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2007年12月18日 (火)

物語を語ること

最近読み終えた本。

『変貌する財界-日本経団連の分析』
           (佐々木憲昭編著、新日本出版社、2007年)


政治をカネで買収しつつ、政府の政策決定に深く関与し、
ワーキングプアを大量に生み出す。
法人税率を引き下げ、その負担を国民へと転嫁し、
憲法改悪までもくわだてる。

『財界』とはいったい何者か。

その実態にせまり、過去からの変遷に
焦点をあてて分析した力作。

日米の多国籍企業が「共同」して
利益を追求するということになっている。
現在の財界の分析なくして、
日本改革の方向性の確かさは育たないと痛感。


『反米大陸-中南米がアメリカにつきつけるNO!』
               (伊藤千尋、集英社新書、2007年)


今月出たばかりの新刊。
現在の中南米のダイナミックな動きについて書いて
あると思って読み始めたら、
じつは中南米の現代史が中心だった。

アメリカのとんでもない政権転覆の謀略、民主的な運動つぶし、
クーデーター支援、暗殺につぐ暗殺、その中核を担う軍人教育、
などなど、驚くことばかり。恐ろしい。
アメリカ国民は、自国の歴史についてどう学んでいるのだろう。
おそらく、まったく教えられていないに違いない。

「アメリカと中南米の歴史から、私たちが学ぶべきものは、
すこぶる今日的な課題なのだ」
という最後の締めくくりの言葉に納得する。


『診療室にきた赤ずきん-物語療法の世界』
                 (大平健、新潮文庫、2004年)

精神科医である著者が、
診療所に来る患者にたいして、
「赤ずきん」や「三ねんねたろう」などの
「物語」を語る。

「ももたろう」や「3びきのこぶた」など、
「こんな読み方ができるのか!」と、目からウロコの連続である。

人は、誰でも「自分の物語」をもっている。
人生自体が、一つのストーリーともいえる。

そして、自分以外の「物語」を、自分とを重ねあわせ、
喜んだり、悲しんだり、共感したりする。
そして、明日への力とする。

「映画」や「小説」や「お芝居」を見るのは、
まさに「物語」に出会うことを
求める人の欲求があるからだろう。

これは、学習運動にもヒントとなることだ、とも思う。
労働運動や政治革新の運動、そして学習運動も、
「人がつくり、つないできた」ものだ。
当然そこに、人びとのつくりだす「物語」がある。

その「物語」を若い世代へと語り伝えることが、
いま重要になっているのではないか、と思う。

…少し本の紹介からはずれたが、
この本はすばらしく面白く、いろんなことを教えてくれる。
しかも362円+税と、コーヒー1杯のお値段。

みなさん、はっきりいって、この本は買いですよ!!
だまされたと思って読んでみてください。



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