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2007年11月16日 (金)

日本軍と毒ガス戦

きのう(15日)は74期岡山労働学校
第6講義があり、14名が参加。

ガクンと参加者が減ってしまいました。
が、毎期こういうことは1度か2度あります。
ここから盛り返すかどうか、来週が問われます。

義は、「日本軍と毒ガス戦-今も残るつめあと」ということで、
岡山・十五年戦争資料センター事務局長の上羽修さんが
講師を担当されました。

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ご自身の緻密な研究蓄積のうえに、
9月に放映されたNHKのドキュメンタリーなども
つけくわえながら、「さすが」のお話でした。
日本でこの問題をこれだけ話せる人はそんなにいません。

それだけに、参加が少なかったのが残念でした。


以下、講義の柱のみご紹介。

1.毒ガス戦が本格化した第一次世界大戦
 
(1)毒ガス戦の開始
 
(2)毒ガス使用禁止国際条約
   
◎第一次世界大戦以前、日本が加入していた毒ガス
    使用禁止の国際条約
    
①「毒ガスの禁止に関するハーグ宣言」
    
②「陸戦の法規慣例に関する条約
   
◎ヴェルサイユ平和条約 
   
◎ジュネーブ議定書
   
◎「化学兵器禁止条約」
 
(3)日本の毒ガス開発
  
◎欧州での毒ガス戦と開発競争に日本軍は大きなショックを受けた
  
◎「宇垣軍縮」(1925年、21個師団のうち4個師団を廃止)で削減
    できた予算を軍装備の近代化にまわす
  
◎生産
   
主に陸軍で生産:陸軍造兵廠忠海(ただのうみ)
   製造所(1929、大久野島)、塡実:曽根製造所


2.日中戦争での毒ガス使用
 
(1)徐州会戦・安慶作戦:
 
(2)武漢攻略作戦:中支那派遣軍は、3ヶ月間に375回以上毒ガスを使用。
 
(3)南昌攻略作戦(1939.3)の修水渡河作戦
 
(4)致死性毒ガスの使用(1939-41)
 
(5)掃討作戦での毒ガス使用
   
◎「冬季山西粛正作戦」(1942.2)
   
◎河北省北坦村事件(別紙)

3.東南アジア・太平洋戦線 1941-1945 
  
・対米英開戦にさいし、進攻兵団にかなりの規模の毒ガス戦
   資材が配備された。
  
・実際の使用は、①圧倒的に不利な戦況のとき、「敵」の位置が
   不明なとき、極めて限定的だった。
 
◎大本営陸軍部は毒ガス戦の方針を転換 
  
~背景に「アメリカの若者の人命喪失を少なくするため、先制的に
   毒ガスを使用するべき」というアメリカの軍と世論の高まり~
  
①米英の化学戦遂行能力は絶大
  
②日本軍の化学戦準備は極めて貧弱
  
③日本の国防圏はガス攻撃に弱い小島嶼が多く、本土も空襲に
   さらされる
おそれがある
 
◎先制使用論の台頭
 
◎報復的毒ガス戦の計画策定
 
◎先制的使用論へ
  
∇日本本土上陸作戦での使用計画
  
∇化学戦統括部隊の毒ガス戦のための標的研究報告


5.戦後に残された問題
 
(1)軍事裁判
   
∇極東国際軍事裁判(1946.5.)で免責
 
(2)毒ガスの廃棄と被毒事件の発生
   
∇国内
   
∇中国


6.現在の課題
 
(1)化学戦を抑止するもの
 
(2)「化学兵器禁止条約」(1997年発効)と核保有国の思惑
 
(3)アメリカによる日本の毒ガス使用免責にともなう課題

参考資料

 ◎吉見義明『毒ガス戦と日本軍』、2004、岩波書店
 
NHK HTV特集
   「裁かれなかった毒ガス作戦~アメリカはなぜ免責したか~」


以上。


受講生の感想を3つほど。


「日本の犯した戦争犯罪が、今もなお、新しい被害者を
生み出し続けているという事実を知った以上、『あの戦
争』を過去の『歴史』としてしまうわけにはいかないと思
う。岡山連隊の一個中隊が参加していたこと。加害兵
士の方の掘り起こしで、4人の証言が得られたこと貴重
ですね」

「日本が中国に毒ガス戦をしていたことはあまり知らな
かったが、いまだにその被害にあっている人がいて苦し
んでいる事実に、日本は戦後の後始末をきちんと責任
もってするべきだと思う。また、アメリカのエゴによる日
本の毒ガス使用免責の『ムジュン』を感じます」

「毒ガスの話は海南さんの『苦い涙の大地から』という
ビデオを見た時に初めて知りました。私より若い人達が
日本軍の残した毒ガスで今でも被害を受けているという
事は知っておくべきことだと思います。日本政府の補償
がないのもおかしい。責任をとるべき!岡山の人の証
言はリアルでした。戦争を身近に感じます」



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