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2008年2月 4日 (月)

チラシ・ニュースづくりの基礎

今日(4日)の18時から、
「チラシ・ニュースづくりの基礎知識」という、
ちょっと変わった講義(?)をしました。

といっても、参加者は2名。
先日、とある人から、
「チラシづくりのレクチャーをしてほしい」
と言われ、まったく個人的な学習会でありました。

最初は、そういう学習会なので、
レジュメもつくらず実践的な話だけを
すればいいかな、と思っていたのですが、
まあせっかくの機会なので、
「これまで自分で学んできたことをまとめてみよう」
と思い、ホントにまとめてみました。

あらためてこうした問題について
キチンと整理をすることで、
私自身のチラシ・ニュースづくりを
ふりかえることにもなり、とても有益でした。

自分で話していて、もっと学習協の
会報を充実させねばと反省しました(笑)


話は約1時間。
では、以下に、まとめたレジュメをご紹介します。


一。チラシづくりの基礎知識
 
1。チラシの役割
  
◇人びとの身近にあるメディア
   
*とくに私たちの運動は、チラシであふれている

  ◇送り手と受け手の関係
   
*送り手(企画・イベント情報、告知、ニュース、招待)
   
*チラシとして形に
    (おり込み、街頭配布、手渡し、郵送、ポスティング)
    
・チラシの内容に、送り手のメッセージをこめる
    
・チラシデザインは、送り手の「誠意」が表れる
     
【チラシの役割】
     
①知らせる(情報・知識)
     ②理解させる(賛同・共感・好奇心)
     
③行動させる(参加・購買)

     
・知らせるためには目につきやすく、理解させるには
      適切な内容・素材を用い、行動させるには、受け手に
      とっての共感と利益を盛り込むことが必要。
     
・多くのチラシ(ニュース)は、「見る」段階で捨てられて
      おり、それをいかに「読ませる」ところまで高めるか、
      そして受け手の「行動」を生み出すことが、最終目的。

 
2。チラシのメカニズム
  
◇送り手のメッセージ
   
*何が、どこで、いつ、どのように、対象は、メリットは
   
*つねに「受け手」をイメージしながらつくる
  
◇チラシ
   
*文章(キャッチコピー、見出し、情報、解説)
   
*イメージ(イラスト、写真)
    
→文章とイメージの構成と配色(レイアウト)
  
◇受け手の反応
   
*イメージの印象、情報内容の理解、好感・共感・前向きな疑問、
    関心と行動
   
*メッセージに人の心を動かす価値がなければ、人は動かない。

 
3。チラシデザインの基礎
  
◇デザイン発想力の源泉
   
*発想力は訓練によって高まるもの
    
・新聞の広告やチラシなどを「デザイン」の意識をもって読む
    
・すぐれた文化や芸術に日常不断に接する
    
・もっとも簡単な方法は、いいアイディアを真似てみる、ということ。
  
◇人の目を引くためには
   
*受け手の目を瞬時にとらえる役割をもつものを「アイキャッチ」
    という。
   
*イラストや写真などの絵を「アイキャッチャー」といい、文章を
    「キャッチコピー」と呼ぶ。
   
*アイキャッチャーは、受け手の目をとらえ、即座にイメージを
    伝えるもの。
    
・興味を引くキャラクターをつかう、形(星型や丸型など)の
     心理作用を利用する、安定しているもの(横や縦など)よ
     り斜めの構図は誘引性が高い
etc
    
・しかし、何よりも受け手の目をとらえるのは、「人」である。
     人(とくに個人)が登場してくるチラシ(ニュース)は、必ず
     そこに目がいく。

   
*写真の効果-圧倒的な情報力でリアル感が出せ、信憑性を高める
    
・チラシの目的にそった写真を
    
・講演会などのチラシは、可能なかぎり講師の写真を載せる

  
◇キャッチコピーの役割
   
*キャッチコピーは、見た人に、すばやく好奇心や問題関心を起こさ
    せるものであることが必要。読むには一瞬といえども時間が必要で
    あるため、キャッチコピーは簡潔で、語呂のよいものが適している。
    
①人の目をひく(はっとさせる文章、書体・大きさ・色)
    
②興味を感じさせる(新鮮さ、メリットのある情報)
    
③印象に残す(語呂のよさ、特徴ある語句)

  
◇文章を読ませるためには
   
*読みやすさと、読みやすいレイアウト
   
*「意義・任務」「押しつけ」型ではなく、相手の気持ちに呼びかける
    姿勢で
   
*フォント(書体)もデザインの大事な要素となる
   
*文章は短くくぎり、テンポ良く読ませる。だらだらと説明する文章は
    読まれない。
   
*人が目で追える限界は1行26文字まで(疲れる)。それをこえたら
    改行を。
   
*文章は囲みや罫線のギリギリから始めないようにする(余裕をも
    たせる)

  
◇構成力は、バランス力
   
*1枚のチラシにより多くの情報を入れたいのが一般的な傾向。
    しかし、めいっぱいのチラシは敬遠される。とくに字がびっしりの
    チラシは受け手に圧力をあたえ、まず読まれない。
   
*アイキャッチャーや枠組みなどをうまく整理し、空白(ホワイトス
    ペース)をしっかりつくる。空間がないと、美的効果が阻害され、
    視角誘導もしづらくなる。間をつくることこそ、デザイン力が試される。
   
*罫線は、チラシにメリハリをつけたり、全体を引きしめるときに使う。
   
*チラシの構成力は、バランスをとる力でもある。

  
◇実践編-プロの技とチラシの良し悪しを見極める力
                            (日々の鍛錬が必要)
   
*元旦付「朝日新聞」の企業広告をみる
   
*私たちの身のまわりにあるチラシを題材に考える

   
【参考文献】
   
◆『チラシデザイン』(南雲治嘉著、グラフィック社、2003年)


二。ニュース・機関紙づくりの基礎知識
 
1。ニュース・機関紙は運動の組織者
  
◇真実のペン-草の根のメディア
  
◇良い運動・組織には、良いニュース・機関紙
   
*ニュース・機関紙をみれば、組織の元気度がわかる
   
*ニュース発行・機関紙活動は、組織活動そのもの
   
*機関紙がなかったら、組織の活動が1人ひとりに伝わらないし、
    1人のひとりの声が組織にも伝わらなくなる。血液循環と同じ役割。
  
◇組織の運動が記録に残る-歴史や活動をふりかえる資料として

 
2。人にこだわり、人に執着する
  
◇1人ひとり、名前をもつ「個人」をたえず登場させる
   
*抽象化されたデータ・数字や、組織活動全体の記事は、客観
    的事実の記録にはなるが(それも大事だが)、読み手に迫るも
    のがない。
   
*記事の素材が個性的であること。他の人間と取り替えがきか
    ない人間が登場してきて、「この人でなければ言わないセリフ」
    が出てくるニュースや機関紙は読まれる。
   
*「個」のリアルな声や姿、喜怒哀楽をつうじて、その背景にある
    職場の問題や社会構造をあぶりだすことができたなら、その記
    事は共感をひろげる。
   
*人と人をつなげていく。そして前へ向かって歩き出そうという呼
    びかけが飛び交うような、そうした声の組織者としての役割をニ
    ュース・機関紙が果たす。
   
*上意下達型のニュース・機関紙では、なかなか人は動かない。

 
3。企画の立て方
  
◇企画を考えるスタンス
   
*「次の号をどういう内容のものにしようか」。これが企画。
    
①どういうテーマにするか
    ②そのテーマをどういう内容・形式の記事にするか
   
*企画を考えるというのは、読者に提供したい情報・テーマを探
    ること。したがって、編集する側に求められるのは、「企画を考
    える」ことではなく、「いま組織や運動はどういう状況にあるか」
    「個々の職場・部門はどうなっているか」「組合員や組織員は何
    を考えながら働いて(活動して)いるのか」…といった諸点につ
    いて、つまり「組織と人の現在と未来」について、分析・考察する
    ことが求められる。
   
*ニュース・機関紙の目的は、「発行する」ことではなく、「コミュ
    ニケーションを促進する」ことであり、「何をコミュニケーション
    したいのか」「なにをコミュニケーションすべきなのか」をじっくり
    考えることが大事。

  
◇企画力を高めるのは情報収集と問題意識
   
*「企画力を高める」「いいアイデアが突然パッと思いつく」という
    のは、日常の問題意識の高さと情報収集(学習)の広さに規定
    される。

  
◇読者のニーズを尊重しながら、読者をリードする
   
*読者は、自分の関心・問題意識の範囲内でしか情報に
    「反応」しない
   
*読者の関心の高い問題や射程距離内にある企画は読まれや
    すい。しかし、「ニーズの尊重」ばかりでは、読者の問題意識を
    こえる企画はできなくなる。それでは、編集側も、読者にも、成
    長はない。
   
*「ニーズを尊重しながら、読者をリードしていく」「適度な新しさや
    刺激に満ちたニュースや機関紙をつくる」。こうしたバランス感覚
    が編集する側には求められる。

 
4。記事・文章の基本
  
◇記事の形式
   
*活動報告、お知らせ、論考・論文、読者の投稿、人物紹介、イ
    ンタビュー記事、座談会、対談、アンケート調査、ルポタージュなど
   
*テーマ・目的にそって、どういう形式の記事にするかが決まる

  
◇文章を書くということ
   
*文章表現で一番大切なことは、「他人(読者)に伝えたいという
    欲求」「心のなかから、自然に込みあげてくるコミュニケーション
    の衝動」があること。
   
*文章のうまい・へた、ではなく、心から言葉があふれてきて、そ
    の真摯な内面の吐露が人の心をとらえる。
   
*言葉を知る-読書の積み重ねと国語辞書の活用。文章力のあ
    る人の書き物を読む。
   
*考える力を育てる-とにかく「書く」。そのプロセスをつうじて、
    「考える力」「感じる力」が伸びてゆく。

  
◇文章の基本ポイント
   
*5W1H(いつ、だれが、どこで、なにを、なぜ、いかに)。記事や
    ニュースの内容によって、それぞれのウエイトが変わってくる。
   
*句読点は、20字あたり最低ひとつ、できれば2つぐらい。1行
    (20字程度)に、ひとつも句読点がない文章というのは避ける。
    「短く」「簡潔に」が基本。
   
*日本語は漢字、ひらがな、カタカナで構成。読みやすさという点
    では、一般的に漢字含有率は30%以内におさえることが望まし
    いとされている。漢字が多い文章は紙面が黒っぽくなり、文章を
    読むことが苦手の人にとっては、非常にとっつきにくい印象を与
    えてしまう。
   
*こまめに改行する配慮も必要
   
*「書き出し」を工夫し、力を集中する。読者を引き込み、続けて
    読んでもらうために。

 
5。見出しづくりのポイント
  
◇見出しの重要性
   
*見出しは、その記事を読むかどうかを読者に判断させる最
    初の決め手。とくに忙しい現代社会では、まず目に入る「見
    出し」の重要性は高まっている。
   
*どういう見出しを立てるかは、記事の内容と編集者の感度・
    センスによる

  
◇見出しを考えるポイント
   
*見出しは大きくわけて2種類。ひとつは、記事内容を端的に
    表現したもの(代表例は新聞の見出し)。もうひとつは、本文
    への誘導をねらった見出し。
   
*記事の内容にない見出しは避ける。長い「見出し」は「見出
    し」ではなくなる。
   
*「主見出し」に「○○集会に○○名が参加!」など、中身を伝
    えないものはダメ。それが読者の知りたいことではない。「み
    んなの力で○○を達成しよう!」など、使い古された一般的な
    スローガンも心に響かない。

 
6。読みやすいレイアウトの基礎
  
◇レイアウトは、料理でいえば盛りつけの役割
   
*いくら素材がよくても、見た目で敬遠されることのないように
   
*レイアウト作業で大切なことは、原稿を書いてくれた人や、取
    材に応じてくれた人への「思いやり」「感謝の気持ち」。記事を
    最良のものに仕上げることで報いる。
   
*記事の内容を「読者に届けたい」というモチベーションがレイ
    アウト技術の向上につながる。
  
◇読みやすいものにするために、十分なスペースを
   
*窮屈さは自由度を低くし、魅力的で美しいレイアウトを困難にする
   
*新聞や雑誌などのレイアウトをつねに研究することで技術は
    身につく


   【参考文献】
    
◆『もっと読まれる社内誌の創りかた』
                   (木村幸男著、NOMA総研、
2000年)
    
◆月刊『機関紙と宣伝』(日本機関紙協会出版部)


以上。


もちろん、私も素人の範囲をこえませんが、
こうした「ポイントとなること」を押さえるだけで、
だいぶん上達します。あとは、実践の積み重ねです。


参加者2人のコメント。

「自分のチラシをみて、まだまだ
だなぁと思った。キャッチコピーを
つくるのは難しい…」

「わかってたようで、そんなに重要視
してなかった。ニュースは組織力を
高めるものなんだなぁ。奥が深い」




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コメント

大変為になるお話でした。ただ今、6月の行事に向けたニュース作りに煮詰まっております。また後日相談に伺いますので、よろしく!

投稿: S本Y郎 | 2008年2月 5日 (火) 18時07分

長久さん、これはとても参考になる講義ですよ。
機関紙づくりはたいへん苦労しますので・・・。
このレジュメと参考文献を見て勉強します。

投稿: hayashi | 2008年2月 6日 (水) 09時19分

S本さんありがとうございます。
そういえば、まだ今年は1度もお会いして
いませんね…。
8日スタートの古典講座はよろしくお願いします。
きがつけば、6月の企画ももうすぐなんですね…。


hayashiさん、ありがとうございます。
最近、岐阜医労連のブログ、ますます充実して
きてますねー。
いつも楽しみにみています。

投稿: 長久 | 2008年2月 6日 (水) 10時15分

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