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2008年6月10日 (火)

ソワニエ本多し

最近読み終えた本。

この時期はどうしても
ソワニエ本の比重が多くなる。
どれも有意義な学びが得られるので
いいのだけれど。

『老いるもよし-臨床のなかの出会い』(徳永進、岩波書店、2005年)

ソワニエ「読書日記」7冊目。

大好きな徳永医師の本。
この人のすごいところは、
患者さんとのなにげないやりとりや日常のなかに、
「大切な意味のあること」を見いだす力、だと思う。

平易な文章で読みやすく、
さわやかな気分になる1冊。
なにより、「老いるもよし」という、
本のタイトルがいいじゃないですか。
後期高齢者医療制度と正反対です。



『ナイチンゲール 神話と真実』
       (ヒュー・スモール、田中京子訳、みすず書房、2003年)


ソワニエ「読書日記」8冊目。

先日も紹介したが、
ナイチンゲールが、自らの過ちとどう向き合ったのか、
その後の人生をどう生きたか、を追及した1冊。

川島みどりさんが、「事故論(過誤論)のモデルとなる」
と指摘しているが、まったく同感。学ぶところが多い。

全体的に、「この著者はナイチンゲール嫌いなんかなぁ」と
思える雰囲気をかもしだしているが、
ナイチンゲールの2通の手紙を根拠に、大胆な推測を
している部分は、説得的だ。

ナイチンゲールの伝記ものは、
ほぼずべて「100%賛美型」なので、
これはこれで、なかなか刺激があったと思うけど。

ナイチンゲールも「歴史のなかで読む」という
読み方をせねばならない。


『コード・グリーン 利益重視の病院と看護の崩壊劇』
 (ダナ・べス・ワインバーグ、勝原裕美子訳、日本看護協会出版会、2004年)


ソワニエ「読書日記」9冊目。

マグネット・ホスピタル(医療従事者が集まってくる病院)の

1つで、世界的にも有名で、ボストンにある、
ベス・イスラエル・ディーコネス病院の看護の
崩壊劇の過程を、若い社会学者が聞き取り、調査をし、
分析・評価したもので、米国の医療政策の失敗を明らかにしている。


著名な院長と看護部長を退職させ、
ビジネス・コンサルタントに経営の実権を握らせたことで、
あっという間に医療・看護の質が低下し、
有能な誇り高い医師や看護師が辞めて
しまった経緯がリアルにわかる。


率直な感想は、「こんなにも簡単に看護が崩壊するのか」
というもの。
利益重視の病院経営の波が看護に押し寄せるとき
(看護部の地位低下、ケアの主体性の後退、看護師の
人員不足など)、
看護師の「働く喜び、誇り」をたやすく奪い去るということ。
それが「燃え尽き症候群」となり、離職率の上昇に
つながっていく。
看護師不足、地域医療の崩壊と言われている日本の
医療情勢を考えれば、これは遠いアメリカの話ではなく、
まさしく日本の「看護の危機」に警鐘をならす
1冊。


『医者が泣くということ』(細谷亮太、角川書店、2007年)

ソワニエ「読書日記」10冊目。

尊敬する小児科医。「小児がん」の専門医です。
細谷亮太さんの本はたぶん5冊目。

今週と来週の授業は、この細谷先生の
NHK教育の番組のビデオを見ます。
昨年7月に放映されたものです。

なんと、今年の7月にまた再放送されるみたいです。
近づいたら「見ようぜ!」の宣伝したいと思います。

この本は、日記風エッセイで、読みやすく、
激務をこなされている細谷先生の仕事や日常の
生活のことなどがわかる貴重な1冊。
毎年の四国お遍路の旅日記も、とても面白い。


『自衛隊の国際貢献は憲法九条で-国連平和維持軍を統括した男の結論』
                      (伊勢崎賢治、かもがわ出版、2008年)


PKOとか、武装解除とか、
はっきりって今まであいまいなイメージしか
もっていなかったが、
これは非常にリアルに紛争地域の現場で
起きていることや、パワーバランスなどがわかる。

憲法9条をもつ日本は、アフガニスタンなどで、
「美しい誤解」(非暴力の中立的イメージ)という特長をもち、
「日本のやつの言うことなら」と信用されるという。
日本にしかできない役割とは。問題提起の1冊。

九条を使って、日本にしかできない
戦略的な外交を展開することが、21世紀の
おおきな課題。貴重な現場からの声。

それにしても、自衛隊って、
つくづく不思議な軍隊だと思う。
自衛隊の勉強も少ししてみたい。


『そうか、もう君はいないのか』(城山三郎、新潮社、2008年)

作家、城山三郎と、その妻との
出会いから別れまで。

引き込まれるように、2時間で一気に読む。
ほんとうにステキなカップルだったんだな、と思う。
最後は泣けた。

城山さんの小説も、何冊か読んでみようかなぁ。





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