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2008年7月 3日 (木)

世界の人権!?

きのう(2日)は、倉敷医療生協の
くらしき診療所&歯科の職員学習会があり、
14時から行ってきました。


Img_1924

 ここでの学習会は
 3度目です。

 参加は20名ほど
 だったでしょうか。



「チベット問題とミャンマーの問題が知りたい」
という職員さんの声があり、
世界の人権状況もふくめて話をしてほしいという、
なんとも難しい要請だったのですが、
「世界の人権、日本の人権」というテーマで、1時間ちょっと、
またもやにわか勉強でしゃべってしまいました。

チベット問題は、『チベット問題とは何か』(大西広、かもがわ出版)の
助けをかりて、ほぼその線で話をしてみました。

ビルマ(ミャンマー)の問題は、
あまり詳しくはしゃべれなかったのですが、
それなりにできたのではないかと思います。

後半は、国際人権法や日本国憲法の先進性について
話をしてみました。
もちろんこちらも素人話なのですが、
この部分のみ概要を紹介いたします。
間違っている部分があれば、誰か教えてください。

自分自身はとても勉強になりました。
久しぶりに世界人権宣言を読みました。


以下。




三。世界の人権と日本国憲法
 
1。世界の人権を考える起点と国際人権法
  
◇世界人権宣言(1948年)
   
*詩人の谷川俊太郎さんが、子ども向けの訳をつくっている
                                 (資料参照)

  ◇この到達からみて、現在の世界は人権問題で満ちている

  
◇世界人権宣言や、国連憲章などをベースに、「国際人権法」が
   整備されてきている
   
*国際人権法は、国籍の違いなく地球上のすべての人間の
    尊厳を守ることを目的として、つくられている。いわば、人類
    社会のルール、となるもの。
   
*国際人権法の主要条約と呼ばれるものは、以下。
    
・自由権規約(「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、1966年)
    
・社会権規約(「経済的、社会的及び文化的権利にかんする国際規約」、
                                          
1966年)
    
・人種差別撤廃条約(1965年)
    
・女性差別撤廃条約(1979年)
    
・子どもの権利条約(1989年)
    
・拷問等禁止条約(1984年)
    
・移住労働者権利保護条約(1990年)

   
*このほか、難民条約、人身売買禁止条約、奴隷制廃止条約なども
    重要。
   
2006年12月に国連で採択された障害者権利条約。日本は批准に
    向け準備中。
   
*このように、国際人権法は、「権利別」というより、「主体別」に人権
    保障の中身を確定することが多い。日本は、7つの主要条約のうち、
    移住労働者に関する条約をのぞけば、すべて入っている。
   
*国際人権法は、人類社会の変化に応じて絶えざる進化を遂げている。

 
2。日本国憲法の開放性・柔軟性、そして先進性
  
◇日本国憲法98条2項
   
*国際人権法の進化の結果が、そのまま国内秩序に編入される
    体制を、日本国憲法はとっている。
   
*優先順位は、「憲法」→「条約」→「法律」となるらしい。
   
*裁判で、国際人権法にもとづいた判例も出てきている

  
◇また、そもそも日本国憲法の人権規定は、世界的にみても先進的なもの
   
*前文の「平和的生存権」は特筆すべきもの。
   
*自由権、社会権もかなり包括的にカバーしている。
   
*理想に燃えていた人びとが憲法をつくった(制定過程はドラマチック)
   
*13条と98条2項は「ドラえもんのポケット」(国際法学者の阿部浩己さん)

   
*しかし、日本国内の人権状況は、はっきり言ってヒドイことになっている
    
・後期高齢者医療制度、働く貧困層、障害者自立支援法、ビラ配りした
     だけで逮捕・・・
    
・国連に怒られている(資料参照)

 
3。「活憲」の時代へ
  
◇権利を知ること、使うこと

  
◇朝日訴訟の教訓-「権利はたたかいとるもの」(朝日茂さん)

    
「生粋の庶民といってよい朝日茂さんが、なにゆえに、歴史上数
    ある英雄も顔負けの勇気と果敢な意志、不撓不屈の粘りをもって、
    その短い後半生を『権利は闘いとるもの』という理念に捧げたの
    か。その力の源は、要するに、一方での人間らしく生きる権利に
    たいする深い洞察と、他方での『合法的殺人』と呼ぶべき非人間
    的な生活を強いる国家権力に対する怒り、この二つに求められ
    る。朝日さんは、普遍的人権に対する洞察と確信が非人間的生
    活を強制する権力と衝突し、そこに発する火花を生きる力として
    50年の人生を生き抜いた。これは、21世紀に生きる一人ひとり
    の個人が、いかにして生きるべきかを問うときに、一つのヒントを
    提示するものにほかならない」
     (二宮厚美「朝日訴訟が現代に問うもの」、『人間裁判』所収)

  
◇コスタリカでは、「活憲」があたり前に行われている
   
*人口約400万のコスタリカで、年間12,000人が「違憲訴訟」を
    起こすという。
   
*大統領に勝利した大学生など

  
◇憲法前文の精神で真の国際貢献を

    
「わたしたちは、平和をまもろうとつとめる国際社会、この世界
    から、圧政や隷属、抑圧や不寛容を永久になくそうとつとめて
    いる国際社会で、尊敬されるわたしたちになりたいと思います」
                               (池田香代子訳)

   
*第2次世界大戦後、63年間、直接の戦争には参加してこな
    かった唯一の先進国としての“ブランド”(ただしアジア諸国に
    ついては、侵略戦争の戦後責任の問題がある)。
   
*経済力もある。「お金」は、使いようによって、人を救う絶大な
    力をもつ。



さいごに:事実を知ること、権利を使うこと



以上。



最後に全国集会in
倉敷の宣伝もしてきました。

ところで、準備するにあたって、

社会権規約の第3回報告書を2006年6月末までに
提出せよと国連の社会権規約委員会から勧告されている
日本政府だけれど、いまだ提出していないのはなぜか?
と疑問に思い、外務省に電話して聞いたら、
「作業が膨大なため」というのが担当者の答えだった。

「ほんとかなぁ」と疑りたくなる。
2001年の総括所見でかなりこっぴどく怒られているし、
後期高齢者医療制度や障害者自立支援法など、
基本的人権の側面からみて重大な問題が起きている
ので、できるだけ遅らせようとしているのでは?と思ったけど、
疑りすぎですかね? 遅れている事実は確かなんだけど。


学習会のあとは、結構質問が出されて、
「さすが倉敷!」と思いました。




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