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2008年2月13日 (水)

みんなの学校がスタート

きのう(12日)は、倉敷医療生協労組
「みんなの学校」(全6回)がスタートしました。

昨年、新しく執行委員長に大抜擢された
H川くんや、青年部事務局長のK本くんと
相談をしながら準備してきたものです。

継続的に労組内で若い人を中心にした
学習の機会をつくり、成長のきっかけを
つくろう、という目的で行われました。

回目の「みんなの学校」のテーマは、
伝統的に平和活動が活発な労働組合でもあり、
若い人が参加しやすいテーマということで、

「戦争と平和」を学ぶ6回コースにしました。
講義の講師は私が担当していきます。

隔週火曜日の夜に開催します。

1回目のきのうは、
「労働組合がなぜ平和運動に取り組むのか」
ということで行われました。

参加は11名。ほぼ全員が若い職員で、
1年目の職員も結構参加されていました。
これはうれしい!

講義は50分、その後感想交流を30分程度
行い、内容を深めていきました。

Img_1480



 講義のあとの
 感想交流。

 







学習会の様子や、参加者の感想の一部は
倉敷医療生協労組のブログにさっそく載せて
もらっているのでこちらをどうぞ →
「白衣のなかま」

講義の内容は以下のとおり。

一。そもそも“平和運動”ってなんだろう
 
1。戦争による苦痛、慟哭(どうこく)との“距離”
  
◇「平和は大事だと思うけれど、何をしたらいいのかわからない」
   
*目の前に「いない」ということ

  
◇「1人称の死、2人称の死、3人称の死」(柳田邦男)
   
*明日、自分のうえに爆弾が落ちてくる、あるいは銃で殺される
    可能性があるか
    
・沖縄や岩国ではあるかもしれないが、私たちの身の
     回りは可能性としては低い。
   
*自分の家族や友人が戦争で命を奪われたり、傷ついたりするか
    
・祖父母の戦争体験
    
・自分の子どもたちの代になったときが不安…
   
*戦争による“他人の痛み”をどう考えるか
                        -平和運動にかかわる分岐点

     
「同じ地球上に暮らす無数の家族のうち、どうして、ある家族が
     空からの襲撃によって奈落に突き落とされてしまうのだろうか。
     なぜ、生きる自由を奪われ、それまでと同じように朝を迎えられ
     なくさせられるのだろうか」
            
(吉田敏浩『反空爆の思想』NHKブックス、2006年)

     
「『距離が膨大になると想像力は弱まり、ついにはまったく消え失
     せる』ということは、遠くから攻撃する兵士だけでなく、戦争を離
     れたところから見ている私たちにも言えることではないだろうか」
            
(川田忠明『それぞれの戦争論』唯学書房、2004年)

    
・時間的距離も

 
2。“人の痛み”を想像し、戦争の原因を探る力
  
◇『私たちは いま、私はイラクにいます』(講談社、2003年)
   
*開戦前の勇気あるスピーチ…13歳の少女の想像力
   
*「爆撃で殺されるのは、私のような子どもなのです」

  
◇長崎・高校生1万人署名活動
   
*「戦争も原爆も知らんお前たちが、こんがんことば
    
やってどがんなっとか」
   
*高校生たちの反核・平和活動の模索(資料参照)

  
◇「現場に行く」「当事者の話を聞く」ことの大切さ-五感での学び
   
*元日本軍「慰安婦」の証言を韓国で聞いた女子大生

     
「私の場合は、証言聞いたあとで、ハルモニを部屋の方まで
     送っていって、そこで手をつないだとこらへんで、やっと『あっ』
     って思ったんやんか。つないだ手がすっごくちっちゃくって…。
     私もすごい身長がちっちゃいけど、その私の手よりも、すっご
     いちっちゃかった。その瞬間に、この人がされたこと、どんな屈
     辱やったんやろってすっごい思った」
      
(『「慰安婦」と出会った女子大生たち』神戸女学院大学
               
石川康宏ゼミナール、新日本出版社、2006年)

   
*沖縄でしか感じない「雰囲気」、沖縄でしか聞けない「音」

 
3。そもそも、平和ってなんだ
  
◇平和運動にとっての「平和」とは
   
*戦争や組織的殺戮のない状態、武力行使などによる「直接的
    暴力のない状態」。
   
*戦争などの直接的暴力の不在のみを平和状態とみなすのでは
    なく、構造的暴力(貧困・飢餓・抑圧・差別・環境破壊など)の存
    在しない状態を、「真の平和状態」とする考え方もあるが、直接
    的暴力を阻止することの緊急性と意義は、他の課題と同列に論
    じることはできない。
   
*いまこの瞬間も、イラクや中東、世界の紛争地では、「直接的暴
    力」によって、「人間の命」が奪われ、傷つけられている。

二。労働組合と平和運動
 
1。平和運動になぜ取り組むのか
              -それはひと言でいえば、“労働組合だから”
  
◇労働組合は、基本的人権・ヒューマニズムの担い手
   
*「人たるに値する生活」(労働基準法第1条)をもっとも破壊
    するものが戦争
   
*平和のうちに生きることは基本的人権

     「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和
     のうちに生存する権利を有することを確認する」(日本国憲法前文)

  
◇憲法の理念を実現する役割
   
*憲法の下書きをつくったGHQ(連合国軍総司令部)が労働組合に
    期待したこと

 
2。私たちの暮らしと戦争
  
◇世界の軍事費は年間
1兆2040億ドル(約140兆円‐06年)
  
◇日本の軍事費は年間約5兆円
   
*労働者が生み出した富(お金)が、武器や戦争に使われている
   
*戦争で破壊されるのは、命だけでなく、労働者がつくりだしたモノや
    ネットワーク
   
*軍事費に使うお金を、環境政策や、医療・福祉・教育にまわせば、ど
    れだけのことができるだろう。どれだけ、人びとの笑顔が増えるだろう。


以上。


はじめて話す中身が多かったので、
イマイチ歯切れが悪かったような
感じがしますが(反省)、みなさん
よく聞いてくれていました。

そして、感想交流を聞いていると、
問題意識もなかなか高い。
期待大です。

「どんどん参加を増やしていく
ようにがんばろう」ということも
言われ、これからが楽しみです。

今後のテーマは以下のようになっています。

2/26(火)「ビデオ上映-映像の世紀・世界は地獄を見た(NHK)」
3/11(火)「日本の戦争と戦後責任-そんなのかんけーねー!?」
3/25(火)「1人ひとりに起きたこと-原爆の実相を伝える力」
4/ 8(火)「イラク戦争と21世紀の世界-平和運動の大きな流れ」
4/22(火)「命どぅ宝・沖縄反戦の心-阿波根昌鴻のたたかいに学ぶ」


この学習会をきっかけに、11月の
倉敷での全国学習交流集会にも
結びつけていきたいと思います。



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コメント

確か、I川先生の講演にもあったと思うけど、労働組合の基本は「労働者の生活と権利を守る」ことでしたよね。ただ、それが現在の『産別労組』『正規雇用』中心主義のままではいけない、すべての、労働者階級(第2次、第3次産業だけではなく、勿論第1次産業の人々も含めて)のみならず、中小零細企業の経営者も、仕事も健康保険証を持たない人々も、僅かな年金でやっと命をつないでいる人々も、大多数の国民と手をつないで、平和で基本的人権が保障される社会の実現を目指して、闘っていかなければなりませんよね。
医療の現場で、福祉の現場で、教育の現場で、公務労働の現場で・・・あらゆる現場で、平和=命の大切さを、若者も、かつて若者だった人々も、大いに学んでほしいと思います。その意味で、今回の企画はとても意義深く、N久さんの底力が試される時とも言えますね。
さて、この機会にお願いなのですが、K敷医療生協労組が事務局となっている「原爆症認定訴訟を支援する岡山の会」の活動が、昨年後半以降少し低調になっているような気がしています。厚生労働省が、新しい認定基準を出すにあたっても、国民の声、運動の高まり無くして、真に被爆者の方々の願いに叶ったものには、なり得ません。
2月5日の第5回公判も、傍聴が少なく原告のK中さんも、とても心細いとおっしゃっておられました。K中さんご自身は、「被爆者のことを次の世代に伝えること」が、ご自分の使命だと考えておいでです。話しを聴いてくださる方がおられれば、「どこへでも行きます」とのことです。
私のように、組織を持たない人間のできる事には限りがあります。是非、今回の学習の中で、この取り組みをさらに広範に拡げ、闘いに参加する仲間を増やしていただけるよう、心からお願いいたします。

投稿: S本Y郎 | 2008年2月20日 (水) 18時22分

S本さんありがとうございます。

原爆の実相、被爆者の苦悩は、
4回目の講義のときに取り上げます。
私もしっかり再学習してのぞみたいと思います。

それが次のステップにつながることを
期待して。

投稿: 長久 | 2008年2月21日 (木) 09時45分

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