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2007年7月17日 (火)

シフト、シフト。

最近読み終えた本。

『十歳のきみへ-九十五歳のわたしから』
           
(日野原重明、冨山房インターナショナル、2006年)

日野原重明さん(聖路加国際病院名誉院長)の、いま、
子どもたちに伝えたいことがギュッとつまっている本。
年をかさねるごとに、人間の魅力と可能性を広げて

いる日野原さんの言葉は、一つひとつが、とても説得
力のあるものです。


目次 1.寿命ってなんだ
    
2.人間はすごい
    
3.十歳だったころの私
    
4.家族のなかで育まれること
    
5.きみに託したいこと
    
あとがき…この本を読んでくれたきみと、きみのお父さんとお母さんへ


「80歳を過ぎたあたりからすこし様子が変わってきました。
いそがしさには変わりがないというより、むしろ火がついた
ように感じられることもあるくらいですが、
いままでまるで気
づくことのなかった新しい楽しみを、わたしはこの年齢になっ
て発見したのです


「ふしぎなもので、当のわたしにしてみるといつの間にか94
をこえてしまったように思えるのです。野球の試合ならよう
やく4回戦か5回戦目をむかえたような感覚で、さあ後半も力
を入れていくぞと気合いを入れているような感じがする
のです」


「わたしがイメージする寿命とは、手持ち時間をけずっていくと
いうのとはまるで反対に、寿命という大きなからっぽのうつわの
なかに、せいいっぱい生きた一瞬一瞬をつめこんでいくイメー
ジです


「時間というには、ただのいれものにすぎません。そこにきみ
がなにをつめこむかで、時間の中身、つまり時間の質がきま
ります。きみがきみらしく、いきいきと過ごせば、その時間は
まるできみにいのちをふきこまれたように生きてくるのです」


「寿命というわたしにあたえられた時間を、自分のためだけ
につかうのではなく、すこ
しでもほかの人のためにつかう人間
になれるようにと、私は努力しています。なぜなら、
ほかの人
のために時間をつかえたとき、時間はいちばん生きてくる
から
です。時間のつ
かいばえがあったといえるからです」

言葉を使う医師、日野原さんのやさしく熱いエネルギーが感じられる1冊。



『私が人生の旅で学んだこと』(日野原重明、集英社、2005年)

「私はこの本で、私という人間をつくってきた93年間の自分の
人生を振り返りながら、今という時代に伝えたいメッセージを書
こうと思います。私に医療という道を歩ませてくれた人たちとの
出会い。医療活動をするなかで私が考えてきたこと、実行して
きたこと。そして、未来を担い、この地球という惑星で生きてい
く人たちに伝えたいこと…。
 
人生とは未知の自分に挑戦することだと思いながら、私は自
分の人生を歩んできました。私のその生き方が、少しでもみな
さんの参考になれば、私にとってこれほど幸せなことはありませ
ん」(「まえがきに代えて」より)


医師になりたいという気持ちを芽生えさせてくれた、幼い頃のあ
る医師との出会い。そして、いまの日野原医学の原点となった、
オスラー医師との出会い。「人生にとっていちばん大事なのは、
出会いです」と語る日野原さん。先人たちの歩みや業績を、広
く深く学び吸収しながら、歩んできたことがわかる1冊。


「私が医療関係者に言い続けているのは、医学的な知識とテク
ノロジーを病む人に使う医療には、患者さん一人ひとりの特性に
応じて言葉や態度でアプローチする、
病む人間へのタッチの技
(アート)が必要だということ
です。…患者さんに触れるタイミング
を考え、言葉を練り、患者を理解するためにどの程度の時間を
かけたらいいかを考えることは、知識やテクノロジーではなく、絵
筆のタッチ、ピアノのタッチと同じような、医や看護の技なのです」


「私は医学生や看護学生に『できるだけ本をたくさん読みなさい。
それも医学書ではなく、小説や詩やノンフィクションを』
と勧めます。
こうした本は、人間の生きていく苦しみや病気の苦しみような“四
苦八苦”を取上げています。それを書いているのは、小説家や宗
教家、詩人などの感受性のするどい人たちですから、著作を通し
てさまざまな“経験”をし、患者さんの“苦”を感知する感性を磨くこ
とができると思うのです」

この言葉は、「活動家」にも共通する提言、と受けとめたいと思います。



『赤ちゃん  成長の不思議な道のり』(安川美杉、NHK出版、2007年)

2006年10月に放送されたNHKスペシャル「赤ちゃん 成長の不
思議な道のり」をもとに、取材時のエピソードや番組で紹介しきれな
かった内容をまじえてまとめた1冊。


赤ちゃんの成長過程を探ることが、とりもなおさず、私たち自身の
成り立ちを探り、人間とは何かという永遠の謎を探ること


「そこからわかってきたことは、赤ちゃんは単純な白紙のような存在
でもなければ、大人のミニチュア版でもないということだ。赤ちゃん
には、自分の環境に適応し、人間として成長していくための特別な
能力が備わっている
。ときに、その能力は大人以上に発揮される
といってよい」


「赤ちゃん」への見方が大きく変わること間違いなし。
すごいよ、人間の赤ちゃんは。


とりあえず目次を書いておきます。

【第1章 赤ちゃんの秘められた能力-赤ちゃんは環境を探っている】
 
・脳のはたらき
 ・周りを探る「自発運動」
 ・世界を探る赤ちゃんの力

【第2章 成長の第2のステップ-環境に適した能力を伸ばす】
 
脳内ネットワークの構築プロセス
 ・自分の体をコントロールするまで
 ・顔の認知の発達

【第3章 成長から見る「人間らしさ」とは】
 ・手が自由になった人間
 ・言葉を身につけるまで



『NHKアナウンサーの はなす きく よむ-実践新社会人編』
                           (NHK出版、2006年)
『NHKアナウンサーの はなす きく よむ-声の力を活かして編』
                           (NHK出版、2007年)


かなりのナナメ読みだったのですが、参考になる部分も。

「世代を超えてきく」というところは、そうだそうだと思いながら読みました。

「『最近の若い者は』などと若者の流行や考えを見下す
ような気持ちがあっては、もちろん世代の壁は乗り越え
られません。
 若い人から話を聞くことで、『今の動き』を知ることが
できる。そして何より、何かに打ち込む、頑張っている
若者に接すると、こちらまでエネルギーをもらいます。
 弊害になるのは『決め付け』です。若い人たちの流行、
文化、価値観、考え方を、頭から『理解できない』『つい
ていけない』と思い込んでいませんか。
 
『最近の○○はわからん』というのをよく耳にしますが、
『わからない』のか、『わかろうとしていない』のか、これは
大きな違いです。

 また『今の若者は○○だ』とか『○○な傾向にある』とい
うように、
世代をひとくくりにして、皆こうだと決め付けるの
もよくありません
。『自分の時はこうだった』と鼻にかける
ような気持ちを持ってもいけません」

「私が意識した
のは、『ギャップを楽しむ』という事です。自
分の頃と比べて、その違いに愕然とするのでなく、驚きを
楽しむくらいの気持ちで接してきました。
 若い人たちの柔らかい発想からは『新しい流行』『新しい
ことば』が次々に生まれます。
 『ついていけない』という事を苦痛にするのではなく、やは
りここも『知らない世界を垣間見ようという興味』をもつこと
です」

「ギャップを楽しむ気持ちで、若者の傾向を知ろうとする。
会話の中で、初めて知った事に驚き、考え方に感心する。

相手を認め敬う気持ちを示す事で、若い人たちも心を開い
て打ち解けてくれます」

「高い壁、分厚い壁を感じたとしても、嫌がらず、歩み寄る
気持ちがあれば乗り越える事ができます。それほど『面倒
くさい事』でも『難しい事』でもありません。
 逆に、
壁があるから面白いのではないでしょうか…壁を
越えてみたらいろいろな発見がありますよ」



さて、これからは
ソワニエの授業がしばしお休みとなるため、「医療・看護」本から離れ、
「日本の戦争」本などにシフトしていこうと思っとります。


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