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2007年2月17日 (土)

夢やぶれる!?

『禁断の科学』(池内了、昌文社、2006年)を読み終えました。

科学の功罪、科学者の社会的責任について、深い考察をくわえていて、
たいへん勉強になりました。科学者もたいへんだー。

とりあえず、目次をご紹介します。

【第1部 戦争と科学者】
  1章 戦争と科学者の関わり-真理と倫理のジレンマ
  2章 第1次世界大戦-国家が科学者を戦争に駆り立てた
  3章 マンハッタン計画-これで我々は全員悪党だよ
  4章 日本の戦時科学者-歪められた愛国心
  5章 ロケット開発-宇宙への夢とミサイルの悪夢
  6章 冷戦下の科学-歯車としての科学者
  7章 科学者の「ノー」-平和運動のひろがり
  8章 科学者の社会的責任-求められる倫理規範

【第2部 現代科学の光と影】
  9章 原子力の現代-原発を巡る諸問題
 10章 ITがもたらすもの-情報化社会と監視社会
 11章 人工科学物質-食の科学
 12章 遺伝子操作の論理-神の代役をする科学者
 13章 未来技術の明暗-ロボットとナノテクノロジー


いろいろと紹介したい内容があるのですが、
私の個人的関心事で、「ガーン」と思ってしまったことだけ、ご紹介します。


私の人生の目標のひとつに、「宇宙から地球をみる」というものがあります。

しかし、池内さんは「ロケット開発」の章で、

誰もが宇宙へ行ける時代(宇宙観光の時代)が来るのだろうか
ゆくゆくは、月や火星へ移住することが人類の目標となるのだろう
か。
私は、そうはならないと考えている」と述べています。

なぜなら、まだまだロケットに人を乗せて運ぶには、
安全性が確立していないからだ、というのです(涙)。

現在のロケットの成功率は約98%。
アメリカのスペースシャトルは114回のフライトで2回の大惨事を
引きおこしているし、日本のHⅡロケットも失敗を繰り返している。
50回に1回の危険率では安全な乗り物とはいえない

今、世界中で飛び回っているジェット旅客機の全損事故率は
100万回の出発について0.6件(2003年実績)。
これほど事故率が小さいからこそ、みんな安心して飛行機に乗る。

かりに、ロケットの成功率が99.99%になっても、まだ危ない乗り物といえる。
1万回に1度の事故は少ないように見えるが、現在の飛行機の
運行数で換算すると、10日に1回事故が起こっている計算になる。

飛行機に比べて圧倒的に精密なロケットで成功率を上げることは至難のわざ。
さらに人間を乗せるとなれば、安全装置をより厳密なものにしないと
いけないので、費用が膨大なものになってしまう。
また、発射や着陸の重力変化に耐えるだけの訓練が必要で、
誰でもちょっと宇宙へ行って来るというわけにはいかない。

・・・というのが池内さんの考えです。

もちろん、池内さんは有人飛行すべてに反対しているわけではなく、
その意義も確認したうえで、「あえて固執する必要はない」と言っているのです。


うーむ、うむうむ。
「夢」が少し遠のいた気分・・・

池内さんの予測がよい意味ではずれてくれることを祈っています。

誰でも宇宙に行ける時代、きてちょーだい! 生きてるあいだに。


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