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2009年1月16日 (金)

たくさんの自分と一貫した自分

最近読み終えた本。
なんか最近、本を読む集中力が弱っている。
まだ正月ボケが続いているのかもしれない。

『21世紀に語りつぐ社会保障運動』
 (篠崎次男編著・小川栄二・松島京共編、あけび書房、2006年)


若い世代に語りつぎたい社会保障運動論として
つくられた本。
ただ、1章ごとの字数が限られているため、
学びごたえ、読みごたえとしてはイマイチの印象。

取り上げられているのは、
小児マヒワクチン獲得運動、朝日訴訟、
老人医療費無料化運動、沢内村、
森永砒素ミルク中毒事件、被爆者の医療問題。

老人医療費無料化運動の記述のなかに、京都の蜷川知事の
話が紹介されていたが、とても面白く興味深い。
『小説 蜷川虎三』という本があるらしい。これは読んでみたい。



『生涯人間発達論』(服部祥子、医学書院、2000年)

精神医学者の立場をベースに、
人間の一生涯を8つの区分にわけ、それぞれの段階の
発達の普遍的で一般的な特徴を明らかにしようとしたもの。
まあ、医学書の部類に入ります。

かなりの飛ばし読みだったけど、
2080年までを人生の射程においている
私にとっては(本気です)、
やはり最後の段階の「成人後期」(65歳~)が
いちばん興味深く読めた。
そして最後の事例の元校長先生の話は泣けた。

日野原重明さんが立ち上げた「新老人の会」は
75歳からなので、まだまだ65歳で「後期」と定義
づけるのはどうかと思いましたが、まあ一般的には
そうなんだろうと思う。
50歳~65歳を「成熟期」としている点は、
そのとおりだと思う。
50代ですかね、やっぱり。あと16年か…。


青年期のところで説明されていた、
「自我同一性」という概念は、いま大事な問題だと思う。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 自我同一性とは、自分自身が独自のもので、内的不変性
と連続性を維持する能力(心理学的意味での個人の自我)
とその感覚(自信)のことをいう。人間は各自「私は○○であ
る」と自分の名前を言いあらわすとともに、「△△家の息子」
「日本国民としての自分」「日本人としての自分」「女性として
の自分」「看護師としての自分」というように、家族、国籍、民
族、性別、職業等からみた自分をたくさんもっている。そして
他者や社会や歴史と相互にかかわりながら生きる中で、たく
さんの自分を時や場所に応じて使い分けたり秩序づけたりす
る。しかも同時に、ひとりの人間として多面的な自分を統合し、
一貫した自分という存在を確認しながら生きる。これが同一
性である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「自分自身が独自のもの」というのは、
プラスに働けば、自己肯定感につながる感覚となる。

ただ、今の日本では、独自性が大きく個性的な
ひとりひとりの人間を消耗品的なモノ扱いにし、
簡単に「すげ替える」行為がまかりとおっている。
(「非正規切り」だけの問題ではなく、いろいろな分野で)


他者や社会とつながることで、「たくさんの自分」をつくる
ことは、苦しく悩むこともあるが、喜び、生きがいにつながる。
そして、未来に向かっては「一貫した自分」という
ことを確認しながら生きられること。

大事な問題である。





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