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2007年6月29日 (金)

憲法がある、ということ

今週から、怒涛の「学習月間」がはじまりました!
学習協の、ではなく、
岡山医療生協の「学習月間」なのですが。

ということで、今週、来週、さ来週と、
3週間ぶっつづけで、月曜~木曜日の昼間に、
1時間の学習会を行います(12:45~13:45)。
内容はすべて同じ。講師も同じ(私)。
週に4日間×3週間。つまり全部で12回の学習会のうち、
「職員全員が、必ずどこかに参加するべし」というものです。

中身は憲法。
改憲手続法が通ってしまったこともあり、
本腰を入れて憲法を位置づけてたたかう
という医療生協の気迫です。

で、さっそく今週、月~木まで、4回の学習会を
行いました。今週の会場は
東中央病院の会議室
4回で合計70名ぐらいの参加だったと思います。

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 はじまる前の様子。







以下、講義の内容です。

「憲法がある、ということ」

はじめに:空気のありがたさは、普段意識しない。
      
憲法の存在も、空気の存在と、似ている。
      
「憲法がある」ということ。

一。日本の戦争は美しかったか
 
1。日本の侵略戦争だった
   
◇アジアでは、日本の侵略戦争によって2000万人以上が犠牲に。
    日本は、戦争を引
き起こした側。
    日本人も、310万人の命が失われた。
   
◇日本人にとっては、中国人は「チャンコロ」であり、フィリピン人は
    「黒ん坊」だっ
た。1人ひとり、名前をもち、家族もあり、生活がある
    のだ、という想像力が失われ
るのが戦争。教育の結果。戦場での
    憎しみの連鎖。
   
◇アジアの人びとの痛み、苦しみ、思いに対する想像力を。
    侵略した側は忘れても、侵
略された側は忘れない。
   
◇無数の死者の声なき声、戦争で傷ついた人びとの思いが
    憲法にこめられている。
   
◇憲法9条は、侵略国日本の、アジアと世界に対する国際公約

 
2。兵士は潔く、美しく死んだのか
  
◇「俺は、君のためにこそ死ににいく」?
   
*描かれない「戦争の現場」
     -どのような姿となって、兵士たちは死んだのか?
   
*兵士の命は「鴻毛より軽し」(軍人勅諭)-消耗品として

     
「ひとりにはひとつの命、というのは実感だもんねえ。海軍に
     入って、夜はハンモックをつるして寝るんですが、当時の軍
     隊では人間よりハンモックのほうが大事だった。練兵場の一
     番はずれにハンモック用の防空壕があって、空襲警報が鳴
     るとまずハンモックをたたんでそこへ持って行き、ハンモック
     の安全を確保しなければならない。一番安いものは人間だと
     いうことになっていて、『おまえらの代わりは1銭5厘(はがき
     の値段)でいくらでもくる。ハンモックがいくらするかわかるか』
     と何度いわれたことでしょうか。もうめちゃくちゃだったねえ。
     僕らは員数として扱われた。員数のひとつだと思い知らされ
     た。けれども数じゃない。ひとつひとつが大事な命だぞ、と。
     それは、本当の、僕の心の底からの叫びだもの」
          (島本慈子『戦争で死ぬ、ということ』岩波新書より、
                
城山三郎さんのインタビュー部分を引用)

  
◇日本軍の兵士のうち、半数以上は、飢えなどが原因による
   広義の餓死者だった。

 
3。日本国憲法前文の、「決意」
  
◇反戦の誓いとその決意

  
◇「個人の尊重」を柱とした基本的人権の確立

二。安倍内閣が目指す「美しい国」とは?
 
1。「日本の戦争は正しかった」という靖国派が独占する安倍政権
  
◇閣僚18人中、15人が靖国派。

 
2。自民党の新憲法草案
  
◇そのポイント
   
①侵略戦争の反省を前文からスッパリ消している
   
②自衛隊を海外でアメリカと戦争をする軍隊につくりかえる
   
③国民へは責任や義務をおしつけ、基本的人権は「お上の許す範囲で」
   
④憲法改正のハードルを低くし、さらなる改憲をねらう

  
◇「現行憲法が変えられた社会」では、何が起こるのか-想像力を
   
*自衛隊がイラク人を殺せるようになる(アメリカの戦争に加担)
   
*「公の秩序の維持」という名目で、自衛軍が国民に銃を向ける
    ことが可能。
   
*彼らの言う「愛国心」を強制される。基本的人権も制限。
   
*行政サービスの費用は住民が負担せよ。

 
3。「戦争できる国」を先取りする動き
  
◇教育基本法の改悪
   
*日本国憲法とのつながりを絶ち、
国家統制のもとでの教育に。

  
◇防衛庁→防衛省の誕生
   
*自衛隊の任務は「日本防衛」に限定されていたが、
海外活動を
    「本来任務化」に格上げ。
   
省昇格で権限は大幅増。予算要求や法案提出が可能に。
    
防衛出動の承認を得る閣議開催も独自に要求できる。
   
*民主党も省昇格法案に全員賛成(1人も反対せず)

  
◇「壊憲」のための改憲手続法(国民投票法)
                -最短で3年後に改憲案発議・国民投票
   
*最低投票率の定めがない(少数の賛成で改憲可能)
   
*公務員・教育者に対する運動規制(国民主権に抵触)
   
*有料意見広告野放し(金の力で世論誘導可能)
   
*投票は条文ごとでなく、まとめて方式に(9条だけだと反対多数のため)

三。憲法がある。選挙がある。
 
1。医療労働者として憲法を考える
  
◇いのちに向きあう仕事として
   
*「いのちのSANBA9条の会」(埼玉協同病院)
   
*イラクで生まれてくる子どもたちも、同じ人間ではないのか?
    
・米軍は湾岸戦争・イラク戦争で、イラク国内で大量の劣化ウラン
     弾を使用。子どもは成人より
10~20倍も放射線の影響を受けや
     すい。そのため、子どもの白血病や癌が激増。劣化ウラン弾が
     使われた地域では、先天性奇形が倍に増えた。目が一つしか
     ない赤ん坊、無頭症の赤ん坊が生まれている。

    
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
    平和のうちに生存する権利を有することを確認する」(日本国憲法前文)

   
*航空自衛隊は、今もイラクで米軍の支援活動を行っている!

  
◇憲法のカナリアとしての25条
   
*貧困は、戦争へとつながっていく

    
「出会った高校生たちは口々に私たちに訴えた。『正社員で雇って
    くれるところだったら、どこでもいいんです。安くても、厳しくてもい
    い。でも本当に雇ってくれない』『この村で一番良い働き口は自衛
    隊です。公務員だから安定しているんです。それ以外、目指す就
    職先はありません。去年、合格した人はヒーローでしたよ』…(中略)
    …行き場のない彼らがこの先どう生きていくのか、それほどまでに
    地域社会は疲弊しきっているのか。『ワーキングプア』へとつなが
    る取材は、こうして始まった」
                     
『ワーキングプア-日本を蝕む病』)
   
*閉塞感を打ち破るには「戦争しかない」という若者も

  
◇21世紀版「大砲(戦争)か、バター(福祉)か」
   
*自衛軍ができれば、軍事費は間違いなく膨張していく
    (いまでも年間5兆円)
   
*福祉や医療費は抑制される

 
2。憲法がある、そして、選挙もある!
  
◇堤未果さん(ジャーナリスト)-いま9条に恩返し
   
「改憲派の暴走に『無力感を感じる』という声もあります。でも私たちに
   はまだ一票という武器があります。六十年、九条に守ってもらってきた
   お返しを、今度は私たちがするときです」
  
◇あさのあつこさん(児童文学者)-子らに伝えたい“変える力”
   
「毎日普通に生活している私たちが少しずつ動いていかないと恐ろし
   いことになると思うんです。・・・子どもたちに『これからあなたたちの生
   きていく社会はろくなもんじゃない』とは絶対語れない。『生きるに値す
   る社会だよ』といいたいし、何より『君たちは社会を変えていく力があ
   る』と伝えたい」


以上。

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