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2008年3月31日 (月)

山口県学習協総会へ

土曜日(29日)は、
山口県学習協総会の学習会に。

Img_1708

 13時、
 会場の山口県労連会館へ。
 3階建ての立派な建物であった。
 看板もかなり目立つ。

 岡山にもこういう
 会館があればなぁ。









Img_1709
 総会の様子。
 F江会長の元気なあいさつで
 始まり、I田事務局長の報告。
 勤通大の取り組みや、
 倉敷集会への参加も
 呼びかけられる。
 山口の倉敷集会への
 参加目標は40名!

総会後、14時10分から学習会に。
参加は約30名でした。
県労連会館が会場ということもあり、
そうそうたる幹部のみなさんも参加されて
いたようであります。ヒョエ~。

約90分間、
「私たちの働き方と労働法制をめぐる情勢」
というテーマで話をしました。
明らかな勉強不足の分野でありますが、
なんとかなったような気もします。
講義の前半部分は
せっかくなので学習協らしい話にしてみました。

終了後、いくつか感想や質問をいただき、
16時すぎには終了。

I田事務局長(山口高教組の専従の方でもあります)と
周南市職労のK田さん(書記の方です)と一緒に
新山口駅までいき、居酒屋へ突入。

17時に始まり、21時少し前まで、
4時間もいたんですね~。
学習会の感想や、山口県の労働運動の状況、
I田さんが4月からプロ専従になる話など、
とーってもおもしろいお話ができました。
ありがとうございました。が、少々飲みすぎました(笑)。

帰りの新幹線ではほぼ寝てました。
この日も自宅へ帰ったのは23時頃でありました。


では、講義の概要を以下。




一。働くことの意味と人間らしさ
 
1。私たちの暮らしは、無数の人びとの労働によって支えられている
  
◇人間社会を成り立たせている、絶対条件
  
◇自由の拡大-分業の発達。1つひとつのモノや技術には、
            歴史が凝縮されている。
  
◇働くことの社会性-人の役に立つ
   
・他人に必要とされる(期待される)こと
                  -自分は自分でよい、という喜び
  
◇自分の能力の開花-よろこびや生きがいにも
    
「人間は、この運動によって、自分の外部の自然に働きかけ
    て、それを変化させることに
より、同時に自分自身の自然を
    変化させる。彼は、自分自身の自然のうちに眠っている潜勢
    諸力を発展させ、その諸力の働きを自分自身の統御に服させる」
                     
(マルクス『資本論』第1部第5章)

 
2。労働そのものが、人間をつくりだした
  
◇手の使用と発達
   
・脳に刺激
   
・手と心-人間らしい感性
  
◇言葉は集団労働から
   
・考える力(理性)の獲得
  
◇道具の発達-世代をこえて
   
・未来性の獲得

 
3。働き方のありようは、社会のありように規定される
                      -資本主義社会における働き方
  
◇生産者が、生産手段から切り離される(労働者の増大)
   
・土地や建物、機械や原材料を持たない
                 (生産をするすべをもたない)
   
・生産手段のもとに、労働力を持っていく
               →資本主義以前に通勤ラッシュはなかった
   
・自分の労働力を「商品」として時間決めで売る。「明日もあさって
    も、来月も、心身ともに元気な労働力をもってこれるだけの生活
    費をおくれ」が賃金の本質。労働力の再生産費。労働の結果と
    は関係なし。現象のなかにある本質をつかむのは科学の力。

  
◇「商品を売ること」を資本家に強制する社会-「命がけの飛躍」
   
・商品生産が社会の主要な生産様式となった社会が資本主義社会
   
・市場で、「売れる」ことが、再生産への大前提
   
・市場では、他の資本家との競争がまちうけている
                          -商品の、「命がけの飛躍」
   
・競争に勝つ(生き残る)ためには、他の資本家よりより多くの
    利潤を獲得する必要
   
・自分の会社の労働者には、少ない賃金で、より長い時間働いても
    らわなければ、競争に負けてしまう、という強制法則が働く社会。
    利潤獲得へのあくなき追求。

 
4。働くルールと基本的人権の発展
  
◇産業革命当時の労働者の状態
   
*長時間労働、日雇いの低賃金、首切り自由、児童労働、労災
    本人責任、粗末で不衛生な住宅環境・・・。
   
*労働者のたたかいの発展-ストライキの発明、労働組合の結成へ
   
*「国法の奪取」-労働者が団結し、資本の横暴への社会的防止
    手段をかちとる
    
・国家が、雇用関係において、法律をつくり規制することの意義
     について 
(すべて『資本論』第8章「労働日」より引用)

     
「住民の健康は国民的資本のきわめて重要な要素であるにも
     かかわらず、遺憾ながらわれわれは、資本家たちがこの宝を
     保存し大切にする用意がまったくないことを認めざるをえない。
     ・・・労働者の健康への顧慮が工場主たちに強制された」
                        
(『タイムズ』 1861年11月5日)

     
「『他の資本家たちとの競争』は、自分たちが児童の労働時間
     を『自発的に』制限することなど許さない。それゆえ、いくらわ
     れわれが上記の弊害を嘆いたところで、工場主たちのあいだ
     でなんらかの種類の協定によってそれを阻止することは不可
     能であろう。・・・これらすべての点を考慮した結果、われわれ
     は強制法が必要であると確信するにいたった」
             (英『児童労働委員会 第1次報告書』
1863年)

     
これらは、140年以上も前のものだが、今の日本にナントあて
     はまることか! 
さらに、重要な指摘が。

     
「10時間労働法は、それが適用された産業諸部門において、
     『労働者たちを完全な退化から救い、彼らの肉体的状態を保
     護』した。・・・労働者自身に属する時間と彼の事業主に属する
     時間がついにはっきり区別されたことは、さらにいっそう大き
     な利益である。いまや労働者は、彼が販売する時間がいつ始
     まるかを知っている。そして、彼はこのことをまえもって正確に
     しっているのであるから、自分自身の時間を自分自身のため
     に予定することができる。・・・それら(工場法)は、彼ら〔労働
     者たち〕を自分自身の時間の主人にすることによって、彼らが
     いつかは政治権力を掌握するにいたることを可能にする精神
     的エネルギーを彼らに与えた」
               
(英 『工場監督官報告書』 1859年10月31日)

  
◇基本的人権をたたかいのなかで前進させてきた
   
*日本国憲法に、その到達点がある



二。日本の労働法制をめぐる異常と働く人びとの現状
 
1。資本の本質は昔から変わっていない
  
◇ザ・アール・奥谷社長のインタビュー全文を紹介
                          (風間直樹『雇用融解』より)
   
*労働政策審議会労働条件分科会委員の彼女が、何を語ったか

 
2。労働法制をめぐる動き(別紙関連年表)

 
3。労働ビックバンによって、爆発(爆破)したのは、労働者の生活と
  健康、そして尊厳
  
◇非正規労働者の増大-「働いても、まともな生活ができない」という
   働く貧困層

  ◇公共サービス分野でも、大量の「非正規労働者」への置き換えが
   進んでいる
  
ILO本部雇用総局リポート(2007年11月31日)
   *「低賃金・低保障の非正規雇用拡大は短期的に日本に競争優位
    をもたらすが、明らかに長期的に持続可能ではない。国内消費の
    低迷は国内総生産の伸びを抑制する上に、非正規雇用では経済
    成長の源泉となる人的資本の形成がなされにくい」と警告。
   
*リポートは非正規雇用は技能形成の機会に恵まれず、低賃金を
    固定化して正社員との
所得格差を拡大する弊害を指摘。配偶率
    低下による少子化も深刻。三十歳代前半(男性)の「有配偶率」は
    正社員の59・2%に対して非正規社員は30・3%、パート・アルバ
    イトでは18・6%。
  
◇はてしない残業と長時間労働-労働時間の規制緩和と成果主義

 
4。ワーク・ライフ・バランス論の虚実
  
◇ワーク・ライフ・バランス(WLB)とは
  
◇財界のネライは労働者雇用の完全自由化に



三。未来はたたかいのなかに-働くルール確立のために
 
1。たたかいが生み出している、情勢の前向きな変化
  
◇「労働組合」という武器を手にいれ、反撃を開始した若者たち
   
*首都圏青年ユニオン。各地に1人でも加盟できる青年ユニオン
    やローカルユニオン。
   
*キャノン、松下プラズマ、光洋シーリングテクノ、偽装請負大企
    業の内部からの闘い。
   
*立ち上がる青年たち。昨年5月20日の青年雇用大集会に3300人。
    ネットカフェ調査が厚生労働省を動かす。今年は10月5日に大集会。
  
◇派遣法の改正へ野党を中心にした動き
   
*派遣法改正への法案提出の動き。直接雇用を大原則とし、日雇
    いでなく常用型を基本とすること、正社員との均等待遇、適正な賃
    金や社会保険の加入など公正な労働条件の確保などが課題。
   
*共産党の志位委員長の派遣問題での国会質問がネットで広がる。
    動画へ12万件をこえるアクセス。半数ぐらいは青年層といわれて
    いる。
   
*大企業での変化。キャノン製造現場、12,000人の派遣を見直しへ。
    いすゞ自動車も。
  
◇派遣問題を突破口に、たたかいをさらに前進させよう。
   
*本当のワーク・ライフ・バランスの社会を
   
*労働基準法の抜本的改正
   
*労働行政の機能強化

 
2。権利の自覚と普及-働くルールの確立のために
  
◇権利の認識をひろげる-日本の労働運動の大きな課題
   
*実際に権利が侵害されていても、気づかないで終わるケースも多い。
   
*街頭などで一般の人と話をすると、どの職場でも、大なり小なりの
    労基法などの違反が存在する。いまや労働基準法は「最低の基
    準」ではなく、実質は「めざす目標」となっている。
   
*労働法の常識が自然に身につくことはない。権利にかんする知識
    を意識的に普及しなければならない。世界の非常識が、日本の常
    識であることに、慣れてはいけない。

     
「人間はなにごとにも慣れる存在だ、と定義したドストエフスキーが
     いかに正しかったかを思わずにはいられない。人間はなにごとに
     も慣れることができるというが、それはほんとうか、ほんとうならそ
     れはどこまで可能か、と訊かれたら、わたしは、ほんとうだ、どこま
     でも可能だ、と答えるだろう」
           (
V・E・フランクル『夜と霧 新版』みすず書房、2002年)

  
◇もっとも立場の弱い労働者との連帯
   
*非正規、未組織、外国人労働者・・・
   
*権利侵害をされていても、身分の不安定さから、立ち上がること
    の困難性をもっている
   
*その職場や、その地域で、もっとも弱い立場にある労働者の権利
    を、どこまで本気になって考えるかが、大きなカギになる。底上げ。
   
*そうした人びとの労働環境と生活の向上(つまり貧困をなくし、格差・
    差別の是正をする)なしに、まともな働き方が「常識」になることはない。

 
3。知を力に-学習・教育活動を活動のど真ん中に
  
◇情勢や、労働法・基本的人権をめぐる学習
  
◇学ぶ活動は「自分や組織への投資」
   
*すぐには効果がでない。したがって、目的意識性と継続性が必要。
    自分や組織は、職場や
地域でどんな役割を果たすのか。めあて。
    戦略。
   
*自分や職場、活動の現状を分析する力。語る力、書く力、説得の
    力。魅力アップ。
   
*『学習の友』の購読を、勤労者通信大学の受講を。本を買って読む。
  
◇全国学習交流集会in倉敷(11月22~24日)にぜひ参加を。
   
*とことん学び、とことん交流。
   
*サイエンスとアート。理性での共感とともに、感性での共感。正くて
    あたたかい、正しくて魅力的な活動を。


さいごに:「あきらめない」たたかいこそが、歴史をつむぎ、
      未来をきりひらいてきた


以上。




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