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2008年4月 5日 (土)

5回講座終了。

きのうは古典講座『空想から科学へ』
5回目、最終回でした。
参加は4名とやはり少なかったのですが、
しっかり勉強しました。

最後の講義は
「マルクスの未来社会論」という
題で、資本主義をのりこえる社会発展の展望と、
未来社会の特徴と可能性についての話でした。

21世紀に入って、新しい理論発展が
切り拓かれた分野でもあり、しゃべるほうとしても
たいへんやりやすくなっています。
これまでの分配論中心は、たしかにいま考えると
貧困な未来社会論だったなぁと。

5回の講座を担当してみて、
古典をしゃべる力量の不足を痛感するとともに、
あらためて古典と格闘するなかで、発見がたくさん
あったなぁと思います。

科学的社会主義の理論がつねに時代とともに
進化していくように、私も進化し続けたいと思います。
参加されたみなさん、ありがとうございました。
来年も古典講座やりますよ!(たぶん)


以下、講義の概要です。



一。未来社会の目標とその実現の道
 
1。科学的社会主義以前の、未来社会論の特徴
  
◇フランス革命の頃から、社会主義・共産主義を目指す
   思想や運動はあった
   
*空想的社会主義
    
・頭の中で理想社会を描いて、それを外から社会に持ち込もうとした

 
2。矛盾解決の方法
  
◇利潤第一主義にならざるを得ない生産のあり方の転換
   
*資本主義は効率的な社会なのか(資料)
   
*「自然の復讐」(エンゲルス)

  
◇生産手段の私的所有から、社会的所有へ-「生産手段の社会化」

    
「この解決はただ、現代の生産力の社会的性質を実際に
    承認し、したがって生産様式、取得様式、交換様式を生産
    手段の社会的性格と調和させるということのうちにしかあり
    えない。そしてこのことは、社会がみずから管理する以外
    にはどのような管理も手におえないまでに発達した生産力
    を、社会が公然と、率直に掌握することによってのみ、おこ
    なうことができる」(テキスト3章)

   
*社会化=国有化という単純な議論は禁物
   
*「将来の世代の手を縛らない」というのがマルクスやエンゲルス
    の立場

 
3。変革の主体となるのは誰か
  
◇プロレタリアート(労働者階級)
   
*「没落しないためにこの変革をなしとげることを強要されている勢力」
   
*「自分の鎖のほかに失うものはなにもない」(『共産党宣言』)

    
「絶えず膨張するところの、資本主義的生産過程そのものの
    機構によって訓練され結合され組織される労働者階級の反
    抗もまた増大する」(『資本論』24章)



二。未来社会と人間的発達
 
1。『資本論』なかでの未来社会の特徴づけ(資料)
  
◇生産手段の社会化と人間の自由

  ◇経済の意識的、計画的な管理
  
◇「結合した生産者たち」とは

 
2。マルクスの未来社会論(資料)-「自由の国」と「必然性の国」
  
◇物質的生産の領域は、外的な目的に規定された「必然性の国」に
   属する
   
*人間の労働(生産活動)は、自然との物質代謝の過程
   
*未来社会では、労働が本来の人間的な姿をとりもどす
  
◇「自由の国」が人間の全面的発達の舞台となる
                      -労働時間短縮がその条件

 
3。労働時間の短縮と未来社会-『資本論』の準備草稿から

    
「真実の経済-節約-は労働時間の節約(生産費用の最小
    限〔と最小限への縮減〕)にある。だが、この節約は生産力の
    発展と一致している。だからそれは、享受を断念することでは
    けっしてなく、生産のための力、能力を発展させること、だから
    また享受の能力をもその手段をも発展させることである。・・・
    労働時間の節約は、自由な時間の増大、つまり個人の完全
    な発展のための時間の増大に等しく、またこの発展はそれ自
    身がこれまた最大の生産力として、労働の生産力に反作用を
    及ぼす。・・・余暇時間でもあれば、高度な活動のための時間
    でもある、自由な時間は、もちろんそれの持ち手を、これまで
    とは違った主体に転化してしまうのであって、それからは彼は
    直接的生産過程にも、このような新たな主体としてはいってい
    くのである」 
(『資本論草稿集2』)

   
*活動家にとっても、自由な時間(余暇)の確保は、義務なのです(笑)

    
「時間は、諸能力などの発展のための余地である」

    
「労働時間は、たとえ交換価値が廃棄されても、相変わらず
    富の創造的主体であり、富の生産に必要な費用の尺度であ
    る。しかし、自由な時間、自由に利用できる時間は、富その
    ものである。・・・この自由な活動は、労働とは違って、実現さ
    れなければならない外的な目的の強制によって規制されては
    いないのである」 (『資本論草稿集7』)

 
4。人間の「潜在的な諸能力の開花」の2つの側面(資料)


三。21世紀の時代的特性について

 1。世界は、動いている
  
◇世界の構造的変化-経済的な土台(力関係)の激動
   
*アメリカ経済の地位の変化
  
◇新しい社会を模索する力強い取り組み-南米の変革、EUの挑戦など
  
◇日本も、自民党政治の終焉が近づいている-新しい変革期に

 
2。すべての段階で「国民的合意」によって改革がすすんでいく
  
◇選挙をつうじての国民的選択
  
◇世界的には、国連を中心に

 
3。自分で自分の歴史を意識的につくる時代

    
「21世紀は、『自分で自分の歴史をつくる』人間の力が、20世
    紀よりももっと積極的に、もっと大規模に発揮されなければなら
    ないし、その条件のある時代」
    
(不破哲三「新しい世紀と新しい綱領」民青同盟31回全国大会講演)

  
◇エンゲルスがとらえる「現代」の意義

   
*ドイツのデューリングという論争相手が、「未来社会の人間は、
    われわれの時代を、精神的に未熟で幼稚な『太古』として軽蔑
    的にふりかえるだろう」と、現代を卑下した態度をとったのに対
    して…

    
「この『太古』は、のちのいっそう高度な発展全体の基礎である、
    という理由で、また、人間が動物界から出現してきたことをその
    出発点としており、協同社会をつくった将来の人間がふたたび
    ぶつかることのないようなたいへんな困難を克服してきた経過を
    その内容としている、という理由で、―どんな事情があろうと、将
    来のすべての世代にとっていつまでも歴史上のきわめて興味深
    い一時代であり続けるであろう」
                   (F・エンゲルス『反デューリング論』)


講座を終えるにあたって




以上。






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