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2007年3月 9日 (金)

おもしろ憲法講座(3)

今日は、憲法の「読み方の順番」について考えます。
憲法を「全文読み」するのは、かなり労力がいります。

そこで、読むコツを学習会などで紹介することがあります。
勝手に「長久読み」と名づけていますが・・・。

どんな読み方かと言うと、「1章と10章を入れ替える」ということです。
日本国憲法の構造は、つくるときに「明治憲法と同じ構成で」、
という制約があったものですから、国民主権の憲法でありながら、
第1章に「天皇」の条項がきています。

それを最後にまわし、かわりに10章の「最高法規」をもってきます。
この
第10章は憲法が自分のことを「自己紹介」しているところです。

「わたしく憲法は、こういうものであります」と、
3つの自己紹介をしています。

97条
「わたくしには、人類が長い時間をかけて勝ちとってきた基本的人権
というものが書かれています。これは過去のいろいろな苦難の歴史を
のりこえて獲得されたもので、今と未来の世代の人びとに、信じて手
渡されたされたものであります」

98条
「わたくしは、日本国の最高のルールなのであります。だから、私に
書かれていることに反する法律や行為は、無効なのであります。
 また、国際的に決められたルールで、日本がそのルールを締結した
場合は、これを国内に誠実に取り入れ、守っていくものであります」

99条
「わたくしが命令したことをしっかり守り、それにもとづいて仕事を
しなければならないのは、天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁
判官やその他の公務員であります」


と、いう感じの自己紹介なんです(長久解釈)。

でもって、現行憲法では、自己紹介が一番最後に書かれている
からわかりづらいのです。これを一番最初にもってくる。
こうすれば、憲法とはどんなものかがまずすっきりわかり、
格段にその後の条文が読みやすくなると思うのですが、いかがでしょうか。


実際に、その構成だと、こんな感じになります。



日本国憲法


 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて
行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による
成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政
府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにする
ことを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法
を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであ
つて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこ
れを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍
の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、
これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する
崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公
正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠
に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占め
たいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免
かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無
視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なもので
あり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関
係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と
目的を達成することを誓ふ。



第十章 最高法規


第九十七条
 
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわ
たる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多
の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永
久の権利として信託されたものである。 


第九十八条

この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命
令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その
効力を有しない。

 
②日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実
に遵守することを必要とする。 


第九十九条
 
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員
は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。



第二章 戦争の放棄


第九条
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際
紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを
保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



第三章 国民の権利及び義務

第十条
 
日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

第十一条

 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が
国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利とし
て、現在及び将来の国民に与へられる。


第十二条

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力
によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用し
てはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する
責任を負ふ。


第十三条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求
に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法
その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第十四条

 
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会
的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、
差別されない。

②華族その他の貴族の制度は、これを認めない。 
 ③栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典
の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受けるものの一代に限り、
その効力を有する。



(以下省略)



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