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2007年10月26日 (金)

アジアの独立と日本の戦争

きのう(25日)は、74期岡山労働学校の第3講義
「アジアの独立は日本のおかげか?」が行われました。
参加は19名。うーむ少しずつ減ってきている。分析が必要だ。

講師は3回連続で元高校教諭の徳方宏治さん。
今回も豊富な知識を駆使され、わかりやすい講義でした。


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以下、講義の概要。


1.はじめに
 ①毛沢東いわく 中国革命の成功は日本のおかげ
   →日本があまりにもムチャクチャをした結果、
    共産党が勢力を伸ばしたという逆説的表現
 ②日本は「アジアの解放」を戦争の目的にしたのか?
  中国や朝鮮の独立運動を押さえ続ける日本がアジアの
  独立を望むわけがない。
 ③知識人が受け止めた日中戦争と「アジア・太平洋戦争」の違い
  *日中戦争 どのようにとりつくろっても侵略戦争
  *大東亜戦争 欧米列強の植民地支配に苦しむ東南アジアの
   人々を解放する戦い
 ④日本の戦争目的は最初から混乱していた
  「自衛のため」? 「アジア解放のため」?
  *「自衛」と「解放」が、そもそも矛盾している

2.大東亜共栄圏という構想
 ①日本は満州事変が勃発すると日満一体を、ついで日満華一体をとなえ、
  日華事変が進展すると東亜新秩序建設を唱えた。 八紘一宇の精神。
  松岡洋右「皇国外交の指針」(1940.8)
   大東亜共栄圏に加えるべき地域
   南洋諸島・仏印・タイ・マレー・英領ボルネオ・蘭印・ビルマ
   オーストラリア・ニュージーランド・インド

 ②その本音は
  1941.11.20 「南方占領地行政実施要項」
   (ア)占領地に軍政を施行する
    軍政の三大原則 1)治安の回復 2)重要国防資源の急速獲得
     3)作戦軍の自活確保  →アジアの解放などどこにもない!
   (イ)「原住民に対しては皇軍に対する信いの観念を助長せしむる
      ごとく指導しその独立運動は過早に誘発せしむることを避くる
      ものとす

  1942.3.14 海軍の「占領地軍政処理要項」
    「(原住民対策には)また民族運動を誘発せしむることなからしむ
    る様留意す」

 ③しかし、日本は表向き欧米帝国主義からの「東亜の解放」をとなえ、
  現地で独立運動が高まっていることから、「大東亜」地域の独立問題
  を取上げざるをえない。
   (ア)香港、マレー半島 大東亜防衛の拠点として直接支配
   (イ)フィリピン・ビルマ 民衆が大東亜共栄圏建設に協力するなら
     ば独立を与えてもよい。
   (ウ)インドネシア 日本の植民地化の方針
     →豊富な天然資源があったため
   (エ)仏領インドシナはフランスと日本が共同で住民を支配し続けた

3.日本の植民地支配の実態
 ①文化的側面の例として言語
  日本語教育を通して皇民化政策を推進

 ②経済的側面
  (ア)日本の東南アジア支配の最大の目的は石油などの重要国防
    資源の獲得。
  (イ)占領地で日本の必要作物の栽培 あまりうまくいかず
  (ウ)米について 
    東南アジアは世界的な米の輸出地であった
     ビルマでは米の生産量が日本の政策の結果激減
     ベトナムでは200万人の大量餓死者

 ③強制労働、性奴隷、捕虜虐待・・・
  泰緬鉄道の建設 捕虜が多数犠牲に(約4万2千人)
  フィリピンでの性奴隷問題

  「大東亜共栄圏」の実態は「大東亜共貧圏」であった。

4.戦局の転換からくる日本外交の見直し
 *アジアの民心を引きつけるための積極的施策
  大東亜会議にむけて
   かいらい政権をつくらせる

  大東亜会議(1943.11.5~6)の開催
   →結局は日本のパフォーマンスだった
   日本にとって重要な地域の独立は認めなかった

5.大戦末期の東南アジアの対日抵抗運動
 ①生活苦による現地住民の自然発生的な抵抗運動
 ②連合軍側の旧宗主国の支援を受けた抗日ゲリラ
 ③共産党指導の抗日運動
 ④日本軍の補助兵士として組織した集団の反乱

6.東南アジア諸民族の独立
 ①ビルマ 日本による見せかけの独立に反発 
       共産党などによる抗日運動
  44.8 反ファシスト人民自由連盟(AFPFL)の結成
       議長アウン・サン
  45.3 AFPFLの一斉蜂起 国軍も反乱開始 イギリス軍と協力
  45.6.15 イギリス軍、PBF ラングーン入城 日本支配の終焉

 ②ベトナム べトミン(ベトナム独立同盟) 大衆を基盤として支持拡大
  45.8 日本の克服、べトミンによる全国蜂起の呼びかけ
     9.2 ベトナム民主共和国の独立宣言 ホー・チ・ミン大統領

 ③インドネシア
  45.7.17 日本政府はインドネシアの「独立付与」を正式決定
     8.15 日本の降伏 反日抵抗組織の青年グループはインド
          ネシア人自身での独立宣言をスカルノ・ハッタに求める。
     8.17 日本から付与されたものではない自らの意思による
          独立宣言によってインドネシア共和国の成立

おわりに
 ①戦後の現地に残留した日本人
  (ア)独立国の旧宗主国との戦いで独立戦争の参加。
    独立に貢献した人々。
  (イ)BC級戦犯として裁かれた「日本兵」(朝鮮人や台湾人を含む)
 ②日本の支配によって欧米植民地支配の基盤が崩された
  →戦後の旧宗主国の再支配に対して猛烈な抵抗運動がおこる
 ③大東亜共栄圏構想は戦後の東南アジアという地域概念の基盤となった。


以上。


ほんとうに、複雑な地域性や歴史をもつ地域ゆえに、
先入観を排して、事実をまず一つひとつ押さえることの大切さを
感じた講義でした。

徳方先生、3回連続の講義、本当にありがとうございました。
しっかりバトンを引き継いでがんばります。


受講生の感想。

「『アジア解放の戦争だった』と主張する根拠を理解
できたと思う。同時に、その根拠が全く根拠のないも
のであることも、よくわかった。
 アジア諸国が宗主国の下で統治者の一部がどの
ような行動をとったとしても、国民と国土にとんでもな
いダメージを与えた事実が明らかなのだから」

「『大東亜共栄圏』にしても、『テロとの戦い』にしても…
同じようなうさんくささを感じる。
 いいことを掲げても、実際にやっていることを知ると、
『共栄』という言葉をものすごーく白々しいものに感じ
てしまいました」

「大東亜共栄圏ではなく、日本以外の人々にとっては
『大東亜共貧圏』だったということが一番印象に残り
なるほどそうだ!と思いました」

「他国を支配するには、言語、文化を支配すると効果
的なんだと思った。教育は大切。文化も…。
『命がけでアジア諸国民の独立のために戦った』という
日本人はいるか?という言葉が一番説得力がありま
した」


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