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2006年11月11日 (土)

夢を語る力

今日の午後、倉敷医療生協労組のパート部会大会
講師で行ってきました。会場は健寿協同病院の会議室。

13時から大会が始まり、私は後ろのほうで
いただいたお弁当をパクパク食べながら大会の様子を聞いていました。
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わずか30分で大会の議事は終わり(これでいいのだろうか?)、
続いて記念講演に。参加者は13~14名ぐらいでした。
「夢を語りあえる労働組合を」というタイトルで話しました。
タイトルだけは大きくでました(笑)。

でも、いまの労働運動の現状をみていると、
この「夢を語れる力」というのが、とても大事だと思っているんです。
自分たちの職場や、日本社会を「こうしたい」「こう変えていくんだ」
ということを語れる力です。

さて、話の中身はおおまか、こんなかんじでした。

日本の労働組合の組織率は現在約18%。5人に1人。
世界で一番組織率が高いのは北欧で、8割が入っている。
日本の場合は、入っていても、「組合費を払っているだけ」の人も多い。
では、労働組合は必要のない組織になったのか?  そうではない。

働く人びとの現状をヨーロッパと比較してみる。
 ・労働時間・休暇
  日本は残業規制がない。サービス残業もまんえんしている。
  ドイツやフランスは、年間労働時間は約1600時間
  日本は約2200時間。1週間あたり12時間も多く働いている。
  男性労働者の平日の平均帰宅時間(東京)20時49分。絶望的だ。
  スウェーデンは17時11分。家事も育児もできる。
  有給休暇は「取れたら取る」で、平均取得率は50%をきっている。
  ヨーロッパは完全取得で、連続取得があたりまえ。バカンスに行く。
 ・最低賃金
  日本の最低賃金は地域別最低賃金。岡山は648円。ひと月11万円だ。
  ヨーロッパは全国一律最低賃金。月額17万円~20万円だ。
  日本の最低賃金をヨーロッパ並みに引き上げるだけで、時給は1000円。
  ヨーロッパは、この間、最低賃金を大幅に引き上げている。政治の責任で。
 ・パート雇用
  ヨーロッパは、パートも正規労働者。時間が短いだけ。
  日本は非正規労働者=下級の雇用形態を意味する実態になっている。
  無権利状態。雇用の調整弁。差別を実質的に規制する法律がない。
 ・格差社会になっている
   生活保護世帯、貯蓄ゼロ世帯の激増。健康格差、雇用格差、教育格差。
  ワーキングプアの増大。一生懸命働いても貧困から抜け出せない。
  一方で「富裕層」は増えている。大企業の巨額のもうけが分配されている。
 ・社会保障や年金は連続的な改悪
  医療、介護、年金、各種控除の廃止、大増税…
   「国の財政がたいへんだから」→税金の集め方、使い方の問題
  大企業減税、大型公共事業のムダ、軍事費のムダ

そもそも労働組合とは?
労働組合は、18世紀末、イギリスで生まれた
イギリスの労働者の働く環境はサイアクだったが、パブなどでの話し合い
を通じて、お互いの共通の要求に気づく。みんな同じ気持ちなんだ。
人間としての叫びが、労働組合を生んだ。

先輩たちがたたかって勝ちとってきたのが「私たちの権利」
何ひとつ、資本家がプレゼントしてくれたものはない。全部たたかった結果。
労働基準法の第1条は「人たるに値する生活」と労働条件を規定している。

憲法の基本的人権をものさしに
97条「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」が基本的人権
13条、25条、26条、27条、そして、28条。
憲法は私たちに「労働組合をつくってたたかえ!」とよびかけている。
それは先人たちから「信託された(信じて託された)」バトンでもある。

そもそも労働者とは?
生産手段をいっさいもっていない人。自宅では働けない。
生産手段のもとに「出勤」する人。
日本では5200万人いる。就業人口の8割。
職場でも日本全体でも、圧倒的に数が多い。

労働者の特徴 ①数が多い、②1人では弱い。
資本家は生産手段をもっているため、「かわりを雇えるんだぞ」と言える。
労働者は1人でたたかったら勝てない。だから団結する。
イタリアでは、2002年の4月に、労働者の9割、1300万人が参加して、
8時間のゼネラルストライキを行っている。これが労働者の力。

いま求められている労働組合
おかしいことを、みんなでおかしいと言おう。1人でグチッてても、変わらない。
いろんな違いをわきにおいて、共通の要求を大事に育てて、団結する。
日本の労働者が、「おかしいぞ」と声をあげることが、日本の未来をひらく。

「人たるに値する生活」とは何かをつねに問いかける
「おかしい」と言うためには、「おかしい」と思えなくてはいけない。
権利意識を育てる。「これがあたりまえ」と思わない。
政治に関心をもって。労働組合で学ぼう。

きびしい情勢だからこそ、「夢をもつ力」が必要だ。
“ピカピカ光る背中をもつ人間”のたくさんいる労働組合になろう。


以上、約1時間の話でした。


終了後、出た質問も、たいへん切実なもので、書きたいところですが、
もう疲れました(涙)。すみません。

これから岡山労働学校のコンパなのです。
今日はしっかり飲んで、受講生と交流するぞぉ。

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