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2006年11月24日 (金)

南京虐殺を見た外国人

今月は「戦争問題」に関する読書が多かったのですが、
また、気分が落ち込む本を読んでしまいました。

『南京難民区の百日-虐殺を見た外国人』
                  (笠原十九司、岩波現代文庫、2005年)

1937年12月。上海攻略に成功した日本軍は、
そのまま当時の中国の首都だった南京への進撃を始める。
しかし、この作戦は、司令官・松井石根の独断で決定される。
上海戦が終われば故郷へ帰れると思っていた兵士たちの
精神は荒廃し、それが中国人民へと、攻撃の矛先がむく。

上海から南京まではおよそ300キロ。
日本軍は侵攻途上の村々で、虐殺、放火、強姦、掠奪をしていく。
中国人は日本軍のことを皇軍ならぬ、
「蝗軍」(いなごの軍隊)とよんでおそれる。
「殺すこと、女性を犯すこと」に慣れきった軍隊が、南京へとなだれこんでゆく。

日本軍が南京にせまってくると、
当時、南京に在住していた外国人のほとんどは南京を脱出していく。
しかし、アメリカ人のキリスト宣教師やドイツ人など、22名の外国人が
中国人難民たちの救済のため、非武装地帯をつくる必要があると自覚し、
南京城内に「南京安全区 国際委員会」(難民区域)をつくり、
日本軍の蛮行から多くの人びとを救う活動をはじめる。

この本は、その難民区で活動した外国人の日記や記録を中心に、
当時の南京で起こったことの全体像を浮き彫りにしている。

日本軍による虐殺。それは南京城内だけでなく、
周辺の広大な地区の農民も被害者となる。
そして、強姦、強姦、強姦・・・。

南京大虐殺は「まぼろし」「なかった」というような主張がある。
歴史研究の積み重ねを無視しているとしかいいようがないし、
南京の中心で“大虐殺はなかった”と叫ぶ勇気があるならいざしらず、
まったく被害者と向きあおうとしないこうした議論を許すわけにいかない。

南京大虐殺は、被害者の証言、
当時南京にいた外国人の日記や調査記録、
加害者であった日本軍の「戦闘詳報」「陣中日誌」や兵士個人の「日記」、
など、多くの記録資料が存在する。

「事実にたして謙虚であること」が、歴史と向きあう最低限の責任だと思う。
そして、日中戦争を象徴する南京事件については、
日本人は、誰もがある程度の概要は知っておくべきではないか。

この本は、その助けとなるはずです(読むのはしんどいけど)。

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