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2007年6月 7日 (木)

選挙制度も「規制緩和」を

きのうの晩は、国民救援会倉敷支部の学習会へ
講師で行ってきました。

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 会場は倉敷民商の二階会議室。
 参加は10名。
 


「ここがヘンだよ日本の選挙」というテーマで
約50分ぐらい話をしました。

以下、講義の内容。

一。政治に国民の意思が反映されているか
 
1。虚構の多数
  
◇郵政選挙(05年9月)
   
*「郵政民営化、イエスか、ノーか」
   
*国政選挙とは?
    
・税制のあり方、これまでの政策・実績
    
・国のあり方全体を政策で論争するものではないのか
   
*国民は、その後次々強行される
悪法に「イエス」といったわけではない

    
「キーワードは『憎悪』だ。無党派層の多くは不況でもっとも
    打撃を受けている都市部の若者。高学歴にもかかわらず不
    安定な状況に置かれている彼らの中にはバーチャルなナシ
    ョナリズムに酔いしれ、ネット上でマイノリティーを攻撃する者
    も少なくない。小泉さんは彼らの憎しみを、不況でも身分が
    保障された公務員に向けさせた。このように『大衆の攻撃性』
    を煽動するやり方は、一歩引いてみると稚拙な手法だが、そ
    れにだまされるほど社会は閉塞している。禁じ手を糾弾でき
    ずに沈黙し続けたメディアの罪は大きい。また、野党は無党
    派層の不満を吸収できなかった」
                (『朝日新聞』
05.9.12、辛淑玉さんの話)

  
◇「劇場型選挙」を演出したマスコミ
   
*「いかに、おもしろくするか」
   
*視聴率至上主義の弊害
   
*二大政党制への誘導

  
◇小選挙区マジック
   
*この選挙で、自民党は衆議院の総議席数480(小選挙区300、
     比例代表180)のうち、296議席を獲得(占有率61.7%)。
   
*ところが、自民党の比例代表部分の得票率は、38.2%。
     
4割弱の得票で、実際の議席は6割超!
   
*小選挙区制度の特徴
    
・死票が圧倒的に多く、少数意見が反映されない
    
・二大政党に有利な選挙制度。とくに「風」がふく選挙では、
     小選挙区での「圧勝」が可能。民主党は小選挙区で36.4%
     の得票を得ているが、実際の議席占有率は17.3%。自民
     党は47.8%で73%の議席占有率。第
1党に有利。

    
≪小選挙区制は大政党を拡大コピーし、
                    小政党を縮小コピーする選挙制度≫

   
*もし、すべての議席が比例代表制だったら
    
05年総選挙の場合】
    
・自民183、民主149、公明64、共産35、社民26、国民8、新党日本12
    
・与党計247、野党計230

   
*アメリカ、二大政党制の悲劇
    
・米イラク反戦運動のシンボル、シーハンさんの「引退」の理由

二。日本の選挙運動、ここがヘンだよ
 
1。選挙と聞いて、何をイメージするか
  
◇名前の連呼、投票依頼の電話、テレビ報道は「注目選挙区」重視。
  
◇観客民主主義、おまかせ民主主義
    
「選挙は参加するものでなく見るものといった傾向は諸外国でも
    指摘され、『観客民主主義』とも称されています。しかし、本来、選
    挙とは、主権者国民が自らの意思を政治に反映させる重要なル
    ートで、主権者自らが選挙運動にかかわることで、自らの意見を
    自由に形成することが極めて重要であると言えます」
                     
(『ここがヘンだよ日本の選挙』67P)


  ◇おそらく世界一選挙の投票率が高い北欧の例

    
「デンマーク男性と結婚して現地で暮らしている日本人女性は現
    在数百人もいるが、異口同音に、『夫が政治について議論好きな
    ことに閉口しています』と言うほどである。『コネーム』(日本の市
    町村にあたる地方自治体)の議会は、ふつう夜間に開催される
    (議員は昼間それぞれの定職に就いているので、議員手当ては
    きわめて小額である。たとえば人口6万人のヘルシノア市で年間
    約
6万クローネ=約90万円)。議事の模様は地方テレビ局を通じ
    て中継される。議論に異議がある市民は、すぐに抗議できる仕組
    みになっている。投票率は、1998年の国民議会選挙で86.0%」
     
(湯沢雍彦『少子化をのりこえたデンマーク』、朝日新聞社、2001年)

    
「スウェーデンは世界でも有数のハイレベルな民主主義体制を実
    現している国である。私の滞在中に国会議員選挙があったが、日
    本にいては想像もできないような徹底的に明快な選挙戦があり、
    投票率は90%であり、政策選択の情報公開がある」

        (早川潤一『180年間戦争をしてこなかった国』Sanwa、1999年)


    「スウェーデンの総選挙は9月17日日曜日。ちょうど一ヶ月を切る
    ため、いよいよ選挙戦が本格化する。ただ、政策議論は今年に
    入ってからずっと続いてきており、各党とも枠組みがだいたい出
    来上がっている。これからの選挙戦で、それをいかにアピールし
    て票に結びつけるかが鍵になる。
     
スウェーデンの総選挙を経験するのは今年で2度目だけれど、
    日本と比べていいなと思うのは、立候補者が数台の車を連ねて、
    あちこちを駆け回って、自分の名前を叫び続ける『連呼』がない
    こと。これは選挙制度が基本的に「比例代表制」だから、立候補
    者個人を売り出して、票を集めるのではなく、党としての政策を
    アピールすることに力点が置かれるからだ。…だから、党として
    の街頭演説はもちろんある。それから、広場など人通りの多いと
    ころで、各党は『選挙小屋(valstugan)』を建て、関心を持った有権
    者に情報提供をしたりする」
             
(スウェーデンに暮らしている日本人のブログから)

 
2。「あれもダメ、これもダメ」で、有権者から政治を遠ざける日本の選挙制度
  
◇簡単に言えば、選挙になればなるほど、選挙情報に規制の網がかかる

   
≪日本の選挙制度の?≫

    *戸別訪問の禁止
    
*「事前運動」の禁止
      
「選挙期間を短縮し、事前運動も禁止されていて、はたして、
      主権者国民はこの短期間に候補者の政見、政策をはたして
      知ることができるのか。政治活動と選挙運動を峻別している
      ことも含めて検討すべき重大な問題であり、憲法
21条からみ
      て違憲の疑義が残ろう」(吉田善明『政治改革の憲法問題』)
    
*インターネット選挙運動の禁止
    
*公務員の選挙運動の禁止
     
【国公法弾圧堀越事件-ビラをまいただけで逮捕!?】
            
2003年11月の総選挙の前、東京・目黒社会保険事務所職員
             の堀越氏が休日に職場から離れた中央区の自宅近くで「赤
      旗」号外などを配布したことが国家公務員法・人事院規則に
      違反するとして04年3月になって逮捕・起訴された事件。当日、
      堀越氏宅、共産党千代田地区委員会、同党中央区議宅、同
      後援会事務所、目黒社会保険事務所、東京社会保険事務局
      の6か所が強制捜査を受け、パソコン、名簿、区議個人の手
      帳まで多数の物品が押収された。
    
*未成年者の選挙運動の禁止
    
*選挙期間本番での「複雑怪奇」な規制
    
*高すぎる供託金

  
◇これらの底流にあるのは、自民党政治の延命策

 
3。憲法21条をかかげて
  
◇歴史の反省の上に生まれた「表現の自由」
  
◇基本的人権のなかでも最も重要なものの一つ

さいごに:まだ、「戦争反対って言える」

以上。


感想交流もそれぞれの経験などふまえて、
よい感じだったと思います。

日本の選挙の「民主化」も必要な課題ですねぇ。
4月のいっせい地方選挙でも感じましたが、
選挙になればなるほど、訴えにくくなる、というのは、
本当におかしなことです。
選挙制度の「規制緩和」が必要です。

小選挙区制度のうえに虚構の多数を得ている
自公政権に、参議院選挙で痛い目にあわせてやりましょう!

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コメント

昨晩は救援会倉敷支部の学習会講師ありがとうございました。諸外国と比べ、規制の多すぎる日本の選挙制度を再認識することができました。
でもあの写真だけはちょっと…。寂しすぎます。
10人集まったときの写真にして欲しい。

投稿: (須) | 2007年6月 7日 (木) 18時33分

(須)さんコメントありがとうございます。

写真は・・・参加者に断わりなしに
顔が写ったらまずいかなと思っているので、
いつも学習会の始まる前の写真が多く
なっているのです。すみません!

今後ともよろしくお願いします。

投稿: 長久 | 2007年6月 7日 (木) 20時59分

石川康宏さんの近著「いまこそ、憲法どおりの日本をつくろう!」や故石川真澄さんのコメント(「どうする日本の教育」)は、日本の政治教育の遅れを指摘している。教育基本法(改悪前、後とも)で政治教育の充実をうたっていてもである。理念、思想、政策の違いにもとづいて、国民(有権者)が選択する経験の乏しさ、ある意味アメリカ以上に違いの小さい日本の「二大政党制」(自民党の元幹事長が民主党の現代表ですよ!)、テレビの映像で本質が見えなくさせられていることなど、日本の政治後進性はちょっと深刻です。それも突破して真の野党が躍進するのは、日本の民主主義発展のうえでも大事なことですよね。

投稿: 坪中 明久 | 2007年6月 8日 (金) 00時05分

坪中さんありがとうございます。

まだ石川さんの最新パンフ読んでないんですよー。
日本の政治変革は、ほんとうに大事業ですが、
やっぱり私たちの運動のあり方もどんどん、
発展させていかないといけないかなーと思います。

また政治談議しましょう!

投稿: 長久 | 2007年6月 8日 (金) 16時12分

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