« 大瀬校長・いのちの授業 | トップページ | いよいよ今夜開校 »

2007年5月 9日 (水)

君たちはどう生きるか(2)

今日は朝いちからソワニエ看護専門学校で3回目の講義。
『君たちはどう生きるか』を使っての2回目の講義でした。

が、今日の範囲はだいだい読めばわかる内容でしたので、
思い切って「読書日記」のほうに時間をさきました。

紹介した本は大瀬校長を紹介した『いのちの授業』(神奈川新聞報道部)。
そこから関連する絵本を3冊読み、内容を深めることをしてみました。
 紹介した絵本は、
 『100万回生きたねこ』(佐野洋子、講談社)
 『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ、評論社)
 『くまのこうちょうせんせい』(こんのひとみ、金の星社)


どの絵本も、大人こそよむべき内容。
私なりの解釈もふくめ、語ってみました。

そして、気がつけばもう50分がすぎ・・・。


今日の「コペル君」は駆け足で内容を押さえただけになってしまいました。

以下、その内容。

1。「おじさんのノート」部分を読む


2。客観的命題と主観的命題
 
◇客観的命題とは
   
「君は、水が酸素と水素から出来ていることは知ってるね。それが
   
一と二との割合になっていることも、もちろん承知だ。こういうこと
   は言葉でそっくり説明することが出来るし、教室で実験を見ながら、
   ははあとうなずくことが出来る」(51
P)

  
*客観的命題が正しいか、正しくないかは、「事実と合っているかど
   うか」によってたしかめることができる。

    
・「ソワニエ看護専門学校の住所は○○である」
    
・「テレビドラマ『華麗なる一族』の最終回視聴率は、
     関西で紅白を上回った」
    
・「フランス大統領にサルコジ氏が当選した」

 
◇主観的命題
   
「ところが、冷たい水の味がどんなものかということになると、もう、
   君自身が水を飲んで見ない限り、どうしたって君にわからせること
   が出来ない。誰がどんなに説明して見たところで、その本当の味
   は、飲んだことのある人でなければわかりっこないだろう」

   
*正しいか正しくないかの判断が、好み(価値観)や認識の違いに
    よってちがってくる命題

    
・「看護労働はすばらしいものだ」
    
・「『華麗なる一族』は見ごたえのあるドラマだった」
    
・「サルコジ氏の当選でフランスはきっと良くなるだろう」

   
*おじさんノート52P~53Pの部分をちょっと変えてみます

     
「たとえば看護労働の意味や役割、面白さなども、味わっては
     じめて知ることで、すぐれた看護に接したことのない人に、いくら
    説 明したって、わからせることは到底できはしない。殊に、こうい
    うものになると、ただ眼や耳が普通に備わっているというだけでは
    足りなくて、それを味わうだけの、心の眼、心の耳が開けなくては
    ならないんだ。そういう心の眼や心の耳が開けるということも、実
    際に、すぐれた看護に接し、しみじみと心を打たれて、はじめてそ
    うなるのだ。まして、人間としてこの世に生きているということが、
    どれだけ意味のあることなのか、それは君が本当に人間らしく生
    きて見て、その間にしっくりと胸に感じとらなければならないことで、
    はたからは、どんな偉い人を連れて来たって、とても教えこめるも
    のじゃあない。

     むろん昔から、人間の生き方や、医療・看護について、深い智慧
    のこもった言葉を残しておいてくれた、偉い哲学者や、偉い医師、
    看護師さんはたくさんある。今だって、本当の思想家、本当の医師・
    看護師といえる人は、みんな人知れず、こういう問題について、ず
    いぶん痛ましいくらいの苦労を積んでいる。そうして、著書や論文
    の中に、それぞれ自分の考えを注ぎこんでいる。書いてることの底
    には、ちゃんとそういう智慧がひそめてあるんだ。だから、君もこれ
    から、だんだんにそういう書物を読み、立派な人々の生き方や仕事、
    考えを学んでゆかなければいけないんだが、しかし、それにしても最
    後の鍵は、-○○君、やっぱり君なのだ。君自身のほかにないのだ。
    
君自身が生きて見て、また看護という仕事にふれてみて、そこで感じ
    たさまざまな思いをもとにして、はじめて、そういう偉い人たちの言葉
    の真実も理解することが出来るのだ
。数学や科学を学ぶように、た
    だ書物を読んで、それだけで知るというわけには、決していかない」

 
3。人生、4つの大事(安斎育郎さんの問題提起)
  
①どんな価値のために生きるのかを自分なりに発見する
   
*毎日なんとなく生きるのではなく、なにか意味のある生き方、自分
    
が納得できる生き方をする。生きることによって、どんな価値を実
    
現しようとするのか。
   
*いろいろな価値をかかげて人生を生き抜いたたくさんの先輩たち
    
の生き方を知ること。そのことに共鳴したり反発したりしながら、
    「こ
れぞ価値のある生き方だ」というものを見つける。
   
*人の生き方についての小説や自伝を読んだり、映画や演劇を見
    り、話を聞いたりすることもとても役立つ。人の生き方に関心を

    ち、ゆたかな経験に学ぶ。
  
  
②価値実現のために主体的に生きる
   
*自分なりに「価値ある」と思うものが見つかったら、その価値が「た
    なぼた式」に天から降ってくるのを待っているという受け身の姿勢
    ではなく、その価値を実現するために自然や社会に能動的にはた
    
らきかける主体性をもつこと。
   
*そのような主体性な努力をしてみると、自分のかかげた価値を実
    現するための道すじには、いろいろな困難が待ち構えていることが、
    
すぐにわかる。
   
*その困難を前にして、「やーめた」と放棄するのではなく、それを克
    服する悪戦苦闘の道のりに挑戦すること。

  
③自然や社会のしくみについて科学的認識を習得する
   
*価値実現のために、働きかける対象(自然や社会や人間)につい
    て、体系的・合理的な認識をもって、どこにどう働きかければその
    価
値の実現ができるのか、その道すじを科学的に展望する。その
    ため
には、自然科学、人文科学、社会科学の基本をしっかりと学
    習し、
科学的な世界観を身につけることが大事。

  
④自分の価値観を相対化する
   
*自分のかかげた価値が「絶対」だと思い込むと、自分と違う価値を
    かかげている他人が邪魔になり、ぬきさしならない対立をまねくこ
    と
がある。

以上。


感想文を読むと「絵本授業」は、よかったみたいでした。
それぞれ、これまで生きてきた人生や出来事があり、
それを背景にして、いろいろなものを絵本から受けとるようです。
これも、絵本そのものの力のおかげですが。

また、先週授業のなかで紹介した本を
「本屋で探したけどなかったので、よければ貸してください・・・」
という学生さんもいました。

こういう反応があると、やっぱりうれしいもんです。


|

« 大瀬校長・いのちの授業 | トップページ | いよいよ今夜開校 »

講師活動」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/175096/6355928

この記事へのトラックバック一覧です: 君たちはどう生きるか(2):

« 大瀬校長・いのちの授業 | トップページ | いよいよ今夜開校 »