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2008年3月13日 (木)

ストレス「善玉」論

最近読み終えた本。
まったく系統性なし。


    ,
『信じぬものは救われる』(香山リカ×菊池誠、かもがわ出版、2008年)


「いろんな人と話していて必ず話題になるのは、
江原さんは、いったいどれぐらい意図的にやって
いるかということ。みんな知りたいと思っている。
ウソ発見器とか付けてみたいです『誰にも言わな
いから、本当はどう、ちょっと言ってみて』って聞い
てみたい」


世の中の世相をキャッチする力に抜きん出た、
精神科医の香山リカさんと、『水からの伝言』問題を
きっかけに、ニセ科学への警鐘をならす物理学者・
菊池誠さんの、テンポよい対談本です。


だます人、だまされる側の人びとの、立場や精神
構造にスポットをあて大きな社会背景も視野に、
オカルト、スピリチュアル、ニセ科学、単純思考
などが、幅広く語られます。


そうか、江原啓之のあのガタイは計算的なもの
なのかもなぁと、妙に納得したり。
頭から否定するのではないスタンスにも共感。


血液型性格判断、マイナスイオンなど、信じる人が
多い、根深い問題も語られ、おもしろい。


「知識は役に立つとかだけでなく、多分、考えを
自由にしてくれるとか、幅を広げてくれるとかいう
ことが理解できればいいですよね」(香山)

「格差社会とかワーキングプアとかいう現実がある
ときに、あきらめてしまわないために必要なのは、
やっぱり知識でしょう」(菊池)

最後は市民運動への注文も。


『原爆災害-ヒロシマ・ナガサキ』
 (広島市・長崎市 原爆災害誌編集委員会編、岩波現代文庫、2005年)


まだまだ知らないことが多くあるなぁと実感。
淡々と事実を叙述するスタイルで、
証言はあまり出てこないが、その分、
原爆被害の実態を冷静に多面的に検証している。


『毀(こわ)された「日本の食」を取り戻す』
                 (滝澤昭義、筑摩書房、2007年)


だいたい知っていることが多く、
知的刺激は少なかったのですが、
あらためて、日本の食の問題を
整理しなおしました。

「日本の伝統文化に誇りを」といっている
自民党の政治家連中が、
日本人のすぐれた伝統文化である
「日本の食」と、「日本人の命」をアメリカや
外国に売り渡すという恐ろしさ。

お米ダイスキ、日本の食文化ダイスキの
私としては、ほんとうに許せん!!


『ストレス「善玉」論』(中沢正夫、岩波現代文庫、2008年)

これはスマッシュヒットの1冊!


著者は、先日の読書日記でも紹介した、
『ヒバクシャの心の傷を追って』(岩波書店)の、
中沢正夫さん。民医連の精神科医の方です。

『ヒバクシャ…』を読み、巻末にあった著者紹介や
ネット検索で、中沢さんには他にも読みごたえの
ありそうな本がわんさかあることを知りました。

さっそく6冊ほどめぼしをつけて購入。
読み始めています。

この『ストレス「善玉」論』は、すばらしくおもしろい!

何より、中沢さんの文章は、読んでいて楽しい。
そして、洞察は深くて、思考は柔軟。

中身は、現代人、とくに職場をめぐるストレスへの
対処法、思考法なのですが、
ひと言でいえば、まさに弁証法、なのですよ。

それは、ぜひ読んでみてください、としか言えないのですが。

紹介したい内容が多すぎるときは、
とりあえず、目次のみの紹介、とします(笑)。


第1章 ストレス「悪」論の時代
 ストレスについて書くことはストレスである
 私のストレス「病」暦
 体が泣く時代なのだ
 ストレスは悪玉なのではない
 ストレス下で症状を呈す人のほうが正常なのである
 ストレス弱者論はなぜ出てくるか
 “いなす”しかない
 まとめと蛇足

第2章 ストレス国の住人たち
 1.恐怖のトイレ人「類」考
 2.「やさしさ」について
   ある離婚
   やさしさと弱さ
   家出する親たち
   娘も新人類
   「真」人類考
 3.主婦と住居と狂気と
 4.蒸発願望について

第3章 精神科医“初老”日記
 1.中年期危機について
 2.私のノイローゼ
 3.「老い」への身づくろい
 4.わくら葉の夏

第4章 心の安定装置
 1.「正常な心」についての極私的定義
 2.性格に良し悪しはない
 3.心の安定装置について
 4.“好き嫌い”に理由はない
 5.読者への5つの追伸
   自惚れのすすめ
   新「親馬鹿」のすすめ
   「思いきりの悪さ」のすすめ
   病むことのすすめ
   反骨のすすめ

第5章 安心のための十ヵ条
 1.逃げられるだけ逃げよ

 2.浮気せよ
 3.時々、自分にきびしく
 4.グチをいえる人を二人つくる
 5.いつも悪いほうの結果を予測しておく
 6.自分の生活のくせ、パターンを分析しておく
 7.八方ふさがり「一歩」をつく
 8.不利のなかの「有利さ」を「待つこと」
 9.もう1人の自分をつくる
 10.もう既にストレス症状がでている人のために

補遺 職場の同僚が潰れたとき、復帰してくるとき
 1.同僚が潰れそうなとき
 2.休まれてしまったとき職場でなすべきこと
 3.回復して出てくる人の迎え方
 4.もとのペースに戻すまでの期間の長い援助
 5.事例から学ぶべきこと



ある意味でのいいかげんさをもつこと、
中途半端さに意味をもつ力、
原則的だからこそ柔軟な発想が可能。

いろんなことを教えられる本です。
職場の矛盾につぶされそうな労働者のみなさん、
忙しい活動家のみなさん、
深刻になる前に、ぜひ一読を。




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