不勉強だから…か。
最近読み終えた本。
『社会進歩と女性』(不破哲三、新婦人内日本共産党後援会、2008年)
とっても勉強になったのですが、
一番印象に残ったのは、冒頭で不破さんが、
新婦人の方々から何べんも講師依頼があったが、
「不勉強の分野なので」と断わり続けていた、ということ。
お、お、お、お・・・。
そういう理由で講演を断わっていたら、
私なんてどこでもしゃべれませんよ(笑)。
不勉強だらけですよ。
不破さんの「不勉強だから」というレベルって・・・。
(しゃべったことが活字になる人の言葉の重みですけど)
おまけに、集中的に勉強した、とあるけど、
それがどのような量と質の勉強だったのか…。
私の常識をはるかに越える気がしています。
どんな問題、分野についても、
「根本的に事につうじる努力」という姿勢を、
あらためて学ばせていただいたように思います。
『学びあう 女と男の日本史』(歴史教育者協議会編、大月書店、2001年)
歴史を学ぶというのは、非常にリアルで
面白いなと、あらためて。
固定観念として持っていたものが
いろいろと崩されました。
中世では夫婦別姓も一般的だったとか、
すし職人はもともと女性の職業だったとか。
「性別による労働編成は、時代によって変わるし、
その意味づけも変化する。性別分業は、あくまでも
社会的に決められることであって、『女のほうがも
ともと~だから』とか、『男のほうがもともと体力が
あるから』といった要因で決まるものではない」(73P)
ということが、リアルな歴史研究から実感できます。
時代によって、おかれている立場によって、
家族のあり方、男女の役割、恋愛の姿、
いろいろ違うという点が、ほんとうに興味深いです。
近代、現代の女性たちのたたかいの姿も、
ぜひ知ってもらいたい事実です。
『女性白書2008』(日本婦人団体連合会編、ほるぷ出版、2008年)
これまた、たいへん勉強になりました。
資料もめちゃめちゃ豊富で使える!
「働く貧困層」といった場合、その多くは女性なんですよね。
その点をもっと強調しなければと改めて再確認。
不破さんの本を読んで、この問題での視点が
しっかりしていたので、相乗効果で理解が深まりました。
あらためて驚いたのは、出産前に働いていた女性の
なんと7割が出産を機に退職しているという事実。
先進国で飛びぬけたM字型雇用。
ルールなき資本主義をあらためて、女性も男性も
働きやすい職場環境にすることが、この問題の解決への道です。
私もよく知っている三宅良子さん(DCI日本支部副代表)も、
執筆者の1人として参加されています。
子どもの権利条約にかかわる内容ですが、日本政府の対応にアゼン。
この問題にかぎらず、国連の勧告を無視する、適当に対応する
日本政府の態度には、心底頭にきます。大人でないですよ。
余談。最後の「2007年の年表」を読んでいたら、
こんな面白い記事が。
7月6日
「米アリゾナ大学などの研究チームが行った、アメリカと
メキシコの大学生計400人を対象にした調査(1998年~
2004年、17歳~29歳の大学生の女性210人、男性186人
の日常会話を、2~10日間録音)で、『女性は男性より
おしゃべりだ』という俗説に反し、日常会話で発する言葉
の数ではほとんど差がないことが分かる。同日付の米科
学誌サイエンスに発表」
「俗説」におかされている私には、にわかにこれは信じがたい!(笑)
私の経験にもとづくと、女性のほうがおしゃべりです(一般的には)。
日本でも同じ調査を誰かにしてもらいたい(笑)。
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