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2008年4月17日 (木)

手から考える

きのう(16日)は、福祉保育労岡山支部
執行委員会へ。恒例の学習会です。

会場は、ちょっといつもと違い、
岡山市のA保育園の近くの喫茶店。

Img_1720
 かなりなごやかな雰囲気で。

 参加者は10名。
 この4月にA保育園に
 就職した保育士さんも
 参加してくれました。
 うれしー。


きのうは
「手を考える、手から考える」
というテーマで、初めて「手」をテーマにした
話をしてみました(明日もソワニエでするのだが)。
「労働組合と『手』」の話も、初めて。
まだまだ抽象的な話も多く、発展途上ですが。

福祉・保育労働者にとっても「手」は
仕事に直接に関わる重要なテーマで、
講義はなかなか評判が良かったようです。

感想交流では、それぞれの方から、
子どもの発達と手の関係、
障がい者の手の使い方など、
「なるほどなぁ」という貴重な話がたくさん聞けて、
とても学ぶことが多かったです。さすがプロ。

もっと『手』については深めていきたいと思います。



では、以下、講義の概要です。


一。人間の手の働き
 
1。絵本『てをみてごらん』
(中村牧江さく・林健造え、PHP)

   
てをみてごらん
   
きみのてと ともだちのて
   
あくしゅをすれば もうなかよしだ
   
あかちゃんのては いつもあまえている
   
きみが おこっているとき ても おこっている
   
かんがえているときは こんなかんじ
   
だいじな やくそく
   
みんなでなにかをきめるとき
   
うまくいったら やったあ!
   
ほかには どんなこと?
   
はるは そっと うけとめる
   
なつは めずらしい おきゃくさま
   
あきは いっぱいみつけて わけてあげる
   
ふゆは いっしょに あたろうよ
   
きみのては いまなにをしているの
   
それから なにをするの

     
「手は表情豊かです。たとえ言葉で何も言わなくても、
    手の動きやかたちで、喜怒哀楽、やさしさ、拒絶など、
    人の気持ちをこまやかに表現していることをご存じでし
    たか?
     
本書は、紙でつくった繊細な手のイラストによって、手
    が表現するさまざまな思いや役割に気づかせてくれる
    絵本です。
     
仲良しになる握手、おかあさんの手に甘えて包まれる
    赤ちゃんの手、おこったときにぎゅっとにぎった手、何か
    を考えているときの手、約束のゆびきり、じゃんけんの
    ぐー・ちょき・ぱー、「やったー!」のブイサイン、花びらを
    そっと受け止める手、トンボがとまる手、どんぐりを集め
    てだれかと分け合う手、四葉のクローバーをつまむ手、
    それをだれかに渡す手、たき火にかざす手…など、ふだ
    んは気にもとめない自分の手や人の手に出合えます」
                 
(出版社ホームページ「解説」より)

 
2。人間の手はどんな働きをするか
  
◇人間の手の働きあれこれ
   
「書く」「打つ」「つかむ」「なげる」「ぶつける」「ひっぱる」
   「むしる」「はじく」「つまむ」「おす」「むすぶ」「ふれる」
   「なでる」「抱く」「つつむ」「かきむしる」
「さわる」「ひく」
   「さぐる」「にぎる」「さす」「すくう」・・・

   
*また、手は「熱い」「硬い」「痛い」「形」など、たくさんの情報
    を脳へ伝える
   
*「道具」を使って何かに働きかける-労働が人間らしさをつくった
   
*相手に物を渡したり、相手から受けとったりする、つまり手が
    「他者との媒介」に。

  
◇手にまつわる言葉ー日本語は「手」をたくさん使っている
   
*運転手、選手、助手、歌手、騎手、働き手、聞き手、やり手、
    手先、名手、相手、担い手、受け手、なり手・・・。「手」という言
    葉がそのまま人間をあらわすものとして使われていることにも、
    人間にとっての「手の重要性」があらわれている。
   
*「手をぬく」「手伝い」「手をやく」「手がでる」「手ざわり」「手さぐり」
    「上手・下手」「手堅い」「手本にする」「手柄」・・・

二。手と心ー人間性や感性
 
1。絵本『わたしの手はおだやかです』
          
(アマンダ・ハーン文、マリナ・サゴナ絵、谷川俊太郎訳)

   
これがわたしの手
   
わたしだけのたいせつな手
   
つみとる ことが できます
   
だきしめることも
   
なげることが できます
   
しっかりつかむことも
   
ふせぐことも
   
じぶんの 手のこと わかっているかな?
   
手は わたしが いなければ なにも できません
   
手は わたしが してほしい ことを してくれます
   
あそびたいときは つくったり つかんだり かくしたり
   
はたらくときは たたいたり かいたり かぞえたり
   
それはどれも わたしが えらんだこと
   
わたしは えらびません・・・
   
ぬすむこと おしのけること きずつけること 
   ひったくること こわすこと
   
わたしはすき かわいがるのが なでるのが
   
くすぐるのが わけあうのが わたしの手で
   
だから わたしの 手は おだやかです

      
「ふだん私たちはあまり意識せずに手を使っています。で
      も気がついてみると、手にかかわる言葉はいっぱいありま
      す。『手当て』『手伝い』『手に入れる』『手を抜く』『手を焼く』
      などなど、あげ始めるときりがありません。からだの一部で
      ある手は、人間のさまざまな行為のたとえにもなっていて、
      手は使い方ひとつで良くもなれば悪くもなるのだということを、
      この絵本は教えてくれます」(谷川俊太郎)

 
2。手と心
  
◇赤ちゃんや子どもの手の動作や運動から、こころの発達を知る
   ことができる

  
◇手仕事と内面

    
「そもそも手が機械と異なる点は、それがいつも直接に心と
    繋がれていることであります。機械には心がありません。こ
    れが手仕事に不思議な働きを起こさせる所以(ゆえん)だと
    思います。手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えて
    いて、これがものを創らせたり、働きに悦びを与えたり、ま
    た道徳を守らせたりするのであります」
             (『手仕事の日本』柳宗悦、岩波文庫、1985年)

三。「手」から考える労働組合
 
1。手渡され、手に入れ、手渡す-過去から現在、そして未来へ
  
◇労働組合そのものが、先人たちのたたかいがつくりだしたもの
   
*つくり出すエネルギーの大きさ、なぜそこまでして労働組合が
    必要だったのか
   
*人間らしい働き方、人間らしい生活をもとめて
                     -あきらめなかった人びと

  
◇労働組合は、いまや基本的人権の重要な1つ
   
*日本国憲法28条に保障されている
   
*信じて託された権利

     「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の
     多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの
     権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に
     対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの
     である」(97条)

  
◇私たちのいまある(手に入れている)権利や働き方は、こうし
   た先輩たちのたたかいの成果

  
◇それを、未来の仲間に手渡す責任が、私たちにはある
   
*より充実したバトンとして手渡したい

 2。手をつなぐ(結ぶ)-団結をひろげて
  
◇手をつなぐことの意味
   
*人間だけが手をつなぐ
   
*あたたかさ・ぬくもり(微温)-ヒューマニズムの原点

  
◇人類は集団で助けあって労働・生活し、進歩してきた
   
*人間には、いろんな能力があって、補いあいながら、社会を
    つくってきた
   
*「勝ち組・負け組み」「自己責任」は、人間の孤立

  
◇「他人の痛み」をほっとけないという感覚を大事に-手をつなごう!
   
*職場の仲間と、地域の人びとと、同じ思いをもつ福祉・保育労
    働者と、よりより社会をめざす日本中の人びとと、そして同じ世
    界に生きる人類と。
   
*団結の「結ぶ」の意味。「夢をむすぶ」「実をむすぶ」「結実」。
    「むす」という動詞は「生す」と書く。「結ぶ」ことは、「生まれる」
    こと。ちなみに「団」は、「かたまり」という意味。

 
3。1人ひとりが、学び手に、そして労働組合の担い手に
  
◇たたかう相手はだれかを見極めるために、学習を

  
◇労働組合の主人公は、1人ひとり
   
*自分や職場の可能性を引き出す組織
   
*自分の仕事に誇りと喜びを育てるために
   
*貧困や差別、社会的苦しみを解決していくために



以上。



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