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2008年11月17日 (月)

変化とつながり

金曜日(14日)は、倉敷医療生協労組の
みんなの学校(2期目)の3回目。
参加は4名と少なかったですが、中心メンバーと
いろいろ今後についての話もできて良かったかと。

テーマは「
変化とつながり-木を見て、森を見失わず」です。

つまりは弁証法の話なのですが、
いつも講義構成に悩まされます。修行不足です。
それだけ弁証法は奥が深くて、学ぶ範囲も広い。
唯物論はスパッと言えるんですけどね。


以下、講義の概要です。



一。ものごとは、どういうあり方をしているか
 
1。動いている
  
◇法則がある
  
◇物質は、運動している
   
*物質とは。私たちの意識とは独立に存在し、私たちの感覚の
    源をなし、感覚を手がかりとして、認識できるもののこと。自然、
    人間、社会も物質。
   
*物質の存在形態として、“つねに動いている”ということを確認
     しておきたい。
   
*あるものが運動しているということは、そのものがそのもので
    ありながら、同時にそのものでなくなっていくということ。自分も
    他人も、職場も社会も。
  
◇「どうせ…」という言葉に象徴される私たちの認識
   
*しかし、私たちは、ものごとを固定的にみたり、変化しないもの
    と決めつけることが多くある。「どうせ○○だから」という具合に。
  
◇そして、「今までこうだったから…、こうだろう」(経験の絶対化)と
    いう見方も。
   
*自分や他人の過去の経験を、時、所、条件からきりはなして
    固定化し、その尺度ですべてをはかろうとする(ラクだから)。
    しかし、現実は新しい要素を付け加えながら、つねに変化している。
   
*『生きるってすばらしいね』(望月春江、日本看護協会出版会)から
    
・脳死宣告を受けた女性とその家族の体験
    
・「病院の中の医師たちの機械的ともいえる言葉」
    
・「当分変化はおきません」「偶然でしょう」
  
◇運動・変化・発展と連関の法則をあきらかにした理論が、弁証法
    といわれるもの。
   
*ドイツの哲学者ヘーゲルが弁証法の哲学者としては有名

 
2。変化、発展の法則
  
◇量と質
   
【質とは何か】
   
*あるものを他のものから区別して、そのものたらしめている本
    質的な諸性質の総体のこと。つまり、「これはどんなものか?」
    と問われたときに、「これこれこんなものだ」と答える、その「こ
    れこれ」の全体がその事物の質。
   
【量とは何か】
   
*ある事物、あるいはそれを構成している諸要素のあり方を、程
    度の面からしめすもののこと。「多い・少ない」「大きい・小さい」
    「長い・短い」「重い・軽い」「広い・狭い」「遠い・近い」「早い・遅い」
    「深い・浅い」などなど。つまり、「どれだけあ
るか?」と問われて、
    「これこれだけある」と答える、その「これこれ」が、事物の量にあ
    たる。
   
【質と量のつながり】
   
*質と量はバラバラにきりはなされて存在できるものではない。つ
    ねに結びついて存在している。つまり、ある質にはかならず一定
    の範囲の量が対応している。
    
・ものづくりの量と質
    
・一流のスポーツ選手の「質」は、必ず、並外れた練習「量」と結び
     ついている。
   
*たとえ事物の量が変わっても、それが一定の範囲をこえないう
    ちは、事物の質は変わらない。しかし、量の変化が一定の限度
    をこえると、それは事物の質をも変える。
   
*たとえば、「薬」の質は、かならずその「量」と結びついている。適
    切な「量」と結びつかない「薬」は、「薬」ではなくなる。まったく効果
    のないものになってしまったり、逆に人間にとって「害毒」になる。
   
*あるいは、「いい看護」をするための「質」を問題にするときにも、
    「量」の問題と
切り離せない。たとえば、働く時間が極端に長かっ
    たりすれば、それは看護師の疲
労をもたらし、看護の質に影響す
    る。また、「何人の患者さんを、何人の体制でみ
る」という人数の
    問題も、看護の質に関わってくることは明らか。「いい看護をす
る」
    という質を問う場合には、必ず量の側面も問題にしなければならない。

  
◇量の変化が、質の変化に転化する(発展)
   
*ものごとの発展は、まずものごと内部の量の変化からはじまる。
    それはすぐにものごとの質を変えはせず、したがってなかなか表
    面には目立たない。ゆっくりと、長期間、こうした状態での変化が
    進行していく。
   
*そして、それがある段階に達したとき、飛躍的なかたちで質の変
    化がひきおこされる。これが、ものごとの発展過程の法則的すじ道。
   
*したがって、私たちは、めだたない量の変化をけっして軽視しては
    ならない。そのつみかさねが、やがて質の変化をひきおこす。


     ・自分の変化、自分がいる環境の変化
     
・みんなの学校の量と質
     
・労働組合を強くするために

 
3。肯定をふくんだ前進的な否定-「○か×か」「黒か白か」ではなく
  
◇発展の原動力としての弁証法的矛盾・・・対立物の統一と闘争
   
*資本家と労働者
   
*自分のなかの矛盾
   
*他人のなかの矛盾
   
*労働組合の発展の原動力とは?
  
◇発展とは、古い質が、新しい、よりいっそう高度な質に変化すること。
   
*そのさい、古い質は「否定」される。しかしそれは、古い質のなか
    にあった、積極的な内容、未来につながる要素を肯定し、新しい
    ものに引き継ぐという「否定」となる。ものごとを全面的に否定して
    しまうと、発展はない。
   
*ものごとを断面的にきりとって、その瞬間において黒白をつける
    ことはできるが、変化というのは、うねうねと黒も白もふくみつつ続
    くものであり、その中途半端さを洞察する力を身につけることも大事。

    
・ものごとを評価するとき、総括するとき
    
・人の成長



二。つながりのなかで見る
 
1。連関(つながり)を認識する
  
◇物質的なつながり
   
*そのものがまったく独立して存在しているということはない
  
◇働く人びととのつながり
  
◇1人ひとりは、いろんな「顔」をもつ
  
◇人間への見方
   
*医学の進歩も、個々の身体部位の研究蓄積の成果だが、トー
    タルで患者をつかむ見
方の後退。「連関と相互作用の無限にか
    らみ合った姿」が1人の人間。社会も同じ。

   *民医連医療の生命観

 
2。時間的なつながり、比較のなかでみる
  
◇たとえば、日本の医療・福祉問題で考える
   
*過去の医療・福祉政策はどうだったのか
    
・老人医療が無料だった時代、その要因は何か?
    
・社会保障の歴史を学べば、現代政治がみえる
   
*日本のような先進国の医療・福祉政策はどうか?
    
・各国の事情、その歴史的・政治的背景は

 
3。「変わらない」「孤立している」ものの見方は、誰にとって都合がいいか。

    
「形而上学の見かたは、…私たちがともすれば木を見て森を見
    失いがちになるところから生じてくるものですが、ここで注意する
    必要があるのは、それが政治や経済の上で支配的な地位につ
    いているものの利益と結びついてくるということです。つまり、木
    だけを見て森を見させないこと、現状をどこまでも安定した本質
    的に不変のものであるかのように思わせることは、かれらにとっ
    てつごうのいいことなのです」
     
(労働者教育協会編『新・働くものの学習基礎講座1哲学』
                             学習の友社、
1998年)

  
◇「無関心」「あきらめ」「バラバラ」であれば…
   
*人びとが手をつないで、行動することを恐れる支配者層
   
*自己責任論は、連帯と共同を破壊する
   
*部分をみせて、全体から遠ざける

  
◇しかし、本質的なものは、時代をこえて伝わる
   
*蟹工船ブーム(たたかい、連帯、生き方)
   
*つながれば、元気がでる



さいごに:弁証法的なものの見方をどんな場合でも貫くのは、非常に難しい。
      
だからこそ、不断の学習が必要。




以上。





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