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2008年4月16日 (水)

元旦から『宣言』かぁー

最近読み終えた本。
それぞれ読んだ理由はそれなりにあるのだが、
いつものように系統性まったくなし。


『芸術論ノート』(永井潔、新日本出版社、1970年)


文章をどうしてここまで難しく書くのか
わからないが、かなり読みづらかった。

「形」の認識から、美的感情や芸術は生まれたということ、
その形も、道具や生産物という、人間がつくりだした「形」が
出発点だったことなど、確認したかったことは、確認できました。


『心やさしきネパール-精神科医も癒されたトレッキング紀行』
                  (中沢正夫、山と渓谷社、1996年)


ネパール行きたい気持ちが
ふくれあがりました!

死ぬまでに、世界最高峰の山脈の
峰々を眺めてみたい。すごいんだろーなぁ。


『紙屋克子 看護の心 そして技術』
 (NHK「課外事業 ようこそ先輩」制作グループ+KTC中央出版編、
                            KTC中央出版、2001年)


「看護・医療」読書日記、今年の1冊目。

私もたまにみるNHKの「課外授業 ようこそ先輩」に、
看護師、紙屋克子さん(現筑波大学教授、専門は看護学)が出演。
北海道の母校で、「看護とは」「看護の心と技術」について
子どもたちと学びあう。

指一本で体位を変えてしまう技術に
まずビックリする。
紙屋さんの看護師としてプロ意識もすばらしい。
新人時代に、意識障害をわずらった患者さんの
家族から投げかけられた、
「これでは助けてもらったことにならない!」の言葉が、
看護の役割と独自性を考える出発点になった、という
話も教訓的。

「無関心ゲーム」「おじいさん・おばあさんへの聞き取りの宿題」
など、参考になるところもたくさん。


『手仕事の日本』(柳宗悦、岩波文庫、1985年)


民藝運動(みんげい)の創立者、柳宗悦さんの
日本の手仕事探訪記、ですね。

日本に残る、名もない職人たちによる「手仕事」の
数々を教えてくれています。
ずいぶんまえの著作ですので、
ここに描かれている「手仕事」でなくなってしまった
ものもたくさんあるんだろうと思います。

「元来我国を『手の国』と呼んでもよいくらいだと思い
ます。国民の手の器用さは誰も気付くところでありま
す。手という文字をどんなに沢山用いているかを見て
もよく分かります。『上手』とか『下手』とかいう言葉は、
直ちに手の技を語ります。『手堅い』とか『手並みがよ
い』とか、『手柄を立てる』とか、『手本にする』とか皆
手に因(ちな)んだ言い方であります。『手腕がある』
といえば力量のある意味であります。それ故『腕利(う
できき)』とか『腕揃(うでぞろい)』などという言葉も現
れてきます。それに日本語では『読み手』、『書き手』、
『聞き手』、『騎(の)り手』などの如く、ほとんど凡(す
べ)ての動詞に『手』の字を添えて、人の働きを示し
ますから、手に因(ちな)む文字は大変な数に上りま
す。
 そもそも手が機械と異なる点は、それがいつも直接
に心と繋がれていることであります。機械には心があ
りません。これが手仕事に不思議な働きを起こさせる
所以(ゆえん)だと思います。手はただ動くのではなく、
いつも奥に心が控えていて、これがものを創らせたり、
働きに悦びを与えたり、また道徳を守らせたりするの
であります。そうしてこれこそは品物に美しい性質を
与える原因であると思われます。それ故手仕事は一
面に心の仕事だと申してもよいでありましょう」


『観の眼 見の眼-服部文男随想集』
『思想の巨人を偲ぶ-服部文男追悼集』
        (服部文男先生の思い出を語る会、2008年)


先日亡くなられた、経済学者・社会思想家の
服部文男さん(東北大学名誉教授)の随想集と追悼集。

いつも思うのだが、一流の人は、
どうしてこんなに謙虚なのだろうか。
思想の『巨人』にふさわしい、服部先生の
あれこれを学ぶことができました。
語学力もすごかったんですね。


印象に残った(ビビッた)話をふたつ。

追悼集で、友寄英隆さんが、
「もうだいぶ以前に先生からいただいたお手紙の
なかで、
毎年、元旦には朝一番で『共産党宣言』
などの基本文献を読み直して、気分を新たにして
から、一年の仕事をはじめるのを習慣にしている

おっしゃられたことがありました」と書いていたこと。

・・・本物の共産主義者ですねshine


これも追悼集のなかから、鈴木英實さんの文章。

「趣味は『六法全書の間違いを指摘して、出版社
より図書券の謝礼を戴くこと』という言葉の緻密さ
厳密さ。ただ重箱のすみをつつくのではなく、その
中に重大な誤り、問題が潜んでいること、それを
手ほどきを受けた中で教えられました」

言葉の緻密さ厳密さ。
性格がいいかげんな私の課題です。
服部先生の姿勢から、少しでも学んでいきたいと思います。





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