふくめ。

逆に、ソワニエでは、「この本は1度読んだことがあります」
という学生さんが1人(しかも18歳)。
また、「じつは友人に連休中にかりた本で、読もうと思う」
という学生さんが1人。
これにはビックリしました。


現役労働者のみなさん、
学生さんに遅れをとっていますよ!
がんばってください!



| | コメント (0)

2008年5月 2日 (金)

100万回ですよ

今日(2日)は、午後から、
ソワニエ看護専門学校の3回目の講義。

冒頭に「読書日記」を紹介。

そして今日はなんと、
絵本、『100万回生きたねこ』(佐野洋子・講談社)を
読んで、
「“100万回生きたねこ”を読むとく」という
とんでもない(笑)内容の授業でした。

2週間前の講義の最後で、この絵本を読んでもらい、
小課題を出しました。

①なぜ“ねこ”は100万回も生き返ったのか?
②なぜ“ねこ”は、最後、生き返らなかったのか?
③絵本を読んでの感想や気づいたこと、疑問に思ったこと。

という3つの課題をだし、
先週までに提出してもらい、
それをもとに授業をすすめるという方式でした。
各自が書いたものを、すべての人が
見て共有できるように、書き写したものを全員に
配りました。

予想できたことですが、
学生さんたちが出してきた課題を読んで、
私もこの絵本の読み方が、より豊かになりました。

なかには「これはすごい“気づき”だ!」とヒザを
たたいて喜んだ内容もありました。

授業では、
*いろんな状況・感情を読みとく力
*寿命とは?
*人間にとって“過去”のもつ意味

というポイントで、話をすすめていきました。


講義の感想文を読むと、1冊の絵本なのに、
人によって受けとり方、感じ方がこんなにも違うことに
驚いた、という意見が圧倒的。
人と意見を交し合うという経験が圧倒的に少ない
世代だからでしょうか。かなり新鮮だったようです。



では、私のレジュメの部分のみ、以下ご紹介します。


三。この絵本を通じて、考えたいこと
 
1。いろんな状況・感情を読みとく力
  
◇読む人の「年齢・経験・環境」によって、受けとるものが違ってくる絵本
   
*読み手の想像力を広げてくれる中身

  
◇質問にたいしての「正解」はありません(そういう絵本ではない)。
   
*ただし、1回読んだだけで、「スラスラ書いた」人は、
    注意してください。
   
*逆に、ウンウンとうなって考えた人は、これからもその姿勢を
    大事にしてください。

  
◇たとえば、設問①への答えも、それぞれ共通点もあれば、まったく
    違う受けとめ方や、違う角度から考えた人もいます。

  
◇さらに、いろいろな「気づき」も

  
◇ナイチンゲールのきびしい指摘(『看護覚え書』15章「補章」より)

    
「この世の中に看護ほど無味乾燥どころかその正反対のもの、
    すなわち、自分自身はけっして感じたことのない他人の感情の
    ただなかへ自己を投入する能力を、これほど必要とする仕事は
    ほかに存在しないのである」

    
「看護婦のまさに基本は、患者が何を感じているかを、患者にた
    いへんな思いをして言わせることなく、患者の表情に現われるあ
    らゆる変化から読みとることができることなのである」

    
「患者の顔に現われるあらゆる変化、態度のあらゆる変化、声
    の変化のすべてについて、その意味を理解すべきなのである。
    また看護婦は、これらのことについて、自分ほどよく理解してい
    る者はほかにはないと確信が持てるようになるまで、これらに
    ついて探るべきなのである。間違いを犯すこともあろうが、そう
    している間に彼女は良い看護婦に育っていくのである。一方、
    患者の表情や様子を何ひとつ観察しようとしない看護婦や、ま
    た何か変化がありはしないかと思いもしないような看護婦は、ま
    るでこわれやすい陶磁器の管理をしているようなもので、何も得
    られない道を歩みつづけ、けっして看護婦にはなれないであろう」

  
◇感性はきたえるもの

    
「私はいつも少女時代に読んだ『赤毛のアン』を思い出します。
    グリーンゲーブルズの叔母さんの家で過ごすアンが、見るもの
    聞くものすべてに驚き、感激します。またなにごとにも『なぜ? 
    どうして?』と不思議がり、多感な少女として成長していくのです
    が、あのアンのような想像力と好奇心をずっと持ち続けたいと、
    もう七十歳をすぎた今もいつも思っています。
     
でも、ただ心がけるだけでは、感性は鍛えられません。日常
    出合う事象のすべてを、漠然と見たり聞いたりするのではなく、
    その底にあるものを感じとり、意味を見いだすような習性を身
    につけてほしいと思います。そして言葉に表現しましょう。
     
…看護師という職業は、…実に多様な人を相手にしています。
    複雑な人々の気持ちに直接かかわらなくてはならないのです。
    見たり感じたりしたことを、ありのままの言葉によって表現する
    訓練をしておかないと、相手の気持ちを想像する力も萎えてし
    まうのです。なぜなら、想像も言葉によっているのですから」
                      
(川島みどり『新訂 キラリ看護』)


 
2。「寿命とは何か」(日野原重明さんの考えに学ぶ)
  
◇『十歳のきみへ-九十五歳のわたしから』より
     
(日野原重明、冨山房インターナショナル、2006年)

    
「わたしがイメージする寿命とは、手持ち時間をけずっていくと
    いうのとはまるで反対に、寿命という大きなからっぽのうつわの
    なかに、せいいっぱい生きた一瞬一瞬をつめこんでいくイメー
    ジです」

    
「時間というには、ただのいれものにすぎません。そこにきみ
    がなにをつめこむかで、時間の中身、つまり時間の質がきま
    ります。きみがきみらしく、いきいきと過ごせば、その時間はま
    るできみにいのちをふきこまれたように生きてくるのです。
     
時間を生かすということは、うらを返せば、死んでいる時間と
    いうものもあるということでしょうね。いのちをふきこまれないか
    ぎり、時間は、またその積み重ねである年齢は、死んでいるも
    同然だということです」

    
「なにもしなくても、人はだれでも年をとっていきます。からだは
    どんどん成長して、おとなの外見になり、やがては老いて、ちょ
    っとこわいですけれど、いつの日か死をむかえます。それは誰
    もが共通してたどる道です。そこに時間が流れています。
     
ただし、その道をどんなふうに歩いていくか、時間のなかにな
    にをつめこんでいくかは、1人ひとりちがいます。ここに、きみに
    いのちをふきこまれて生きてくる時間と、むだに過ごして死んだ
    も同然の時間とがあるわけです。
     
・・・そして、できることなら、寿命というわたしにあたえられた時
    間を、自分のためだけにつかうのではなく、すこしでもほかの人
    のためにつかう人間になれるようにと、私は努力しています。な
    ぜなら、ほかの人のために時間をつかえたとき、時間はいちば
    ん生きてくるからです。時間のつかいばえがあったといえるから
    です」

 
3。“ねこ”にとって、「100万回生きたという、“過去”」のもつ意味
  
◇過去は、現在の生き方によって、その意味を変えてくる
   
*なぜ「おれは100万回も・・・」と言わなくなったのか。人生の量と質。
   
*最後に初めて心から泣いたねこが、感じたこと。(長久の想像)



以上。


来週からは、5回にわけて、
『君たちはどう生きるか』をテキストに、
またコペル君との旅をはじめます。


| | コメント (0)

2008年4月30日 (水)

終わったと思いきや

岡山医療生協労組の昼休み
メーデー学習会は今日(30日)で終了。

Img_1737

 25日の様子。







Img_1746

 今日の様子。
 




やれやれ終わったーと思っていたら、
「来週も」と、I塚書記長が…。

メーデーは終わっているが、
後期高齢者医療制度や、
ナースウェーブ運動について、
「今度は東中央病院で」とのこと。

はい、やりますとも。
新しいレジュメもつくりますとも。

労働学校の宣伝もしてしまいますよぉ。




| | コメント (0)

2008年4月28日 (月)

「労働組合とはぁ」

土曜日(26日)と、今日(28日)、
生協労組おかやま(つまりコープの労働組合)の
新入組合員研修の講師で行ってきました。

2日間とも、お昼をはさんで2回ずつ、
計4回、「労働者とは、労働組合とは」
というテーマでの講義でした。

まあ、基本的な「労働組合とはぁ」の話なので、
内容紹介は省略します。

ほとんどがパートの方で、
2日間で60名ほどの参加だったでしょうか。

Img_1738

 26日の
 研修会の様子。
 
全員女性でした。

 お子さんと一緒に
 参加の方も。


Img_1739



 今日の様子。

 お弁当も
 いただいてしまいました。

 ありがとうございます。
 けっこう豪華(2段だし)!






| | コメント (0)

2008年4月24日 (木)

メーデー学習つづく

きのう(23日)のお昼は、
岡山医療生協労組のメーデー学習会に。

Img_1730


 参加は40名ほど。
 おつかれさまです。





労組執行委員長のY田さんが、
後期高齢者医療制度のことを15分で、
私がメーデーと看護師のたたかいの歴史を
20分(!)で話をするという構成でした。

私も冒頭に、3日前のニュースで山形県の
58歳の息子さんが87歳のお母さんを首をしめて
殺し、自分も首吊り自殺をした事件を話しました。
その息子さんは、「生きることに疲れた」と遺書に残し、
最近、後期高齢者医療制度で年金から天引きされて
生活が苦しいこと、医療費が高くて今後の見通しが
もてないことを、近所の方に相談をしていたそうです。

この国では、医療制度が人を殺しています。
自分を生んでくれた母親を自分の手で…。
どんなに苦しく、辛かったでしょうか。
絶対に許せません。

たぶん私、かなーり怒りながらしゃべってました。
楽しくなんて語れません。

あと、看護師のたたかいの歴史も
話をするついでに、ナイチンゲールの以下の言葉も
紹介してみました。


  
「看護のような仕事においては、忙しくてもう頭も手もいっぱいと
  いったときに、…
真剣な目標を心の中にもっていないとなれば
  -たとえうわべは隣人に尽くしているように見えても-決して彼
  らのためにも…尽くしてはいず、もっぱら自分のためだけで終
  わっているといった事態が、いともたやすく起こりうるものです」
    
(F・ナイチンゲール『看護婦と見習生への書簡(1)』1872年)

「真剣な目標」をささえるのは、
命を守り支える医療従事者としてのプロ意識、
そして、あたたかく鋭い感性、だと思います。
医療従事者のみなさんの、心からのたたかいを、
私はほんとうに期待しています。



そして、今日(24日)のお昼は、
倉敷医療生協労組のメーデー学習会でした。
2回目で、健寿協同病院の会議室でした。


Img_1734


 始まる前の様子。
 参加は20名ほど。





みなさん熱心に聞いていただきました。

メーデー、多くの人の参加で声をあげていきましょう!



| | コメント (0)

2008年4月23日 (水)

阿波根昌鴻さんのすごさ

きのう(22日)の晩は、ふたたび倉敷医療生協労組へ。
みんなの学校の6回目。カリキュラムの最後でした。

Img_1728

 参加は7名。
 どの参加者も
 とっても学習意欲が
 高いのが特徴です。




きのうのテーマは、
「命どぅ宝・沖縄反戦の心-阿波根昌鴻のたたかいに学ぶ」
でした。

2005年に伊江島に行ったとき、
阿波根昌鴻さんの本を読み、
ヌチドゥタカラの家(反戦平和資料館)に入り、
受けた衝撃は、今も忘れることはできません。
私のこだわりの人です。

講義では、沖縄の戦後の苦難の歴史と、
伊江島の農民や、阿波根さんのたたかいと
思想にふれるものとしました。

感想文を読むと、
阿波根さんの言葉やたたかいの姿勢は、
やはり相当なインパクトがあったようです。

また、沖縄の歴史を知らなかったこと、
これからも学び続けたいし、
一緒に学ぶ仲間がいる心強さを感じる、
平和を実現していくために、
関心を持ち続け、自分のできることを
していきたい、と。

どの青年も、本当に素晴らしい感性と
学ぶ姿勢をもっていると思いました。
最後のみなさんの発言を聞いていて、
かなーり感動した私でした。

とくに、労組青年部長Mさんの
「これまで学習というと、しかたなくやっている
という感じだったけど、この学習会に参加する
ようになって、知らないことっていっぱいあるんだな
と思ったし、まず学習からはじめないと、と思った」
という発言は、びっくりしたのと、感激したとの。

終了後、主催者の1人であるKくんから、
「せっかくこういう機会をもったのだから、
今後につなげていきたい。これからの
ことを相談する場を今日決めよう」と突然の提案があり、
5月に、学習会に参加したメンバーで集まって、
今後の活動や学習の方向性について
考えることになりました。すばらしい!!

6月21日には、福山のホロコースト記念館に
平和学習をする「特別授業」をすることにも
なっています。

倉敷医療生協労組の青年たちは、
これからも走り続けます!




では、以下、講義の概要です。



はじめに:沖縄が、ほんとうの『癒しの島』になるために


一。苦難の現代史-沖縄のあゆみ
 
1。沖縄戦
  
◇「国体護持」のための「捨て石」としての沖縄
  
◇20万人以上の死者(約半数が一般住民。米軍も1万数千人の死者)
    
鉄の暴風、軍民一体の地上戦、日本兵による住民虐殺
    
防衛隊・学徒隊の悲劇、「集団自決」、戦争マラリア

 
2。日本から切り離された沖縄
  
◇沖縄住民の戦後は、16か所の収容所から出発。米軍は自由に
    基地を整備した。
   
*白地図に線を引くように広大な軍用地を接収
    
・例えば嘉手納基地は、日本軍がつくった中飛行場を約40倍に
     拡大したもの
  
◇そして、北緯30度以南は日本から切り離される
   
*1946年1月29日、連合国総司令部(GHQ)「若干の外郭地域を
    政治上行政上日本から分離することに関する覚書」を出す。北緯
    30度以南の南西諸島を日本から分離することを明らかにした。

     
「沖縄諸島は、われわれの天然の国境である。米国が沖縄を
     保有することにつき日本人の反対があるとは思えない。なぜ
     なら沖縄人は日本人ではなく、また日本人は戦争を放棄した
     からである。沖縄に米軍の空軍を置くことは日本にとって重大
     な意義があり、あきらかに日本の安全に対する保障となろう」
                  
(46年6月27日のマッカーサー発言)

   
*1947年5月3日、日本国憲法施行
    
・北緯30度以南は、憲法は適用されない地域だった
   
*平和憲法は、沖縄の犠牲のうえに築かれた、と言える

  
◇49年の中国革命の成功により、沖縄の恒久的な軍事基地建設が
    はじまる
   
*アメリカ議会は50年度に、5千数百万ドルの本格的な沖縄基地
    建設予算を組む
   
*50年6月、朝鮮戦争がはじまる
  
◇サンフランシスコ講和条約第3条
   
*1951年9月8日、対日講和条約が調印される
                         (同じ日、安保条約も調印)
    
【3条】日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び
        大東諸島を含む。)、孀婦
(そふ)岩の南の南方諸島(小笠
        原群島、西ノ島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及
        び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度
        の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる
        提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決され
        るまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住
        民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一
        部を行使する権利を有するものとする。

   
*1952年4月28日、対日講和条約、安保条約が発効
    
・沖縄が、無期限に、日本から切り離された日
    
・日本国憲法がおよばず、核の自由もちこみ、軍事最優先のもと
     におかれた沖縄。
   
*太平洋の「カナメ石」として

  
◇銃剣とブルドーザーによる土地接収(基地拡大)
   
*沖縄支配の合法的根拠を得たとする米軍は、徹底した軍事優先
    政策と反共政策をふりかざし、軍用地の強制接収や政治的弾圧
    を強行していく。
   
*住民の抵抗を武力で排除しての基地拡張建設-土地の強制接収
   
*沖縄の無期限保有の意思を示すアメリカ
    
・53年11月ニクソン副大統領
     
「共産主義の脅威あるかぎり、アメリカは沖縄を保有する」
    
・アイゼンハワー大統領54年の一般教書演説
     
「沖縄のわれわれの基地を無期限に保有するつもりである」

  
◇島ぐるみ闘争
   
*56年6月「プライス勧告」
    
・プライス委員会報告書は、沖縄基地が、①制約なき核兵器基地
     として、②アジア各地の地域的紛争に対処する米極東戦略の拠
     点として、③日本やフィリピンの親米政権が倒れた場合のよりど
     ころとしてきわめて重要であることを強調し、軍用地政策を含む
     従来の米軍の占領統治を基本的に正しいものとした。
   
*島ぐるみのたたかい
    
・プライス勧告の全文が沖縄に届いた6月20日、全沖縄64市町
     村のうち56の市町村でいっせいに市町村住民大会が開かれる。
     これらの大会には、16万から40万の民衆(全人口の20%~
     50%)が参加したと言われている。
    
・6月25日には全県規模の住民大会が那覇とゴザ(現沖縄市)の
     二つの市で開催され、それぞれ10万と5万の民衆が参加した。
   
*反戦地主のたたかい

 
3。苦難のたたかい-復帰運動
  
◇沖縄の人びとの壮絶な復帰運動
  
◇ベトナム戦争への「加担者」に
  
◇「平和憲法のもとへ」-復帰の現実は「安保条約のもとへ」だった
   
*米軍基地の永続化と引きかえの「祖国復帰」-1972年5月15日
   
*それは、「平和憲法」ではなく、「安保体制」の中へ沖縄をしばり
    つけるものであったと言えないか。

 
4。安保条約の集中点『沖縄』-21世紀も続く基地押しつけ
  
◇安保条約の実感の「差」-沖縄を想像する力を
   
*岡山にとっての安保
   
*沖縄にとっての安保
    
・米軍基地、騒音、米軍による事件・事故、基地経済、米軍への
     特権「地位協定」、アメリカの戦争への加担
   
*これだけの犠牲を強いてきた沖縄に、私たちがどう連帯し、関心
    を持ち続けていくのか。沖縄へ行ったことのない人は、ぜひ沖縄
    へ行って、自分の目と耳と肌で、沖縄の「傷み」を感じてきてほしい。
   
*憲法を守ることができても、安保があるかぎり、沖縄の現実は変
    わらない。

二。伊江島・阿波根昌鴻のたたかいから学ぶもの
 
1。伊江島とそのあゆみ
  
◇沖縄の縮図・伊江島
   
≪1943年 7月≫ 日本軍が伊江島飛行場建設をはじ
める
                (村民多数動員)
   
≪44年10月10日≫ はじめての米軍空襲(村民40名死亡)
   
≪45年3月上旬≫ 完成目前の飛行場の破壊命令が出る
   
≪45年4月16日≫ 米軍上陸。戦車80台、兵1000人。
   
≪45年4月21日≫ 米軍、伊江島の占領を宣言。村民の死者
                約1500名、日本軍の戦死約2000名。
                米軍の戦死約300名。
   
≪45年5月≫ 戦死や集団自決、自爆から生き残った島民2100人
             は慶良間島へ強制移送され、米軍は伊江島に新た
             な飛行場や施設を建設。
   
≪47年3月≫ 伊江島民に帰島の許可があり帰村開始。しかし、
             伊江島には緑はなく、村や家屋一軒もなく、あるの
             は縦横に走る自動車道路と無数の米軍施設だった。
             村民は仮テント生活を余儀なくされる。
   
≪47年8月6日≫ 波止場で米軍爆弾処理船LCTが事故を起こし
               爆発。渡し舟の村民多数をまきぞえに。死者
               102人、負傷者73人。
   
≪50年4月≫ 復金による住宅建設はじまる。
   
≪53年7月≫ 米軍が理由を騙して真謝区の土地調査。
   
≪54年6月20日≫ 米軍、工事着工。4戸を立退かせた。工事
                終了と同時に爆撃演習開始。
   
≪54年8月20日≫ 米軍、射撃場拡張を通告。これには、真謝区
                の全部と西崎区142戸のうち74戸がふくまれる。
   
≪55年3月11日≫ 米兵300名。三隻の大型上陸用舟艇で伊江島
                に上陸。
   
≪55年3月12日≫ 真謝部落で米軍測量開始。
   
≪55年3月13日≫ 住民は、上陸した米軍部隊との交渉に見切りを
                つけ、8名の地主代表が朝から那覇の琉球政府
                にかけつけて座り込み陳情を開始。
   
≪55年3月14日≫ 米軍、農家・家屋に対し強制破壊。この夜から、
                米軍の張った13枚のテント幕舎生活がはじまる
                (77名収容)。
   
≪55年3月15日≫ 測量をほぼ終了。鉄柵をはりめぐらす。
   
≪55年4月30日≫ 伊江中学運動場で土地返還要求村民大会。柵
                の撤去、演習中
止、損害賠償を決議。
   
≪55年5月9日≫ 米軍、爆撃演習再開。
   
≪55年7月21日≫ 真謝区民大会。部落全体が、生きる為、また世
                間に実情を訴えるために乞食となることを決定。
                沖縄本島を横断する乞食行進が開始される。
                56年の2月までこの行進は続く。

    
以後、米軍と農民のたたかいは続く。伊江島の創造的なたた
    かいの記録は、阿波根昌鴻さんの著書『米軍と農民』(岩波新
    書)に詳しい。農民の不屈のたたかいで、伊江島の軍用地は、
    最初島の63%であったものを、約27%に後退させた。

  
◇阿波根昌鴻さんとは
   
*1903年、沖縄本島の上本部村(現・本部町)に生まれる。
    1925年、移民募集に応じてキューバ、のちにペルーにわ
    たり、1934年帰国。京都一燈園に西田天香氏を訪ねた後、
    伊江島に住む。1945年沖縄戦で一人息子を失い、戦禍を
    まのあたりにして、反戦平和のために闘うことを決意。米軍
    占領下の伊江島の土地闘争では常に先頭に立った。復帰
    後も、一貫して軍用地契約に応じない反戦地主として闘い、
    84年に建設した反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」を主
    宰して、反戦平和の実践を続けた。2002年3月21日没。

 
2。長久が学んだこと
  
◇「平和の武器は学習である」
   
*学習し続けた人
    
「わしらは、いろいろな人に援助してもらいながら闘いの中で
    学びました。そして闘いがすすむ中で、勉強することが闘いの
    大事な一部であることを確信し、もっときちんとした勉強が必
    要であると考えるようになっていった。それで61年、『人材養
    成有志会』というものをつくって、東京にある中央労働学院と
    いう学校に、村の青年たちをおくって勉強してきてもらうことに
    したのであります。復帰までに、合計15、6人の青年が行き
    ましたかね。
     
ところで、この活動は、わしにとっても大きな意味をもつこと
    になりました。帰ってきた青年に、わしの考え方は観念的だと
    批判されたりして、だんだん話があわなくなった。これはいか
    ないと思って、今度はわし自身が学校に行ってみようと思った
    のであります。66年ですから、わしは63歳でした。勉強に行
    って、びっくりしましたことがいくつもありましたよ。たとえば、
    賃金論というものを教えられた。昔の教育では、貧乏というの
    は、その人が悪いか、または祖先に悪い人がいたためだとい
    われて、疑ったことがなかったのに、そうでないことがわかった。
    いろいろなことがわかった。いろいろなことがわかっていく、と
    いうのは実に大きな楽しみであります。先生のいわれることは
    全部ノートしました。そのときのノートは31冊あります」(『命こそ宝』)

  
◇反戦運動の姿勢
   
*相手のことを考える闘い
    
「道理をもって相手を説得する、決して責めているだけではい
    けない、相手の立場に立って相手も幸せにする、そういう考え
    方でなければならない」(『命こそ宝』)
   
*辺野古のたたかいに受けつがれている『非暴力』の闘い

 
3。阿波根さんの言葉(主に、岩波新書『命こそ宝』より)

  ◇沖縄戦を体験して、また戦争について
    
「一体この子どもたちに、この老人たちに何の罪があったとい
    うのか、どんな悪魔であっても戦争ほどひどいことはできない、
    どんな地獄であっても戦場には及ばない、そう思わずにはい
    られなかった」


    「わしは、一人息子が沖縄で死んだ・・・なぜわしが、これほど
    平和運動に熱心に取り組んでいるのかといえば、何よりこの
    体験である。地球ともかえられない、たった一人の息子を戦
    争でとられて殺された。その何物にもかえられない息子を失っ
    た親としての痛苦の思い、これが基本にある」

    
「つい最近のことですが、戦争で父親を亡くした親子が泊り込
    みで、わしのところに来ました。その人は、私たちも戦争で親
    を亡くしたが、何十年もたったことであり、諦めるしかない、諦
    めが肝心だ、いつまでも戦争のことを考えているのはどうか、
    という。
     
わしはこう答えました。あの戦争が最後でもう終わりというこ
    とであれば、これは早く忘れた方が自分のためになる。しかし
    いま、これまで以上の軍備をし、演習をし、沖縄県民はいろい
    ろな事件や事故にあって、ひどい目にあっている。戦争で死の
    うが、演習で死のうが、かけがえのない人ひとりの命であるこ
    とにかわりはない。戦争をするための準備と演習のために殺
    され、死んでゆくということがなくなるまで、戦争の悲惨さをい
    いつづけ、平和のために行動を実践しつづけなければならな
    い。しかも、今度戦争が起きたとしたら、核で地球は全滅。わ
    しらの時代はともかく、次に生まれてくる子どもたちのために、
    地球を破滅させるようなことをさせてはいかない。すべて命、
    命あってのことなんだ。命より大事なものは無いんだ。その命
    が戦争によって、こんなにも奪われてしまった。もう二度とこん
    なことがあってはいかない-
     
この親子に話したことは、戦後ずっと考えてきたことでありま
    した。そして、わしが反戦資料館をつくろうと思った心の底にあ
    る思いであります」

    
「人類の不幸のすべては、戦争準備と戦争が作るものである
     
戦争さえなければ、人類に貧しさも犯罪も争いも不幸も無い
     ことを確信しております
     
戦争(殺し合い、奪い合って、瞞し合って生きる人間のこと。)
     
平和(助け合って、ゆずり合って、教え合って、共に生きる
                                 人間のこと。)」

  
◇反戦平和資料館について
    
「いまあるほとんどの資料館はどこでも、戦争は残酷だ、も
    う二度としてはいけないといっておりますが、その残酷な戦
    争は誰がどうしてつくったのかということに、まったくふれていない」

    
「戦争はどこが始めたかということからはじめて、戦争の残酷
    さと、戦争の結果からくる悲劇を展示しようと思いました。さら
    にそのためには教育のこと、戦争準備のこと、戦争をおこし
    た『英雄』たちの悲劇のこと、ここまでさかのぼって展示しなけ
    れば、本当の反戦資料館にはならない、そう考えるようになっ
    ていった」

    
「なぜ身障者の人たちのための里をつくろうと思ったか。それ
    は、平和と福祉は深く関連していると思っておったからであります」

  
◇土地を守るたたかいを通して
    
「土地をとり返すための闘いを続ける中で、わしらはいろい
    ろなことを学び、考えました。米軍の中にはいい人もおる。
    赤ちゃんにミルクを飲ますやさしい人もおる。それなのに、
    なぜわしらの土地を強奪するというひどいことをするのか。
    これは戦争があるからである。戦争が人を変えてしまう。
    そして基地は、その準備をするためのものだ。基地が撤去
    されるまでは、戦争のことを忘れてしまうことはできない。わ
    しらの土地を守る闘いは、戦争をやめさせ平和をつくること
    につながる、またつながらなければいかない。そう確信する
    ようになった」

    
「基地からくる『こぼれ金』に頼らないと村の経済が成り立た
    ないというのは、長い目でみればいいはずがない、そんない
    びつな経済は経済としても不健康で危険なことであります。
    それだけでなく、何でも金を優先させる考えは人の心を毒し
    てしまいます」

    
「わしらの平和運動は、沖縄から基地を無くしても終わらない。
    日本の平和憲法を、世界中で実現させて、世界中の武器を
    全部なくす。そして、地球上の資源を、地球上の生き物が、
    平等にバランス良く分け合って、生きてゆけるような社会に
    するまでは、平和運動はやめられない」

  
◇米軍にたいして
    
「わしらには米軍に悪口をいう権利はないし、資格もない。
    米軍が沖縄、そしてこの伊江島にきたのは戦争があった
    からですよ。その戦争はだれが起こしたか。日本が起こし
    た。戦争がなければ米軍は来ていない。日本が米軍は沖
    縄に来て下さい、伊江島に来て下さい、そういったのと同じ
    である。わしらは日本人としての責任がある、そう思ってお
    ります。だから悪口はいわない。そういう闘い方はしない。
    わしらは『鬼畜』ではない、人間である。人間として闘いを
    やるのだ」

    
「自分たちの目的は基地撤去であり、土地をとりもどすこと
    です。喧嘩することではない。だから、銃剣を持って来る人
    の立場も考える。この兵隊たちは命令に従うしかない人た
    ちで、可哀そうだという同情心がなければいかない」

    
「軍事力を強化する国は、国民を苦しめる悪い国であります。
    それに武器に頼って生きる人間より不幸な人間はおりませ
    ん。・・・基地はアメリカ国民のためにもならない、もちろん私
    たちのためにもならない、このことを確信している」

    
「アメリカ人と話し合う時には、いつもキリストを前に出して方
    がいい。キリストの後にかくれていると、キリストが闘ってくれ
    る。私たちは三〇年あまり闘っているが、アメリカの上の人か
    ら、間違っていると言われたことは一度もない。またアメリカ
    人にこんな事を言ったことがある。『日米安保条約は日独軍
    事同盟より危険だ。こんな条約を結んで恥ずかしいとは思わ
    ないか。どちらが正しいか裁判でためしてみよう。アメリカか
    らキリストをつれて来なさい。私たちはインドからお釈迦様を
    つれて来る』」

    
「私たちは米軍に土地を取られ、米軍とたたかってきました
    が、そのときもそれ以後も、他を責めない、長所と交わる、
    友と友、人と人、国と国、不義を正し、ソ連とも、アメリカとも
    仲良く、ゆずり合って、助け合って共に生きる、その実践の
    なかに真の平和と真の人間の幸福はあると確信いたし、そ
    の実践に努めてきました。
     
私たちが戦争と米軍との闘いで学んだことは、武器の力に
    頼って生きる人間の限りない不幸と、良心に頼って生きる人
    間の限りない幸福であります。そこで平和運動とは、幸福の
    人が不幸の人に幸福の道を教え、導いてあげることであると
    確信を持つようになりました。米軍との三十余年の闘いで、
    米国民の不利不幸になることはやらないように努めてきまし
    た。私たちが闘わなければならないのは、戦争をやりたがっ
    ているアメリカと日本の、人間の顔をした悪魔に対してであり
    ます」

  
◇人生観・世界観
    
「土地は魔法使いのようだよ。同じ土にいろんな種をまくとい
    ろんな命を育ててくれる。命はぐくむ土地を、人殺しの練習の
    ためには使わせない。土地は万年。金は一時」

    
「この伊江島はね、海も動いているし、生きておる。こうして木
    を見ていますとね、風は三味線ですよ。静かな三味線をひくと、
    木の枝はみな、クミウルイ(組み踊り)する。あれは王様の前
    で踊るおどりですね。三味線という風が力強く吹くと、沖縄の
    カチャーシー、庶民の元気踊り。そして、木によって、踊り方が
    みな違う。木の葉が大きい木の踊り、木の葉の小さい木の踊
    り、みな違う。それも見事。
     
天を見たらですね、雲がどんどん動いて、いろいろなかたち
    に変わる。舟になったり、ライオンになったり。それもまた見事。
     
何でも生かしていかなければならない。戦争がない平和の島
    をどうしてもつくっていかなければならない。わたしはそう強く
    思っております」

さいごに:「みんなの学校」全6回を終えるにあたって
     
*平和運動は、継続性こそが求められる
     
*学ぶことと、仲間の存在が必要
     
*ぜひまた学習の機会を、労働組合らしさの発揮を



以上。



| | コメント (0)

メーデ学習週間

きのう(22日)のお昼、
倉敷医療生協労組のメーデー学習会
行ってきました。

Img_1727

 参加は
 約20名。






主に新入職員さんを対象にした
学習会で、
労働組合とは、
メーデーとは、
79回メーデーをめぐる課題、
などについて話をしました。

早口になってしまいましたが、
わかってもらえたかなー。

今週は、岡山医療生協労組でも
昼休みメーデー学習会があり、
ひと足早いメーデー週間となっています(笑)。



| | コメント (0)

2008年4月18日 (金)

やはりここでも“手”

今日(18日)は、午後から
ソワニエ看護専門学校で2回目の講義。
41名全員出席でした。

「人間の手のふしぎ」ということで、
先日の福祉保育労でしゃべったことと、
ほぼ同じような話をしました。

最後の「看護と『手』」のところだけ、
紹介します。

感想文をみると、まずまずだったかなーと
思いますが、やはりソワニエは修行の場ですな。
なかなか「うまくいったナー」という実感がもてません。


では、以下。


四。看護と「手」
 
1。どのような手(人間性・感性)をもった看護師か

    
「しかし病人の世話をするには建物だけあればよいのであ
    ろうか? そこには心と手、訓練されて熟練した手が必要
    である。大英帝国のどの救貧院でもまたその他の病院でも、
    当然そのような手と心の持主によって看護がなされるべき
    である」
       
F・ナイチンゲール『アグネス・ジョーンズをしのんで』)

    
「教育の仕事は別として、世の中で看護ほどに、その仕事
    において『自分が何を為しうるか』が、『自分はどのような人
    間であるか』にかかっている職は、ほかにないからです」
        (
F・ナイチンゲール『看護婦と見習生への書簡〔1〕』)

  
◇3年間のソワニエでの学びで、ぜひ人間性と感性を磨いてほしい

 
2。「手当て」が医や看護の原点
  
◇美術作品から
   
*「エヒテルナッハ福音聖句集」
   
*カリエール「病気の子ども」
   
*ピカソ「科学と恩寵(おんちょう)」

  
◇看護師が手を使わなくなった!?

    
「夫の入院中、夫の手に触れた看護師さんは一人もいませ
    んでした。強い気性の夫でしたが、末期には、痛いくらいに
    私の手をぎゅっと握りしめていました。先人たちが築いてき
    た有形、無形の看護実践、その人の生きる力や、自然治癒
    力を引き出す要素があるはずなのに、それが忘れさられて
    います。
     
手は、サーモスタット無しに常温を保てます。こんな有力な
    武器はありません。手を当てただけでアセスメントできます。
    ・・・脈を3本の指で診ると、脈の緊張の度合いで血圧が高い
    か低いかもわかるし、早さもわかる、皮膚がしめっているか、
    乾いているかもわかり、脱水状態も把握できる。胸に手を当
    てれば、ゼイ鳴のある、なし、ゼイ鳴がなくても動いているの
    は触っただけでもわかります。観察の武器として、モニター以
    上に複数の情報をキャッチでき、自分の意志で使えます。さ
    すったり、揉んだり、なでたり、つかんだり 叩いたり、抱きし
    めたり、いろいろなことができるのが手です。看護師たちはこ
    の有用な手をどうして使わないのかと思います。なぜ機械を
    介在させるのでしょう」
    
(川島みどり「IT化時代 今だからこそ看護の原点に」、
                           『医療労働』№
500)


以上。



来週は講義はお休みで、
次回は5月2日です。



| | コメント (0)

2008年4月17日 (木)

手から考える

きのう(16日)は、福祉保育労岡山支部
執行委員会へ。恒例の学習会です。

会場は、ちょっといつもと違い、
岡山市のA保育園の近くの喫茶店。

Img_1720
 かなりなごやかな雰囲気で。

 参加者は10名。
 この4月にA保育園に
 就職した保育士さんも
 参加してくれました。
 うれしー。


きのうは
「手を考える、手から考える」
というテーマで、初めて「手」をテーマにした
話をしてみました(明日もソワニエでするのだが)。
「労働組合と『手』」の話も、初めて。
まだまだ抽象的な話も多く、発展途上ですが。

福祉・保育労働者にとっても「手」は
仕事に直接に関わる重要なテーマで、
講義はなかなか評判が良かったようです。

感想交流では、それぞれの方から、
子どもの発達と手の関係、
障がい者の手の使い方など、
「なるほどなぁ」という貴重な話がたくさん聞けて、
とても学ぶことが多かったです。さすがプロ。

もっと『手』については深めていきたいと思います。



では、以下、講義の概要です。


一。人間の手の働き
 
1。絵本『てをみてごらん』
(中村牧江さく・林健造え、PHP)

   
てをみてごらん
   
きみのてと ともだちのて
   
あくしゅをすれば もうなかよしだ
   
あかちゃんのては いつもあまえている
   
きみが おこっているとき ても おこっている
   
かんがえているときは こんなかんじ
   
だいじな やくそく
   
みんなでなにかをきめるとき
   
うまくいったら やったあ!
   
ほかには どんなこと?
   
はるは そっと うけとめる
   
なつは めずらしい おきゃくさま
   
あきは いっぱいみつけて わけてあげる
   
ふゆは いっしょに あたろうよ
   
きみのては いまなにをしているの
   
それから なにをするの

     
「手は表情豊かです。たとえ言葉で何も言わなくても、
    手の動きやかたちで、喜怒哀楽、やさしさ、拒絶など、
    人の気持ちをこまやかに表現していることをご存じでし
    たか?
     
本書は、紙でつくった繊細な手のイラストによって、手
    が表現するさまざまな思いや役割に気づかせてくれる
    絵本です。
     
仲良しになる握手、おかあさんの手に甘えて包まれる
    赤ちゃんの手、おこったときにぎゅっとにぎった手、何か
    を考えているときの手、約束のゆびきり、じゃんけんの
    ぐー・ちょき・ぱー、「やったー!」のブイサイン、花びらを
    そっと受け止める手、トンボがとまる手、どんぐりを集め
    てだれかと分け合う手、四葉のクローバーをつまむ手、
    それをだれかに渡す手、たき火にかざす手…など、ふだ
    んは気にもとめない自分の手や人の手に出合えます」
                 
(出版社ホームページ「解説」より)

 
2。人間の手はどんな働きをするか
  
◇人間の手の働きあれこれ
   
「書く」「打つ」「つかむ」「なげる」「ぶつける」「ひっぱる」
   「むしる」「はじく」「つまむ」「おす」「むすぶ」「ふれる」
   「なでる」「抱く」「つつむ」「かきむしる」
「さわる」「ひく」
   「さぐる」「にぎる」「さす」「すくう」・・・

   
*また、手は「熱い」「硬い」「痛い」「形」など、たくさんの情報
    を脳へ伝える
   
*「道具」を使って何かに働きかける-労働が人間らしさをつくった
   
*相手に物を渡したり、相手から受けとったりする、つまり手が
    「他者との媒介」に。

  
◇手にまつわる言葉ー日本語は「手」をたくさん使っている
   
*運転手、選手、助手、歌手、騎手、働き手、聞き手、やり手、
    手先、名手、相手、担い手、受け手、なり手・・・。「手」という言
    葉がそのまま人間をあらわすものとして使われていることにも、
    人間にとっての「手の重要性」があらわれている。
   
*「手をぬく」「手伝い」「手をやく」「手がでる」「手ざわり」「手さぐり」
    「上手・下手」「手堅い」「手本にする」「手柄」・・・

二。手と心ー人間性や感性
 
1。絵本『わたしの手はおだやかです』
          
(アマンダ・ハーン文、マリナ・サゴナ絵、谷川俊太郎訳)

   
これがわたしの手
   
わたしだけのたいせつな手
   
つみとる ことが できます
   
だきしめることも
   
なげることが できます
   
しっかりつかむことも
   
ふせぐことも
   
じぶんの 手のこと わかっているかな?
   
手は わたしが いなければ なにも できません
   
手は わたしが してほしい ことを してくれます
   
あそびたいときは つくったり つかんだり かくしたり
   
はたらくときは たたいたり かいたり かぞえたり
   
それはどれも わたしが えらんだこと
   
わたしは えらびません・・・
   
ぬすむこと おしのけること きずつけること 
   ひったくること こわすこと
   
わたしはすき かわいがるのが なでるのが
   
くすぐるのが わけあうのが わたしの手で
   
だから わたしの 手は おだやかです

      
「ふだん私たちはあまり意識せずに手を使っています。で
      も気がついてみると、手にかかわる言葉はいっぱいありま
      す。『手当て』『手伝い』『手に入れる』『手を抜く』『手を焼く』
      などなど、あげ始めるときりがありません。からだの一部で
      ある手は、人間のさまざまな行為のたとえにもなっていて、
      手は使い方ひとつで良くもなれば悪くもなるのだということを、
      この絵本は教えてくれます」(谷川俊太郎)

 
2。手と心
  
◇赤ちゃんや子どもの手の動作や運動から、こころの発達を知る
   ことができる

  
◇手仕事と内面

    
「そもそも手が機械と異なる点は、それがいつも直接に心と
    繋がれていることであります。機械には心がありません。こ
    れが手仕事に不思議な働きを起こさせる所以(ゆえん)だと
    思います。手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えて
    いて、これがものを創らせたり、働きに悦びを与えたり、ま
    た道徳を守らせたりするのであります」
             (『手仕事の日本』柳宗悦、岩波文庫、1985年)

三。「手」から考える労働組合
 
1。手渡され、手に入れ、手渡す-過去から現在、そして未来へ
  
◇労働組合そのものが、先人たちのたたかいがつくりだしたもの
   
*つくり出すエネルギーの大きさ、なぜそこまでして労働組合が
    必要だったのか
   
*人間らしい働き方、人間らしい生活をもとめて
                     -あきらめなかった人びと

  
◇労働組合は、いまや基本的人権の重要な1つ
   
*日本国憲法28条に保障されている
   
*信じて託された権利

     「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の
     多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの
     権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に
     対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの
     である」(97条)

  
◇私たちのいまある(手に入れている)権利や働き方は、こうし
   た先輩たちのたたかいの成果

  
◇それを、未来の仲間に手渡す責任が、私たちにはある
   
*より充実したバトンとして手渡したい

 2。手をつなぐ(結ぶ)-団結をひろげて
  
◇手をつなぐことの意味
   
*人間だけが手をつなぐ
   
*あたたかさ・ぬくもり(微温)-ヒューマニズムの原点

  
◇人類は集団で助けあって労働・生活し、進歩してきた
   
*人間には、いろんな能力があって、補いあいながら、社会を
    つくってきた
   
*「勝ち組・負け組み」「自己責任」は、人間の孤立

  
◇「他人の痛み」をほっとけないという感覚を大事に-手をつなごう!
   
*職場の仲間と、地域の人びとと、同じ思いをもつ福祉・保育労
    働者と、よりより社会をめざす日本中の人びとと、そして同じ世
    界に生きる人類と。
   
*団結の「結ぶ」の意味。「夢をむすぶ」「実をむすぶ」「結実」。
    「むす」という動詞は「生す」と書く。「結ぶ」ことは、「生まれる」
    こと。ちなみに「団」は、「かたまり」という意味。

 
3。1人ひとりが、学び手に、そして労働組合の担い手に
  
◇たたかう相手はだれかを見極めるために、学習を

  
◇労働組合の主人公は、1人ひとり
   
*自分や職場の可能性を引き出す組織
   
*自分の仕事に誇りと喜びを育てるために
   
*貧困や差別、社会的苦しみを解決していくために



以上。



| | コメント (0)

2008年4月11日 (金)

3年目に入りました

今日(11日)は午後から
ソワニエ看護専門学校へ。

3年目の「人間関係論Ⅱ」の授業が
本日からスタートです(全15回)。

Img_1716

 今年はいったい
 どんな驚きや
 どんな学びが
 待っていることでしょう。

 ワクワクですな。
 今年の1年生は
 41名と、昨年よりかなり
 多く、教室いっぱいでした。



1回目の今日は、時間フルに使っての
自己紹介でした。
私のと、学生さんのと。

今年も年齢バラバラ、経歴バラバラ、
出身バラバラ、趣味バラバラの
多彩な学生が集まったようであります。
男子学生は9名でした。

自己紹介では、
出身、趣味、好きなTV、好きなスポーツ、
好きな音楽、好きな映画・本、好きな人物、
リラックスタイム、最近気になるニュース、
旅行ここに行った、行ってみたい所。
という項目を用紙に書いてもらい、
いろいろと交流をしました。

いや、今年もとっても面白かったです。
来週からが、楽しみです。

来週は、「人間の手」の話をする予定です。
「看護・医療」読書日記もまた再開です。
がんばります。


| | コメント (0)

2008年4月 9日 (水)

世界は動いている、のだ。

きのうは、倉敷医療生協労組・みんなの学校
5回目でした。

Img_1713

 参加は9名と復活!
 初参加も2名。

 みなさんの感想も
 しっかりしたものでした。
 




きのうは、
「イラク戦争と21世紀の世界-平和運動の大きな流れ」
ということで、かなーりスケールのでかいお話でした。

世界の大きな流れをしっかりつかんでおくことは、
とーっても大事なことです。
日本だけ見いていると、あるいは、「今」だけ
みていると、悲観的な気持ちになりますが、
視野広く、歴史的にものごとをみることで、
自分たちの立ち位置がわかり、活動のエネルギーの
ひとつになると思います。


では、以下、講義の概要です(やはり長いですが)


一。イラク戦争をめぐって-平和運動の新しいウェーブ
 
1。戦争はとめられなかったが
  
◇国連での徹底した議論
   
*国連の安全保障理事会で、これから起きそうな戦争をめ
    ぐって、支持するか支持しないかを、最後まで論争が行わ
    れたのは、国連の歴史上はじめて。
    
・朝鮮戦争は国連軍が出動、ベトナム戦争でも国連は
     事実上無力だった
   
*最後には、アメリカは国連での敗北を事実上認め、安保理
    での採決をあきらめて、国連のお墨付きをえないまま戦争を
    はじめるという道に追い込まれた。

    
「イラク攻撃をめぐっては、アメリカが事実上、孤立している。
    かつてアメリカが、これほど孤立したまま戦争に踏み切る例
    はない。これほど多くの同盟国から、これほど強硬に反対さ
    れたこともない。世界中でこれほど多くの反発や怒り、不信を
    招いたこともない。まだ一発の銃弾も打ち込まれていないの
    に、である」
    
(アメリカの代表的週刊誌『ニューズウィーク』、開戦前の論評)

 
2。世界の政府を動かした背景-人びとのたたかい
  
◇イラク戦争開戦前に起こった世界反戦統一行動
                       (2003年2月15日が最大)
  
◇2002年11月にイタリアのフィレンツェで行われた第1回欧州
   社会フォーラム
   
*閉幕行事として行われたイラク戦争反対のデモ・集会に、イタ
    リアを中心に全欧州から100万人が結集した。
   
*そこで、2003年2月15日に欧州でイラク戦争反対の統一行動
    が呼びかけられ、それが世界的に広がり、世界統一行動が準備
    される。
  
◇03年1月18日、アメリカのワシントンで50万人のデモ
  
◇03年2月15日、何らかの集会やデモが行われた国

   *アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、
    カナダ、チリ、クロアチア、キューバ、キプロス、チェコ、デンマーク、
    エクアドル、エジプト、エストニア、フィリピン、フィンランド、フランス、
    ドイツ、ジャマイカ、日本、ギリシャ、グアテマラ、ハイチ、香港、
    ホンジュラス、ケニア、イギリス、アイスランド、インド、インドネシア、
    イラク、アイルランド、イスラエル、イタリア、レバノン、リトアニア、
    ルクセンブルク、マケドニア、マレーシア、マルタ、モロッコ、
    メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、オランダ、パキスタン、
    パレスチナ、ペルー、ポーランド、プエルトリコ、ポルトガル、
    ドミニカ、レユニオン、ロシア、ルワンダ、南アフリカ、スペイン、
    スロベニア、韓国、スコットランド、シリア、スウェーデン、スイス、
    タイ、東チモール、トルコ、ウクライナ、ウルグアイ、ハンガリー、
    アメリカ、ベネズエラ、ブルガリア
                    
(以上73か国、1000万人以上が参加)

   
*欧州では政府が米政権支持を表明しているイギリス、スペイン、
    イタリアで、15日のデモ参加者がいずれも主催者発表で予想を
    大きく上回った。ロンドン200万人、マドリード200万人、バルセ
    ロナ150万人、ローマ300万人など、いずれも過去の記録を塗
    り替える行動になった。同夜フランスのテレビ・ニュースは「地平
    線のかなたの至る所でデモが繰り広げられました。これが世界の
    世論です。ブッシュ米大統領はますます孤立を深めています」と画
    期的な盛り上がりを報じた。
   
*その他の主な欧州都市のデモ参加者数はベルリン50万人、
    パリ25万人、アテネ10万人、ウィーン3万人、ブリュッセル8万人、
    アムステルダム7万人、オスロ6万人、ストックホルム2万5千人、
    コペンハーゲン1万人、ダブリン10万人、ベルン4万人など。
    各国では首都以外でもデモが行われた。
  
◇3月15日には、イタリアのミラノで70万のデモ
  
◇3月20日に戦争がはじまると、22日にはスペインで100万、ロン
    ドンで100万のデモ、30日にはインドのコルタカで60万のデモ、
    4月12日にはスペインで50万、イタリアで50万のデモ。
  
◇アメリカの覇権にたいする「もうひとつのスーパーパワー」
                  
(米紙ニューヨーク・タイムズ評)の出現。
  
◇これまでにない新しい動き-NATO同盟国、中東イスラム諸国など
   
*NATO同盟国の戦争反対-フランスやドイツを先頭に

    
「国際社会、国連安保理によって容認されないいっさいの軍事行
    動は不当、不法である」「私は(イラク戦争を)認めなかったし、今
    後とも認めない」「単独で戦争することはできるが、単独で平和を
    つくることはもっとはるかに困難だ」「総じて賢明さというのは、国
    際的なルールを持ち、それを守ることだ。これが私の立場だ」
          
(エビアンサミット終了後の仏シラク大統領の記者会見)
    
・その背景には、圧倒的な戦争反対の国民世論

   
【ドイツ】
   
*「ばかげた戦争はやめて」「戦争ノー」。力強い唱和や「わたした
    ちは勝利する」の歌声が気温三度のベルリンの曇り空に響いた。
    米国がイラク戦争を開始した3月20日、ドイツの高校生たちが各
    地で抗議デモをおこなった。
   
*ベルリンのウンターデンリンデン
通りを行進していたステファン君
    
(16)は「まともな理由もなく多くの人を殺すなんてだめだ。こ
うやっ
    て一つ一つのデモが重なっ
ていけば大きな力を持つと思う」
と話し
    た。20日正午にデモに参
加した高校生はベルリンで2万人、
ミュン
    ヘンで5千人、ケルンで2
千人を超えた。ドイツでは夕方に
かけ、
    全国各地で約三百の反戦集
会が行われた。

   
【トルコ】
   
*03年3月1日。イラクへの地上軍侵攻の出撃基地にトルコ領を
    使わせろとの米軍の要求を、トルコ国会が拒否。トルコは半世紀
    前から北大西洋条約機構(NATO)に加盟している米国の軍事
    同盟国。しかも総額で150億ドルの“緊急”援助を見返りにした
    要請を断わってのことだった。
   
*トルコの拒否によって、イラクの北と南からバグダッドを挟み撃ち
    する米軍戦略が挫折し、攻撃開始が数週間遅れた。4万人の米
    兵と装備をトルコ(近海)に待機させ、病院もつくった米軍だが、
    それが議会拒否で引き揚げることになった。莫大(ばくだい)な経
    費の損失、時間のロス。
   
*国会審議中に連日の国会包囲行動。国会が米国の要求を拒否
    した日、議会外で5万人集会。イラク戦争反対が国民の9割だっ
    た世論が、アメリカの圧力をはねのける力となった。どの政党も基
    本的にはアメリカ支持だった姿勢を変えさせた。

   
【エジプト】
   
*エジプトではデモや集会は原則禁止。1981年の故サダト大統
    領暗殺事件以来、非常事態令が続いている。そのカイロで、初
    めての本格的な反戦集会があったのは03年1月18日。世界
    30数カ国で行われた国際行動に呼応したものだった。この時の
    参加者は約1000人で、警戒の治安部隊の方が多い状況だった。
   
*しかし、これ以降は回を重ねるごとに参加者が増え続け、2月
    末には全国から集まった15万人がカイロ国立競技場を埋め尽
    くした。「集会に参加して分かったのは、唯一のスーパーパワー
    (超大国)といわれる米国の力は実際には弱くて、世界でわきお
    こった戦争反対の声の力こそスーパーパワーだということでした。
    特に米政府が『アラブ全体を民主化する』なんていいだしてから
    は、こんな道理のない戦争をたくらむ米国こそ民主化が必要じゃ
    ないかって、さらに力が入りました」。一連の集会に参加してきた
    という女性、ヘイバ・ノウェルディンさん(23)はこう言った。
   
*このエネルギーは、当初デモを弾圧していた政府を動
かす。3月
    5日には政府与
党が加わった集会が開催さ
れ、参加者は100
    万人に
ふくれあがった。開戦前後には、大学教授などの知識

    グループが相次いで戦争
反対の声明を発表し、その
流れはエジ
    プトの裁判官組
合にまで広がった。

   
【イエメン】
   
*アラビア半島南端のイエメン各地でも、3月15日、対イラク戦
    争に反対するデモが行われ、数十万人が参加。与党の国民全
    体会議やイスラム団体、労働組合などが呼びかけた。首都サヌ
    アのデモ参加者は「イラク侵略は自由への侵略だ」「戦争と内政
    干渉反対」などと訴え、市内を約三時間にわたって行進。
   
*同デモではアルイリヤニ・イエメン大統領補佐官が「イラク攻撃
    と同国への内政干渉は人類への侵略。戦争を拒否し、平和的
    解決を望む国連安保理の多数派が体現する国際秩序に制限を
    加えるものでもある」と訴え、米国などを批判した。アルアハマル
    国会議長も声明で、イラク攻撃はイラクのみに向けられたもので
    はないとし、戦争阻止でアラブ指導者が協調するよう訴えた。

   
【パキスタン】
   
*イスラムの古都ラホールのメーンストリートは、米英軍による対
    イラク戦争での破壊、殺りくにたいする人々の怒りに満ちた。3
    月23日、イスラム教政党で野党の統一行動評議会(MMA)が
    呼びかけた反戦集会には参加者15万人と同国最大規模となっ
    た。「燃えるバグダッドをテレビで見た。怒りでいっぱいだ。イス
    ラム教徒が殺される」。バイクのエンジン修理で生計をたてるハ
    ビブラさん(62)が話した。「日本も戦争でアメリカに原爆を落と
    されただろう。アメリカが一番ひどい」。宗教学校マドラサで学ぶ
    サーフラー君(16)は「自分の意志で来た。先生が行けといった
    わけじゃない。アメリカはテロリストだ。ミサイルを次々撃ってい
    る。アメリカとたたかうのはイスラム教徒の務めだ」と言った。プ
    ラカードには「石油と血。どっちに価値があるのか」「新しい世界
    秩序。アメリカ対世界」などの文字が目についた。
   
*国連安保理の非常任理事国パキスタンは、一方で米国の「対
    テロ戦争同盟国」。イラク問題でも米国寄りの態度が米国から
    は期待されていた。しかし、ジャマリ首相はこの間、「戦争を支持
    
するのは非常に難しい」と発言。11日の緊急閣議では、
国民に
    受け入れられない決議
案を支持すべきでないと一致。
カスリ外
    相は22日の会見で
「重要なのは国連安保理がイ
ラクの人々の
    苦しみを早く終
えるようにすることだ」と指
摘。開戦の20日には
    ジャマ
リ首相が、国連安保理の戦争
終結努力を求めた。

   
【チリ】
   
*南米チリ。同国の首都サンティアゴ市内で3月15日、イラクへ
    の武力行使に反対する数千人規模のデモが行われた。参加者
    は「戦争ノー」とスペイン語と英語で書かれた巨大な横断幕を先
    頭に市内の大通りを行進。主催者の代表が大統領府に立ち寄
    り、米国による「対イラク攻撃を断固拒否する」と表明したラゴス
    大統領あての書簡を手渡した。
   
*デモに参加した与党民主主義党のヒラルディ党首は、安保理で
    は「戦争を意味するいかなる決議にも反対する」よう政府に呼び
    かけた。世論調査ではチリ国民の83%がイラクへの武力行使
    に反対していた。

   
【メキシコ】
   
*メキシコ市内では03年3月15日、
イラクへの武力行使に反対
    し、平和的
な解決を求める平和コンサートやデモ
が行われ、計
    3万人が参加。デモ参加
者は「ブッシュ、よく聞け。メキシコ
は戦
    争に反対だ」などのシュプレヒコ
ールを繰り返した。「戦争反対」
    と書き
込んだメキシコ国旗をまとって行進していた大学院生の
    ロシオ・セレナさん(27)は、「政府は紛争の平和的解決を原則
    とする憲法にしたがって戦争反対の投票をすべきです。フォック
    ス大統領がこの立場を最後まで貫くよう私たち国民がさらに圧
    力をかけていきたい」と語った。


    
人びとのたたかいが、政府の戦争反対の姿勢を支える、
     また戦争支持の方針を変えさせる力となった。21世紀の
     新しい世界秩序、平和のルールをつくる力は、1人ひとり
     の声、行動、そしてその結集にあることを鮮やかに示した
     のが、イラク戦争をめぐる世界のたたかいだった。

 3。イラク戦争支持政権の選挙での敗北、派兵部隊の撤退
                             -アメリカの孤立
  
◇選挙による「イラク戦争ノー」

   *04年にスペイン、06年にイタリア、07年にオーストラリアで、
    アメリカとともにイラク戦争を支持、推進してきた政権が選挙
    で敗北、政権を失った。政権交代はしなかったが、オランダ、
    デンマークでも選挙での審判を契機にイラクから自国軍を撤
    退せざるをえなかった。イギリス、アメリカなどでは、与党が
    選挙で敗北。
   
*戦争を推進する政治を、国民世論が許さない、ひっくりかえ
    す力を持っている。
   
*アメリカ主導のイラク駐留多国籍軍=有志連合は崩壊状態。
    最大39か国が参加した多国籍軍は現在21か国に参加が半
    減。駐留継続国の中でも撤退・削減を予定・計画している国
    が多数。「多国籍」とはいえ、いまや兵力の約93%は米兵で、
    実態は米軍そのもの。
  
◇ふくらむ戦費、増える米兵死者
             -アメリカ国内でも「イラク戦争は間違いだった」
   
*アフガンへの報復戦争とイラクへの侵略戦争=「対テロ戦争」
    の戦費としてすでに
69兆円が支出。今後10年間続いた場合、
    その戦費は274兆円に達するという試算も(米議会予算局)。
   
*米兵の死者はすでに4000人をこえる。帰還者のPTSDも深刻。
    07年の陸軍現役兵士の自殺者は121人。これまで90年、91年
    と並んで最高レベルだった06年より20%増。アフガン戦争が始
    まった01年以来ではほぼ一直線に増えている。一方、自殺未遂
    や自傷者の数は07年が2,100人で、イラク戦争開始前の02年
    の350人と比べて6倍にも。
   
*アメリカ国内でも「あの戦争は間違いだった」の世論の高まり

 
4。膨大なイラク民間人死者、「対テロ戦争」でテロは逆に激増
  
◇戦争はいっそう激しくなっている
   
*米軍は07年の1年間に1447回、1日に4回の割合で空爆を実
    施。06年の229回の6倍にも(米紙ワシントン・ポスト報道)。
  
◇イラク民間人の死者、国の崩壊
   
*「イラク・ボディ・カウント」によると、9万人弱。15万人(イラク保
    健省と世界保健機関の調査)、65万人(英医学誌)、100万人(英
    世論調査機関ORB)という推定もある。
   
*イラク難民・避難民はなお、シリアに150万人、ヨルダンに75万
    人。国民の約3分の1の800万人が緊急援助を必要とし、7割の
    国民がきれいな飲料水を供給されていない。失業は昨年末の
    時点で50%に達しているとみられ、電気が家庭に届くのは1日
    に数時間、まったく届かない地域もあるという。
  
◇テロの増加
   ・・・2003年に世界で起きたテロは208件→2006年には14,338件。

二。世界は、動いている。
 
1。軍事同盟の崩壊へ
  
◇第二次世界大戦後、米ソ2つの大国が、軍事同盟をはりめぐら
   せた「冷戦体制」へ
   
*アメリカ側はNATOを頂点に、21の軍事同盟
   
*ソ連はワルシャワ条約機構を筆頭に14の軍事同盟
  
◇世界の軍事同盟網の解体、機能不全、弱体化
   
【東南アジア条約機構(SEATO)】
    
1954年、アメリカが中心となってイギリス、フランス、オーストラ
    リア、ニュージーランド、フィリピン、タイ、パキスタンの8か国が
    調印した東南アジア防衛条約にもとづく軍事同盟。1975年、
    アメリカが後押しした南ベトナム政権の敗北によって、事実上崩
    壊。1977年に解散
   
【中央条約機構(CENTO)】
    
もとは、1955年に発足した中東条約機構(バクダッド条約機構、
    トルコ、イラク、イギリス、イランが加盟、アメリカがオブザーバー
    として参加)。
1959年にイラクが脱退したため、本部をトルコの
    首都アンカラに移し、中央条約機構と改称。1979年1月のイラ
    ン革命で、アメリカが後押ししたパフラヴィ王朝が崩壊したため、
    同年9月に解体
   
【米州相互援助条約(リオ条約)】
    
1947年9月に調印、翌年発行したアメリカと中南米諸国をふく
    む軍事同盟。「米州の一国にたいするいかなる国による武力攻
    撃も、米州のすべての国にたいする攻撃とみなし」、加盟各国は
    攻撃にたいして共同して対処する(第3条)と定め、アメリカが中
    南米やカリブ海地域に軍事介入する口実にされた。しかし、89
    年のアメリカのパナマ侵略批判の決議を採択し機能停止状態に。
    
2001年9月には、メキシコが脱退を表明し、最近手続きを完了。
   
【オーストラリア・ニュージーランド・米国相互安全保障条約(ANZUS)】
    
1951年9月に締結されたオーストラリア、ニュージーランド、米
    国の3か国間の相互安全保障条約。1984年、ニュージーランド
    で、労働党のロンギ政権が成立し、米国の核搭載艦船の入港を
    認めない「非核政策」をとったため、アメリカがニュージーランドに
    たいする防衛義務の停止を発表。3か国の軍事同盟としては
    機能していない
   
【北大西洋条約機構(NATO)】
    
イラク戦争にさいして、フランス、ドイツ、カナダ、ベルギーなどの
    一連の主要国が反対し、分裂状態に。最近、シュレーダー独首
    相は、「NATOは戦略上の協議の場ではもはやない」と指摘し、
    米欧関係の改革について抜本的な見直しを提起。シラク仏大統
    領もこれへの支持を表明するなど、この軍事同盟のあり方につ
    いて、根本から問い直す動きが生まれている。
   
【ワルシャワ条約機構】
    
旧ソ連を中心とした軍事同盟だったが、ソ連の崩壊で解体

  
◇非同盟諸国の運動の前進
   
*国連加盟国192か国のうち、135か国(約7割)が、非同盟諸国
    会議(アジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々が主な参加国)に
    参加。世界平和の構築に、大きな役割を持ちはじめている。ち
    なみに、アジア24か国のうち、21か国が非同盟諸国会議に加
    盟。入っていないのは、日本、韓国、中国<オブザーバー参加>
    のみ。

 
2。「戦争のない世界」をめざして-地域別にみる
  
◇EU(欧州連合)-EU憲法の外交路線
    
「平和、安全、地球の持続的開発、諸国民間の連帯と相互尊重、
    自由で公正な通商、貧困の一掃と人権の保護、とくに子どもの
    権利保護、および国際法の尊重と発展、特に国連憲章の諸原
    則の尊重」(第3条4項)

  
◇アジア
   
*ASEAN共同体をめざす動き、さらに、東アジア共同体構想
   
*共同体構築の前提は地域平和-東南アジア友好協力条約(T
    AC)の広がり
    
・ASEAN(東南アジア諸国連合)の平和憲法といわれ、1976
     年のASEAN首脳会議で締結。その後、ASEAN以外の周辺
     諸国にも条約を広げる外交努力を行い、日本も2003年12月
     にようやく加盟した。
    
・条約の内容
     
①独立、主権、領土保全などの相互尊重、②外部からの干渉、
     転覆、強制なしに自国を運営する権利、③相互の内部問題へ
     の不干渉、④紛争の平和的手段による解決、⑤武力行使と武
     力による威嚇の放棄、⑥諸国間の効果的協力
    
・現在の加盟国は24か国、地球人口の57%。
     
マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシア、ブルネイ、
     ラオス、
フィリピン、カンボジア、ミャンマー、タイ(以上ASEAN)
     
中国、日本、韓国、ロシア、フランス、オーストラリア、インド、
     パキスタン、東チモール、パプアニューギニア、ニュージーランド、
     モンゴル、
バングラデシュ、スリランカ
   
*インド・パキスタンの関係改改善、中国とインドの協調路線、
    北朝鮮をめぐる6カ国協議

  
◇中東
   
*中東非核化構想の動き、各国の民主化へのたたかい

  
◇南米
   
*政治変革(左翼・中道政権への誕生)が面をなして広がっている
    
・ベネズエラ(1998)、エクアドル(2003)、ブラジル(2003)、アルゼ
     ンチン(2003)、
ボリビア(2003)、ウルグアイ(2004)
   
*アメリカによる経済・軍事・外交支配からの脱皮へ
                         -「裏庭」だった大陸の変化
   
*南米共同体の結成(2004年)

  
◇アフリカ
   
*アフリカ連合(AU)
    
・EUをモデルに、政治、経済の統合を促進し、紛争のない繁栄
     したアフリカ大陸をめざす国家連合組織として2002年に発足。
     加盟国人口は8億人。
    
・AUの平和・安全保障理事会での協議や、独自の監視軍を紛
     争地に派遣するなどの努力を続け、域内の紛争解決にあたっ
     ている。


    ◇
仮想敵国をもたない地域的な平和の共同体がつくられ、それ
     が合流して、国連憲章にもとづく平和の国際秩序をめざすとい
     う大きな流れを形成しているのが、今日の世界の姿。

三。異常な対米従属-日本の政治のあり方の転換を
 
1。世界の構造変化が視野に入っていない日本外交
                      -「よくできた米国の従属国」
  
◇イラク戦争をさまざまな面で支援
   
*世界でまっさきに「支持」表明。イラク戦費を支えていた日本
    マネー。自衛隊の派遣(現在も航空自衛隊は派遣継続中)。
  
◇日米同盟絶対路線
   
*外交の最大のものさしは、「日米安保条約」という軍事同盟の
    絶対化。
   
*外交も、内政も、アメリカの顔色をうかがいながら。核兵器廃絶
    問題でも。

 
2。軍事優先の外交、内政の転換を
  
◇イージス艦「あたご」事故から
   
*イージス艦はもともとは空母護衛の軍艦
                       -自衛隊は空母をもっていない
   
*回避義務をおこたる-軍事優先路線のおごり。米軍ともっとも
    緊密な連携をとっているのが海上自衛隊。
   
*引き継がれている米軍の占領意識
                 -やり放題の訓練、日米地位協定の特権
  
◇米海兵隊による暴行事件、凶悪犯罪
   
*沖縄の海兵隊の特殊性。「殴り込み部隊」といわれ、全軍の先
    陣を切って、「敵地」に乗り込み、躊躇なく眼前の人間を殺害し、
    「障害物」を除去して橋頭堡(きょうとうほ)を築くという特別の任
    務をもつ。イラク戦争にも在沖海兵隊の多くが参加。
   
*「殺人を可能とするシステム」の構築。目の前の人を殺すことは、
    普通の人間には抵抗感がある。それを確実に実行できるように
    する訓練と洗脳。攻撃対象の徹底した「非人間化」(自分たちと
    同じ人間と思わないようにさせる)、軍への帰属意識と忠誠心の
    徹底。「最悪の殺人者」を「製造」するのが海兵隊というシステム。
   
*本質的に自国の防衛と無縁な、15,000人におよぶ海兵隊が常
    駐する状態は、世界広しといえども、沖縄以外にない。すぐにで
    も戦闘する準備ができている集団が、これほど密集して一般市
    民の中で暮らしていることの異常。
  
◇日米地位協定と思いやり予算
   
*在日米軍の暴力性、無法性を助長しているのが、日本の異常
    なアメリカへの従属性。不平等な地位協定などにみられる米兵
    への特権、使い放題の水光熱費にみられる財政的「思いやり」
    などが、米兵たちの中に、優越感や支配者感覚を浸透させてい
    ることは間違いない。こうした構造が、沖縄県民や女性にたいし
    ての暴力的蹂躙(じゅうりん)に、米兵が抵抗感を感じない土壌
    を生み出している。

  
◇日本人の平和意識と、政治的反映とのギャップ
   
*日本の平和教育は大きな財産と国民意識をつくりだしてきてい
    るが、それが政治に反映されているかといえば、そうなっていな
    い。選挙などでは、平和問題はなかなか争点になりにくいが、
    主権者である私たちが、しっかり学習し、対米従属絶対の政治
    家を当選させない力をもつ必要がある。
  
◇憲法9条と対米従属路線は、相容れない
   
*日本が対米従属の鎖をたちきり、世界平和の力強い流れに合
    流したとき、憲法9条は、さらに輝きを増す。

さいごに:視野は世界的に、行動は地域から



以上。



| | コメント (0)

2008年4月 4日 (金)

初々しいナー

きのうの晩は、岡山医療生協労組の
新入組合員学習会
へ。

フレッシュな新入職員のみなさん(20数名)に、
「労働組合とは-人間らしさを求めて」ということで、
約1時間、労働組合とはなんぞや、
ということをお話しました。

ここはユニオンショップなので、全員即、組合員なのです。

Img_1712
 はじまる前の様子。
 みなさんパリッとした
 服装です。

 今週はずっと研修だそうで、
 緊張続きでもあり、
 おつかれだと思います。
 

今年は、リハビリ関係が大量採用されている
ようであります。何があったのでありましょうか(笑)。

3日間、研修続きで、詰め込み教育が行われて
いるので、かなりザックバランに話をして、
気軽に聞いてもらえる工夫をしてみました。

やっぱり「新入職員」という、初々しい存在自体が、
うれしくなりますね。
こちらもいい緊張感をもってのぞめました。

でも、やっぱりこういう学習会は、
部外者の私より、医療生協労組の人が
しゃべったほうがいいんじゃないかな、
と思ったりもしました。労組の顔が見えるように。
呼んでいただけるのはありがたいですが。

ともあれ、呼んでいただいたからには、
75期労働学校や中田さんのプレ講演会の
宣伝もしっかりとさせていただきました。
このなかから何人かでも来てくれたらナー。

あとは労組の働きかけに期待。
よろしくお願いします。



| | コメント (0)

2008年3月31日 (月)

山口県学習協総会へ

土曜日(29日)は、
山口県学習協総会の学習会に。

Img_1708

 13時、
 会場の山口県労連会館へ。
 3階建ての立派な建物であった。
 看板もかなり目立つ。

 岡山にもこういう
 会館があればなぁ。









Img_1709
 総会の様子。
 F江会長の元気なあいさつで
 始まり、I田事務局長の報告。
 勤通大の取り組みや、
 倉敷集会への参加も
 呼びかけられる。
 山口の倉敷集会への
 参加目標は40名!

総会後、14時10分から学習会に。
参加は約30名でした。
県労連会館が会場ということもあり、
そうそうたる幹部のみなさんも参加されて
いたようであります。ヒョエ~。

約90分間、
「私たちの働き方と労働法制をめぐる情勢」
というテーマで話をしました。
明らかな勉強不足の分野でありますが、
なんとかなったような気もします。
講義の前半部分は
せっかくなので学習協らしい話にしてみました。

終了後、いくつか感想や質問をいただき、
16時すぎには終了。

I田事務局長(山口高教組の専従の方でもあります)と
周南市職労のK田さん(書記の方です)と一緒に
新山口駅までいき、居酒屋へ突入。

17時に始まり、21時少し前まで、
4時間もいたんですね~。
学習会の感想や、山口県の労働運動の状況、
I田さんが4月からプロ専従になる話など、
とーってもおもしろいお話ができました。
ありがとうございました。が、少々飲みすぎました(笑)。

帰りの新幹線ではほぼ寝てました。
この日も自宅へ帰ったのは23時頃でありました。


では、講義の概要を以下。




一。働くことの意味と人間らしさ
 
1。私たちの暮らしは、無数の人びとの労働によって支えられている
  
◇人間社会を成り立たせている、絶対条件
  
◇自由の拡大-分業の発達。1つひとつのモノや技術には、
            歴史が凝縮されている。
  
◇働くことの社会性-人の役に立つ
   
・他人に必要とされる(期待される)こと
                  -自分は自分でよい、という喜び
  
◇自分の能力の開花-よろこびや生きがいにも
    
「人間は、この運動によって、自分の外部の自然に働きかけ
    て、それを変化させることに
より、同時に自分自身の自然を
    変化させる。彼は、自分自身の自然のうちに眠っている潜勢
    諸力を発展させ、その諸力の働きを自分自身の統御に服させる」
                     
(マルクス『資本論』第1部第5章)

 
2。労働そのものが、人間をつくりだした
  
◇手の使用と発達
   
・脳に刺激
   
・手と心-人間らしい感性
  
◇言葉は集団労働から
   
・考える力(理性)の獲得
  
◇道具の発達-世代をこえて
   
・未来性の獲得

 
3。働き方のありようは、社会のありように規定される
                      -資本主義社会における働き方
  
◇生産者が、生産手段から切り離される(労働者の増大)
   
・土地や建物、機械や原材料を持たない
                 (生産をするすべをもたない)
   
・生産手段のもとに、労働力を持っていく
               →資本主義以前に通勤ラッシュはなかった
   
・自分の労働力を「商品」として時間決めで売る。「明日もあさって
    も、来月も、心身ともに元気な労働力をもってこれるだけの生活
    費をおくれ」が賃金の本質。労働力の再生産費。労働の結果と
    は関係なし。現象のなかにある本質をつかむのは科学の力。

  
◇「商品を売ること」を資本家に強制する社会-「命がけの飛躍」
   
・商品生産が社会の主要な生産様式となった社会が資本主義社会
   
・市場で、「売れる」ことが、再生産への大前提
   
・市場では、他の資本家との競争がまちうけている
                          -商品の、「命がけの飛躍」
   
・競争に勝つ(生き残る)ためには、他の資本家よりより多くの
    利潤を獲得する必要
   
・自分の会社の労働者には、少ない賃金で、より長い時間働いても
    らわなければ、競争に負けてしまう、という強制法則が働く社会。
    利潤獲得へのあくなき追求。

 
4。働くルールと基本的人権の発展
  
◇産業革命当時の労働者の状態
   
*長時間労働、日雇いの低賃金、首切り自由、児童労働、労災
    本人責任、粗末で不衛生な住宅環境・・・。
   
*労働者のたたかいの発展-ストライキの発明、労働組合の結成へ
   
*「国法の奪取」-労働者が団結し、資本の横暴への社会的防止
    手段をかちとる
    
・国家が、雇用関係において、法律をつくり規制することの意義
     について 
(すべて『資本論』第8章「労働日」より引用)

     
「住民の健康は国民的資本のきわめて重要な要素であるにも
     かかわらず、遺憾ながらわれわれは、資本家たちがこの宝を
     保存し大切にする用意がまったくないことを認めざるをえない。
     ・・・労働者の健康への顧慮が工場主たちに強制された」
                        
(『タイムズ』 1861年11月5日)

     
「『他の資本家たちとの競争』は、自分たちが児童の労働時間
     を『自発的に』制限することなど許さない。それゆえ、いくらわ
     れわれが上記の弊害を嘆いたところで、工場主たちのあいだ
     でなんらかの種類の協定によってそれを阻止することは不可
     能であろう。・・・これらすべての点を考慮した結果、われわれ
     は強制法が必要であると確信するにいたった」
             (英『児童労働委員会 第1次報告書』
1863年)

     
これらは、140年以上も前のものだが、今の日本にナントあて
     はまることか! 
さらに、重要な指摘が。

     
「10時間労働法は、それが適用された産業諸部門において、
     『労働者たちを完全な退化から救い、彼らの肉体的状態を保
     護』した。・・・労働者自身に属する時間と彼の事業主に属する
     時間がついにはっきり区別されたことは、さらにいっそう大き
     な利益である。いまや労働者は、彼が販売する時間がいつ始
     まるかを知っている。そして、彼はこのことをまえもって正確に
     しっているのであるから、自分自身の時間を自分自身のため
     に予定することができる。・・・それら(工場法)は、彼ら〔労働
     者たち〕を自分自身の時間の主人にすることによって、彼らが
     いつかは政治権力を掌握するにいたることを可能にする精神
     的エネルギーを彼らに与えた」
               
(英 『工場監督官報告書』 1859年10月31日)

  
◇基本的人権をたたかいのなかで前進させてきた
   
*日本国憲法に、その到達点がある



二。日本の労働法制をめぐる異常と働く人びとの現状
 
1。資本の本質は昔から変わっていない
  
◇ザ・アール・奥谷社長のインタビュー全文を紹介
                          (風間直樹『雇用融解』より)
   
*労働政策審議会労働条件分科会委員の彼女が、何を語ったか

 
2。労働法制をめぐる動き(別紙関連年表)

 
3。労働ビックバンによって、爆発(爆破)したのは、労働者の生活と
  健康、そして尊厳
  
◇非正規労働者の増大-「働いても、まともな生活ができない」という
   働く貧困層

  ◇公共サービス分野でも、大量の「非正規労働者」への置き換えが
   進んでいる
  
ILO本部雇用総局リポート(2007年11月31日)
   *「低賃金・低保障の非正規雇用拡大は短期的に日本に競争優位
    をもたらすが、明らかに長期的に持続可能ではない。国内消費の
    低迷は国内総生産の伸びを抑制する上に、非正規雇用では経済
    成長の源泉となる人的資本の形成がなされにくい」と警告。
   
*リポートは非正規雇用は技能形成の機会に恵まれず、低賃金を
    固定化して正社員との
所得格差を拡大する弊害を指摘。配偶率
    低下による少子化も深刻。三十歳代前半(男性)の「有配偶率」は
    正社員の59・2%に対して非正規社員は30・3%、パート・アルバ
    イトでは18・6%。
  
◇はてしない残業と長時間労働-労働時間の規制緩和と成果主義

 
4。ワーク・ライフ・バランス論の虚実
  
◇ワーク・ライフ・バランス(WLB)とは
  
◇財界のネライは労働者雇用の完全自由化に



三。未来はたたかいのなかに-働くルール確立のために
 
1。たたかいが生み出している、情勢の前向きな変化
  
◇「労働組合」という武器を手にいれ、反撃を開始した若者たち
   
*首都圏青年ユニオン。各地に1人でも加盟できる青年ユニオン
    やローカルユニオン。
   
*キャノン、松下プラズマ、光洋シーリングテクノ、偽装請負大企
    業の内部からの闘い。
   
*立ち上がる青年たち。昨年5月20日の青年雇用大集会に3300人。
    ネットカフェ調査が厚生労働省を動かす。今年は10月5日に大集会。
  
◇派遣法の改正へ野党を中心にした動き
   
*派遣法改正への法案提出の動き。直接雇用を大原則とし、日雇
    いでなく常用型を基本とすること、正社員との均等待遇、適正な賃
    金や社会保険の加入など公正な労働条件の確保などが課題。
   
*共産党の志位委員長の派遣問題での国会質問がネットで広がる。
    動画へ12万件をこえるアクセス。半数ぐらいは青年層といわれて
    いる。
   
*大企業での変化。キャノン製造現場、12,000人の派遣を見直しへ。
    いすゞ自動車も。
  
◇派遣問題を突破口に、たたかいをさらに前進させよう。
   
*本当のワーク・ライフ・バランスの社会を
   
*労働基準法の抜本的改正
   
*労働行政の機能強化

 
2。権利の自覚と普及-働くルールの確立のために
  
◇権利の認識をひろげる-日本の労働運動の大きな課題
   
*実際に権利が侵害されていても、気づかないで終わるケースも多い。
   
*街頭などで一般の人と話をすると、どの職場でも、大なり小なりの
    労基法などの違反が存在する。いまや労働基準法は「最低の基
    準」ではなく、実質は「めざす目標」となっている。
   
*労働法の常識が自然に身につくことはない。権利にかんする知識
    を意識的に普及しなければならない。世界の非常識が、日本の常
    識であることに、慣れてはいけない。

     
「人間はなにごとにも慣れる存在だ、と定義したドストエフスキーが
     いかに正しかったかを思わずにはいられない。人間はなにごとに
     も慣れることができるというが、それはほんとうか、ほんとうならそ
     れはどこまで可能か、と訊かれたら、わたしは、ほんとうだ、どこま
     でも可能だ、と答えるだろう」
           (
V・E・フランクル『夜と霧 新版』みすず書房、2002年)

  
◇もっとも立場の弱い労働者との連帯
   
*非正規、未組織、外国人労働者・・・
   
*権利侵害をされていても、身分の不安定さから、立ち上がること
    の困難性をもっている
   
*その職場や、その地域で、もっとも弱い立場にある労働者の権利
    を、どこまで本気になって考えるかが、大きなカギになる。底上げ。
   
*そうした人びとの労働環境と生活の向上(つまり貧困をなくし、格差・
    差別の是正をする)なしに、まともな働き方が「常識」になることはない。

 
3。知を力に-学習・教育活動を活動のど真ん中に
  
◇情勢や、労働法・基本的人権をめぐる学習
  
◇学ぶ活動は「自分や組織への投資」
   
*すぐには効果がでない。したがって、目的意識性と継続性が必要。
    自分や組織は、職場や
地域でどんな役割を果たすのか。めあて。
    戦略。
   
*自分や職場、活動の現状を分析する力。語る力、書く力、説得の
    力。魅力アップ。
   
*『学習の友』の購読を、勤労者通信大学の受講を。本を買って読む。
  
◇全国学習交流集会in倉敷(11月22~24日)にぜひ参加を。
   
*とことん学び、とことん交流。
   
*サイエンスとアート。理性での共感とともに、感性での共感。正くて
    あたたかい、正しくて魅力的な活動を。


さいごに:「あきらめない」たたかいこそが、歴史をつむぎ、
      未来をきりひらいてきた


以上。




| | コメント (0)

2008年3月26日 (水)

原爆を語りきることの難しさ

きのう(25日)は、倉敷医療生協労組の
みんなの学校
の4回目がありました。
参加は3名と残念ながらこれまで最少。
しかし! 1年目の薬剤師さんが始めて参加
してくれるなど、いいこともありましたcatface

Img_1706
 写真もちっちゃくしてみました(笑)
 3人ではやはりさびしいですね…。

講義は、「1人ひとりに起きたこと-原爆の実相を伝える力」
でした。
これまでも、原爆の講義は何回かしたことが
ありましたが、きのうの講義を準備するに
あたって、あらたにいろいろと学習をし、それを反映させました。

が、原爆のことを短時間に語りつくす、
などということは到底できないことでありまして、
大幅にポイントをしぼっての講義となり、
取り上げられない問題も多く残りました。

また、医療従事者のみなさんへの話なので、
広島の爆心地となった島外科病院の話や、
「1人ひとりに死はあったのか?」などの話もしてみました。

放射能の問題についてもイマイチ理解が
正確でないので、もっと勉強しようと思っています。


では、以下、講義のレジュメです(やはり長い)。

はじめに:原爆の実相を「つかみきる」ことはとても難しい。
   
①瞬時に都市と人間を壊滅させた「瞬間性」
   
②戦闘員と非戦闘員、老若男女、国籍も区別なく殺傷
    した「無差別性」
   
③すべての生物と、生物の生きてゆく環境に対する徹底的
    な破壊「根絶性」
   
④被害が人間の身体だけでなく、精神・生活にもわたる「全面性」
   
⑤被害の影響が長く続き、場合によっては世代をこえて
    影響する「持続性」


一。1人ひとりの人間の上に、原爆が落ちてきた
 
1。原爆
爆はなぜ投下されたか
  
◇第二次世界大戦後の世界情勢をにらんで-対ソ連を意識して
   
*原爆投下する都市の基準は、①日本人の徹底抗戦の意志を
    くじくことができるような場所、②軍事的性格をもち、かつ空襲
    の被害が少ない都市、③原爆の威力を正確に判定できるだけ
    の広さのある場所、とされた。
   
*当初は18の都市が研究対象とされ、投下目標の第1に京都、
    第2に広島、第3に小倉、第4に新潟とされた。その後、京都と
    新潟がはずされ、長崎が加わった。
   
*8月9日は、当初、小倉へ投下予定だったが、天候不良のた
    め、長崎に変更された。
   
*広島へはウラン型原爆「リトルボーイ」、長崎へはプルトニウム
    型原爆「ファットマン」。

  
◇なぜ、広島と長崎か
   
*広島は、西日本の軍事戦略の中心都市、侵略戦争の拠点だった
   
*軍艦や魚雷の製造都市だった長崎

  
◇どういう人たちの上に落とされたか
   
*広島・長崎の被害地図(資料①)-街の中心部をねらって
   
*3分の2は、子ども・女性・お年寄りという、まったくの非戦闘員
   
*広島の爆心地付近、街の様子(資料②、③)

 
2。死の放射線-爆発前
  
◇100万分の1秒-原爆が炸裂する前
   
*猛烈な核分裂反応により、原子爆弾をつきぬけて、爆心地一帯
    に、中性子の矢がささった。中性子は、あらゆる物質を通り抜け、
    地上に達し、あらゆるものを突き刺した。また、中性子は、空気
    や水、土などあらゆる物質の原子核にぶつかり、核反応を引き
    起こし、新たな放射線(ガンマ線)を生み出す。(資料④上)

     
「爆心地にいた人々は、100万分の1秒に発せられる最初の
     中性子から、それを避けることなく浴びました。そこにいた人は、
     いわゆる爆風とか熱戦とか閃光がなかったとしても、全員が亡
     くなっていたであろうと推定されるわけです。誰1人避けることは
     できなかったのです」 
(『原爆投下・10秒の衝撃』NHK出版より、
     広島電機大学葉佐井博士の話)

  
◇『朽ちていった命-被曝治療83日間の記録』
                        (新潮文庫)から(資料④下)

  
◇「放射能が一生、追いかけてくる」-原爆の悪魔性
   
*「あの日」で終わりではなく、「あの日」が出発点

 
3。火球の出現-閃光と熱線、衝撃波

    
「一瞬、目も眩むような閃光、あっと思った瞬間、思わず左
    後方上空を見た私の目に、黄色とも、橙色ともいえない火の
    玉を見た。左の顔面に熱い!と手をやったとき、暖かい風に
    吹きあげられ、身体が浮き上がって、右前方に走るようにの
    けぞり倒れた。その距離は5、6メートルはあるだろう。そこま
    では覚えていた」
     
(高野眞さん、当時27歳-爆心地から南東へ2キロ、比治山)

  
◇広島原爆の「火球」-3秒間の巨大なエネルギー放出(資料⑤)
   
*100万分の1秒までに、爆弾内部の温度は250万度。原爆が
    炸裂、火球出現。
   
*100万分の15秒、温度は40万度。太陽の70倍近い高温。
    火球の直径は20メートル。
   
*0.2秒後、火球は直径310メートルに膨張。最も大きく、明る
    く見える瞬間。この時間から、2秒までの間に熱線の90%が放
    出される。大量のガンマ線が放出され、空気と反応して紫色に
    見える。
   
*熱線は地上に突き刺さり、瞬時にあらゆるものを焼いた(溶か
    した)。爆心地に近い人ほど、この熱線による火傷の被害が甚
    大だった。爆心直下の場合、その温度は1千数百度~2千度
    以上になったと予想される。広島の場合、爆心地から
2,300mま
    で「閃光やけど」の被害が出た。

  
◇衝撃波による建物の破壊
   
*火球によって、まわりの空気が加熱され、急速に膨張。膨張
    するとき、まわりの空気が一気に押し出される。このとき生ま
    れるのが衝撃波。
   
*火球直下の猿楽町と原爆ドームはどうなったか(資料⑥)。
    たった3秒のあいだに。

 
4。衝撃波の広がり
  
◇3秒から10秒のあいだに、広島市街は破壊された
   
*衝撃波は、音速以上の速さで、中心部から広がった。爆発の
    3秒後に1.5キロ、7.2秒後に3キロ、10.1秒後に4キロの
    地点に到達したと予測される。(ふたたび資料①)
   
*河村弘康さんの体験(爆心地より2キロ、資料⑦)

  
◇長崎原爆の爆発エネルギーは、広島原爆の2倍近くあった

 
5。爆心地の人たちの「死」について
  
◇そこに、「1人ひとりの死」はあったのだろうか?

    
「ジェノサイド(大量殺戮のこと-長久)のおそろしさは、一時に
    大量の人間が殺戮されることにあるのではない。そのなかに、
    ひとりひとりの死がないということが、私にはおそろしいのだ。
    …人は死において、ひとりひとりその名を呼ばれなければなら
    ないものなのだ」 (石原吉郎『望郷と海』ちくま学芸文庫)

  
◇爆心地から500mのところに家があった当時18歳の女性の手記

    
「両親のことが気にかかり、3日目、やっと市内に入ることが
    できました。私の家は広島大手町三丁目、爆心地から
0.5キロ
    ぐらいの所です。途中まだ道路のアスファルトはやわらかく、
    ゴムぐつや下駄でははまり込みそうで思うように歩けないので、
    会社でワラぞうりをもらってまいりました。途中はもう右も左も
    やけどした人、亡くなっている人、どこが顔か、口かまったくわ
    からなく、まっくろにやけただれた人、・・・とにかく道路はしかば
    ねの山でした。
     
何人の人々の死体を踏んだことか、心の中で(すみません、
    ごめんなさい)手を合わせながら、両親を探すのに精一杯だっ
    たのです。
     
・・・川という川にはまっかにやけただれた、ふうせんのように
    ふくれ上がった人間のしがいがいっぱい浮び上がっていました。
     
・・・私の両親を、5日目やっとみつけることができました。もう
    人間の炭になってどうすることもできませんでした。2人とも首は
    なく、手、足らしい形はありました。あおむけに片足を立てたよ
    うな形で、台所らしい場所で死んでいました。父親は庭の防空
    壕の土の中で死んでいました。
     
とにかく書きたいことは山ほどありますが、思い出すとくやしさ、
    腹立たしさが増してまいります。私は、毎年くる8月6日、思い出
    したくありません」
    
(『あの日・・・ヒロシマ・ナガサキ死と生の証言より』、
                           新日本出版社、
1995年)

  
◇広島での建物疎開(空襲に備えての道路拡張)学童の悲劇
   
*作業中に被爆、殺された学徒は約6000人。
    
爆心地付近(現在の平和公園一帯)では、9校、約2,000名が
    全滅。戦争推進のため
の「総動員」の悲劇でもある。
   
*いったいどんな「死」だったのか。
遺族の苦しみ。

     
「新大橋(爆心から約600m-長久)のあたりに行くと、全身
     火傷で水を求めうごめいている中学生、女学生。倒れたま
     ま、『おじさん、水をちょうだい』とあちこちから呼びかける声。
     だれがだれやら、親兄弟が見ても見分けがつかないだろう。
     真っ黒に焼けた唇は、ぷうと大きくふくれあがり、顔が腫れ、
     目がつぶれ、わずかに開いているばかり。あたりにはシャベ
     ル、鍬、バケツ、救急袋、弁当箱などが散乱していた。何百
     という無数の死体だった。橋の上、橋の下にもごろごろと人
     が転がっている。巨大な瀬川倉庫は倒壊していて紅蓮(ぐれ
     ん-猛火の炎のたとえ)の炎があがっていた」
            (6日夕方。小川春蔵さん<当時33歳>の証言)

  
◇「人間」と「人間らしい死」を、原爆は否定した
                     -医療従事者として考えてほしこと
   *
「あの日」亡くなった人で、家族に看取られながら死ぬことがで
    きた人は、わずか4%。
   
*遺族は、肉親の最期のときをさまざまに想像して苦しみ続けている。
   
*長崎の爆心地から北方700メートルにある山里小学校の
    防空壕の中で被爆した少年の回想。「運動場のいちめんに、
    人間がまいてあるみたいだった。運動場の土がみえぬくらい
    倒れていた。たいていは死んでしまって、動かなかった」。
   
*広島の詩人峠三吉は、愛らしい女学生の死を「にんげんか
    ら遠いものにされはててしまって」とうたい(資料⑧)、「にんげ
    んをかえせ」と叫んだ。

 
6。火事嵐と黒い雨
  
◇爆発後20分すぎると、強風にあおられて、広島市内は火の
   海に(火事嵐)
   
*中心部は熱による上昇気流。
  
◇30分後には黒い雨が(放射性含有物をふくむ)

 
7。広島の爆心直下、島外科病院の「あの日」
  
◇いつも患者でいっぱいだった
   
1933年に開設。400坪の敷地に、レンガ
造り二階建て、中庭
    を抱えてコの字形に
約50の病室があった。低料金で評判も
    
よく、いつも患者でいっぱいだった。
   *
8月6日、院長の島薫さんは、世羅郡甲山
町の知人の病院に
    出張手術に来ていて、偶
然にも助かる。「広島が全滅」の連
    絡をうけ、同行の看護婦とともに夜、広島市内に入る。島さん
    が病院の姿を目のあたりにするのは、7日午後のこと。「あん
    なに堅固であると思っていた私の病院が紙のように破壊しつ
    くされた」(遺稿集)。
   
80人余りの職員、患者はほぼ全員が即死。島さんは廃墟の
    なかからわずかに使えそうな救急資材を手に、被災者の救
    護活動に夜を徹して取り組む。多くの負傷者が訪れた。みん
    な裸身だった。疲れ果て、負傷者の間に身を横たえ、眠る間
    もなく耳に入ったのは、助けを求める少女の声だった。川を
    隔てた方角から聞える悲痛な叫びに眠りを中断されながら、
    島さんが目覚めたのは8日午前5時頃。手当ての甲斐なく、
    負傷者の多くは亡くなった。島さんは「数週間前には呉が、
    そして今度は私の町広島が!私の眼には涙が一杯たまっ
    た。『戦争とはこんなものか』と自問した」と回想している。
   
*廃墟の中から、病院が再建されるのは、被爆から3年後の
    こと。爆心地とされた中庭には「記念になるものを」と紅い
    バラをはわせた4本のやぐらが建てられた。平和のバラ」に
    託した島さんの思いはどういうものだったのか。島さんが残
    した言葉・・・「私の新病院は平和と貧しき者、窮乏したる者を
    世話することにささげられているのである」(遺稿集)。
    
(以上は、『社史が語る 原爆・ヒロシマ』新日本出版社、2003年より)

  
◇医療従事者も、医学も、原爆の威力と放射能のまえには、
   無力だった
   
*そのときの「悔しさ」は、どれほどのものだったろうか
   
*戦争や核兵器とたたかうことは、医療従事者の使命(資料⑨)

二。被爆者の「心の傷」を追って
 
1。こうの史代『夕凪の街 桜の国』(双葉社)から
  
◇生きのびてしまった罪の意識

   
ぜんたいこの街の人は不自然だ 誰もあのことを言わない
   
いまだにわけがわからないのだ
   
わかっているのは「死ねばいい」と 誰かに思われたということ
   
思われたのに生き延びているということ
   
そしていちばん怖いのは あれ以来
   
本当にそう思われても仕方のない
   
人間に自分がなってしまったことに
   
自分で時々気づいてしまうことだ   (P15~16)


   
そっちではない
   
お前の住む世界は そっちではないと 誰かが言っている
   
8月6日
   
水を下さい 助けてください
   
何人見殺しにしたかわからない
   
堀の下の級友に今助けを
   
呼んでくると言ってそれきり戻れなかった
   
救護所には別の生物のように
   まん丸く膨れた集団が黙って座っていた
   
そのひとりが母だった
   
(略)
   
死体を平気でまたいで歩くようになっていた
   
時々踏んづけて灼けた皮膚がむけて滑った
   
地面が熱かった 靴底が溶けてへばりついた
   
わたしは 腐ってないおばさんを冷静に選んで
   
下駄を盗んで履く人間になっていた
   
(略)
   
あれから十年
   
しあわせだと思うたび
   
美しいと思うたび
   
愛しかった都市のすべてを思い出し
   
すべて失った日に引きずり戻される
   
お前の住む世界は ここではないと
   
誰かの声がする          (P23~25)

 
2。被爆者の「心の傷」
  
◇被爆者の記憶の障害-見ているのに、見ていない
   
*「あの日」の記憶の欠損

     
「見ても見えないという現象は、いきなり襲った『恐怖・驚
     愕』、想像することさえできなかった事態の出現(一瞬に
     して消えたまち、大量の異形の死体)に対する自我防衛
     反応と考えられる。それは本能にのみしたがった逃避行
     動であり、視角入力の拒否である。これらを通常のごとく
     入力していたのでは、身がもたないからである。このメカ
     ニズムはほかの『不意打ち・大災害』でもおこっている」
     
(『ヒバクシャの心の傷を追って』中澤正夫、岩波書店、2007年)

  
◇「見捨て体験」と「見ても感じない(感情麻痺)」-自責感、自己査定
   
*証言から(資料⑩~⑫)

     
「自責感をともなう鮮明な記憶は、いくら経っても封印され
     ることはなく、逆に強化される。それは相対化されることを拒
      むきわめて『個人的なもの』となり、その結果、さらに被爆者
     を苦しめ続けるという悪循環におちいっていく」(前掲書)

     
「軽傷で余力のある人が大量の死体を見、運び、名前も確
     認せず焼き、うめる。非日常的な光景である。日常的な弔い
     につきものの、情感の高まりをもっていては作業できない。
     死者に個人を感じない、人間を感じない、『麻痺状態』でなく
     てはできない。その意味で、感情麻痺も本能的に作動した
     自我防衛機制といえる。喜怒哀楽を感じるメカニズムにバ
     リアを張ってしまったのである。それでもあとになって『モノの
     ように扱ったこと』『何にも感じなかったこと』は、人間として
     許されないと、被爆者の心に深い傷として刻印されていくの
     である」 (前掲書)

  
◇いまなお続く、引き戻らされ体験
   
*ちょっとしたキッカケで、「あの日」の状況が、恐怖と自律神経
    症状をともなって脳裏に再現してしまう。フラッシュバック。
   
*場所、音、光、臭い。
   
*病気になること-「いつ配達されてくるかわからぬ死を待つ人」
   
*「体験を語る」ことは、強烈な「引き戻らされ」のキッカケとなる。

  
◇サイレント・マジョリティ
   
*広島にて被爆した元軍医、肥田舜太郎氏によると、いつでも
    求められれば自分の被爆体験を語れる人は、数千人のレベル
    であろうという。これは、被爆者の5%ほど。
   
*いまも自分が「被爆者である」ことを語れないは、40~50%とい
    われている。
   
*原爆と自分を対峙させることにより、反原爆の思想を育ててい
    く人も多い。それらの人が被爆者運動を引っ張り、核兵器廃絶
    のたたかいに立ち向かっている。しかし、そこまで踏み切ること
    がどんなに困難なことかを、私たちは忘れてはならない。
   
*サイレント・マジョリティ、いまも原爆のことを語れない人たちの
    中にこそ、「心の被害」の本質がある。

  
◇被爆者には今、「ここまで生き残ったことの意味」を問う意識が
   生まれているという

さいごに:今日の話は「実相」のごくごく一部。ふれられなかった
      ことが大部分。

      
被爆後の生活苦の問題。原爆孤児、原爆孤老。偏見と差別
      の問題。原爆小頭症。外国人被爆者。内部被曝の問題。被
      爆者支援の国のあり方。原爆症認定訴訟。現在の核兵器を
      めぐる問題・・・。これからも学び続けてほしい。

さいごの最後に-被爆者のたたかいが、私たちに教えてくれるもの

     
人間を、人間性を否定するものにたいしての怒り
     
核兵器廃絶、平和の活動を通じて、人間をとりもどしてきたこと
     
復しゅうではなく、人と人が信頼しあうこと
     
原爆を落とすのも人間であり、なくすのも人間ということ


以上。


参加者の感想。


「今日初めて知ることも多かった。戦争、原爆の
ヒサンさというものは今まで色々と聞いてきました
が、被爆者で生き残った方々たちの『心の傷』と
いう問題も大きいなと感じました」

「原爆の恐ろしさ、というと、熱や爆風、放射能の
ような、身体的な被害を一番に思い浮かべますが、
生き残った人たちに重くのしかかる罪悪感や、記
憶障害、PTSDなどの精神的な被害についても、
私たちは知っていかなければならない、と感じました」



| | コメント (2)

2008年3月14日 (金)

ギョウザから占領時代へ

おととい(12日)の晩は、
福祉保育労岡山支部の執行委員会へ。

Img_1614

 この日の会場は
 倉敷のW保育園。

 参加は10名ほど
 だったように
 思います。

 始まる前の様子。
 



今回は、執行委員でA保育園調理師の
M屋さんから、「冷凍ギョウザ問題が気になるので」
という注文をいただいたので、

「ギョウザ事件から考える日本のあり方」
題して、食料自給率の問題や、
食料問題でもアメリカ従属の国のあり方の
ことについても話をしてみました。

そして、後半はアメリカによる
占領政策の話へ・・・。

ギョウザから占領時代への話の
すさまじい飛躍に参加者のみなさんは
面食らったかもしれませんね(笑)
でも、知っておいてほしい問題なので、
あえて入れてみました。


では、以下、講義の内容。

一。根底には、日本の農業政策の問題が
 
1。「商品」としての食料を買う社会
  
◇その仕組みと矛盾
   
*「商品」は、人間にとってなんらかの有用性(役に立つ)をもつ。
    
・食料を買い、調理し、食べることは
     
→栄養を吸収する、エネルギーをつくる、欲求を満たす、
       文化の担い手
   
*もうひとつ、「商品」は「人に売るためにつくる」という側面ももつ。
    
・自給自足で食料を生産している人は圧倒的少数。食料は
     他人に作ってもらったものを「買う」時代になっている。
    ・食
料を「売る」人は、それによって生計を成り立たせている。
     売れなければ、その生産者の生活
が成り立たないという社
     会。生活が成り立たなくなれば、食料生産をやめることに
     なる。そうなると、食料を供給する人自体が少なくなる。だ
     から、政治の支えが必要だということ(価格保障や補助金、
     土地政策など)。

   
*資本主義経済の発展は、流通手段の発達をうながし、「遠く
    の食料を運ぶ」技術の向上をうながした。それは、「生産者」と
    「消費者」が切り離される過程でもあった。昔は、その地域で
    生産された食料を、その地域で消費していた。地産地消。
   
*「顔の見える関係」であれば、有用性の側面が保たれる傾向
    がある。「あそこの農家つくってくれている野菜」。「自分のつ
    くったお米は、この地域の人たちが食べている」。しかし、「顔
    の見えない関係」だと、つくる人・売る人と、買う人・食べる人の
    関係は、モノとカネの関係に単純化される危険が高くなる。
   
*輸入食品はその傾向をさらに増幅する役割を果たしている。
    中国でもギョウザはつくれるし、冷凍食品として輸出できる。し
    かもコストは安い。

  
◇「安さ」をめぐる矛盾
   
*「買う」側は、食品に「安さ」を求めがちになる。それは今の労
    働者の低所得水準も背景となっている。
   
*一方、「売る」側は、「売れる商品」をつくることが最大の目的
    になりがちで、そのために、「コスト削減」(商品品質の低下を
    招く)、「見た目」や「保存性」(添加物たっぷり)、「少々まぜて
    も大丈夫」「賞味期限がすぎていても…」というモラル喪失をま
    ねくことになる。食料品も企業間競争の法則をもろに受けると、
    こうした問題が噴出する。だから、社会的規制が必要になって
    くる。市場原理にまかせてはいけない分野。

 
2。食料自給率が先進国中最低なのはどうしてか
  
◇日本は農漁業生産の自然環境条件としては、世界有数の好条件国。
   
*四季の豊かさ、豊富な降水量、山の多さ、良質な土、
    まわりすべて海…
  
◇その日本で、食料自給率40%。穀物自給率は3割きる。
   
*国連加盟国190か国中、130番目前後。もちろん先進国中最低。
    現在、純和食の食事をとることは、かなり困難な状況。
    
・大豆自給率4%、小麦14%、果実39%、肉類55%。
     米でさえ95%。
   
*日本の農地面積は、1960年から2000年までに、120万ヘクター
    ル、20%も減少。農業人口は1200万から400万人に。2006年で
    は360万人。しかも、そのうちの6割が65歳以上。
   
*その最大の原因は、国の農業政策による。1973年の自給率は
    60%だった。なぜこんなに急激に下がったのか。ひと言でいえば、
    「農業では暮らしていけなくなった」から。生産物の価格保障せず、
    農産物(とくにアメリカの)の輸入を推進し、いまでは米まで輸入。
   
*日本よりはるかに安い地価で、安い労働力で、数十倍・数百倍
    の広さの農場や牧場で生産される農産物や畜産物が大量に輸
    入されるようになった。関税(輸入のさいにかける税金)もなくす。
   
*世界的な食料危機の時代に、国民の命を外国にあずけるという
    こと。食料主権がない。世界の栄養不足人口は
8億人以上といわ
    れている。そんな中で、日本が食料を外国から買いあさるという
    問題も。穀物の世界市場流通量のうち、小麦は6%、とうもろこ
    しは25%、大豆は15%、日本が買っている。世界人口の2%に
    すぎない日本がこれだけの食料を買い集めている。

  
◇輸入食品の「安全性」問題
   
*生産現場が遠く離れていてまったく見えない
   
*遠距離輸送にともなう「品質保持」のための薬品使用。検査
    基準も緩和。
   
*検査体制の不十分さ(人的体制の不足)。輸入食料品の
    9割はフリーパス状態。

 
3。米を食べなくなったのは、日本人の食文化が変わったからか?
  
◇意図的な「米退治」作戦
   
1950年代。アメリカの余剰小麦を日本に買わせる恒常的な
    仕組みがつくられる。官民あげての、米消費の押さえこみ。
    「米より小麦製品のほうが優れている」という偽りのキャンペ
    ーン。学校給食はパンに。
   
*アメリカの食料戦略。日本をアメリカの食料輸出の一大市場
    に。食のアメリカ化がすすむ。食文化の「激変」は意図的につ
    くられたもの。
  
◇日本人のいのちと文化をアメリカに売り渡した自民党政治

 
4。私たちの選択
  
◇「食事」は「エサ」ではない
   
*食べることは「他の命をいただくこと」という原点
   
*「食」の多面的効用。心身の成長、人間関係の潤滑油、
    家族・地域文化の形成…。
  
◇賢い消費者になる-国内の農産物の需要を高める
   
*外国産より、国産を選ぶ。地産地消の心がけ。
   
*何より、米の消費を。いま輸入している80万トンの米輸入を
    ストップするだけで、自給率は2%あがる。もっと米の消費量
    があがれば、そのぶん小麦粉製品の消費量は下がり、米の
    作付面積も回復し、さらに自給率もあがる。「主食としての米
    の実力」を正しく伝えることが大事(パンを食べるなということ
    ではもちろんない)。
   
*「添加物たっぷり」の食料を買わない
             →売れなければ、そうした商品は少なくなる。

  
◇そのために、時間とお金の「ゆとり」を勝ちとる
    
*賃金の底上げ(国産を選べるゆとり。
    
*労働時間の短縮
     (ゆったり調理時間。家族団らん。食文化の衰退にストップを)

  
◇そして、国や行政の仕事として、本格的な政策転換をさせる
   
*お金と人をつぎ込んで、日本の食糧主権を守る手立てを。
    政治の責任で。
イギリスは4割代まで下がった自給率を7割
    代まで向上させた。ドイツも6割から9割代にまで自給率を
    引き上げている。国の政策として引き上げている。
   
*豊かな自然環境をもつ日本にやれないわけがない。

二。なぜそこまで、異常なアメリカ従属?-その歴史的起点をみる
 
1。戦後7年間(1945~1952)のアメリカによる全面占領
  
◇日本政府のうえにたつ、絶対権力
   
*全国に占領軍が駐留。その圧倒的主体はアメリカ軍。45年末
    までにイギリス軍もあわせると、43万人が配置される。占領軍
    の方針に反する行為は、犯罪者として逮捕された。
   
*言論や通信にたいする検閲も
  
◇占領の本来の目的は日本の民主化だった
   
*反ファシズム連合国の代表として、日本の民主化の任務をもっ
    ていた。
具体的にはポツダム宣言の内容を実行する。軍国主
    義体制の解体、婦人参政権、教育の民主化、財閥解体、政教
    分離、労働組合の結成奨励など。その象徴が日本国憲法の制定。
   
*ところで、ポツダム宣言の12条には、日本の民主化が進み、
    民主主義と平和に責任のもてる政府が樹立されれば、占領軍
    は日本から撤収すること、という規定があった。

 
2。対日政策の変化
  
◇日本国民の運動の高まりと、中国情勢の変化
   
*1947年2月1日にゼネラルストライキを準備。占領軍の命令
    で中止に。
   
*中国共産党が国民党との内戦に勝利。こうした情勢をふまえ、
    占領軍は、日本を「反共の防壁」とし、アジア政策の中心にすえ
    るという方針に転換。
  
◇占領軍による反動化
   
*労働組合への弾圧(公務員のストライキ権はく奪など)や右傾
    化を狙う。
   
*1950年のレッドパージ。共産党へのあからさまな弾圧攻撃。
   
*1950年6月25日の朝鮮戦争開始で、日本に7万5千人の警
    察予備隊を創設。4年後に自衛隊となる。日本国民を押さえつ
    けるために、アメリカがつくった軍隊。警察予備隊は、アメリカ占
    領軍のキャンプに入隊し、アメリカ軍の兵器で武装し、アメリカ軍
    人の指揮で訓練を受ける。旧警察官僚が指導権をにぎる。日本
    軍の軍人が採用される。憲法が「おしつけ」というなら、自衛隊も
    「おしつけ」だった。
   
*48年12月のA級戦犯の釈放に続いて、50年10月から戦争
    犯罪者の「追放解除」にとりかかり、大量の戦犯政治家、大資
    本家を政界、財界に復帰させる。50年10月から講和条約発
    効までに、約20万人の政治家、官僚、大資本家、言論関係の
    公職追放者が復帰することになる。そうした勢力が、戦後日本
    の支配層に復帰したことが、その後の対米従属を深く規定づけ
    ることとなる。

 
3。サンフランシスコ講和条約と安保条約(1951年9月8日)
  
◇アメリカは、日本の国際復帰を急ぐ。
  
◇占領の継続のための仕組み
   
*日本の侵略戦争で被害をあたえた国々をのぞいた講和条約
    を結ばせる。戦後賠償を最小限にすることも意図。
    
<サンフランシスコ講和条約の問題点>
    
①沖縄などを引き続き米軍占領下の軍事基地の島にする
     ことを規定(3条)
    
②日本に外国軍の駐留を認めることができるという特別の
     条項を用意(6条)
   
*そして、講和条約の調印の後、同じ日にアメリカと日本の
    あいだで日米安保条約が調印された。
  
◇この2つの条約をめぐる交渉は、完全な秘密交渉だった。

   *講和条約の文章は2か月前の発表、安保条約は調印後
    に公表(国会にも知らされていなかった)。
  
◇安保条約の内容(ごくおおざっぱに言えば)
   
*アメリカの基地を日本のどこにでも置ける「全土基地方式」
   
1960年改定の現行安保条約は
    
・日米の経済協力をさだめた経済条項
    
・自衛隊の増強義務と米軍との軍事的協同の規定

  
◇戦後のアメリカと日本の実質的な関係が、この時期に形成された。
   
*政府と政府の関係-アメリカが実質的な支配方針を決め、日本
    政府はその代行者。
占領時代の7年間を、表面的な形は変えて
    継続したのが、安保体制だった。
   
*政界も財界も、アメリカの援助で戦後復活をしてきた。
    そういう根深いアメリカ従属が、現在の「異常な対米従
    属国家」を形成してきた。





以上。



| | コメント (0)

2008年3月12日 (水)

「かんけーねーとは言えない」

きのう(11日)は、
倉敷医療生協労組・みんなの学校
3回目がありました。

Img_1612
 参加は8名でした。なかなか
 増えないのが残念ですが、
 この労働組合の青年たちの
 学ぶ姿勢はほんとうにすばらしい。
 いつも気持ちよく学習会ができます。


きのうは、
「日本の戦争と戦後責任~そんなのかんけーねー?!」
という内容で、約1時間講義。
そのあと感想交流をしました。

「こういう事実を知ったら、『私はその時代の人間じゃないから、
そんなのかんけーねー』とは言えない」という感想も出され、
また学校教育やメディアでほとんどこうした問題について知る
機会がないこと、私たちが学んで、広げていくきっかけをつくる必要がある、
というような意見も出され、中身の濃い学習会になっています。


だいたい今までも話してきた、
内容が多かったのですが、
一応、以下、レジュメをご紹介します。
(資料は割愛)


一。日本の侵略戦争の実態

 1。日本はアジアで何をしたのか-侵略戦争の実態
  
◇第2次世界世界大戦(1939~1945)は、世界で5000万人
   以上の死者。その多く
は武器をもたない一般市民。
  
◇「1931.9.18」「1937.7.7」「1941.12.8」「1945.8.15」
  
◇アジアでは、日本の侵略戦争によって2000万人以上が
   犠牲に。日本は、戦争を引
き起こした側。日本人も、310
   万人の命が失われた。
  
◇一人ひとり、名前をもち、家族もあり、夢や希望を抱きなが
   ら生活していた人たちの
「命」「人生」が奪われる。
  
◇アジアの人びとの痛み、苦しみ、思いに対する想像力を。
   侵略した側は忘れても、侵
略された側は忘れない。
  
◇兵士は潔く、美しく死んだのか
   
*兵士の命は「鴻毛より軽し」(軍人勅諭)-消耗品として

    
「ひとりにはひとつの命、というのは実感だもんねえ。海軍
    に入って、夜はハンモックをつるして寝るんですが、当時の
    軍隊では人間よりハンモックのほうが大事だった。練兵場
    の一番はずれにハンモック用の防空壕があって、空襲警
    報が鳴るとまずハンモックをたたんでそこへ持って行き、ハ
    ンモックの安全を確保しなければならない。一番安いものは
    人間だということになっていて、『おまえらの代わりは1銭5
    厘(はがきの値段)でいくらでもくる。ハンモックがいくらする
    かわかるか』と何度いわれたことでしょうか。もうめちゃくちゃ
    だったねえ。僕らは員数として扱われた。員数のひとつだと
    思い知らされた。けれども数じゃない。ひとつひとつが大事
    な命だぞ、と。それは、本当の、僕の心の底からの叫びだもの」
       (島本慈子『戦争で死ぬ、ということ』岩波新書より、
                 
城山三郎さんのインタビュー部分を引用)

  
◇日本軍の兵士のうち、半数以上は、飢えなどが原因による
   広義の餓死者だった。

 
2。日本国憲法の2つの「決意」と、「平和的生存権」宣言



二。「戦後」は、まだ始まったばかり
 
1。冷戦構造の崩壊で表面化した戦後責任問題
  
◇冷戦時代は被害者個人個人が、責任追及に名乗り出ることは
   困難だった
   
*たとえば、韓国ではじめて元「慰安婦」として名乗り出てきた
    金学順(キム・ハクスン)さんのカム・アウトは、韓国社会の民
    主化と女性の権利の高まりなしにはありえなかったといわれている。
   
*戦後半世紀、冷戦構造が保護膜、バリアーとなって、日本は
    侵略戦争と植民地支配の被害者に直接告発されることなくすんで
    いたということ。
    
・韓国は朝鮮戦争、反共軍事政権
    
・中国は内戦
    
・東南アジアは疲弊、ベトナム戦争
    
・アメリカは反共の砦として日本を育てるために、戦後賠償を
     最小限にさせる

  
◇90年代以降に噴出してきた、アジアからの、謝罪・賠償を求める声
   
*「戦争を知らない世代」の人は、こうした声に当惑したり、反発を
    覚える人も出てくるのはある意味普通の感覚。
    
・「なんで今ごろになって」「何べん謝ればいいんだ」「そんな昔の
     ことを言われても、自分には関係ない」「自分の身に覚えのないこと」
    
1995年の高市早苗議員の「自分は戦争当事者とはいえない世代
     だから、反省しろと言われても反省できない。反省するいわれも
     ない」という発言も、まったく理由のないところからでたものでは
     ないといえる。

 
2。応答可能性(responsibilityレスポンシビリティ)としての責任
  
◇すべての人間関係の基礎には、言葉による呼びかけと応答の
   関係がある
   
*「呼びかけを聞いたら、応答する」というのは、最低限の信頼
    関係の基礎
   
*相手からの呼びかけを無視することは自由であり、犯罪でも
    ないけれど、当然、それによってなんらかの結果(信頼関係が
    傷つくなど)が生じる。
   
*他者の呼びかけに応答することは、プラスイメージで、人間関
    係を新たに作り出す、あるいは維持する、あるいは作り直す行
    為、他者との基本的な信頼関係を確認する行為であると考えられる。

 
3。「日本人としての」戦後責任
  
◇応答可能性としての戦後責任
   
*アジアの人びとの呼びかけ(謝罪や賠償の要求)に、日本政府
    は「応答」しているだろうか。(呼びかけられているのは、日本人
    個人ではなく、日本政府)
   
*「呼びかけ」をされているということは、「関係をつくりなおしたい」
    という意志が「まだ」あるから。救いはそこにある。私たちは、どう
    応答するのか。

  
◇日本政府をつくっているのは誰か-「私はカンケイナイ」と言えるか

   *「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて
    行動」(憲法前文)
   
*私たち一人ひとりに、応答可能性としての戦後責任が課せられている

  
◇自国の戦犯を自分たちで裁いてきたドイツ
   
*ドイツでは、ニュンベルク裁判、そして占領各国による継続裁判
    が終わってからも、ナチ犯罪を自ら追及し続け、90年代にいたる
    までに、10万件をこえる容疑を捜査し、
6000件をこえる有罪判決
    を下してきている。
   
*日本は、どちらもゼロ。日本人自身が行った裁きとしてはゼロ。
   
*ヴァイツゼッカー演説


さいごに:こういう演説を首相が行うような日本政府をつくるのは

      私たちの責任




以上。



「さいごに」の部分は、
当時西ドイツのヴァイツゼッカー大統領の、
『荒れ野の40年』という有名な演説(1985年)の
一部分の日本版を私が創作したものです。

以前、元世界史教諭のT方先生の
講義にヒントを得て、
私なりにつくったものです。

こんな感じです(以下)。


 「8月15日は心に刻むための日であります。心に刻む
というのは、ある出来事が自らの内面の一部となるよう、こ
れを信誠かつ純粋に思い浮かべることであります。そのた
めには、われわれが真実を求めることが大いに必要とされ
ます。
 
われわれは今日、戦いと暴力支配とのなかでたおれたす
べての人びとを哀しみのうちに思い浮かべております。
 
ことに日本の十五年にわたる侵略、南京大虐殺や三光作
戦、強制労働で命を奪われた一千万の中国の人びとを思い
浮かべます。
 
戦いに苦しんだすべての民族、なかんずく朝鮮・東南アジ
アの無数の死者を思い浮かべます。
 
日本人としては、兵士としてたおれた同胞、そして故郷の
空襲で、沖縄の地上戦で、広島と長崎で、命を失った同胞を
哀しみのうちに思い浮かべます。
 
日本軍の性奴隷として傷つき命を奪われたアジアの女性
たち、人体実験として虐殺された捕虜、宗教もしくは政治上
の信念ゆえに死なねばならなかった人びとを思い浮かべます。
 
銃殺された人びとを思い浮かべます。
 
長い間日本の植民地とされ、自由と主権を奪われた朝鮮や
台湾の人びとのことを思い浮かべます。
 
日本に占領されたすべての国で、抵抗し、犠牲となった人び
とに思いをはせます。
 
日本人としては、市民としての、軍人としての、そして信仰に
もとづいての日本の反戦運動をおこなった人びと、労働者や
労働組合の反戦運動、共産主義者の反戦運動、これらの反
戦運動の犠牲者を思い浮かべ、敬意を表します。
 
積極的に反戦運動に加わることはなかったものの、良心を
まげるよりはむしろ死を選んだ人びとを思い浮かべます」
                             
(以下同じ)

・・・てな感じです。
こんな演説をする日本の首相をつくるのは、
私たちの戦後責任です、ということで。
ちなみに、「福田さんには無理です。首相になる前は、
毎年のように靖国神社へ参拝していた人ですから」
と落ちがつきます。



| | コメント (0)

2008年2月27日 (水)

みんなの学校 第2回

きのう(26日)の晩は、倉敷医療生協労組の
「みんなの学校」の2回目がありました。

参加は7名だったと思います。
青年部事務局長のK本くんは
相当いろんな人に参加の声かけをした
ようでした。参加は増えませんでしたが、
こうした努力がきっと実を結んでいくと思います。

さて、きのうは
『映像の世紀-世界は地獄を見た』
ということで、もう十数年前になるNHKスペシャルの
DVD(75分)をみました。

Img_1494



 壁に映して
 みました。






第二次世界大戦を映像でふりかえる
このDVDのすごさは、なんといっても
そのリアルな実写映像です。

ドイツのヨーロッパ侵略、ユダヤ人迫害、
アウシュビッツ。
日本のアジアでの戦争も、
多くはないですが、でてきます。
インドネシアの子どもたちによる
「日本語弁論大会」が衝撃です。
また、重慶爆撃や、バターン死の行進などの映像も。

DVDの後半は、かなーり重たいものばかり。
あの独特の音楽にあわせて、戦争のリアルな
映像に、誰もが言葉を失います。


Img_1495
 DVDを見ての
 感想交流の様子。

 どんより重い
 空気が流れます。

 「ヘビーだった」
 「きつい」
 という声。



参加者の感想文より抜粋。

「私は今回のビデオは初めて見ました。キノコ雲や
戦闘機の爆撃の様子などは写真などで知っていま
したが、収容所の死体の山や、兵士が人を殺す様
子が大量にあって、人の死がひどくリアルに感じら
れました。
 私が印象に残ったのは、日本が植民地の人たち
に日本の文化を押しつけている場面です。植民地
の子ども達が、日本語で話したり、日本の歌に合わ
せて踊っている様子を見て、背筋が寒くなりました。
他国の文化を奪い、自国の文化を押しつけることで、
戦争が終わってた後にも、大きな歪みを残してしまう
ことになるんだと実感しました」

「映像のなまなましさから、日本がしてきたことを再
確認し、改めて、悲惨さと残虐さを感じました。
 人権とか平等とか当たり前に守られないといけない
はずなのに、守られない時代があったことをおそろし
く感じます。たくさんの人生がこわれていった戦争の
責任の重大さを次回学んでいきたい」

「本当にしんどい映像だった。戦争は全て壊してしま
う。文化も人権も生命も。戦闘が終わっても消えない
ものはたくさん残り、とりもどしたいものはかえらない。
人を残虐な行動にかりたてる。本当に恐ろしいもので
あると再確認した」



次回は、3月11日(火)、
「日本の戦争と戦後責任-そんなのかんけーねー!?」
というテーマで学びます。




| | コメント (2)

2008年2月22日 (金)

なくせ貧困!

きのう(21日)は、
2・21地域総行動の日でありました。

晩、
県労くらしきの学習会に行ってきました。
会場は倉敷労働会館、
参加は40名ほどだったと思います。

総行動やお仕事を終えての参加、
ごくろうさまです。

Img_1490


 自治労連、医労連、
 高教組、国労などが
 参加の中心だった
 ように思います。





19時前から、
「なくせ貧困!-人間らしさを求めて」
題して話をしました。

イマイチ調子にのれなかったように
思いますが、なんとかしゃべりました。

以下、講義のレジュメです。



一。日本には、貧困がある。
 
1。貧困とは何か
  
◇まず、「格差」と「貧困」という言葉について
   
*似たような印象をもつ言葉だが、正確に使っていく必要がある
   
*「格差」は、AとBのあいだに相対的な差異や不平等があること
     を意味する。
    
・この言葉が使われはじめた当初は、あきらかな不平等や
     貧困が広がる社会への警鐘として使われていたが、最近
     では「違い」があることをなんでも「格差」と名づけるように
     なった。雇用格差、男女間格差、地域間格差、学校間格
     差、医療格差、健康格差、希望格差・・・。格差の広がりを
     問題とする言葉でもあるが、あいまいさを含む言葉でもある。
    
・ひどいものでは、「最低賃金と、最低生活費(生活保護基準)
     の格差」「国民年金と、生活保護の格差」「生活保護を受け
     ていない母子家庭と、受けている母子家庭の格差」というよ
     うなことも言われ、低所得者どうしの相対的違いにも使われ
     ることがある。下にあわせる「格差是正」?
    ・
したがって、この言葉を使うときには注意が必要。もちろん
     「使わないようにしよう」ということではない。格差の広がりは
     事実としてあるから。
   
*もともと資本主義社会は「格差社会」。社会的な規制・コント
     ロールにより、格差を緩和することはできるが、なくなること
     はない社会。
   
*これにたいして「貧困」は、あってはいけないもの。「ある」か
     「ない」かの勝負になる。「貧困」のある社会を許していいの
    かどうかが問われている。

  
◇では、「貧困」とは何か
   
*公式には、収入や資産が生活保護基準を下回っている状態をいう。
   
*しかし、「貧困」と「ビンボー(お金のない状態)」は違う

     
「何十年も生きていれば、誰にでも10や20のトラブルはある。
     しかし多くの人にとってそれらのトラブルは、雇用する会社の
     保障や家族・親族・友人の手助け、または公的な社会保障な
     どによって衝撃を吸収・緩和される。これを私は“溜め”と呼ん
     でいる」
     
(湯浅誠他編『もうガマンできない!広がる貧困』明石書店、2007年)

   
*金銭の“溜め”、人間関係の“溜め”、精神的な“溜め”
   
*“溜め”のない状態が貧困(湯浅誠さんの定義)。社会的排除。

  
◇「貧困」はなかなか目に見えない
   
*貧困はいろいろな問題の背後に隠れている。しかし表に出
    てくるのは、「自殺者3万人」「多重債務者○○万人」「児童虐
    待」「医療難民」などの言葉。
   
*4重の否認がさらに貧困を見えにくくする
    
①政府の「貧困」隠し ②マスコミ報道
    ③市民の「貧困観」 ④自己否認

 
2。雇用の破壊-「働く貧困層」の大量生産
  
◇非正規労働者の増大-世界第2位の経済大国で「働いても、
   まともな生活ができない」
   
*パート、派遣、契約社員、請負…違法な偽装請負も。
   
*雇用者全体に占める割合は33.7%。3人に1人。
   
*女性では54.1%。若者もほぼ2人に1人の割合。
   
*年収200万円以下が、1022万人(06年、前年比4.2%増)
   
*労働時間や、仕事の役割において、正社員と同じような働き方
    をしている人も多く、事実上の“差別”状態となっている。
   
*「そこのハケンさん」「バイトちゃん」「(服が)青い人こっちきて」
    …同じように労働力を提供している人間に、この差別。人間でな
    く、モノ扱いということも。

  
◇労働分野の「規制緩和」
   
*財界の要求…1995年「新時代の日本的経営」
                      →労働者を3つのグループに
   
*「規制緩和」による派遣労働者の激増
    
1999年「労働者派遣事業法改定
     →26業務に限定されていた派遣業務
を製造・建設など
      一部を除き自由化
       
自民○、公明○、民主○、共産×、社民○ 

    ・2003年「労働者派遣事業法・職安法改定」
     
→製造業への派遣が可能に。派遣期間の制限も緩和。
       
自民○、公明○、民主×、共産×、社民×

   *派遣業界の急拡大
    
・派遣業界の規模は02年度に2兆円を突破し、04年度に3
     兆円弱。05年度は4兆円、さらに06年度は5兆円突破と、
     ここ数年1兆円のハイペースで拡大を続けている。
    
県内の派遣事業所は04年度に368だったが、06年度は
     766に倍増。本年度は11月末現在で967。(岡山労働局調べ)

  
◇公共サービス分野でも、大量の「非正規労働者」への
    置き換えが進んでいる
   
*公務職場で働く非常勤職員は、50万とも60万ともいわれ、
    いまや非常勤職員なしには切り盛りできない職場も多い。
   
*国や自治体による「働く貧困層」の生産。「官製ワーキングプア」。
   
*全国の公立小学校の非常勤講師は、99年度、約4,600人だっ
    たが、06年度には約16,000人と、7年間で3.5倍となっている。
    「生活できないので居酒屋でバイト」というダブルワーク、「生活
    保護を受けながら教壇に立っている」という事例も。
   
*自治体の公立保育園でも、非常勤保育士が激増。サイクルが
    早いために、子どもの「荒れ」や、事件・事故の増加も。介護職
    場と似た状況になりつつある。


 3。生活の危機-社会保障の機能低下・停止
  
◇小泉内閣以降の「社会保障」改悪一覧
                (決定された時期の順。カッコ内は実施時期)
   
02年度】
    
*医療保険制度の改悪(02年10月) 1兆5000億円
   
03年度】
    
*物価スライドによる年金給付額削減(03年度) 3700億円
    
*高齢者の介護保険料の引き上げ(03年4月以降) 2000億円
    
*失業給付額の削減(03年5月) 3400億円
   
04年度】
    
*物価スライドによる年金給付額削減(04年4月) 1200億円
    
*厚生年金・共済年金保険料引き上げ(04年10月)6200億円
           
同上        (05年9月)6200億円
           
同上        (06年9月)6200億円
           
同上        (07年9月)6200億円
           
同上        (08年9月)6200億円
    
*国民年金保険料引き上げ(05年4月) 400億円
           
同上   (06年4月) 400億円
           
同上   (07年4月) 400億円
           
同上   (08年4月) 400億円
    
*生活保護費の老齢加算の廃止(04~06年) 400億
   
05年度】
    
*生活保護の母子加算(16歳以上)の廃止(06年~08年)30億円
    
*介護保険のホテルコスト導入(05年10月) 3000億円
    
*障害者の支援費制度・医療の自己負担強化(06年4月)390億円
   
06年度】
    
*高齢者の介護保険料の引き上げ(06年4月以降) 2000億円
    
*「現役並み所得」高齢者の医療費負担の3割化(06年10月) 
                                      1100億円
    
*長期入院高齢者の「食住費」負担増(06年10月) 200億円
    
*高額医療費の自己負担限度額引き上げ(06年10月) 700億円
    
70~74歳の一般高齢者の医療費負担の2割化
                        (08年4月→1年凍結)1200億円
    
*後期高齢者(75歳以上)医療制度の創設(08年4月)400億円以上
   
07年度】
    
*生活保護の母子加算(15歳以下)の廃止(07~09年度) 270億円

  
◇高齢者(65歳以上)の貧困
    
*高齢者世帯の年間所得の分布でみると、100~200万円未満
     が27.4%で最も多く、100万円未満が15.2%。あわせて42.6%。
    
*国民年金(基礎年金)の月あたり平均年金額は4万7000円。
     20~60歳までの40年間、満額の保険料を支払い、65歳から受
     けとる場合でも月6万6000円。
    
*犯罪検挙者に占める高齢者(65歳以上)の割合が急増
                           (90年2.2%→06年10.9%)
      
・その3分の2が窃盗犯
                (経済的に切羽つまった高齢者の境遇の反映)

  
◇シングルマザー(母子家庭)の貧困
   
*シングルマザーで働いている家庭の平均就労収入は、162万円
    (正規252万、非正規110万)。そこへきての児童扶養手当の削減。
    安い公営住宅の不足も問題。
   
*ダブルワーク、トリプルワーク。過労で健康を害したりうつ病にな
    りやすい。生活保護基準以下の暮しをしていても、生活保護を受
    けていないシングルマザーも多い。
   
*この状況を逆手にとって、生活保護の母子加算の段階的廃止。

  
◇破壊されるセーフティーネット
   
*介護、医療などにかかる負担は増加の一途。受診抑制。
    後期高齢者医療制度。
   
*「年金」とのバランスがとれない? 生活保護の老齢加算の廃止。
   
*生活保護受給世帯は100万世帯を超えて増加しているが、日本
    では、生活保護基準以下で暮らす人全体のうち、実際に保護を利
    用している人の割合(捕捉率)は2割ほど、と言われている(日本政
    府は調査すらしていない)。ちなみに、イギリスの捕捉率は約9割、
    ドイツは約7割といわれている。
   
*生活保護行政の「水際作戦」。日本弁護士連合会が昨年7月に
    実施した生活保護全国一斉電話相談では、福祉事務所が保護を
    断った理由の約66%が違法である可能性が高い。
   
*いまや、最後のセーフティーネットは「生活保護」ではなく、
    「刑務所」に?

  
◇入りこむ、貧困ビジネス
   
*人材派遣・請負会社のターゲットは貧困層。自衛隊の勧誘も
    貧困層狙い?
   
*金のない人に金を貸す消費者金融(それを支える銀行)
   
*宿泊者を見込んでいるネットカフェ
   
*人間関係の“溜め”の少ない人ほど、ギャンブルにはまる。

 
4。「自己責任」論は、貧困を生みだした責任を「個人」に転化する攻撃
  
◇貧困を生み出したのは誰か-敵を見誤らない
   
*非正規労働者を大量に生み出し、使い捨てにしているのは誰か
   
*大企業への減税と引きかえに、社会保障をぶっ壊してきたのは誰か

  
◇EU諸国では、政治の責任で「貧困と格差」の解消に努力している
   *
たとえ
ば、EU全体で、最低賃金の水準を、労働者の平均賃金の
    50%にすること、将来的には60%に引き上げることを決めている。
    日本の最低賃金は、平均賃金の約3割。EUは雇用形態による
    差別も禁止。


二。貧困に立ち向かう新たな労働運動を
 
1。貧困に抗するネットワークづくを
  
◇さまざまな団体・組織との協力・共同
                    -つながり、支え合い、声をあげる
   
*労働運動だけでは、この問題は解決できないが、労働運動が
    反貧困運動の中心にならなければ、解決は難しい。

 
2。「金よこせ!」-税金の集め方と使い方にキレよう
  
◇大企業や資産家は巨大な利益-しかし減税
   
*大企業(資本金10億円以上)…97年と比較した06年の数字
    
・経常利益15.1兆円→32.8兆円(2.17倍)
    
・納めた税金(法人税・固定資産税ふくめ)は12.1兆円→13.7兆円
     
法人税の減税などの効果
    
・株の配当金は約4倍
   
*「ここからとれ!」-大企業や大資産家への優遇を見直すだけで
                 
8兆円の財源
    
・大企業の法人税・法人事業税の税率引き上げ(約4兆円)、研究
     開発減税など優遇税制の見直し(約2兆円)、所得税・住民税の
     最高税率引き上げ(
0.5兆円)、証券優遇税制の廃止(約1兆円)、
     相続税その他資産家減税の見直し(0.5兆円)。

  
◇軍事費をカットして、庶民にまわせ!
   
*社会保障費の自然増分を毎年2,200億円削りながら、逆に、こち
    らも毎年2,000億円をこえる米軍への思いやり予算は温存。米軍
    再編費用に3兆円!?
   
*事故を起こしたイージス艦は1隻1400億円(自衛隊は6隻保持)
   
*重すぎて普通の道を走れない対ソ連用戦車は1両8億円
     (現在330両保持)

 
3。旗印は「憲法どおりの国や地域、職場を」
  
第13条
    
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福
    追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない
    限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」


  
◇25条~28条は「社会権」=国家に、基本的人権を支える義務を課す

   
*第25条
    
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利
    を有する

    
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び
    公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない

   
*第26条
    
「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、
    ひとしく教育を受ける権利を有する
    
②すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する
    子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これ
    を無償とする」

   
*第27条
    
「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
    
②賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、
     法律でこれを定める
    
③児童は、これを酷使してはならない」
     
     
<労働基準法第1条>
     「
労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための
    必要を充たすべきも
のでなければならない」

   *
第28条
     
「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動を
    する権利は、これを保障する」

    
・使用者は、個別の労働者との話し合いを拒否しても違法性は
     ないが、労働者が労働組合に加入して団体交渉を申し入れれ
     ば、団体交渉に応じなければならない(拒否すれば不当労働
     行為となる)。労働者は、労働組合に入ることで、「28条」と書
     かれた経営者をひるませる印籠(いんろう)を手にすることが
     できる。団体交渉権を最大限生かした社会運動を。「勝率9割
     9分」(首都圏青年ユニオン)。

    
・もっと大きい意味でいえば、日本国憲法は、基本的人権の担い
     手・守り手として、労働組合という組織に期待をしている、という
     こと。「これを保障する」は「これを応援する」という意味あい。

    
・「労働組合」という武器を手にいれ、反撃を開始した若者たち
     
首都圏青年ユニオン、各地に生まれる1人でも加盟できる青年
     ユニオン。キャノン、松下プラズマ、光洋シーリングテクノ、偽装
     請負大企業の内部からの闘い。立ち上がる青年たち。昨年
5月
     20日の青年雇用大集会に3300人。
     
ネットの活用が新しい可能性をひらいている。ブログで労組結
     成(紳士服コナカ)、国家公務員の非正規労働者の組織化に
     「がぶり寄り」。

 
3。この運動がもつ可能性
  
◇若者と女性が参加する新しい運動

     
「“反貧困労働運動”は、貧困層を組織対象とするために、こ
     れまで労働運動が十分に意識してこなかった課題に直面して
     いくだろう。しかしながら、この困難をさまざまな社会運動と連
     携するなかで克服し発展するならば、貧困根絶の重要な社会
     運動となることは間違いない。“反貧困労働運動”は、非正規・
     低処遇正規の若者、女性が中心にならざるを得ず、この運動
     が成功するならば、既存の労働組合運動に大きなインパクトを
     与えることだろう」(河添誠「貧困に立ち向かう新たな労働運動」、
     『もうガマンできない!広がる貧困』所収)

    
*連合と全労連の2つのナショナルセンターも、非正規労働者の
     組織化に本腰。

  
◇薬害C型肝炎のたたかいに学ぶ
                  -全国原告団代表の山口美智子さん

     
「ここまでこれたのも、私たちが肝炎被害者全員の被害回復
    を訴え続けてきたからこそだと思っています。学生たちにも広が
    った大勢の支援者に励まされ、世論の高まりが後押ししてくれま
    した。もし、原告だけの救済を訴えていたなら、とてもここまでた
    どりつけなかった



さいごに:「貧困」と「25条」のガチンコ勝負!
      
そして、25条といえば、岡山・倉敷なんです。
      
*憲法25条の1項は、純日本製。その立役者は?
      
*憲法25条に生命をふきこんだ歴史的たたかい-朝日訴訟



以上。


きのうは、お昼にあった昼デモにも参加しましたが、
シュプレヒコールの1番最初が、
「消費税増税はんた~い」でした。

「え、いまこの瞬間の1番最初の叫びがそれかぁ?」
と、率直に思いました。

もちろん消費税増税は許してはなりませんが、
少しズレを感じる昼デモでありました。
そう感じたのは、ボクだけかな~。



| | コメント (0)

2008年2月18日 (月)

日本人として戦後責任

土曜日(16日)の午前中は、
民青同盟の学生対象の学習会の4回目。

Img_1487


 民青同盟の
 事務所で飼われている
 “ぶーにゃん”。

 寒い冬に、
 なんとも暖かそうな
 ハウスをお持ちですな。









今回は前回出された要望により、
日本の侵略戦争の事実と向きあい、
私たちの「戦後責任」を考える、という中身でした。

参加は岡山大学の3名。

講義は以前も話したこともあるような
内容なので、紹介ははぶきます。

参加者Yさんの感想

 「私自身、アジア人びとから戦争責任を
 問われても『自分がしたことではない』と
 言えなくもなかった。
  でも、私には“日本人としての”戦後責
 任があるということを知り、前よりもはっ
 きりとしたイメージで自分と戦争とその
 責任を捉えられるようになったと思う」



| | コメント (0)

2008年2月13日 (水)

みんなの学校がスタート

きのう(12日)は、倉敷医療生協労組
「みんなの学校」(全6回)がスタートしました。

昨年、新しく執行委員長に大抜擢された
H川くんや、青年部事務局長のK本くんと
相談をしながら準備してきたものです。

継続的に労組内で若い人を中心にした
学習の機会をつくり、成長のきっかけを
つくろう、という目的で行われました。

回目の「みんなの学校」のテーマは、
伝統的に平和活動が活発な労働組合でもあり、
若い人が参加しやすいテーマということで、

「戦争と平和」を学ぶ6回コースにしました。
講義の講師は私が担当していきます。

隔週火曜日の夜に開催します。

1回目のきのうは、
「労働組合がなぜ平和運動に取り組むのか」
ということで行われました。

参加は11名。ほぼ全員が若い職員で、
1年目の職員も結構参加されていました。
これはうれしい!

講義は50分、その後感想交流を30分程度
行い、内容を深めていきました。

Img_1480



 講義のあとの
 感想交流。

 







学習会の様子や、参加者の感想の一部は
倉敷医療生協労組のブログにさっそく載せて
もらっているのでこちらをどうぞ →
「白衣のなかま」

講義の内容は以下のとおり。

一。そもそも“平和運動”ってなんだろう
 
1。戦争による苦痛、慟哭(どうこく)との“距離”
  
◇「平和は大事だと思うけれど、何をしたらいいのかわからない」
   
*目の前に「いない」ということ

  
◇「1人称の死、2人称の死、3人称の死」(柳田邦男)
   
*明日、自分のうえに爆弾が落ちてくる、あるいは銃で殺される
    可能性があるか
    
・沖縄や岩国ではあるかもしれないが、私たちの身の
     回りは可能性としては低い。
   
*自分の家族や友人が戦争で命を奪われたり、傷ついたりするか
    
・祖父母の戦争体験
    
・自分の子どもたちの代になったときが不安…
   
*戦争による“他人の痛み”をどう考えるか
                        -平和運動にかかわる分岐点

     
「同じ地球上に暮らす無数の家族のうち、どうして、ある家族が
     空からの襲撃によって奈落に突き落とされてしまうのだろうか。
     なぜ、生きる自由を奪われ、それまでと同じように朝を迎えられ
     なくさせられるのだろうか」
            
(吉田敏浩『反空爆の思想』NHKブックス、2006年)

     
「『距離が膨大になると想像力は弱まり、ついにはまったく消え失
     せる』ということは、遠くから攻撃する兵士だけでなく、戦争を離
     れたところから見ている私たちにも言えることではないだろうか」
            
(川田忠明『それぞれの戦争論』唯学書房、2004年)

    
・時間的距離も

 
2。“人の痛み”を想像し、戦争の原因を探る力
  
◇『私たちは いま、私はイラクにいます』(講談社、2003年)
   
*開戦前の勇気あるスピーチ…13歳の少女の想像力
   
*「爆撃で殺されるのは、私のような子どもなのです」

  
◇長崎・高校生1万人署名活動
   
*「戦争も原爆も知らんお前たちが、こんがんことば
    
やってどがんなっとか」
   
*高校生たちの反核・平和活動の模索(資料参照)

  
◇「現場に行く」「当事者の話を聞く」ことの大切さ-五感での学び
   
*元日本軍「慰安婦」の証言を韓国で聞いた女子大生

     
「私の場合は、証言聞いたあとで、ハルモニを部屋の方まで
     送っていって、そこで手をつないだとこらへんで、やっと『あっ』
     って思ったんやんか。つないだ手がすっごくちっちゃくって…。
     私もすごい身長がちっちゃいけど、その私の手よりも、すっご
     いちっちゃかった。その瞬間に、この人がされたこと、どんな屈
     辱やったんやろってすっごい思った」
      
(『「慰安婦」と出会った女子大生たち』神戸女学院大学
               
石川康宏ゼミナール、新日本出版社、2006年)

   
*沖縄でしか感じない「雰囲気」、沖縄でしか聞けない「音」

 
3。そもそも、平和ってなんだ
  
◇平和運動にとっての「平和」とは
   
*戦争や組織的殺戮のない状態、武力行使などによる「直接的
    暴力のない状態」。
   
*戦争などの直接的暴力の不在のみを平和状態とみなすのでは
    なく、構造的暴力(貧困・飢餓・抑圧・差別・環境破壊など)の存
    在しない状態を、「真の平和状態」とする考え方もあるが、直接
    的暴力を阻止することの緊急性と意義は、他の課題と同列に論
    じることはできない。
   
*いまこの瞬間も、イラクや中東、世界の紛争地では、「直接的暴
    力」によって、「人間の命」が奪われ、傷つけられている。

二。労働組合と平和運動
 
1。平和運動になぜ取り組むのか
              -それはひと言でいえば、“労働組合だから”
  
◇労働組合は、基本的人権・ヒューマニズムの担い手
   
*「人たるに値する生活」(労働基準法第1条)をもっとも破壊
    するものが戦争
   
*平和のうちに生きることは基本的人権

     「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和
     のうちに生存する権利を有することを確認する」(日本国憲法前文)

  
◇憲法の理念を実現する役割
   
*憲法の下書きをつくったGHQ(連合国軍総司令部)が労働組合に
    期待したこと

 
2。私たちの暮らしと戦争
  
◇世界の軍事費は年間
1兆2040億ドル(約140兆円‐06年)
  
◇日本の軍事費は年間約5兆円
   
*労働者が生み出した富(お金)が、武器や戦争に使われている
   
*戦争で破壊されるのは、命だけでなく、労働者がつくりだしたモノや
    ネットワーク
   
*軍事費に使うお金を、環境政策や、医療・福祉・教育にまわせば、ど
    れだけのことができるだろう。どれだけ、人びとの笑顔が増えるだろう。


以上。


はじめて話す中身が多かったので、
イマイチ歯切れが悪かったような
感じがしますが(反省)、みなさん
よく聞いてくれていました。

そして、感想交流を聞いていると、
問題意識もなかなか高い。
期待大です。

「どんどん参加を増やしていく
ようにがんばろう」ということも
言われ、これからが楽しみです。

今後のテーマは以下のようになっています。

2/26(火)「ビデオ上映-映像の世紀・世界は地獄を見た(NHK)」
3/11(火)「日本の戦争と戦後責任-そんなのかんけーねー!?」
3/25(火)「1人ひとりに起きたこと-原爆の実相を伝える力」
4/ 8(火)「イラク戦争と21世紀の世界-平和運動の大きな流れ」
4/22(火)「命どぅ宝・沖縄反戦の心-阿波根昌鴻のたたかいに学ぶ」


この学習会をきっかけに、11月の
倉敷での全国学習交流集会にも
結びつけていきたいと思います。



| | コメント (2)

2008年2月12日 (火)

研修会は湯郷温泉

きのう(11日)は、岡山医療生協労組の
研修会
に講師として参加しました。

参加は広く呼びかけられたようですが、
結局、執行委員中心の研修会となり、
参加は14名。

そして、会場はなんと湯郷温泉!


Img_1478

 岡山協立病院前まで、
 会場のホテルの
 車が送迎してくれました。

 これに乗って出発!



1時間20分ほどで、美作市の
湯郷温泉のホテルへ到着。

10時半から学習会となりました。
「労働組合の底ヂカラ-人間らしさを求めて」という
テーマで、約1時間話をしました。

だいたいいつものような話でしたので、
今日は柱のみご紹介。

はじめに-求められる、労働組合の役割と魅力の発信、語る力

一。人間らしさを求めて
 1。日本国憲法から労働組合を考える
 2。権利を知って使う
 3。「人間らしさ」と「働きがい」求めた人びとの物語
                      -看護のたたかいを例に
 4。いつの時代も、困難な現実を前にして
                      -労働組合の底ヂカラ

二。イキイキとした労働組合活動のために
 1。「他人の痛み」への連帯
 2。学習活動をつねに課題としてかかげる
 3。サイエンスとアート


以上。


終了後、40分程度、感想交流の時間が
あったのですが、思った以上に
よい感想交流になったと思います。


Img_1479


 感想交流の様子







「労働組合の大切さをあらためて実感した」

「学習の重要性を感じる」

「感性を育てるにはどうしたらよいか」

「職場でなかなか組合への理解が広がらないが、
今日の話をヒントにがんばりたい」

「勤通大をぜひ受講しようと思う」

などの感想や、職場の状況などが
出されました。

勤通大「新・労組コース」は
執行委員会全員で受講する方向となりそうです(たぶん)。
学習援助をしっかり考えねば。
そして、さらに広げねば。


学習会のあとは、昼食交流、
各自温泉などに入って、英気を養いました。

みなさん、9日のバレンタイン行動、
10日は労組のスキーツアーや「朝日訴訟の会」の総会など、
忙しい(充実した)3連休だったようです。

おつかれさまでした。




| | コメント (2)

2008年2月 4日 (月)

チラシ・ニュースづくりの基礎

今日(4日)の18時から、
「チラシ・ニュースづくりの基礎知識」という、
ちょっと変わった講義(?)をしました。

といっても、参加者は2名。
先日、とある人から、
「チラシづくりのレクチャーをしてほしい」
と言われ、まったく個人的な学習会でありました。

最初は、そういう学習会なので、
レジュメもつくらず実践的な話だけを
すればいいかな、と思っていたのですが、
まあせっかくの機会なので、
「これまで自分で学んできたことをまとめてみよう」
と思い、ホントにまとめてみました。

あらためてこうした問題について
キチンと整理をすることで、
私自身のチラシ・ニュースづくりを
ふりかえることにもなり、とても有益でした。

自分で話していて、もっと学習協の
会報を充実させねばと反省しました(笑)


話は約1時間。
では、以下に、まとめたレジュメをご紹介します。


一。チラシづくりの基礎知識
 
1。チラシの役割
  
◇人びとの身近にあるメディア
   
*とくに私たちの運動は、チラシであふれている

  ◇送り手と受け手の関係
   
*送り手(企画・イベント情報、告知、ニュース、招待)
   
*チラシとして形に
    (おり込み、街頭配布、手渡し、郵送、ポスティング)
    
・チラシの内容に、送り手のメッセージをこめる
    
・チラシデザインは、送り手の「誠意」が表れる
     
【チラシの役割】
     
①知らせる(情報・知識)
     ②理解させる(賛同・共感・好奇心)
     
③行動させる(参加・購買)

     
・知らせるためには目につきやすく、理解させるには
      適切な内容・素材を用い、行動させるには、受け手に
      とっての共感と利益を盛り込むことが必要。
     
・多くのチラシ(ニュース)は、「見る」段階で捨てられて
      おり、それをいかに「読ませる」ところまで高めるか、
      そして受け手の「行動」を生み出すことが、最終目的。

 
2。チラシのメカニズム
  
◇送り手のメッセージ
   
*何が、どこで、いつ、どのように、対象は、メリットは
   
*つねに「受け手」をイメージしながらつくる
  
◇チラシ
   
*文章(キャッチコピー、見出し、情報、解説)
   
*イメージ(イラスト、写真)
    
→文章とイメージの構成と配色(レイアウト)
  
◇受け手の反応
   
*イメージの印象、情報内容の理解、好感・共感・前向きな疑問、
    関心と行動
   
*メッセージに人の心を動かす価値がなければ、人は動かない。

 
3。チラシデザインの基礎
  
◇デザイン発想力の源泉
   
*発想力は訓練によって高まるもの
    
・新聞の広告やチラシなどを「デザイン」の意識をもって読む
    
・すぐれた文化や芸術に日常不断に接する
    
・もっとも簡単な方法は、いいアイディアを真似てみる、ということ。
  
◇人の目を引くためには
   
*受け手の目を瞬時にとらえる役割をもつものを「アイキャッチ」
    という。
   
*イラストや写真などの絵を「アイキャッチャー」といい、文章を
    「キャッチコピー」と呼ぶ。
   
*アイキャッチャーは、受け手の目をとらえ、即座にイメージを
    伝えるもの。
    
・興味を引くキャラクターをつかう、形(星型や丸型など)の
     心理作用を利用する、安定しているもの(横や縦など)よ
     り斜めの構図は誘引性が高い
etc
    
・しかし、何よりも受け手の目をとらえるのは、「人」である。
     人(とくに個人)が登場してくるチラシ(ニュース)は、必ず
     そこに目がいく。

   
*写真の効果-圧倒的な情報力でリアル感が出せ、信憑性を高める
    
・チラシの目的にそった写真を
    
・講演会などのチラシは、可能なかぎり講師の写真を載せる

  
◇キャッチコピーの役割
   
*キャッチコピーは、見た人に、すばやく好奇心や問題関心を起こさ
    せるものであることが必要。読むには一瞬といえども時間が必要で
    あるため、キャッチコピーは簡潔で、語呂のよいものが適している。
    
①人の目をひく(はっとさせる文章、書体・大きさ・色)
    
②興味を感じさせる(新鮮さ、メリットのある情報)
    
③印象に残す(語呂のよさ、特徴ある語句)

  
◇文章を読ませるためには
   
*読みやすさと、読みやすいレイアウト
   
*「意義・任務」「押しつけ」型ではなく、相手の気持ちに呼びかける
    姿勢で
   
*フォント(書体)もデザインの大事な要素となる
   
*文章は短くくぎり、テンポ良く読ませる。だらだらと説明する文章は
    読まれない。
   
*人が目で追える限界は1行26文字まで(疲れる)。それをこえたら
    改行を。
   
*文章は囲みや罫線のギリギリから始めないようにする(余裕をも
    たせる)

  
◇構成力は、バランス力
   
*1枚のチラシにより多くの情報を入れたいのが一般的な傾向。
    しかし、めいっぱいのチラシは敬遠される。とくに字がびっしりの
    チラシは受け手に圧力をあたえ、まず読まれない。
   
*アイキャッチャーや枠組みなどをうまく整理し、空白(ホワイトス
    ペース)をしっかりつくる。空間がないと、美的効果が阻害され、
    視角誘導もしづらくなる。間をつくることこそ、デザイン力が試される。
   
*罫線は、チラシにメリハリをつけたり、全体を引きしめるときに使う。
   
*チラシの構成力は、バランスをとる力でもある。

  
◇実践編-プロの技とチラシの良し悪しを見極める力
                            (日々の鍛錬が必要)
   
*元旦付「朝日新聞」の企業広告をみる
   
*私たちの身のまわりにあるチラシを題材に考える

   
【参考文献】
   
◆『チラシデザイン』(南雲治嘉著、グラフィック社、2003年)


二。ニュース・機関紙づくりの基礎知識
 
1。ニュース・機関紙は運動の組織者
  
◇真実のペン-草の根のメディア
  
◇良い運動・組織には、良いニュース・機関紙
   
*ニュース・機関紙をみれば、組織の元気度がわかる
   
*ニュース発行・機関紙活動は、組織活動そのもの
   
*機関紙がなかったら、組織の活動が1人ひとりに伝わらないし、
    1人のひとりの声が組織にも伝わらなくなる。血液循環と同じ役割。
  
◇組織の運動が記録に残る-歴史や活動をふりかえる資料として

 
2。人にこだわり、人に執着する
  
◇1人ひとり、名前をもつ「個人」をたえず登場させる
   
*抽象化されたデータ・数字や、組織活動全体の記事は、客観
    的事実の記録にはなるが(それも大事だが)、読み手に迫るも
    のがない。
   
*記事の素材が個性的であること。他の人間と取り替えがきか
    ない人間が登場してきて、「この人でなければ言わないセリフ」
    が出てくるニュースや機関紙は読まれる。
   
*「個」のリアルな声や姿、喜怒哀楽をつうじて、その背景にある
    職場の問題や社会構造をあぶりだすことができたなら、その記
    事は共感をひろげる。
   
*人と人をつなげていく。そして前へ向かって歩き出そうという呼
    びかけが飛び交うような、そうした声の組織者としての役割をニ
    ュース・機関紙が果たす。
   
*上意下達型のニュース・機関紙では、なかなか人は動かない。

 
3。企画の立て方
  
◇企画を考えるスタンス
   
*「次の号をどういう内容のものにしようか」。これが企画。
    
①どういうテーマにするか
    ②そのテーマをどういう内容・形式の記事にするか
   
*企画を考えるというのは、読者に提供したい情報・テーマを探
    ること。したがって、編集する側に求められるのは、「企画を考
    える」ことではなく、「いま組織や運動はどういう状況にあるか」
    「個々の職場・部門はどうなっているか」「組合員や組織員は何
    を考えながら働いて(活動して)いるのか」…といった諸点につ
    いて、つまり「組織と人の現在と未来」について、分析・考察する
    ことが求められる。
   
*ニュース・機関紙の目的は、「発行する」ことではなく、「コミュ
    ニケーションを促進する」ことであり、「何をコミュニケーション
    したいのか」「なにをコミュニケーションすべきなのか」をじっくり
    考えることが大事。

  
◇企画力を高めるのは情報収集と問題意識
   
*「企画力を高める」「いいアイデアが突然パッと思いつく」という
    のは、日常の問題意識の高さと情報収集(学習)の広さに規定
    される。

  
◇読者のニーズを尊重しながら、読者をリードする
   
*読者は、自分の関心・問題意識の範囲内でしか情報に
    「反応」しない
   
*読者の関心の高い問題や射程距離内にある企画は読まれや
    すい。しかし、「ニーズの尊重」ばかりでは、読者の問題意識を
    こえる企画はできなくなる。それでは、編集側も、読者にも、成
    長はない。
   
*「ニーズを尊重しながら、読者をリードしていく」「適度な新しさや
    刺激に満ちたニュースや機関紙をつくる」。こうしたバランス感覚
    が編集する側には求められる。

 
4。記事・文章の基本
  
◇記事の形式
   
*活動報告、お知らせ、論考・論文、読者の投稿、人物紹介、イ
    ンタビュー記事、座談会、対談、アンケート調査、ルポタージュなど
   
*テーマ・目的にそって、どういう形式の記事にするかが決まる

  
◇文章を書くということ
   
*文章表現で一番大切なことは、「他人(読者)に伝えたいという
    欲求」「心のなかから、自然に込みあげてくるコミュニケーション
    の衝動」があること。
   
*文章のうまい・へた、ではなく、心から言葉があふれてきて、そ
    の真摯な内面の吐露が人の心をとらえる。
   
*言葉を知る-読書の積み重ねと国語辞書の活用。文章力のあ
    る人の書き物を読む。
   
*考える力を育てる-とにかく「書く」。そのプロセスをつうじて、
    「考える力」「感じる力」が伸びてゆく。

  
◇文章の基本ポイント
   
*5W1H(いつ、だれが、どこで、なにを、なぜ、いかに)。記事や
    ニュースの内容によって、それぞれのウエイトが変わってくる。
   
*句読点は、20字あたり最低ひとつ、できれば2つぐらい。1行
    (20字程度)に、ひとつも句読点がない文章というのは避ける。
    「短く」「簡潔に」が基本。
   
*日本語は漢字、ひらがな、カタカナで構成。読みやすさという点
    では、一般的に漢字含有率は30%以内におさえることが望まし
    いとされている。漢字が多い文章は紙面が黒っぽくなり、文章を
    読むことが苦手の人にとっては、非常にとっつきにくい印象を与
    えてしまう。
   
*こまめに改行する配慮も必要
   
*「書き出し」を工夫し、力を集中する。読者を引き込み、続けて
    読んでもらうために。

 
5。見出しづくりのポイント
  
◇見出しの重要性
   
*見出しは、その記事を読むかどうかを読者に判断させる最
    初の決め手。とくに忙しい現代社会では、まず目に入る「見
    出し」の重要性は高まっている。
   
*どういう見出しを立てるかは、記事の内容と編集者の感度・
    センスによる

  
◇見出しを考えるポイント
   
*見出しは大きくわけて2種類。ひとつは、記事内容を端的に
    表現したもの(代表例は新聞の見出し)。もうひとつは、本文
    への誘導をねらった見出し。
   
*記事の内容にない見出しは避ける。長い「見出し」は「見出
    し」ではなくなる。
   
*「主見出し」に「○○集会に○○名が参加!」など、中身を伝
    えないものはダメ。それが読者の知りたいことではない。「み
    んなの力で○○を達成しよう!」など、使い古された一般的な
    スローガンも心に響かない。

 
6。読みやすいレイアウトの基礎
  
◇レイアウトは、料理でいえば盛りつけの役割
   
*いくら素材がよくても、見た目で敬遠されることのないように
   
*レイアウト作業で大切なことは、原稿を書いてくれた人や、取
    材に応じてくれた人への「思いやり」「感謝の気持ち」。記事を
    最良のものに仕上げることで報いる。
   
*記事の内容を「読者に届けたい」というモチベーションがレイ
    アウト技術の向上につながる。
  
◇読みやすいものにするために、十分なスペースを
   
*窮屈さは自由度を低くし、魅力的で美しいレイアウトを困難にする
   
*新聞や雑誌などのレイアウトをつねに研究することで技術は
    身につく


   【参考文献】
    
◆『もっと読まれる社内誌の創りかた』
                   (木村幸男著、NOMA総研、
2000年)
    
◆月刊『機関紙と宣伝』(日本機関紙協会出版部)


以上。


もちろん、私も素人の範囲をこえませんが、
こうした「ポイントとなること」を押さえるだけで、
だいぶん上達します。あとは、実践の積み重ねです。


参加者2人のコメント。

「自分のチラシをみて、まだまだ
だなぁと思った。キャッチコピーを
つくるのは難しい…」

「わかってたようで、そんなに重要視
してなかった。ニュースは組織力を
高めるものなんだなぁ。奥が深い」




| | コメント (3)

2008年1月29日 (火)

岐阜民医労で

27日~28日、岐阜へ行ってきました。
岐阜民医労の第1回ユニオンセミナー
第1講義の講師を担当しました。

じつは、岐阜民医労の林さん(書記長)が、
私のブログを読んでくれていて、
「一度岐阜に来てくれませんか」となったわけであります。
もちろん、林さんとはまったく面識がありませんでした。

ブログが物理的な空間距離をこえて、
私の名刺代わりとなってくれていたわけです。
やっててよかった(涙)。

ちなみに、林さんも岐阜医労連のブログを
日々更新されています。ぜひご覧ください。
こちら →
「岐阜医労連ブログ」


さて、27日(日曜)は、午前中の講義だったので、
6時42分岡山発の新幹線で名古屋まで。
名古屋から岐阜はすぐで、岐阜駅に着いたのは
9時ちょうどでした。思ったより岐阜は近い…。

改札口を出ると、
『友』をもった林さんが・・・。
この前の出雲方式です(笑)。

車で会場まで。ケアハウスの交流ホールを
使ってのセミナーでした。

10時から始まり、委員長さんの開会あいさつのあと、
私の講義に。10時10分~12時ちょうどまで、
休憩をはさんでなんと1時間50分も話を
してしまいました。おつかれさまでした。

講義は「知って納得 労働組合の基礎知識」。
さきほどご紹介した岐阜医労連のブログに
セミナーの様子と感想文、レジュメものっていますので、
詳しくはそちらをご覧ください。

12時に終了し、お昼休憩に。
「いまそこユニオン」のDVDを見たり
労金さんの話を聞いたり。
そして岐阜学習協のA池くんの訴えもありました。


Img_1448
 岐阜労働学校への
 参加の訴えや、
 青年ユニオンのことなど。

 私より若い学習協の
 事務局長です。
 すごいがんばってます。


休憩をはさみ、午後も2本の講義が。
1日3本はきついんじゃないかな~と
思ってたんですが、
第2講義「心も元気 メンタルヘルスの基礎知識」
第3講義「知って活用 春闘と改正パート労働法」
のどちらも、とてもおもしろく、かつためになる話でした。

参加者の方々も集中力がとぎれずに
聞き入っていたように思います。
私も一緒に学習しましたが、とても勉強になりました。


Img_1449



 こちらは第2講義の
 様子です。




こうして、第1回の
ユニオンセミナーは終了。
充実した内容でした。

参加されたみなさんおつかれさまでした。


セミナーが終わると、
車で移動して長良川沿いにあるホテルへ。
役員メンバー中心の懇親会がありました。

労組役員のみなさんや、
岐阜学習協のA池くんと久しぶりに
いろいろと話ができ、楽しかったです。


Img_1453


 これは、
 28日の朝、ホテルの
 部屋からの眺め。

 景色のよい
 ところでした。




そして、28日午前中は、岐阜観光をすることに。
前日、「こういうコースがいいわよ」と
教えていただいたルートを忠実にそって、観光しました(笑)



Img_1458_2

 これは岐阜大仏。
 鎌倉、奈良に匹敵する、
 日本三大大仏だそうでが、
 あまり知られてはいないとか。

 じっさい、観光客は
 私ひとりでした(涙)。
 朝イチだったこともあると
 思いますが。

 
骨格は木材で
 つくられているそうです。
 たしかに大きい!





Img_1460_2

 こちらは、
 岐阜城からの
 ながめ。

 ロープーウェイ
 で登ります。
 長良川と
 岐阜の街並み、
 そして山並み。
 すばらしい。




Img_1463



 こちらは
 岐阜市の
 中心部方面。








岐阜城は360℃の大パノラマが堪能できる
ところにあり、景色はほんとうに素晴らしいです。
金華山というところの頂上にたっています。

このあとも、ウロウロと街を歩いたりしました。


岐阜は初めてだったので、
ちょっとしたミニ旅行にもなりました。


岐阜のみなさん、
あらためて、ありがとうございました。




| | コメント (2)

2008年1月26日 (土)

「やっぱり前文はすごい」

今日の午前中は、これで3回目となる、
民青同盟の学生班対象の有志学習会

今回も、前回とほぼ同じメンバーで、
岡山大学の4人が集まりました。

さいしょに、予告していた
チュニジア話を写真を見せながら
ざっとしてみました。

で、学習の中身は、前回、
「憲法の9条はある程度知っているけど、
他の条文や全体も学びたい」という声をうけて、
「憲法の心を読みとく」という題で、1時間半ほど
話をしてみました。


以下、中身の概要。


一。日本国憲法のどこが“すごい”か
 
1。世界トップ水準をゆく、豊かな人権規定
  
◇日本国憲法で好きな条文は?

  
◇憲法で、もっとも大事な考え方が書かれている条文は何条か

  
◇日本の戦前の体制との対比で、人権条項もつくられている
   
*政教分離原則、学問の自由、男女平等、
     刑事被告人・被疑者の人権規定
etc

  
◇日本国憲法の柔軟性・開放性-「ドラえもんのポケット」が2つも
   
*13条は、具体的な権利を書いたものではなく、
    一般的で包括的な規定
    
・社会の現実に応じて新たな人権が必要になったとき、それを
     「ドラえもんのポケット」である13条から引き出すことができる。
    
・憲法は、環境権、プライバシー権などの「新しい人権」を、条文
     の追加によってではなく、包括的な人権規定である13条(ある
     いは25条)などの解釈を通じて具体化していく体制を整えている。

   
*もうひとつのポケット-98条2項
    
・国際的な人権の確立・進歩を、日本国内に取り入れることの
     できる開放性をもつ
    
・例えば「子どもの権利条約」や「女性差別撤廃条約」など

 
2。日本国憲法をフィルターにして、現代日本をみる
  
◇日本社会の現実は、まったく憲法どおりではない
   
*憲法遵守義務をもつ権力担当者による「犯罪」とも言うべき社会状況

  
◇理想こそが、現実を変える力をもつ

     
「理想とは、最も現実的な理(ことわり)に基づいて現状を
    分析し、そこから推論してこの現状をどのように、かつどの
    方向にもっていったらいいのかを思い描くことなんですよ」
        
(小森陽一・姜尚中『戦後日本は戦争をしてきた』
                           角川
oneテーマ21、2007年)

 
3。9条と前文の、世界に先がけた「考え方」
  
◇9条-あらゆる戦争の放棄、戦力・交戦権の否定
   
*9条1項は、国連憲章がもとの考えになっている
    
・このレベルの規定は、他の国の憲法にも存在する(資料参照)
    
・しかし、戦争はなくならなかったし、軍隊はなくならなかった
     
→日本国憲法には、戦争や軍隊に関する規定がまったくない

   *9条2項までふみこんだのはなぜか
    
・大きな時代的背景は、甚大な被害と犠牲を生み出した、
     日本の侵略戦争の反省
     
→日本はアジアで何をしてきたのか(資料参照)

      
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないようにする
     ことを決意」
(前文)したのが、憲法の原点

    
・また、①天皇制の存続、②沖縄の基地化とのセットで、9条は生まれた
     
→これは、戦後日本の弱点を生み出す要因になった

  
◇前文の考え方
   
*どうやって日本の平和を守るのか-「諸国民の公正と信義に信頼して」
   
*人権として「ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに
    生存する権利」(平和的生存権)を規定。しかも、「全世界の
    国民が」としているのがすごい。


二。改憲のねらいと、自民党「新憲法草案」
 
1。いぜん、靖国派が多数をしめる福田内閣

 
2。自民党の新憲法草案
  
◇そのポイント
   
①侵略戦争の反省を前文からスッパリ消している
   
②自衛隊を海外でアメリカと戦争をする軍隊につくりかえる
   
③国民へは責任や義務をおしつけ、基本的人権は「お上の許す範囲で」
   
④憲法改正のハードルを低くし、さらなる改憲をねらう

  
◇「現行憲法が変えられた社会」では、何が起こるのか-想像力を
   
*自衛隊がイラク人を殺せるようになる(アメリカの戦争に加担)
   
*「公の秩序の維持」という名目で、自衛軍が国民に
     銃を向けることが可能。
   
*彼らの言う「愛国心」を強制される。基本的人権も制限。
   
*行政サービスの費用は住民が負担せよ。



さいごに:「信託」(97条)の意味
      
「9条に、いま恩返しを」(堤未果)


以上。


感想交流では、

憲法の前文の考え方のすごさに感動したという
意見が出されました。
また、日本の加害の事実について「たしかに教え
られていないし、知らない」という声が。

ということで、来月は、日本の侵略戦争の
おおまかな全体像について学習することになりました。



| | コメント (2)

2008年1月23日 (水)

たたかえば変わる!?

今週は、岡山医療生協労組の
昼休み春闘学習会
の講師で、毎日かりだされています。

月・火・水と行ってきて、木・金も行きます。
「08春闘-たたかえば変わる」という題で、
県医労連がつくった資料をベースに、
私なりにアレンジしたレジュメでやっています。
時間はわずか30分。かなり早口になります。

この春闘学習会プラス、
今日は同じ岡山医療生協労組の
中央委員会の
前段学習会
として、同じく30分間で、
「『08春闘-たたかえば変わる』は本当か?」という
なかなか刺激的なタイトルで話をしました(笑)。

Dscn4536

 昼休み学習会では、
 現在の社会情勢について
 全般的に話をするのですが、
 中央委員会の学習では、
 医療情勢にしぼって、
 話をしました。



以下、レジュメの概要。

一。「医療崩壊 阻止!」(国民医療推進協議会)
 
1。深刻化する医師・看護師不足、医療崩壊の危機
  
◇国民の命の危機と、医療労働者の疲労
   
*19病院で受け入れを拒否されて流産した妊婦(奈良)
   
*30病院で拒否された意識不明89歳女性死亡(大阪)
   
*消える産科、縮む小児科「いのちの医療」の危機
   
*新人看護師の1年以内の離職者は看護師養成所
    140校分(離職率
9.3%)
   
*「職場実態は『女工哀史』。新人・中堅ともバーンアウト」
                     
(『週刊東洋経済』07 4/28-5/5)
   
*病院の43%が赤字(06年度)。地域医療の危機。

 
2。「よしっ、もう少しだという感じだね」
                   (埼玉県済生会栗橋病院・本田宏副院長)
  
◇医療労働者が声をあげれば、グッと変わる情勢
  
◇国民医療を守るたたかいは、壮大なたたかいに発展してきている

     
「今日、長年にわたる社会保障への財政支出削減策の影響
    により、全国各地域において、生活の安全や信頼が大きく損な
    われる事態となっています。ことに地域医療提供体制では、小
    児医療、産科医療、救急医療体制などにおいて、医療崩壊とも
    いえる状況が明白になりました。(中略)
     
社会保障制度の根幹である国民医療を、より一層充実させる
    ことは、本会の社会的責務であります。そのための活動を全国
    各地から展開していくためにも、会員各位のさらなる協力をお願
    い申し上げます」
     
(日本医師会・唐澤会長、「日医ニュース08.1.5号」年頭所感より)

     
「国民一人ひとりこそ国の財産であり、国家の礎(いしずえ)で
    あります。それ故、憲法25条では、国民の生存権とその保障を
    国の社会的使命として崇高に謳っております
     
われわれ医療関係者は、社会保障を『平時の国家安全保障』
    ととらえ、国民が安全で安心な医療を受けられる充実した医療
    提供体制の確保を求めます。
     
今こそ国民とともに、国民の生命と健康を守るための財源確
    保を求め、地域医療の崩壊を阻止する行動を起こしましょう

    (国民医療推進協議会、医療を守る国民運動・趣意書、2007年11月)

  
◇医労連の運動も元気いっぱい
   *県医労連が行った昨年末の街頭署名では1時間に
    500筆が寄せられる
   
*県医労連の「医師・看護師増員」の陳情が、12月岡山県議会で
    全会派一致採択
    
・国会では07年7月に参議院で請願が採択
    
・岡山県の地方議会でも、28議会中24議会が採択

    
*8年ぶりの診療報酬の引き上げ(0.38%)もこの間の運動の
     成果。医師会や病院団体などの取り組みもいっそう強まろう
     としている。増員署名をいっそう推進しながら、世論を広げ、
     国政を動かしていくことが必要。


二。たたかい前進のために
 
1。みなさん自身が現在の情勢に確信をもつ

 
2。社会保障をめぐるたたかい-財源論に強くなる
  
◇史上最低・最悪の後期高齢者医療制度は「中止・撤回」を
  
◇「医療難民」「介護難民」をこれ以上生み出さないために、
    医療崩壊をストップさせ
るために、社会保障政策の転換を
  
◇財源はある
   
*大企業・大資産家への減税・優遇税制を
やめれば、8兆円の財源。
   
*5兆円の軍事費は半分に。米軍再編への
国民負担3兆円の中止を。
   
*大型公共事業も見直しを。
  
◇アメリカへの協力しか頭にない自公政権
   
*誰のための政治か、だれを助ける政治か
  
◇今年予想される総選挙で「医療・福祉の充実」を大争点に

 
3。たたかいによって人間としても成長できる春闘に

    「ニッパチを単に看護婦の労働条件改善闘争と位置づける
   だけでは一面的だろう。なぜならこの闘いを通して、看護婦と
   して、一人の人間としての自分の生き方を振り返る機会となっ
   たという看護婦たちが多いからである。自分の行動の正当性
   を自分だけが納得するのではなく、市民や職場の同僚に涙な
   がらに訴える過程で、それまでとは変わった自分を発見したと
   いう看護婦たち。看護婦としての良心と患者の生命を守る責
   務がほとばしり出る言葉は、多くの人びとの心を動かしたに違
   いない」
       
(川島みどり『歩きつづけて看護』医学書院、2000年)


以上。


ほんとうに、国民医療を守るたたかいは、
国民的願い・関心事でもあり、医療労働者の切実な要求です。

「たたかえば変わる」という情勢は、ほんとうですョ。



| | コメント (0)

2008年1月16日 (水)

出雲地域労連旗びらき

きのうは島根県の出雲へ講師に行ってきました。

14時50分岡山発の「やくも」に乗り、
18時03分に出雲市駅に到着。

改札口を出ると、『学習の友』を掲げる
S田さんの姿が(初対面なもので)。
ほんとうに『友』を目印にするなんて(笑)。

車で5分ほど行くと、会場に着きました。

この日の主催は
出雲地域労連
08年の旗びらき&春闘情勢学習会でした。

Img_1433

 始まる前の様子。

 講義が始まる
 ころにはほぼ埋まり、
 34名の参加でした。

 若い人も多く、半数が
 女性の参加者でした。


「春闘情勢と私たちのたたかい」と題して、
1時間10分程度話をしました。

「春闘情勢」といえるかどうかわからない
内容でしたが、みなさんよく聞いてくださいました。
参加は医療・福祉関係者が多かったようです。


以下、レジュメの概要。
どこかで使ったものも多いですけど…。



はじめに:簡単に自己紹介


一。「あきらめ感」という見えない敵
 
1。堤未果「手渡せるものとは」(『婦人通信』08年1月号-資料参照)


   「自分の中にある無力感や『変えられないのでは』という
   恐怖に屈して口をつぐんだ時、私たちは初めて負けるの
   だ。そして大人が自ら舞台をおりてしまった時が、子ども
   たちにとって『絶望』の始まりになる。美しい言葉などなく
   とも、私たちがあきらめないことが子どもたちに『未来を
   選び取る自由がある』と示すことになる。次世代に手渡
   せるものとして、これほど貴いものはない」

 
2。あきらめない人間のたたかい-人間裁判・朝日茂(資料参照)

   
「生粋の庶民といってよい朝日茂さんが、なにゆえに、歴
   史上数ある英雄も顔負けの勇気と果敢な意志、不撓不屈
   の粘りをもって、その短い後半生を『権利は闘いとるもの』
   という理念に捧げたのか。その力の源は、要するに、一方
   での人間らしく生きる権利にたいする深い洞察と、他方で
   の『合法的殺人』と呼ぶべき非人間的な生活を強いる国家
   権力に対する怒り、この二つに求められる。朝日さんは、
   普遍的人権に対する洞察と確信が非人間的生活を強制す
   る権力と衝突し、そこに発する火花を生きる力として50年
   の人生を生き抜いた。これは、21世紀に生きる一人ひとり
   の個人が、いかにして生きるべきかを問うときに、一つのヒ
   ントを提示するものにほかならない」
   (二宮厚美「朝日訴訟が現代に問うもの」、『人間裁判』所収)

  
*現状にたいする「怒り」だけでは、たたかいの原動力としては半分の力



二。働く人びとの現状から
 
1。貧困をなくすたたかいを
  
◇つくられた貧困と格差(差別)
   
*働く貧困層の増大。
働いているのに生活保護水準以
    下で暮らす家庭は日本の全世帯のおよそ
10分の1。
    400万世帯とも、それ以上とも言われる。ワーキングプア。
   
*民間労働者給与は9年連続の減
   
*非正規労働者の激増(いまや3人に1人)。若者や女性は2人に1人。
    
・パート、派遣、契約社員、偽装請負・・・「声をあげる」ことの困難さ
    
・年収200万円以下がついに1000万人をこえる
   
*貯蓄残高ゼロ世帯は全体の22.9%(96年は約10.1%)
   
*イギリスのレスター大学の世界幸福度調査で、日本は178か国中
    の90位。1位デンマーク、2位スイス、アメリカ23位、ドイツ35位、
    イギリス41位。先進国の中では日本が最下位。

  
◇カテゴリーとしての「貧困」をみる視点。
   
*一人ひとりの具体的な貧しさと人間の尊厳の破壊をつうじて、
    「貧困」をとらえる。
   
*「数字では見えてこないもの」をみる、意識的努力を。
    「痛み」を想像する力。
    
・「おにぎりが食べたい」と書き残して餓死した北九州の男性
    
・ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センが、“人間らしい
     生活”を営むための「7つの指標」をあげている。
     
①十分栄養をとる
     ②衣料や住居が満たされている
     ③予防可能な病気にかからない
     ④読み書きができる
     ⑤移動することができる
     ⑥社会の一員として社会生活に参加できる
     ⑦恥をかくことなく人前に出ることができる

  
◇貧困の罠-私は無関係といえるか(セーフティーネットの破壊)

 
2。長時間労働が蝕(むしば)むもの
  
◇はてしない残業と長時間労働-労働時間の規制緩和と成果主義
   
*日本は残業規制なし。サービス残業のまんえん。ドイツや
    フランスでは年間労働時間は、1600時間前後。日本の平
    均は2200時間。1週間あたり12時間も多く働いている。
    働きすぎ。「カローシ」は国際用語に
    
・男性労働者の平日の平均帰宅時間
     (東京) 20時49分(女性18時52分)
     
ちなみに、スウェーデンは17時11分(女性16時37分)
   
*有給休暇の平均取得率は50%をきる。
   
*約140年前のイギリスの工場監督官の報告
    
「それら(工場法:労働時間を規制する法律)は、彼ら(労働
    者たち)を自分自身の時間の主人公にすることによって、彼
    らがいつかは政治権力を掌握するにいたることを可能にす
    る精神的エネルギーを彼らに与えた」(『資本論』第8章)

  
◇悪化する労働者の健康(資料参照)
   
*50人以上の企業の労働者の健康診断では、90年に23.6%
    だった有所見率は年々増加し、2006年には49.1%と2倍以上。
   
*中小零細企業や自営業者などの健康悪化はさらに深刻。
   
*メンタルヘルス問題

 
3。大企業や資産家は巨大な利益-「利益の寡占化」
  
◇大企業(資本金10億円以上)…97年と比較した06年の数字
   
*経常利益15.1兆円→32.8兆円(2.17倍)
   
*納めた税金(法人税・固定資産税ふくめ)は12.1兆円→13.7兆円
    
・法人税の減税などの効果
   
*株の配当金は約4倍
  
100万ドル(約1億2300万円)以上の金融資産を持つ
   日本国内の「富裕層」は、06年の1年間で5・1%増加し、
   147万人となる(米証券大手のメリルリンチ調査)。増加
   率は、05年(4・7%)を上回る。

 
4。貧困と格差・労働者の状態悪化は、計画的に生み出された
  
◇財界の要求
   
1995年「新時代の日本的経営」→労働者を3つのグループに
  
◇労働法制の連続改悪-どの政党が賛成してきたのか
                             (○=賛成、×=反対)
   
1998年「労働基準法改定」→裁量労働制・変形労働時間制の導入
     
自民○、公明○、民主○、共産×、社民○
   *1999年「労働者派遣事業法改定」 
26業務に限定されていた
     派遣業務を製造・建設など一部を除き自由化
     
自民○、公明○、民主○、共産×、社民○
   *2001年「雇用対策法等改定」→リストラすれば企業に減税
     
自民○、公明○、民主○、共産×、社民×
   *2003年「労働者派遣事業法・職安法改定」
    
→製造業への派遣が可能に。派遣期間の制限も緩和。
     
自民○、公明○、民主×、共産×、社民×



三。政治の罪の告発を-対抗軸としての日本国憲法

 
1。政治の罪の告発を-新しい情勢的変化をふまえて
  
◇小泉自公政権での国民負担増の一覧(資料参照)

  
◇参議院選挙後の新しい情勢
   
*参議院での与野党逆転-悪法の強行採決が難しくなる
   
*「大連立」「政界再編」の動きはあるが、基本的には2010年
    夏まで参議院でこの状況は続く。戦後初の状況。
   
*国民的なたたかいの前進で、政治に声が届く条件が
    切りひらかれている
   
*そして今年予想される総選挙

  
◇暮らしのための財源はある!

 
2。国民支配のグーとパーとたたかう
  
◇力(経済権力・立法権力・警察権力)による支配
   
*岩国市に対する締めつけ
   
*政党ビラをマンションに配っただけで有罪
  
◇イデオロギーによる包みこみ
   
*強固な自己責任論包囲網
   
*国家財政が破綻しますよ、企業が倒産しますよ、
    国際競争に負けますよ
  
◇グーとパーで「あきらめ・無力感」「労働者どおしの分断」を育てる
   
*学ぶ活動の強化なしには、資本の攻撃に対抗できない

 
3。あらゆるたたかいの旗印として、日本国憲法を
  
◇私たちが「人類」から「手渡されたもの」



四。たたかい・運動におけるサイエンスとアート
 
1。正しいだけではダメということ…サイエンスとともにアートを
  
◇サイエンス・・・科学的判断、分析
   
*労働組合の果たす役割、情勢の特徴、科学的な政策・たたかいの方針

    
「わかるけど、やる気がしない、行く気がしない」をどう考えるか
    
・認識論の問題・・・「わかってない」(本当には納得してない)という問題
    
・感性(五感)での共感という問題

  
◇アート・・・伝える力、生み出す力の総合力
   
*「理性」と「五感」に響かせる
   
*情報受信・伝達力、チラシやニュースづくり、ホームページ・ブログ
   
*言葉で勝負する。相手に伝わる言葉かどうか。
   
*オルグ力(話し方、聞き方、空間、時間)、会議力、事務所力
   
*豊かな仲間の存在、ヒューマニズム=微温(あたたかさ)

 
2。学ぶ活動をドカンと真ん中にすえる
  
◇学ぶことで、個人と集団の力量をたかめる
   
*継続性と目的意識性。すぐに効果に表れないのが学習活動。
   
*しかし、これをオロソカにすると、組織は壊死(えし)にいたる。
   
*「人を集めないと」という脅迫観念をすて(もちろん大人数のほ
    うがよいが)、少人数からでも実践していく。時間はこじあけて
    つくる。誰かがリードしないと学習活動はすすまない。
  
◇勤労者通信大学で学ぼう、『学習の友』を読もう


以上。

レジュメをつくりながら、
これは1時間ちょっとで話すのは
無理だな、と思いましたが、
予定どおり無理だったので、
後半はかなりはしおってしまいました。



Img_1435_2 
 講義終了後は、
 交流会ということで、
 ケーキを食べながら
 職場状況や講義の感想
 などそれぞれひと言ずつ
 スピーチをしました。

交流会終了後、出雲市駅前のホテルまで
送ってもらい、きのうは出雲泊。
今日のお昼に岡山に帰ってきました。

3日ほど前からひいていた風邪が
講義に影響するか心配でしたが、
無事に終えることができ、ホッとしました。


出雲のみなさんありがとうございました。



| | コメント (0)

2007年12月17日 (月)

こつこつと学習会

土曜日(15日)は、先月からはじまった
民青同盟の学生班対象の学習会
2回目がありました。

この日は岡山大学の学生さん3人のみ
でしたが、新しい人も参加してくれ、
おたがい自己紹介しながらの学習会でした。
ウワサのめぐちゃんに初めて会えました。

Dscn3430

 民青の事務所に
 すみつく“ぶーにゃん”。

 ストーブの前に
 陣取っていた。



この日の内容は、
「科学的社会主義入門その2-労働論と経済学を中心に」
ということで話をしてみました。


以下、項目のみご紹介。

一。人は、なぜ働くのか-個人的経験や主観を社会的認識にまで高める
 1。働く人びとに支えられ
 2。資本主義社会は、高度に分業が発達した社会
 3。労働そのものが、人間をつくりだした

二。資本主義社会のしくみと労働のあり方
 1。資本主義社会における生産活動の特徴
 2。なぜ、もうけ第一主義になるのか
 3。もうけ最優先の競争は何をもたらすのか
 4。資本主義は永遠ではない-マルクスが行った経済学の変革
 5。「資本主義でいいのか?」を問う世界的な動き
 6。資本主義の「墓堀人」は、労働者階級


少人数の学習会はやはり楽しい。
こつこつとやっていきましょう。
次回は1月26日(土)、憲法について勉強します。


| | コメント (0)

2007年12月14日 (金)

ナイチンゲールを語る

きのうは、午後1時半より、岡山協立病院の
卒後3年目看護師研修
の学習会に行ってきました。
(労働組合ではなく、病院の研修会です)

与えられたテーマは、な、なんと、
「ナイチンゲールの生きた時代背景
     ~ナイチンゲールから引き継ぐもの~」
です。

現役看護師さんの前で、看護師でない私が、
ナイチンゲールについて語るなんて、
いったいだれが予測できたでしょう(笑)
人生というのは、何が起こるかわかりません。

Dscn3429

 休憩時間の
 ときの様子。

 参加は、指導担当者
 ふくめ、12名でした。



午後の眠たい時間帯にも関わらず、
みなさんしっかり聞いていただいて、
ありがたかったです。

とりあえず、私のナイチンゲールへの愛は
伝わったかなと思います(笑)。


以下、長いですが、講義レジュメをそのまま掲載します。
(倍ぐらいあった資料は割愛します)


はじめに:私とナイチンゲール

一。看護であること
 
◇『わたしの手はおだやかです』(絵本)より
    
(アマンダ・ハーン文、マリナ・サゴナ絵、谷川俊太郎訳)

   
これがわたしの手
   
わたしだけのたいせつな手
   
つみとる ことが できます
   
だきしめることも
   
なげることが できます
   
しっかりつかむことも
   
ふせぐことも
   
じぶんの 手のこと わかっているかな?
   
手は わたしが いなければ なにも できません
   
手は わたしが してほしい ことを してくれます
   
あそびたいときは つくったり つかんだり かくしたり
   
はたらくときは たたいたり かいたり かぞえたり
   
それはどれも わたしが えらんだこと
   
わたしは えらびません・・・
   
ぬすむこと おしのけること きずつけること ひったくること こわすこと
   
わたしはすき かわいがるのが なでるのが
   
くすぐるのが わけあうのが わたしの手で
   
だから わたしの 手は おだやかです

     
「ふだん私たちはあまり意識せずに手を使っていま
     す。でも気がついてみると、手にかかわる言葉はい
     っぱいあります。『手当て』『手伝い』『手に入れる』
     『手を抜く』『手を焼く』などなど、あげ始めるときりが
     ありません。からだの一部である手は、人間のさま
     ざまな行為のたとえにもなっていて、手は使い方ひ
     とつで良くもなれば悪くもなるのだということを、この
     絵本は教えてくれます」(谷川俊太郎)

 
◇“看”という字……どのような手と目の持主か

   
「救貧院の病人は救貧院居住者であってはならず、
   たんなる救貧院居住者として世話されてはならない
   のであって、彼らは貧しい病人として、治るものであ
   れば治癒すべき病人として世話をうけ、またたとえ
   治癒できない病人であってもキリスト教国にふさわし
   い病人として手当てを受けるべきである。…しかし病
   人の世話をするには建物だけあればよいのであろう
   か? そこには心と手、訓練されて熟練した手が必
   要である。大英帝国のどの救貧院でもまたその他の
   病院でも、当然そのような手と心の持主によって看
   護がなされるべきである
    
F・ナイチンゲール『アグネス・ジョーンズをしのんで』)

   
「教育の仕事は別として、世の中で看護ほどに、そ
   の仕事において『自分が何を為しうるか』が、『自分
   はどのような人間であるか』にかかっている職は、ほ
   かにないからです」
     (
F・ナイチンゲール『看護婦と見習生への書簡〔1〕』)

 
◇私(私たち)は、どこに向かって進んでいるのか
                       -たしかな羅針盤が必要

   
「自分の部屋で静かに、その1日を神に捧げるため
   に、数分間静かな思索の時をもちなさい。ますます
   忙しくなってくる生活の中でこそ、これはどうしても必
   要なことなのです。『あわただしく』生きているときこ
   そ、私たちは1日に1回や2回は息つく時間をとって、
   自分がどこに向かって進みつつあるかを思う必要が
   あるのではないでしょうか? 後半生に向かってそ
   の土台を築きつつある今こそ、私たちの人生にとっ
   てまさにいちばん大切な時なのです」
      
F・ナイチンゲール『看護婦と見習生への書簡(2)』)

  
*「看護とは何か」「なんのためにこの仕事をするのか」
    …ナイチンゲールの看護観やその生き方は、私たち
     に、『ぶれない羅針盤』となるものを、教えてくれる。

   
「1968年、小玉香津子訳『看護覚え書』第1版第1刷
   を手にしたとき、それまでの十年間、心の奥底にイン
   プットしたまま忘れかけていた幼い患者へのケアの意
   味に通じる記述に出会いました。以来、本書は私の折
   々の羅針盤となって今日に至っています。精錬を重ね
   変化する訳語の推移はあるものの、私の心に刻まれて
   いるナイチンゲールの多くの言葉は、今でも、この小玉
   訳の初刷の『看護覚え書』です。それほど強烈に自分
   の実践例とリンクしてしまったといえるかも知れません。
    
その後、『ナイチンゲール著作集』に収蔵されている
   他の論文の行間からも多くの実践の根拠を見出してき
   ました。それは何よりも、ナイチンゲールの論理の鋭さ
   と確かさによるものであり、時経てなお、新しさを実感さ
   せるからにほかなりません。また、彼女の言葉を教条的
   に受け止めて実践するというよりも、経験した事象を自
   分なりに分析し解釈した内容が、ナイチンゲールの言
   葉と重なる場合も少なくなく、看護の本質とは、時代や
   民族背景の相違を越えて存在するものであるとつくづ
   く思うのです
     
(川島みどり『看護を語ることの意味』看護の科学社、2007年)


二。ナイチンゲールの生きた時代
 
1。当時のイギリス社会
  
◇産業革命により、経済活動は発展したが、
    
働く人びとの生活は貧困そのものだった

   
*産業革命とは
   
*労働者階級の状態(資料参照)
   
*貧困と格差がすさまじかった時代でもある

    
「ナイチンゲール自身は、上流階級にぞくしていまし
    たが、さまざまな経験をとおして『貧しき者』の『習慣、
    思想、感情』をやがて理解するようになります。しか
    し、これは当時としては異例のことといってよいでし
    ょう」
    
(長島伸一『ナイチンゲール』岩波ジュニア新書、1993年)

 
2。ナイチンゲールが看護師になるまで-別紙資料参照

三。ナイチンゲールから何を受けつぐのか-今日的視野で
 
1。視野の広さと深さ-看護とは何かを原理的に明らかに
  
◇ナイチンゲールの5つの顔(ナイチンゲール看護研究所HPより)

   
①看護発見者としてのナイチンゲール
    
「ナイチンゲールは、すぐれた看護婦でしたが、その前
    に『看護とは何か』を発見した人として記憶されなけれ
    ばなりません。
     
ナイチンゲールは、看護婦になりたいと決心してから、
    実際に看護婦として臨床現場に立つまでの間に、なん
    と15~16年という歳月が経っていました。しかしその間
    のナイチンゲールは、自分なりの学習を積み重ね、多
    くの施設を見学し、統計表に目を通し、当時の患者が
    おかれた実態の把握に努めたのでした。そうした努力
    の結果として、さらにはクリミア戦争での実体験を経て、
    ナイチンゲールには看護の本質や原理がはっきりとみ
    えたようです。まさにナイチンゲールは看護を発見した
    人なのです。
     明らかにされた看護の定義は、人類史上初めて『看
    護覚え書』(初版は1859年)という書物の中に書き記さ
    れました」

   
著述家としてのナイチンゲール
    
「その際立った特徴は、なんといっても150点にも及ぶ
    著作を書き残し、さらには1万2000点もの手紙を書き残
    したことにあります。ここにナイチンゲールが著述家とい
    われる所以があります。
     
しかも、ナイチンゲールが著した書は、決して看護に
    関するものばかりではありませんでした。もちろん看護
    に関する書物は
47点もあるのですが、そのほかに病院
    に関する文献、建築に関する文献、統計学に関する文
    献、社会学や福祉や宗教に関する文献まで、彼女が手
    がけた領域は多岐にわたっています。さらにそれらの内
    容はどれもが第一級で、一作一作がそれぞれの領域
    において、名著であるばかりでなく、普遍的(古典的)な
    価値が高く、後世の専門家たちの間で継承され、今日
    に至っているというのが実態なのです」

   
③統計学者としてのナイチンゲール
    
「これもほとんど知られていない事実ですが、ナイチン
    ゲールは、若いころから数学と統計学がたいへん得意
    な人でした。
19世紀の初頭にめざましく進展してきた統
    計学に関心を寄せ、当時著名な統計学の権威者であっ
    たケトレに私淑し、その思考を伸ばしたという経緯があ
    ります。クリミアに従軍する前から、彼女が抱いていた
    テーマは、国民の衛生状態を正確に知ったうえで、その
    対策を考えることにありました。ですから死亡率や疾病
    率、人口統計などの正確な数値を表現する手段との出
    会いは、ナイチンゲールにとって歓喜すべき事態だった
    に違いありません。
     ナイチンゲールの統計学者としての実力は、スクタリ
    の地における看護実践に大きな意味を与え、兵舎病院
    の衛生改革がいかに兵士たちの死亡率を下げたかに
    よって証明されました。ナイチンゲールは誰が見ても一
    目瞭然である独自の図表を考案し、事実が持つ意味を、
    数値と統計表で人々に訴え、納得させたのでした。
     統計学者としてのナイチンゲールの働きは、
クリミア戦
    争から帰国した後、最大になりまし
た。彼女はベッド上で
    の生活を余儀なくされな
がら、イギリス全体はもちろんの
    こと、数多い
植民地の衛生状態を調査し、資料を分析し
    て事
実の意味を探り、人々の健康実現のために必要

    政策を次々と発案していったのです。その衛
生統計学者
    としてのナイチンゲールの業績は、
アメリカでも高く評価
    され、1874年に彼女は
アメリカ統計協会の名誉会員に
    推挙されたほど
です」

   
④管理者としてのナイチンゲール
    
「ナイチンゲールが行った看護改革の一つは、看護部組
    織の独立という課題です。看護婦という集団の長は、そ
    の集団に属する看護婦の中から選ばなければならず、
    その看護婦の長は病院組織全体に対して、一定の権限
    と責任をもたなければならないと位置づけました。現在、
    病院の中で看護部が独立して存在するのは、
150年前に
    ナイチンゲールが組織改革をしてくれたおかげなのです。
     さらに彼女は多くの看護上の発明や工夫をしました。ナ
    ースコールを提案したのも、病室にお湯と水がでる水場を
    設けよと提案したのも、ナイチンゲールでした。そして何よ
    りも管理者としてすぐれていたのは、『看護とは何か』が人
    々にわかるように、具体的な形にして表したことです。例え
    ば、リネンの交換の頻度とか、病院の食べ物のメニューと

    か、食欲のない患者さんへの食べさせ方など、実に彼女
    は実践的な指導者でもあったのです」

   
⑤病院建築家としてのナイチンゲール
    
「ナイチンゲールの知られざる顔の最も冴えたる面は、彼
   女が
"病院建築家"であったという事実です。ナイチンゲー
   ルが考案した"ナイチンゲール病棟"は、『病院覚え書』(改
   訂版・1863年)に図面入りで記されています。
    ナイチンゲールは、
『病院は患者に害を与えてはならない』
   
と訴え、その最たる害は病院の建築構造
によるものだと考
   えました。空気の
よどみができるような建物の構造で
は、そ
   の中で療養する患者の回復過
程は順調に進まないばかりか、
   汚れ
た空気が身体の回復の妨げになると
いうのがその根拠
   です。ではどのよ
うな構造の病院を造ればよいと考え
たので
   しょうか。
    
ナイチンゲールが考案した病院建築物は、なんと間仕切り
   なしの200畳もの広さをもつワンルームであり、患者のベッド
   1つにつき、1つの窓がセットされるという構造でした。ベッドは
   病室の左右にそれぞれに15ずつ並んでおり、一つひとつの窓
   は高い天井まで延びた3層の窓でした。一番高い3層目の窓
   を常時開放しておけば、病室の空気はいつでも外の自然の
   空気と同じ新鮮さに保たれるように設計されていたのです。
    さらに『病院覚え書』には、患者一人の療養空間として相応
   しい数値(面積では約6畳分)や、ベッドの高さやベッドとベッド
   の間の距離についても、理想的な計算値が述べられていま
   す。ここで特筆すべきは、これらの図面がただ単に理想的な
   病院構造として描かれたのではなく、この"ナイチンゲール病
   棟"は、当時の聖トーマス病院をはじめとして、世界中の病院
   建築に取り込まれ、実際の建物として現実的に機能したとい
   う点です。まさにナイチンゲールは病院建築の設計士であっ
   たのです」

  
*ナイチンゲールはなにを実践したのか-看護の定義から

    
「看護がなすべきこと、それは自然が患者に働きかけるに、
    最も良い状態に患者をおくことである」(『看護覚え書』)

    
「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静けさを
    適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容
    を適切に選択し適切に与えること。こういったことのすべ
    てを患者の生命力の消耗を最小にするように整えること
    を意味すべきである」(同上)

   
*現代社会において、患者の生命力を消耗させるのは、
    病気だけではない。
    
・格差と貧困、家庭生活、地域社会、長時間労働、
     生活と労働の場でのストレス、
居住環境、
     改悪され続けてきた医療制度・社会保障、医療労働者の労働条件…

  
◇その生命観-資料「ナイチンゲールの生命観について」
                        (『著作集月報1』小南吉彦)

 
2。虐げられた人びと、貧しい人びとへの愛と科学
  
◇ふたたび資料から

  
◇現代日本の医療難民、そして貧困層を生み出している社会を
   ナイチンゲールは、どうみて、どう行動するだろうか。

    
「何千何万の苦しんでいる人びとの存在を思う時…農民た
    ちの小屋という小屋には、同情さえも受けつけない苦しみ
    が満ちているのを目にする時・・・こんなことなら、死よりも
    生の方がいっそう侘しいというものです」
                
1844年7月、クラーキー宛の手紙より)

 
3。生涯を通してたたかい続けた情熱-その原動力は何か…


さいごに:みなさんの日々の奮闘に敬意を表して
         
・・・看護は、終わることがない、ひとつの道


以上。


| | コメント (0)

2007年12月13日 (木)

現場の悩みは具体的

きのう(12日)の晩は、
福祉保育労岡山支部の執行委員会がありました。
会場は岡山市内のA保育園。参加は8名。


Dscn3426

 手づくりの
 炊き込みご飯風
 おにぎりと、
 串カツ!

 おいしく
 いただきました。




そして・・・最近、絵本に興味関心が高まっている
私としては、見逃せないものが!!


Dscn3427_2 
 おお!あるある、
 保育園は
 宝の山だわさ。

 さっそく
 いろいろ物色する。



最近読んだ『絵本屋の日曜日』(落合恵子、岩波書店)でも
紹介されていた絵本が何冊もありました。
おー、おーと心の中で叫んだ私(外にはださず)。
あまりじっくりは見れなかったけど、
とりあえず何冊かはチェックできました。
今後にいかすことにしよう。

さて、かんじんの学習会は、
「みんなで討論、みんなで決定、みんなで実践」
ということで、組合民主主義について学習しました。

といっても、最近学習の友社から出版された
『あなたとすすめる労働組合活動』の第5章の
読みあわせをして、若干のコメントをしただけなのですが。

で、読みあわせをしたあとに、
それぞれの分会や職場の状況が語られたのですが…。
やはり、現場の悩みは非常に具体的で、
一筋縄ではいかないことが多いなと。

だんだん話が暗くなっていったのですが、
でも話をしていると、いろいろヒントとなるものが
でてくるものです。私も勉強になりました。

その現場の苦労や悩みの力となれる
学習運動が求められているなー。


| | コメント (2)

2007年11月22日 (木)

忙しさをのりこえるために

きのう(21日)は、福祉保育労岡山支部の執行委員会へ。
会場は倉敷市のW保育園。

Dscn3352_2

 はじまる前の様子。

 参加は9名でした。



「あらためて、労働組合を考える
 ~忙しさをのりこえて、活動を前進させるために」
というテーマで約1時間、話をしました。

さまざまな困難な状況、忙しさのなかで、
労働組合の活動をどう前進させるのか、
原点をふまえつつ、問題提起をしたのですが…。

もっと具体的な提起が必要なのかもしれません。


以下、講義の柱のみ紹介。


一。あらためて、労働組合とは何かを考える
 1。人間らしさを求めて-労働組合はいつ、どのように生まれたの?
 2。先輩たちがたたかって、勝ち取ってきたのが「私たちの権利」
 3。権利を知って使って(『学習の友』10月号参照)

二。人間の尊厳をかけてたたかった人びと-看護師のたたかいに学ぶ
 1。戦後すぐの看護師の労働条件
 2。1960年、初めての統一闘争「病院ストライキ」
 3。看護婦の夜勤制限闘争
 4。ナースウェーブ運動への発展
 5。あきらめなかった人びとがいるからこそ

三。忙しさをのりこえて、活動を前進させるために
 1。ふしめ、ふしめで目標をもって活動する
 2。学習活動の重視
 3。組織拡大


以上。

| | コメント (0)

2007年11月12日 (月)

大学生協のみなさん

日曜日(11日)、午後1時から、
生協労組中四国地連大学部会幹事会の学習会に
行ってきました。

ようするに、中四国各地の、
大学生協の職員のみなさんです。

Dscn3341


 会場はオルガホール。
 参加は10名。

 20代~30代の
 みなさんがメンバーです。


「知っておきたい!労働組合の基礎知識」ということで、
約1時間20分話をしました。

とりあえず、先月も同じような話をしたのですが、
大学生協の職員のみなさんなので、
少しそのへんの話もつけくわえてみました。


以下、講義の概要(三のみ詳しく紹介)。


一。日本国憲法から労働組合を考える
 1。憲法を読む
  ◇基本的人権の核心は何か
  ◇第27条
  ◇第28条
 2。権利を知って使う

二。「これがあたりまえ」と思わない-働く人びとの現状をみる
 1。そもそも労働者とは…
  ◇労働者と言われる人びとの特徴
   ①数が多い ②ひとりでは弱い存在
  ◇イタリアのゼネラルストライキにみる労働者の力
 2。働く人びとの現状-ヨーロッパと比較して
  ◇低い労働組合組織率-18%
  ◇ヨーロッパとの違い①-労働時間・休暇
  ◇ヨーロッパとの違い②-最低賃金
  ◇ヨーロッパとの違い③-パート雇用
  ◇ワーキングプア問題
  ◇こんな働き方をつくりだしてきたのは誰か

三。いま求められている労働組合
 
1。「一人の痛みは全体の痛み」
  
◇職場には、矛盾がいっぱい-「不平・不満」を「要求」に高める
  
◇一人の「痛み」を全体の「痛み」と考えられるかどうか
   
*本来人間とは、他人の「痛み」を「ほっとけない」存在
   
*非正規労働者こそ労働組合が必要
   
*人間らしさとは何か?-基本的人権への理解が不可欠

 
2。団結(数の力)を強くするために
  
◇組合活動は、「話し合い」が出発点
   
*話し合いによって、要求が明確になり、実践・行動が生まれる
   
*要求討議、職場討議は困難さをともなう
    
・なかなか時間もとれない。「本音を話し合う」ことに不慣れ。
    
・「話し合い」がしやすい雰囲気づくりを工夫して
   
*役員自身が率直に「自分の思い」を語ることが大事

 
3。
労働組合役員として
  
◇自分自身の、権利意識を育てる-知ること、学ぶこと、使うこと
   
*実際に使う、活用することをしなければ、権利はさびついていく
  
◇労働組合を、人間の手にたとえると…
   
*役員は、血液(エネルギー)を流し続ける存在

 
4。大学生協の労働組合に期待すること
  
◇現在の自分や仲間とともに、未来の生協職員のために
  
◇学生アルバイトは無権利状態-権利普及の必要性
   
*権利普及の学習会、チラシ配布、労働相談・・・

 
5。学ぶことをドカンと真ん中に位置づける
  
◇学ぶことで、個人と集団の力量をたかめる
   
*継続性と目的意識性
   
*すぐに効果に表れないのが学習活動
   
*しかし、これをオロソカにすると、組織は壊死(えし)にいたる。
  
◇権利学習、労働組合論、哲学・経済、政治経済情勢
    ・・・学ぶ課題はたくさん
   
*「人を集めないと」という脅迫観念をすて(もちろん大人数の
    ほうがよいが)、少人数からでも実践していく。時間はこじあ
    けてつくる。誰かがリードしないと学習活動はすすまない。
   
*ぜひ今後とも学習協をご活用ください。




以上。


終了後、「なぜ日本の組織率は低くなったのか」
「派遣の働き方について」などの質問がだされ、
参加者みなさんで討論をしました。

積極的に発言される方が多く(こうした学習会ではめずらしい)、
それぞれの経験や考え方がとても勉強になりました。
やはり現場の声を学ぶことの大切さをあらためて感じました。


| | コメント (0)

科学的社会主義入門

土曜日(10日)は、午後2時から、
民青同盟の県委員会事務所で学習会。

少し前、労働学校を受講している岡山大学のMさんに
「2、3人でもいいから、科学的社会主義の学習会しよーやー」
と気軽に話してみたら、それが現実となった。

4人の学生が集まり、
「科学的社会主義入門」と題して、話をしました。

小人数の学習会は、やりとりしながら進められるので、
とても面白い。

が、調子にのって脱線?話ばかりしていたら、
レジュメの3分の1しか消化できませんでした(笑)

「では、続きを来月に」ということで、
来月は経済学をやる計画になりました。


以下、講義の柱のみ紹介。

一。自分の頭で考える力、読みとく力を
 1。読んだ本-フィンランドの元教育大臣へのインタビュー
 2。科学的社会主義の理論とは
 3。科学的社会主義の創始者たちについて
 4。レーニン『青年同盟の任務』から学ぶ
  (ここまでで今回は終了)

二。科学的社会主義の経済学をさわり程度に
 1。資本主義は永遠ではない-マルクスが行った経済学の変革
 2。資本主義における生産活動の特徴
 3。なぜ、もうけ第一主義になるのか
 4。もうけ最優先の競争は何をもたらすのか
 5。「資本主義でいいのか?」を問う世界的な動き
 6。資本主義の「墓堀人」は労働者階級

三。学び続けることが、「科学の目」の生命力となる
 1。20代のうちに、科学的社会主義の全体像をつかみとってほしい
 2。学生時代の特権とは
 3。集団学習も大事に

以上。


今回は、マルクスとエンゲルスの人となりの
紹介に時間をたっぷりつかってみました。
また、彼らがどういう勉強をしたのかなども、
参加者には興味深かったようでした。


| | コメント (0)

2007年11月 6日 (火)

内容しぼるかぁ

今日は9時から、先月に引き続き、
林病院の4年目職員研修で憲法の講師をしてきました。

Dscn3318


 本日も12名の参加。

 看護師、介護士、
 ケースワーカー、
 事務など、
 職種もさまざま。





内容はいつものような憲法の話でした。
休憩をはさんで1時間半の講義時間でした。

やっぱり内容盛り込みすぎで、
最後は早口になってしまう。
内容を大胆にしぼる必要があるかも。

| | コメント (0)

2007年10月29日 (月)

初級講座を担当

先週土曜日(27日)に、
生協労連中四国地連の労働学校に講師で行ってきました。

会場は岡山駅近くのオルガホール。
全体参加は50名ほどいたようですが、
午前中は「初級講座」「中級講座」にわかれての学習会。

Dscn3263




 わかれる前の
 会場の様子。







私の担当した「初級講座」には13~14名の参加でした。
「中級講座」は、「減損会計の基礎知識」という内容のようでした。

あたえられたテーマ、
「知っておきたい! 労働組合の基礎知識」

1時間20分ほどしゃべりました。

1.日本国憲法から労働組合を考える
2.「これがあたりまえ」と思わない-働く人びとの現状をみる
3.いま求められている労働組合-みんなの力をあわせて

という柱で、だいたいいつものような話をしました。

中四国の生協労組の新役員を主な対象にした
学習会だったので、「役員として大事なこと」ということなども
話をしてみました。

「プロ野球労組から学ぶこと」や、
沖縄伊江島の阿波根昌鴻さんから学んだ「人間の手に学ぶ」
という話などもしてみました。



| | コメント (0)

2007年10月18日 (木)

保育の底力を

きのう(17日)の晩は19時から、久しぶりに
福祉保育労岡山支部の執行委員会の学習会に
行ってきました。会場は岡山市のK保育園。

参加は5名と少なめだったのですが、
「新自由主義と保育の底力」というヘンなテーマで(笑)、
約45分ぐらい話をしました。


Dscn3232

 関係ないですが、
 部屋の壁に
 それぞれの季節の
 「しゅんのさかなとかい」
 があったので、パチリ。

 秋の旬は、
 さけ、さんま、
 あなご、いわし、
 さば、かつお。

 いいですねー。
 さんま食べたいな。





以下、講義の概要。
なぜかここでもナイチンゲールが登場…。



一。新自由主義って?
 
1。資本主義は、市場経済社会
  
◇市場(しじょう)とは

   →図を使って説明(ここでは再現できず)

   
*資本主義以前の経済活動は
               ・・・一定範囲内での自給自足というイメージ

   
*売り手は、生産した商品(サービス)を、市場に持って
    いき、売ることによって、利益をあげる。
   
*買い手に選ばれた「商品(サービス)」がより多く売れる
    ことになる。
   
*売り手は、自分の商品を買ってもらいたいがため、商
    品の質の競争、価格競争、宣伝競争などをくりひろげる。
    ただし、「売るためには何でもやる」という腐敗性もあわ
    せもつ。逆に、「利益があがらない」分野からは撤退していく。
   
*商品の「需給関係」を自動調整してくれる(しかし、あとに
    みる「痛み」をともないながら)。
   
*こうした競争が、商品やサービスの向上、生産力の効率
    的な発展をうながす積極的側面もある。が、・・・・・・。

 
2。市場経済の負の側面
  
◇商品が実際に売れるかどうかは、市場に出てみないとわからない
   
*その商品を買ってくれる需要が実際にどれだけあるのか、
    同じ商品をつくる売り
手がどれくらいいて、どれだけの商
    品をどんな値段で売りにだすのか、そういう
事情は固定
    したものではなく、たえず変動している。

    
・自社の「新商品」の開発がうまくいくかどうかわからない
    
・他社が自社の商品よりすぐれた商品をつくりだすかもしれない
    
・他社の生産技術が進歩し、より安い価格で同じ商品を売り
     だすかもしれない
    
・その商品の供給が、需要より上回っているかもしれない
     (過剰生産)

   
*だから、せっかく商品をつくって売りにだしても、買い手が
    みつからなかったり、市場での売り値が下落してその商品
    の生産にかかったもとの費用も回収できなかったり、売り
    手はそういう危険にたえずさらされている。
   
*競争の結果、弱い売り手(企業)は脱落せざるをえなくなり
    ます。倒産・廃業、当
然そこには労働者の失業がともなう。

   *この法則は、売り手どうしの激しい競争とある部分の敗北、
    没落という形で、多くの社会的悲劇を生みながら作用する。

 
3。新自由主義は、市場経済万能主義
  
◇市場経済の負の側面をカバーするために登場してきたの
    が、「公」の分野であり、さまざまな「規制(ルール)」。
   
*市場経済の「売り・買い」の法則にゆだねてはいけない
    部分がある、ということ。
    
・医療、教育、福祉、保育、社会保障、農業・・・
   
*つまり、憲法で保障されているような基本的人権に関わ
    るような問題を、「売り・買い」の市場経済法則にまかせ
    てはダメ、ということ。

  
◇ところが、新自由主義は、「なんでも市場にまかせておけ
   ばうまくいく」と宣伝し、「官から民へ」「民間でできることは
   民間で」「小さな政府」などをスローガンに、本来市場競争
   にまかせてはいけない部門にまで、市場競争を取り入れ
   ようとする。

   
*この新自由主義の考え方が、保育分野に導入されてき
    たのが、「公立保育園の民営化」であり、「認定こども園」
    でもある。

   
*またこれは、たんに「保育や福祉に税金を使いたくない」
    「そのぶん大企業減税や公共事業にあてよう」ということで
    もある。つまり税金をめぐっての問題(次回の学習で税金
    問題を詳しくやりたいと思います)。



二。私たちは、どうすればいいのか

  
「目の前の子どもだけに一生懸命に仕事をしていればいい
  のではなく、子どもの現在と未来に責任をもてるために、そ
  れぞれの局面に誠実に向かい合いたい」
             
(浅井春夫『保育の底力』、新日本出版社)

 
1。ナイチンゲールの看護論から学ぶ

   
「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなど
   を適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容
   を適切に選択し適切に与えること-こういったことのすべて
   を、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を
   意味すべきである」        (『看護覚え書』序章より)

  
◇傍線を子どもの生命力の消耗と読みかえてみる
   
*子どもの生命力の発揮、人間的発達を支えるのが保育労
   働。したがって、子どもの生命力を脅かす問題にたいして、
   保育者は、誠実に向き合わなければならない。

  
◇現代社会のなかで、子どもの生命力を消耗させるのは何か
    
*子どもの社会的貧困、居住環境
    
*ジェンダーと権利の視点
    
*児童虐待(その背景までふくめて)
    
*親の労働問題、家庭問題(長時間労働、ストレス)
    
*ゆたかな地域、遊び場、人間集団の減少(地域づくり)
    
*産科、小児科医療の貧困(国の政策的問題)
    
*政治や行政の保育政策の貧困
    
*保育体制と保育士の労働条件、保育の質
    
*環境問題、戦争と平和の問題

 
2。保育者に問われる5つのY(『保育の底力』より)
                
-個人・職場・労働組合で具体化する

  
≪①ゆらぐことのできるちから≫
   
*保育実践におけるジグザグや試行錯誤、“失敗”を大切
    にした実践の振幅性のこと。
   
*つまり、「こんなものだろう」とか、「絶対これで正しいのだ」
    という、まったく変わらない実践、子どもの変化に対応でき
    ない実践となっていないか。
   
*ゆらぐことのできる力は、実践の柔軟性の土台となる。
   
*自分も集団も、つねに自己変革していく力をもつ、ということ。

  
≪②ゆずらないことを持つちから≫
   
*子どもであっても許してはいけないことを持つこと(人権を
    侵す行為、暴力的な行為など)。
   
*子どもだけでなく、職場や社会にたいしても、この視点をも
    つことが大事。

  
≪③勇気とやる気を持ち続けるちから≫
   
*“めあて”をもつことが大事。「こんな保育がしたい」という
    仕事への情熱。
   
*情熱とは、持続する感情のこと。
   
*仲間の存在、「めあてになる人」の存在も大きい。

  
≪④ヨカッタさがしができるちから≫
   
*否定的側面のなかに、つぎへとつながる新しい力をみつける
   
*子ども、仲間、社会情勢をみる視点

  
≪⑤よく学ぶちから≫
   
*①~④の力をはぐくむためにも必要なこと。
   
*独習としての読書を続け、集団学習としての研修などに参加
    し続けること。
   
*自己変革し続ける力こそ、私たちに求められている底力。

 
2。保育のなかの希望(資料参照)と労働組合



以上。



| | コメント (2)

2007年10月17日 (水)

水島協同病院へ

きょうは14時から、水島協同病院(倉敷医療生協)の
職員全体学習会の講師に行ってきました。

「憲法がある、ということ」という題で、1時間で話をしました。
参加は60~70名くらいでしょうか。


Dscn3230
 15分前につくと、
 ほとんど誰もいなかった。

 みなさんお仕事ですからね。
 あたりまえですが。

 私の後の学習会で使う
 プロジェクターの調整中。


私の憲法レジュメはコロコロ変化するのですが、
今日は基本的人権のところに重きを置いたのと、
医療労働者むけの話を最後に少ししてみました。


以下、講義の概要。



はじめに:空気のありがたさは、普段意識しない。
      
憲法の存在も、空気の存在と、似ている。
      
「憲法がある」ということ。


一。豊かな基本的人権の規定
 
1。日本国憲法で大事だと思う条文は?

 
2。日本国憲法で一番大事な考え方(価値)が書かれている条文は?



二。日本の戦争は美しかったか-9条が生まれた背景
 
1。日本の侵略戦争だった
   
◇アジアでは、日本の侵略戦争によって2000万人以上が
    犠牲に。日本は、戦争を引
き起こした側。日本人も、310
    万人の命が失われた。 
→資料で少し詳しく

   ◇日本人にとっては、中国人は「チャンコロ」であり、フィリピ
    ン人は「黒ん坊」だっ
た。1人ひとり、名前をもち、家族もあ
    り、生活があるのだ、という想像力が失われ
るのが戦争。
    教育の結果。戦場での憎しみの連鎖。
   
◇アジアの人びとの痛み、苦しみ、思いに対する想像力を。
    侵略した側は忘れても、侵
略された側は忘れない。
   
◇無数の死者の声なき声、戦争で傷ついた人びとの思いが
    憲法にこめられている。
   
◇憲法9条は、侵略国日本の、アジアと世界に対する国際公約

 
2。日本国憲法前文に宣言された、2つの「決意」



三。自民党のめざす改憲像

 1。福田首相は自民党の新憲法草案をつくった中心メンバーの1人

 
2。自民党の新憲法草案
  
◇そのポイント
   
①侵略戦争の反省を前文からスッパリ消している
                      (国防の責務を国民に求める)
   
②自衛隊を海外でアメリカと戦争をする軍隊につくりかえる
                             (戦争放棄の放棄)
   
③国民へは責任や義務をおしつけ、基本的人権は「お上の許
    す範囲で」
   
④憲法改正のハードルを低くし、さらなる改憲をねらう

  
◇「現行憲法が変えられた社会」では、何が起こるのか-想像力を
   
*自衛隊がイラク人を殺せるようになる(アメリカの戦争に加担)
   
*「公の秩序の維持」という名目で、自衛軍が国民に銃を向ける
    ことが可能。
   
*彼らの言う「愛国心」を強制される。基本的人権も制限。
   
*行政サービスの費用は住民が負担せよ。



四。医療者として-憲法を高くかかげて

 
1。ナイチンゲール(1820~1910)がもし現代日本に生きていたら

   
「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを
   適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適
   切に選択し適切に与えること-こういったことのすべてを、患者
   の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべき
   である」                  (『看護覚え書』序章より)

   
*患者の生命力を消耗させるのは、病気だけではない。
    
・格差と貧困、人間関係、地域社会、長時間労働、
     生活と労働の場でのストレス、
医療労働者の労働条件、
     居住環境、政治の貧困、そして戦争

   
*ナイチンゲールがもし現代日本に生きていたならば、「生命
    力の消耗」を進行させる、こうした問題について、きっと「たた
    かい」を挑んでいたと思いますし、そのときの「たたかいの武
    器」は、きっと憲法だった、と私は思います。

 
2。医療者として-川島みどりさん、日野原重明さんの言葉から

   
「戦争が人々の記憶から遠ざかろうとしている。だが、忘れて
   はならないのだ、語り伝えなければならないのだ。それがどん
   なに悲惨で人間の尊厳を奪い尽くすものであるかを。『看護の
   質の向上』も、『その人らしく生きていくことを援助をする』ことの
   追求も、インフォームドコンセントも、すべては平和だからこそ
   の課題である」
(川島みどり『歩きつづけて看護』、医学書院)

   
「私は命を守る医者です。命を脅かす最大のものが戦争です。
   だから私は日本が軍隊をもつことに同意できないし、平和運動
   に徹するのは医者の務めです」
      
(日野原重明『全国革新懇ニュース』07.9.12付 No292より)


以上。



| | コメント (0)

2007年10月10日 (水)

歴史教育の弱さ

今日は、午前9時から林病院(民医連加盟)の
4年目職員研修に講師で行ってきました。
来月にも同じ4年目研修で同じ話をします(参加者が違う)。

Dscn3210




 本日の
 参加は12名。






「憲法がある、ということ」という題で、
休憩をはさんで90分間、しゃべってきました。

だいたいこれまでと同じような話をしたのですが、
首相の交替による若干の修正、
後半は「軍事費と福祉」について話をしてみました。

憲法の講師に行くことが多くなったので、
しゃべるほうも、いつもと同じ話だと緊張感がなくなるので、
できるかぎり学習会の前に新しい本を読んで、
その内容をしゃべるようにしています。

今回は、2日前に読んだ、
『5大陸20人が語り尽くす憲法9条』の内容を
しゃべってみました。どうだったかなー。


あと、「1945年8月15日は、何の日でしょう」という質問をしたら、
あてた人が「・・・・・・」と答えられませんでした…。
横にすわっていた人が「終戦だよ」と言って、教えてくれていました。

が、やはり歴史教育の不十分さを痛感する出来事でした。
アジア諸国では、記念日です、この日が。

| | コメント (0)

2007年9月28日 (金)

15回無事に終了!

今日は午後、ソワニエ看護専門学校1年生の15回目の講義。
最終回でした。

が、直前まで準備ができておらず、
レジュメができたのが1時間前、
それを人数分刷って完成させたのが30分前という
恐ろしい綱渡りでありました。

今日は
「日本国憲法の哲学(4)」ということで、
憲法「改正」の動きや自民党の新憲法草案の検討、
戦争と福祉の関係性など、話をしてみました。

軍事費のムダづかいぶりには、
学生さんも驚いていたようでした。
まず、知ることが大事です。



今年のソワニエ講義は、昨年の倍の長丁場だったので、
なかなか体力的にはしんどいものがありましたが、
それだけ自分自身を鍛える場にはなったと思います。

とくに「読書日記」は自分自身の学びの幅をさらに
広げるものであったし、学生さんにも好評のようでした。
来年も続けてみようと思います。

じつは、今年も、学生さんに紹介しよう、と買いためていた
本が、結局20冊近く紹介できないまま(つまり私に読まれないまま)、
事務所の本棚に飾ってあるのであります。

Dscn3116_2 



 こ
れは来年に
 とっておこうと
 思います。







さて、学生さんに課題として出したレポートが
2週間後に届くのを、楽しみに待ちたいと思います。

今晩は乾杯しなければ、乾杯。
自分へのおつかれさまの意味をこめて。



| | コメント (2)

2007年9月21日 (金)

カレー・芋焼酎・憲法

今日は午後からソワニエ看護専門学校の14回目の講義。
そして、今日はいつもより30分早く学校へ。

ソワニエ9条の会の学生たちが資金づくりにつくった
カレーを「食べに来い」とお達しがあったためである。

カレーは350円で味もおいしかった。
が、ついでに「カンパもください」ともぎ取られていった…。
うーむ、恐ろしい。

そしてなんと今日はY先生から鹿児島土産の
芋焼酎をいただいてしまった。ありがたや。

出ていくものもあれば、いただくものもある。
流通過程の流れに逆らわないことが賢明だ。


さて、今日は
「日本国憲法の哲学(3)」
ということで、主に日本の侵略戦争について語る。

読書日記では、人間の「痛み」について
学生に質問しながら、いろいろと考えました。


では、以下講義の概要。


一。長久の「看護・医療」読書日記
  
◇今週読んだ本


二。憲法前文の心
  
◇前文には、憲法の精神が凝縮されている


三。日本の侵略戦争の反省から生まれた憲法
  
◇第2次世界大戦の痛苦の経験
   
*世界では5000万人以上が命を失った。
    その多くは武器をもたない一般市民。

  
◇アジアでは、日本の侵略戦争によって2000万人以上が犠牲に。
    日本は、戦争を引
き起こした側。日本人も、310万人の命が失われた。

   
【日本の侵略と戦争の年表】
   
1868 明治維新(天皇制政府成立)
   
1875 朝鮮に開国を迫る(江華事件)
   
1889 大日本帝国憲法発布
   
1894 日清戦争(~95)
   
1904 日露戦争(~05)
   
1910 韓国併合
   
1915 中国に二十一カ条要求
   
1918 シベリア出兵(~22)
   
1919 韓国で独立運動(武力で弾圧)
   
1931 満州事変(満鉄爆破を自作自演)
   
1932 かいらい国家「満州国」建国
        
平頂山虐殺事件
   
1933 国際連盟脱退
   
1937 日中戦争開始(盧溝橋事件)
        
南京大虐殺(12月)
   
1940 日独伊三国軍事同盟
   
1941 真珠湾攻撃(太平洋戦争開戦)
        
マレー上陸、インドシナに侵入
   
1942 マニラ、シンガポール、ラングーン占領
        
バターン半島占領(死の行進)
        
ミッドウェー海戦で惨敗
   
1944 朝鮮人、中国人の強制連行激増
        
アメリカ軍による日本本土空襲
   
1945 東京大空襲(3・10)、岡山空襲(6・29) 
        
沖縄戦(4~6月)、広島・長崎に原爆投下(8月)
        
ポツダム宣言受諾(8・15)

   
【植民地支配とその政策】
   
◇台湾を50年間植民地支配(1895年~1945年)
   
◇朝鮮は35年間植民地支配(1910年~1945年)
    
*武力の脅しによる併合。独立運動を力で弾圧(1919年3月)
    
*皇民化政策-創氏改名、日本語教育、宮城拝礼、
      神社参拝を押しつける。
    
*1940年代、日本の労働力不足を補うために、
      朝鮮人を日本へ強制連行(少なくとも70万人)。
    
*「日本軍」の兵士・軍属として朝鮮人を徴兵。
      南方などの戦地へ送り込まれた。
   
   
【中国各地で日本軍がしたこと】
   
◇南京大虐殺(1937年12月。日本軍の住民虐殺の代表的な事件)
    
*死者10数万~20万人。
     日本軍に強姦された中国人女性2万人以上。
   
◇儘滅掃討(じんめつそうとう)作戦
     =三光作戦(殺しつくす、焼きつくす、奪いつくす)
    
*平頂山事件(村民3000人をみな殺し)、
     豊潤県潘家峪での住民虐殺(1230人)など。
   
◇でっちあげ国家「満州国」へ、華北地域から百万単位の中国人を
     強制連行。炭鉱や鉱山で死ぬまで働かせる奴隷的強制労働。そ
     の結果である各地の「万人坑」(人捨て場)の形成。
   
◇重慶をはじめ、中国の都市への無差別爆撃。
   
◇生物兵器・毒ガス兵器の開発と使用
    
*生物兵器開発のため-731部隊の人体実験・生体解剖
                      (中国人など約
3000人を実験で殺す)
    
*日本軍の化学兵器(毒ガス弾・毒ガス筒)使用作戦2000回以上。
     中国に遺棄されたままの毒ガス兵器(少なくとも70万発)が、
     現在でも、新たな犠牲者を生み出し続けている。
   
◇日本国内への中国人強制連行約4万人。35の企業、135か所の
     事業所で奴隷的強制労働。うち約7000人が死亡。

   
【東南アジアで日本軍がしたこと】
   
◇捕虜への虐待、奴隷的強制労働
    
*フィリピンでのバターン行進
     (米・比軍の捕虜を長距離強制移動-別名「死の行進」)。
    
*現地住民と連合軍捕虜を大量動員し、7万人以上の死者を出した
     泰緬(たいめん)鉄道建設。
   
◇シンガポールでの華僑(中国系住民)虐殺(数万人)。
    マレーシアでも同様の中国系住民の虐殺。
   
◇1945年のベトナム中北部での大量の餓死者(200万人)も、
    日本軍の占領支配が主原因。
   
◇「東亜の共通語」として、各地での日本語教育。


   【その他】
   
◇「従軍慰安婦」=日本軍「性奴隷」。アジア各地の若い女性
    (5~20万人)を軍が管理する「慰安所」にとじこめ、兵士の
    性欲解消として使用。「慰安婦」には性交を拒否する自由、
    逃げる自由もなく、1日に何十人も相手をさせられるケースも。
    軍公認の「レイプ所」。アジア全域に約400か所。


  
◇アジアと世界、そして戦争で犠牲になった人びとへの、“不戦の誓い”
   
*憲法9条は、侵略国日本の、アジアと世界に対する国際公約
   
*無数の死者の声なき声、戦争で傷ついた人びとの思いが憲法に
    こめられている


   
第九条
   
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
   国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際
   紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

   
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保
   持しない。国の交戦権は、これを認めない。」


以上。



次回、最終講義は、なぜいま憲法「改正」か、憲法の力とは何か、
について深めていきたいと思います。


| | コメント (0)

2007年9月14日 (金)

世界は地獄を見た

今日は午後、ソワニエ看護専門学校へ。13回目の講義。

今日は憲法誕生の背景となる
第二次世界大戦のビデオを見る授業となりました。

さて、次回はいよいよ9条について語ります。
ちょっと新しい試みをしようと思いますが…。


以下、今日の授業のメモ書き。

ビデオ上映-『映像の世紀-世界は地獄を見た』(NHKスペシャル)

 

◇ビデオ上映のまえに
  
*このビデオは、第2次世界大戦の映像をもとにつくられています。
  
*第2次世界大戦とは?
    
・1939年のドイツのポーランド侵攻から、
     1945年8月の日本の敗戦まで
    
・ドイツ、イタリア、日本は、侵略国だった
     
→ドイツはヨーロッパで
     
→日本はアジアに
    
・この世界大戦で、世界では5000万人以上が死亡
    
・日本の侵略の場面はあまりありません
     (映像がないのが主な理由だと思います)

 
◇ビデオを見るうえで、頭においてほしいこと
  
*楽しいビデオではありません。
  
*すべて、実際に起こったことです。
  
*もちろん、それぞれが戦争の1断面であり、
    これだけで「戦争を知った」ことにはなりません。
  
*凄惨なシーンもありますが、けっして、
    「かわいそう」ですませないでください。
   
・戦争で傷ついたり、失われた、一つひとつの“命”を想像してください。
   
・一人ひとり、名前もあったし、家族もあったし、夢もあったのです。
   
・これは、“人間の死に方”と言えるのでしょうか?

 
◇あらためて、先週紹介した日野原重明さんの言葉を確認
   
「私は命を守る医者です。命を脅かす最大のものが戦争です。
   だから私は日本が軍隊をもつことに同意できないし、平和運動
   に徹するのは医者の務めです」
                
(『全国革新懇ニュース』NO.292 より)


| | コメント (0)

2007年9月 7日 (金)

久しぶりのソワニエ

今日の午後はソワニエ看護専門学校1年生の12回目の授業。
今週から4回かけて、「
日本国憲法の哲学」をしていきます。

生徒さんも夏バテでヘロヘロ、
私も夏バテでヘロヘロ。
どよ~んとした空気が流れるなか、授業はすすんだのでありました…。

生徒さんに貸してた本が今日2冊帰ってきました。よかったよかった。

今日は13条を中心に語ってみました。以下に概要。

一。長久の「看護・医療」読書日記
 
◇読んだ本
  
*『すべてのいのちが愛おしい-生命科学者から孫へのメッセージ』
                      
(柳澤桂子、集英社文庫、2007年)
  
*『世界にたったひとつ 君の命のこと』
                    (奥本大三郎、世界文化社、2007年)

二。日本国憲法とは
 
1。なぜ日本国憲法を学ぶのか
  
◇看護は、いのちを輝かせる仕事
  
◇日本国憲法は、いのちを輝かせるためにもっとも大事な、
    この国のルール

 
2。憲法の自己紹介
  
◇97条
  
◇98条
  
◇99条

 
3。憲法で一番大事な考え方が書かれている条文-13条「個人の尊重」
  
◇なぜ、「個人」を「尊重」しなければならないのか
   
*1人ひとりの命とは、どういうものか
   
*いのちのリレー
    
・10代さかのぼれば、2,046人
    
・20代さかのぼれば、2,097,150人
    
・そのうち、知っているのはせいぜい、そう祖父母ぐらいまで
    
・無数の人びとが「いのちを必死につないできた」結果、
     私たちが「生きている」

   
*私たちは、38億年のリレーの結果である「他のいのち」を
     食べて生きている

  
◇1人ひとりが、「ちがう」ということ
   
*人間は、一度死ぬと、もう生まれかわらない
   
*だれでも、「かけがえのない関係」のなかで生きている
   
*ふたたび、絵本『わたし』を読む

三。「個人の尊重」を柱にした、基本的人権の条文

  
◇日本国憲法の第3章を学ぶ

    
「憲法は、・・・強弱のあるすべての場所で、弱者を守るために
   存在意義を発揮します。・・・憲法とは『強者による弱者に対する
   理不尽を許さない』ためのものであり、誰にとってもきわめて身
   近な存在なのです」
   
(伊藤真『高校生からわかる 日本国憲法の論点』、トランスビュー)


以上。


大事だと思う条文は?と次々指してくこともやってみました。
「31条」という意外な答えのNくん。たしかに大事な条文です。
「25条」「18条」「12条」など、いろんな答えが返ってきました。

次回は、第二次世界大戦のビデオを見て、
憲法が生まれた背景について学びます。

| | コメント (0)

2007年9月 2日 (日)

サイエンスとアート

土曜日(1日)は広島県労働者学習協議会
89期ひろしま労働学校のプレ学習会に講師で行ってきました。

Dscn2550
 会場は労学協事務所。

 参加は13名(だったと思う)。
 多彩な顔ぶれでした。

 講義の最初の参加者紹介で、
 私のブログが意外な人たちに
 読まれていることを知り
 ビックリでございました。

14時から休憩をはさんで16時半近くまで
「サイエンスとアート」というタイトルで
おもに学習運動とはなんじゃらほい、ということを
時間超過で(笑)話をしました。


以下、講義の内容。
学習運動論の部分については私論もふくまれていますので、
その点はご了承くださいませ。

一。私と学習運動

 1。学習運動との出会い
  
◇1994年5月から(当時19歳)
   
*第48期岡山労働学校「入門教室」のチラシが目にとまる
   
*そのころ、自分自身や社会への見方はどうだったか
   
*労働学校に足を踏み入れて
    
・学ぶことのここちよさ、さまざまな人との出会い
   
*94年秋の49期「初級教室」で、科学的社会主義の
    理論に本格的に出会う
   
*95年に勤労者通信大学「基礎コース」を受講する。

    
・そのころの自分の変化を表現するピッタリの文章
    
     
「世界をあるがままのゆたかさでとらえうるような、そんな
    目を私たちはもちたい。ゆがんだ眼鏡は、世界をゆがんで
    見せる。私たちは、ちゃんとした眼鏡がほしい。哲学への要
    求がそこからはじまる。・・・ちゃんとした眼鏡をかけたことの
    ある人は知っていよう、はじめてそれをかけたときのことを。
    
それまで、木の葉はぼうっとかすんで見えていた。木とはそ
    んなものだと思っていた。が、眼鏡をかけたとたんに、木の
    葉の一枚一枚が、したたる緑とあざやかな輪郭をもって目
    にとびこんできた
。世界がそのあるがままの新鮮さで私たち
    に迫ってくる、そんな眼鏡を求めて、私たちは哲学にむかう
    のである」
        
(高田求『人間の未来への哲学』青木書店、1977年)

   
*第50期岡山労働学校(95年5月)から運営委員となる
   
*7月に「専従者にならないか」とお誘いを受ける
    
・15分間のすえの決意
    
・自分の可能性への楽しみ

  
◇1998年4月
   
*専従者としての歩みをはじめる

 
2。プロジェクトG‐岡山県学習協のあゆみから
  
◇学習運動をつくり育ててきた魅力的な人びと
  
◇確信になる塚田寿子さんの言葉



二。大衆的学習教育運動と労働学校の役割
 
1。階級闘争の3つの側面
  
①経済闘争
   
*労働者がおかれている客観的状態から生まれてくる経済的
    要求(賃上げ、雇用、時短、労働条件など)をかちとるために、
    個々の資本家や資本家団体などを相手として行うたたかい。
   
*経済闘争は、もっとも広範な労働者が参加できる闘争で、今
    日のような厳しい 職場環境のもとでは、大変重要なたたかい
    となっている。

  
②政治闘争
   
*今日の社会では、経済闘争のみでは解決できないさまざまな
    問題があります。賃金がなぜ上がらないのかを考えれば、自
    明のこと。
   
*賃上げや、雇用の確保をかちとるには、どうしても国や地方
    の政治を変えていく、政治闘争を行わなければならない。社
    会保障の充実や、労働時間の法的規制、医療福祉制度・政
    策の改善を求める政治運動を経済闘争とあわせておこなわ
    なければ、私たちの要求は前進しないのが、今日の社会状況。

   *政治闘争とは、政府や自治体を相手に法律や制度・政策など
    を改良させるためのたたかい、憲法改悪反対、平和と民主主
    義を守るたたかい、そして、労働者・国民本位の政治を実現す
    る政府をつくるたたかいのこと。

  
③思想闘争(学習教育活動)
    
*経済闘争や政治闘争は、思想闘争とあわせてすすめなけ
     れば、前進できない。
    
*日本の教育制度のゆがみ、高度に発達したマスコミの影響力
     
・支配階級の考え方が、マスコミなどをつうじて、日々浸透していく。
      
「ある時代の支配的な諸理念は、つねにただ支配階級の
      諸理念にすぎなかった」
(マルクス、エンゲルス『共産党宣言』)

     ・体は労働者でも、頭は経営者。
      政治への傍観的な態度(マスコミの影響)。
     
・「自己責任」「勝ち組・負け組」という考え方はどこから広がっ
      たか?
     
・ゆがんだメガネ、くもったメガネを国民にかけようとする
      -真実のメガネを
    
*思想闘争は、自分自身の矛盾の質を高める
     
・『学習の友』83年10月号「活動を楽しく続けるために」(中田進)より
      
「初心にかえる――とは、もう一度スタートラインに逆もどりする
      ことではありません。苦難にみちた実践をくぐりぬけ、『変革』の
      むずかしさと重要性を深いところで理解したその新しい地点から
      の“出発”であり、あらたな飛躍へのステップ台ともいえるでしょう」

    
【思想闘争を担う諸組織】
     
・科学的社会主義の政党
     
・民主的な研究機関
     
・労働組合、民主団体
     
・学習運動組織
      
特徴→思想闘争の専門組織であると同時に、運動組織ということ


 2。大衆的学習教育運動とは
   
◇その立場

    *「科学的社会主義の立場に立って、哲学、経済学、労働運動
     をはじめ、たたかいと運動に必要な基礎的理論、内外の政治・
     経済情勢などの学習・教育活動を行なう」
     
・科学的社会主義の立場とは-「解釈」ではなく、実践&変革の立場
    
*科学的社会主義とは
     
・人類知識の総和
      -その柱は、哲学・経済学・社会変革の道すじと方法
     
・したがって、スッとわかるようなものではない

      「労働者にとって学習とはつらいものです。とくに身体が毎日ク
      タクタになるまで働かされ、そのうえ、本を読むことに慣れてい
      ないのですから。しかも科学的社会主義は、けっして理論的に
      浅いものではなりません。それは、…人類の諸科学の総合的
      成果をあますところなく受けついだものなのです。いわば一度
      にパッとわかる、という具合にはいかない相手なのです」
      
(畑田重夫『新版 現代人の学習法-社会科学を学ぶ人のために』
                                 学習の友社、
1992年)
     
・それだけ、わかったときの喜びは大きい

   
◇その主な内容
    
*当面するたたかいの課題、情勢をきりひらくための学習
    
*働くこと、生きること、人間らしさなど、根源的な問いかけに
     こたえる学習
    
*労働組合論、日本国憲法の学習
    
*科学的社会主義の理論

   
◇その形態
    
*昔は「職場に『友』を、地域に労働学校を、活動家に勤通大を」
     と言われた。
    
*それぞれの役割は各県の運動状況・条件によってことなるし、
     不変ではない。
    
*集団学習を組織するのが学習運動の基本形態
     
・集団学習と独習のよしあし-『学習の方法』(高田求)参照

   
◇担い手を生み育てる-労働運動をはじめ、民主的なさまざまな
    運動組織への貢献
    
*学習運動は、社会を直接変える力はもたないが、社会変革の
     担い手をつくり出すという重要な役割をもった運動ということ。
    
*どんなにすばらしい運動をしていても、次の担い手をつくりださ
     なければ、その運動はいずれなくなっていく。

 
3。学習運動における労働学校運動の役割と魅力
  
◇入口として
   
*学習の形態としては一番入りやすいのが、講義形式。
    聞くだけでいい。
   
*したがって、学習運動へふれる最初のきっかけとなることが多い
   
*労働学校が継続的に開催できている学習組織は、相対的にみて
    活動が元気
   
*学習運動の魅力を肌で実感した人は、次の組織者になり得る

  
◇労働学校の魅力は何か
   
*70期岡山労働学校「経済学教室」修了アンケートより
    
・「たくさんの人と学べること。いろんな人と勉強すると、自分とは
     違う視点や体験を聞くことができ
て、勉強になります」(25才、男性)
    
・「やっぱり、継続して学べること。そして、人との出逢いがあること
     だと思う」(28才、女性)
    
・「スルメのように噛めば噛むほど味がでるように、来れば来る
     ほど目から鱗が
ぽろぽろと…」(25才、男性)
    
・「人と人つながりが増える」(24才、男性)
    
・「教科書にはのっていないこと、普段教えてもらえないことが、
     具体的に分かりやすく教えてもらえる。
世の中の本質が分かる
     (48才、女性)
    
・「いろんな人と会って話ができる。今回は職場のお話をいろいろ
     聞けておもしろかったです」(20才、女性)
    
・「今回が初めてだったので、世界が広がりました。聞いたことの
     ある話、聞いたことのない話、色々と。新しい人との話もたくさん
     あって、新しい世界が広がりました」(40代、男性)
    
・「色々な個性がある人に出会え、週1回という限られた時間では
     あるけれど、
色んな話ができること」(38才、男性)
    
・「いつでも何歳になっても学習できる!色んな人が集まってくるの
     で、
色んな考え、ものの見方の角度の違いに触れられる。みんな
     で楽しく学習できる!」(24才、男性)
    
・「いろんな職業の人たちに出会えること!」(23才、女性)
    
・「年齢・職種の幅をこえたいろんな人と知りあえる。いろんな考え
     に触れることができる
」(23才、女性)
    
・「色んな人に逢えて、色んな事が学べる! 仕事場、学校以外で、
     年に関係なく、仲良くなれて。
さまざまな考えにふれることで、自
     分の考えの幅が広がる
」(28才、女性)
    
・「継続的に学べるところ。講義のすぐあとに人と意見交換ができる
     とこ。1人ではなかなかできません」(22才、女性)

   
学びの力 交流の力 仲間の力

    ・どれも大切にする、どれも軽視しない
    
・10講義程度の期間があるために、可能なこと

  
◇自分と仲間の成長に出会える運動
   
*『学校』と名づけている理由-「○○講座」ではない
   
*2か月間で受講生が目に見えて変わる経験
   
*学ぶ仲間の存在が、学習の効果を高める

  
◇募集を困難にしている要因は、絶対的な壁か
   
*金がない、時間がない、元気がない。労働組合の課題になりにくい。
   
*本物を見抜く目は、若者自身が持っている。さまざまな壁をのりこ
    える努力をするだけの価値ある運動・組織を、わたしたちがつくりあ
    げられるかどうか。

 
4。学習運動を主体的に担う人びとのタイプ
  
①職場や他の組織・運動に根をはりつつ、自分の持ち場で学習運動を
   広げる人
  
②職場や他の組織・運動に根をはりつつ、自分の持ち場で学習運動を
   広げつつ、学習組織の運動にも役割を担う人(ほとんどいない)
  
③他の組織・運動はそこそこに、学習組織の運動にもっぱら足をつっこ
   み、がんばる人
  
④もっぱら足をつっこむほどではないが、「なにか力になりたい」と学習
   運動に力をかしてくれる人。
  
⑤専従活動家
   
*こうしたタイプがバランスよくいる学習組織は強い
   
*現状は、どのタイプも少なくなってきている
   
*「学習運動とは」を浸透させる努力が学習組織の側にも必要


三。私たちの運動におけるサイエンスとアート
 
1。サイエンスとアート
  
◇サイエンス・・・科学的判断、分析
   
*労働組合とは、情勢の特徴、科学的な方針
   
*科学的なものの見方

    
「わかるけど、やる気がしない、行く気がしない」をどう考えるか
    
・認識論の問題
     …「わかってない」(本当には納得してない)という問題
    
・感性(五感)での共感という問題

  
◇アート・・・伝える力、生み出す力の総合力
   
*「理性」と「五感」に響かせる
   
*情報受信・伝達力、チラシやニュースづくり、ホームページ・ブログ
   
*言葉で勝負する。相手に伝わる言葉かどうか。
   
*オルグ力(話し方、聞き方、空間、時間)、会議力、事務所力
   
*豊かな仲間の存在

 
2。背中がピカピカ光る魅力的な人間、人間集団に
  
◇『学習する組織-現場に変化のタネをまく』
                     (高間邦男、光文社新書、
2005年)
   
*著者の高間氏が、NTT東日本の法人営業本部の役員に、イン
    タビューしたときのこと。「戦略は何ですか」と聞いたら、「学習機
    会をつくる」というのが答えの一つとして返ってた。「学習機会とは
    何ですか」とふたたび聞いたところ、その役員は、「それは
ピカピ
    カ光る背中を持つ人間の周りをウロウロできること
ですよ。しかし
    問題は、ピカピカ光る背中を持つ人間が法人営業に20人しかい
    ないことかな」と言ったそうです。
    
著者はその答えに驚かされて、また納得し、こう書いています。
    
「人は自分の接する社会、つまり周囲の人や本、インターネット、
    様々な経験などから主体的に学習する。その中でも
他者との相
    互作用から一番多くを学ぶ
と私は思う」「今の若い人たちは、子
    供の時分から学校を出るまでの成長過程で接する人物の数が、
    昔よりも少ない傾向にある。・・・その結果、客観主義による勉強
    はしてきたが、
人々との相互作用で行われる社会構成的な学習
    機会が少ない
ので、社会性が低くなる傾向があるのではないだろ
    うか」「
問題は、ピカピカ光る背中を持つ人間に運がよくないとめぐ
    り合えないことである


    
“ピカピカ光る背中を持つ人間”とは、「あんな人になりたいなぁ」と
    いう、目標や目当てになる存在であったり、「あの人がいるとほん
    とうに場が明るくなる」ような人であったり、「なんでも話を聞いてく
    れる人、適切なアドバイスをしてくれる人」であったり。


さいごに:広島労学協の存在は、岡山で活動している私の励みでもあり
      ます。今後もお隣どうし、刺激しあいながら、交流しあいながら、
      がんばっていきましょう!



以上。


講義後の質問・感想交流も楽しかったです。
岡山でもこういう場をつくらねばなー。

どうもみなさん長時間おつかれさまでした。


| | コメント (2)

2007年8月 8日 (水)

早口はよくないなぁ

きょう(水曜)の午後は、学習会で
岡山ひだまりの里病院(民医連加盟病院)へ。

14時半から1時間、職員学習会で憲法の話をしてきました。
参加は43名だったそうです(写真はとりわすれました)。

いつものような憲法の話を早口でペラペラとしゃべってきました。

  「自民党の“新憲法草案”というのは、名前からしてまったく
  新しい憲法だし、99条の憲法遵守規定からしても憲法違反なのでは?」

  「自民党のなかに憲法改正反対の人はいるのか?」

  「憲法を守るために誰でもできることは何?」

というような質問があり、答えてきました。
みなさん真剣に聞いていただき、ありがとうございました(涙)。


参議院選挙の大敗北でさっそく「憲法審査会」の設置が
次期国会に持ち越しになるなど、
改憲スケジュールとその道のりはより混沌となってきています。

国民のたたかいで、改憲発議をさせない、
あきらめさせるところまで、気をひきしめてがんばりたいと思います。

そして、憲法を完全実施させるたたかいも!


| | コメント (0)

2007年7月30日 (月)

これで、ほんとに最後

岡山医療生協の学習月間、これがほんとーの最後、です。
本日15時半から、
みんなの診療所に。参加は9人ぐらい。
これで全17回(約490名の参加)、無事に終了しました。


Dscn2306



 ガラス越しに
 きれいな中庭のある、
 診療所でした。






これまでと同様の憲法話をばーっと1時間、してみました。
選挙の結果で、改憲スケジュールに多少の変更が
起きてくるかもしれませんが。そんなことも付け加えてみました。


| | コメント (0)

2007年7月27日 (金)

同じ時代に生きる仲間

今日(金曜)は、13時からソワニエ看護専門学校へ。
が、今日は授業ではなく、
教務の先生方の学習会で行ってきました。
参加は10名。お忙しいなか、おつかれさまでした。

私が一番年下で、おこがましかったのですが、
要請された内容は、「哲学、ものの見方を中心に」ということでしたので、
「同じ時代を生きる仲間として-学生さんをとらえる哲学的視点」
というテーマで、約1時間半ぐらい話をして、その後30分意見交流しました。

日々学生さんと向きあい、格闘している
教務のみなさんに敬意を表しながら、いろいろと話をしてみました。

では、長いですが、講義内容をそのまま以下、ご紹介します。

一。「人間関係論Ⅱ」の授業で何を学生さんに伝えようと考えたか
 
1。授業に対する私自身の心がまえ(言い聞かせていること)
  
◇学生さんのことを、できうるかぎり、知ろうと努力する
   
*第1講義はすべての時間を自己紹介についやした
    
・長久自身の自己開示、学生さんの人間マップを知る
   
*毎回の感想文を整理し、1人ひとりの特徴をつかむ
   
*講義以外の横道話が学生との距離を縮める

  
◇授業は手抜きをしない(全力でぶつかっていく)
   
*「伝えたいものは何かが、ゆるぎない時、伝わります」
                         (高宮前副校長の言葉)
   
*うれしかった池邊くんの感想文
   
*しかし、失敗の連続でもある

  
◇「あなたに伝えている」-臨場感を大切にする
   
*目の前にいる「あなた」に伝えたい

 
2。学ぶことの楽しさを伝え、学ぶ動機を豊かにする
  
◇読書日記-学ぶ喜びを長久自身が表現する、本の魅力を体で示す
   
*昨年と今年、学生さんに紹介した本
    -この学びで得たことの大きさ
   
*学ぶことへの情熱(パワー)を伝える
  
◇心に響け!「言葉の力」「本と出会う」「人と出会う」「看護のすばらしさ」
   
*考える、感じる材料を提供する-それをつかみとるのは彼ら
  
◇学生さんの反応

 
3。「人間関係論Ⅱ」の基本テーマは、「いのち」と「ものの見方」
  
◇自分と他人の「いのち」の重み、不思議、奇跡、かけがえのなさ。
   
*「いのち」への謙虚さ-「自分の生き方」につながる
   
*生きているということ-矛盾をかかえながら、成長していく
  
◇人間、社会、自分自身にたいする豊かなものの見方を
   
*社会のなかの「わたし」-社会科学の入門書『君たちはどう生きるか』
   
*「いのちの輝き」を奪うものとの対決-たたかう看護師に
    
・9月の「憲法学習」で具体的には語っていく


二。学生さんをどうみるか-哲学的な接近
 
1。対象をありのままに見る-唯物論
  
◇現象することが、そのまま本質ではない
   
*「本質」というのは、簡単にいえばものごとやできごとの本当の
    姿のことで、ものごとやできごとの基礎をなし、その背後にかく
    れていて、表面からは見えない側面をさします。これにたいして
    「現象」というのは、本質のあらわれでた姿のことで、ものごと
    の表面にあらわれた、感覚でとらえることのできる側面をさします。
   
*本質も現象も、まったく別のものではありません。ただ、本質と
    現象がいつも一致しているわけではありません。しばしばはず
    れたり、ゆがんだりして、ときには正反対のかたちをとって現れ
    ることがあります。
   
*さまざまな現実的にあらわれている姿(現象)を手がかりにしな
    がら、その背後にかくれている本当の姿(本質)をとらえようと、
    認識を深める努力をする必要があるのです。

  
◇主観、独断、偏見、経験……ありのままに見ることの難しさ
   
*「看護観察」と「学生観察(人間観察)」は共通

    
ありのままの患者像を観察によって得ようとすることの難しさを
    自覚することから、真の観察は始まる
といってよい。観察のつど
    『今、私の知覚していることは、対象の姿を真に反映しているで
    あろうか』と、自問することを忘れてはならない」
                 
(川島みどり『新訂 看護観察と判断』)

    
「看護記録に書いてある患者さんの状態というのは、ある一断面
    にすぎません。たまたま看護師が見たこと、聞いたことしか書い
    ていない。それ以外の時間を患者はどうしているのかわかりませ
    ん・・・
私たちが知っている患者さんはその患者さんのごく一部なの
    です。私たちは患者さんが24時間どんな思いで、どんな生活をし
    ているかということをほとんど知らない
のです」
                   
(川島みどり著『キラリ看護』、医学書院)

    
「観察の目的は何であるかを見失ってはならない。観察は、雑多
    な情報やめずらし
い事実を積み重ねるためにするものではなく、
    生命を守り、健康と安楽を増進させ
るためにこそ行なう」
                       (F・ナイチンゲール『看護覚え書』)

    
偏見は、生涯を通してたたかわねばならない問題である。如何
    にして曲解した観察がなされるかを理解すれば、偏見は少なくな
    るだろうし、繰り返し自己分析を行うことによって、より少なくする
    ことは可能かも知れない。しかし、残念ながら我々はみな、一度は
    偏見に陥るものである」
(V・ヘンダーソン『看護の原理と実際Ⅱ』)

   
*子どもを愛するということ-無関心とのたたかい
    
<三上満『眠れぬ夜の教師のために』(大月書店、1986年)>より

    
「私は、どの子に対しても、自然な感情で好きになれるという教師
    はまずいないと思います。
子どもは本質的にかなりにくたらしいも
    の
です。素晴らしい側面をもっていると同時にいろいろないたらな
    い側面やゆがみをいっぱいもって生きているのが子どもです」

    
・現代社会ゆえの困難さ、ゆがみを背負った学生たち

    
「私たちが、自然的には好悪の感情をもったひとりの人間だという
    ことをみとめたうえでなおかつ、
私たちは、私たちの前にあらわれ
    るすべての子どもを愛するというたいへん困難なことをやらなけれ
    ばならないのです。それは教師が子どもたちを愛することを義務づ
    けられたプロだからです


    
・看護師が患者へむける目も、同じではないか。
    
・愛は、対象への関心を必然とする。愛そう、愛そうと努力すること
     の中に、私たち自身の成長もあるのだと思う。無関心は差別を生む。

    
「教師たちは、みんなどうも自分の肌にはあわない、気にいらない
    子がいる、とい
う自然的感情とそうとうな格闘をしながら、子どもた
    ちへの愛情をがんばって豊か
にしています。
     
前に、教師を成長させるものは、子どもを愛することができたと
    きの自分自身へ
のこころよさだと言いました。子どもへの愛と、愛
    せた自分への愛とがひびき合っ
てラセン階段のようにのぼっていく。
     
…いままで愛せそうになかった子どもを愛せるようになったとき
    に、教師はそう
いう子どもを愛せるようになった新しい自分を発見
    する」

   
*「教える、教えられる」という関係の以前に、1人の「人間」として、
    また、この
ソワニエの学び舎に集った仲間として、「ともに育ちあう
    関係」を築いていく。
    
・教師自身の「人間観」「生命感」「社会観」が問われる
    
・数万人の看護学生のなかで、ソワニエに集った「同時代をともに
     生きる仲間」「同
じ時間と空間を生きる仲間」として、1人ひとりを
     尊重することから。

  
◇「対象をありのままに見る」ことなしに、「学生さんたちの変化をとら
   える」ことはできない。

 
2。変化をつかむ-学生さんの矛盾にこころよせる
  
◇ものごとを、運動・変化のなかでとらえる-弁証法
   
*静止・固定は相対的、運動は絶対的
   
*運動とは、物質の存在形態
   
*あるものが運動しているということは、そのものがそのものであ
    りながら、同時にそのものでなくなっていくということ
   
*ひとりの人間も、その人でありながら、同時にその人でなくなって
    いく。つまり、つねに運動・変化している。

  
◇ものごとの中には、つねにその内部に相反する要素や傾向がある
   
*これを難しい言葉で、“弁証法的な矛盾”あるいは、“対立物の統一
    と闘争”、といいます。
   
*自分自身のなかに、相対立する要素が存在する

  
◇この事物内部の矛盾こそが、発展の原動力となる
   
*矛盾があるからこそ、前進・発展のドラマがある

   
<ふたたび、三上満『眠れぬ夜の教師のために』より』


    「子どもは、そんなに簡単にひとすじなわでいくものではありま
    せん。私たちが、いいつけたり注意したりすれば、すっと変わっ
    てくれる、というものではないのです。教育というのは、スライド
    を映しているようなわけにはいきません。悪い子が映